ストロンチウム汚染 strontium 90 part 3

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福島1号機、震災5時間で容器破損 保安院解析

2011年6月7日 02時00分

福 島第1原発の事故で、経済産業省原子力安全・保安院は6日、1~3号機の原子炉内の核燃料が溶けて落下するメルトダウン(炉心溶融)が起きてい たとする独自の解析結果を発表した。最も厳しい想定では、地震発生後に1号機の圧力容器が破損した時間は、先に公表していた東京電力の解析より約10時間 早いと指摘している。地震から5時間後の3月11日午後8時には既に危機的状況だった可能性があることが分かった。

西山英彦審議官は会見で「事故の進展が非常に早いと痛感した。少しの対応の遅れが炉心溶融につながる」と述べた。メルトダウンを示す同様のデータは東電も5月24日に公表済み。保安院は地震直後のデータを反映させ、東電より精度が高いとしている。

解析によると、1~3号機の圧力容器内の核燃料はいずれも大部分が容器下部に溶け落ち、一部が外側にある格納容器に流出。溶けた燃料は圧力容器の下にたまった水で冷え、現在は、残った燃料が水蒸気で冷却され安定している状態という。

最も厳しい条件で解析した場合、1号機は地震から3時間後、津波到達から2時間後の3月11日午後6時ごろに圧力容器内の水位が低下、過熱した棒状の核燃料が壊れ始めた。燃料が溶け落ちて一部が格納容器へ漏れ始めたのは同日午後8時で、東電の解析より10時間も早い。

他号機の圧力容器が損壊を始めた時間は、2号機は東電より29時間早い3月14日午後11時。一方、3号機は13時間遅い同日午後10時と解析している。

1 号機の原子炉は、米国のゼネラル・エレクトリック製。東電初の原子炉として1971年に稼働を始めた。1号機と同型機は日本には日本原子力発電の敦賀原 発1号機(福井県敦賀市)があり、東電より早い70年に送電開始し、現在は定期検査で停止中。西山審議官は「今回の事故から問題点を洗い出し、対策を考え たい」と強調し、敦賀1号機への対応を検討する意向を示した。

保安院は今回の解析を受けて地震直後から3月16日までに福島第1の1~3 号機から外部に放出された放射性物質の総量は77万テラベクレル(テラは1兆)と発表。これまでは37万テラベクレルとしており、2倍以上に修正。格納容 器からの漏出を多く見込んだため。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の総放出量は520万テラベクレル。

(中日新聞)

1号機の炉心溶融、地震発生から5時間後だった 保安院
東電見解より10時間早く 2・3号機も食い違い

2011/6/6 21:29

  経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第1原子力発電所1号機では東日本大震災当日の3月11日午後8時ごろに炉心溶融(メ ルトダウン)となり、圧力容器が破損したとする独自の解析結果を発表した。電源喪失から炉心溶融までの経緯に違いはないが、東電の解析よりも約10時間早 い、地震発生後わずか5時間で、原発事故として最悪の事態になっていた。

1~3号機で事故直後から3月16日までに大気中に放出された放 射性物質の量も77京(京は1兆の1万倍)ベクレルと試算した。4月中旬、 「国際原子力事象評価尺度(INES)」で最悪の「レベル7」になったと発表した際の見積もり(37京ベクレル)の2倍で、1986年のチェルノブイリ原発事故時の7分の1程度に相当する。

今回の保安院の解析結果は、20日からウィーンで開かれる国際原子力機関(IAEA)の閣僚級会合に提出する政府の福島原発事故の報告書に反映される。

保 安院は東電が提出した事故直後の原子炉圧力や温度などのデータをもとに独自に解析した。1号機では3月11日午後5時ごろに圧力容器内の 水位が下がり、燃料棒が露出、同6時ごろから損傷が始まった。東電の解析では燃料棒露出が同6時ごろ、損傷が同7時ごろで、それぞれ約1時間早くなった。

一方、2号機が炉心溶融になったのは東電の解析よりも29時間早い、3月14日午後11時ごろ。3号機は逆に13時間遅い、14日午後10時ごろだった。

今 回の解析結果が東電の解析と食い違う理由について、保安院は「解析手法や入力する際の想定データなどが違うため」としている。また、大気 中に出た放射性物質の量を大幅に上方修正したのは、2号機の放出経路が圧力抑制室経由だけでなく、格納容器にあいた穴からも出たと推定を改めた結果だとい う。

大気中に放出77万テラベクレル

福島第一原発の事故で大気中に放出された放射性物質の量について、原子力安全・保安院は77万テラベクレルだったという新たな推定結果を明らかにしました。これまで公表されていた値のほぼ倍の値です。

原子力安全・保安院では、東京電力から先月提出を受けた記録などを元に、福島第一原発でどのような事態が起きていたかをプログラムで解析し、その結果を公表しました。

記録を元にした解析では、3月11日から16日までに大気中に放出された放射性物質の量について推定していますが、その量は77万テラベクレルと今回の事故をレベル7と評価した際に発表した量のほぼ倍となっています。

前回の推定では、2号機からの放出は放射性物質の量を減らす効果がある圧力抑制室を通じての放出としていたのに対し、今回は格納容器からも直接大気中に放出されたとして計算した結果、全体の放出量が2倍になったと保安院は説明しています。

今回の解析結果は、日本政府がIAEAに提出する報告書にも盛り込まれる予定です。(07日00:09)

放射性物質:77万テラベクレル…総放出量を上方修正

  経済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の総量について、これまでの37万テラベクレル(ベクレル は放射線を出す能力の強さ、テラは1兆倍)から77万テラベクレルへと上方修正する解析結果をまとめた。内閣府原子力安全委員会の推計の63万テラベクレ ルに対し、過小評価との指摘が出ていた。安全委員会に報告したうえで、国際原子力機関(IAEA)閣僚会議に提出する日本政府の報告書にも盛り込む。

総放出量は4月12日、国際原子力事象評価尺度(INES)でチェルノブイリ原発事故(総放出量520万テラベクレル)と同じ最悪のレベル7に引き上げた際に、保安院と安全委員会がそれぞれ発表した。

安全委は原発周辺で計測された放射線量などから、事故直後から4月5日までの間の大気中への放出量の逆算を試みた。一方、保安院は炉内の状態から試算。今回の見直しでは、2号機、3号機の爆発後の放出量を加えるなどした。

INESでは、数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出がある場合をレベル7と定めており、上方修正でもレベルは変わらない。【足立旬子】

毎日新聞 2011年6月6日 15時00分(最終更新 6月6日 22時15分)

メルトダウン「5時間後」=放射能放出、2倍と推計-保安院が解析・福島第1原発

東 京電力福島第1原発事故で、経済産業省原子力安全・保安院は6日、1号機の原子炉が大地震か ら約5時間後の3月11日午後8時ごろ、メルトダウン(炉心溶融)に至ったとする解析結果を公表した。東電はメルトダウンが、地震から約16時間後の翌 12日午前7時前に起きたとしていた。保安院は「条件設定が違う」と説明、今回の解析がより実態に近いとしている。
また保安院は、同原発から放 出された放射性物質の量を、事故から約6日間で77万テラベクレル(テラは1兆)と推計。4月に今回の事故を国際原子力事故評価尺度(INES)で史上最 悪のレベル7と暫定評価した際は、同原発周辺で計測された放射線量などから37万テラベクレルと推計しており、2倍以上に膨らんだことになる。
細野豪志首相補佐官は、政府・東電統合対策室の記者会見で、原子炉の現状評価は変わらないとして「(事故収束の)工程表に影響するとはみていない」と述べ た。政府は事故報告書に保安院の解析結果を盛り込み、ウィーンで20日から開かれる国際原子力機関(IAEA)閣僚級会合で提出する方針。
保安院は、東電から報告を受けた地震前後の運転データなどを基に解析。1号機では溶け落ちた燃料が原子炉圧力容器を破損した時間帯を、地震から約5時間後と推定した。
2、3号機では圧力容器内の水位が維持できなかったと想定した場合、2号機は地震から約80時間後の14日午後11時ごろ、3号機は約79時間後の同日午後10時ごろ、圧力容器が破損した可能性が高いとの結果を得た。
東電はメルトダウンの時間について先月、2号機は約101時間後の15日午後8時ごろ、3号機は約60時間後の14日午前3時ごろとの推定結果を発表していた。(2011/06/06-22:04)

1号機、地震5時間後に圧力容器破損…保安院

経 済産業省原子力安全・保安院は6日、東京電力福島第一原子力発電所1~3号機について、原子炉の核燃料(炉心)が溶け落ちた様子の詳しい解析結果を公表し た。 東電による簡易解析に比べ、1号機は10時間、2号機は29時間も早く圧力容器が破損していたと推定した。これに伴 い、放射性物質の総放出量は放射性ヨウ素換算で77万テラ・ベクレルに上り、4月12日に公表した推計値の2倍になった。20日にウィーンで始まる国際原 子力機関(IAEA)の閣僚級会合で報告する。

保安院の解析によると、1号機では地震の3時間後に炉心の損傷が始まった。圧力容器の破損 は、1号機が同5時間後の3月11日午後8時、2号機が 14日午後10時50分、3号機が同10時10分。東電の解析に比べ、1、2号機は破損が早く、3号機は逆に13時間遅い結果になった。2、3号機は炉心 にほとんど水が残っていない場合を想定した。

(2011年6月7日01時28分  読売新聞)

放出77万テラベクレルと修正 第1原発、推計の2倍強

 記者会見する東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理。左は原子力安全・保安院の西山英彦審議官=6日午後、東京・内幸町の本店

  経済産業省原子力安全・保安院は6日、福島第1原発の1~3号機すべてでメルトダウン(炉心溶融)が起き、最も 早い1号機では地震から約5時間後の3月11日午後8時に原子炉圧力容器が破損したとの解析結果を発表した。また発生から数日間に大気中に放出された放射 性物質の量は77万テラベクレル(テラは1兆)と、従来の推計を2倍強に上方修正した。事態が東京電力の解析より急速に進んでいたことを示しており、事故 の深刻さと汚染規模の大きさを裏付けた。

政府は今回の解析を反映させた報告書をまとめ、今月下旬にウィーンで開かれる国際原子力機関閣僚級会合に提出する。

2011/06/06 21:50   【共同通信】

 

原発敷地外でプルトニウム ごく微量、事故で放出か

2011.6.5 22:40

東京電力福島第1原発の正門から約1.7キロの福島県大熊町内の土壌に、今回の原発事故で放出されたとみられる放射性物質のプルトニウムがごく微量含まれていることが5日、山本政儀金沢大教授の分析で分かった。

プルトニウムは文部科学省の調査でも、原発敷地外でごく微量検出されているが、過去の大気圏内核実験によるものとされており、事故の影響とみられる検出は初めて。

山本教授によると、この地点のプルトニウムの濃度自体が、過去の核実験の影響で検出される国内の平均的なレベルよりかなり低く、「人体への影響は心配ない」としている。

山本教授によると、土壌は原発周辺20キロ圏内の警戒区域が設定される4月22日より前に、北海道大の研究者らが採取。プルトニウムの3種類の同位体の比率から、核実験ではなく今回の事故が原因と考えられるという。

原発敷地外からプルトニウム検出

651933動画あり

東京電力福島第一原子力発電所からおよそ1.7キロの道路脇の土から、原発から放出されたと見られ るプルトニウムがごく微量検出されました。今回の事故でプルトニウムが原発の敷地の外で見つかったのは初めてで、専門家は「人体への影響はないが、汚染の 実態をより詳しく調査すべきだ」と話しています。

ごく微量のプルトニウムが検出されたのは、福島第一原発の正門から西におよそ1.7キロの大熊町の 道路脇で採取した土です。NHKの番組取材で、北海道大学の木村真三非常勤講師らが警戒区域に設定される前の日の4月21日に採取し、金沢大学低レベル放 射能実験施設に分析を依頼していました。その結果、3種類のプルトニウムがごく微量検出され、このうち多かったプルトニウム239と240は、1キログラ ム当たり、合わせて0.078ベクレルの濃度だったということです。これは過去の核実験で国内に降ったプルトニウムと同じレベルですが、3種類のプルトニ ウムの割合が異なることから、原発から放出された可能性が高いとしています。今回の事故で、プルトニウムが原発の敷地の外で見つかったのは初めてです。分 析にあたった金沢大学低レベル放射能実験施設の山本政儀教授は「ごく微量なので人体への影響はないが、放射性物質が飛び散るメカニズムを考えるうえで貴重 なデータになる。原発に近い場所では、汚染の実態をより詳しく調査すべきだ」と話しています。

 

ドイツ「脱原発」 競争力揺るがす政策再転換(67日付・読売社説)

ドイツの産業競争力を奪いかねない重大な政策転換である。

ドイツ政府は6日、既存の原子力発電所17基を2022年までに全廃することを決めた。1980年以前に建設された古い原発など現在運転停止中の8基をそのまま停止し、残りは稼働期間32年をメドに順次停止するという。

中道左派連立政権が2002年に法制化した「脱原発」政策への回帰である。

メルケル首相率いる現在の中道右派連立政権は昨秋、従来の脱原発政策を転換し、原発の稼働期間を平均12年延長する方針をいったん決めた。風力など自然エネルギーでは必要な電力を賄えない、との判断からだった。

それをわずか半年余りで再度転換したのは、東京電力福島第一原発の事故がドイツ国民に与えた衝撃の大きさを物語るものだろう。事故後のドイツ地方選で、原発早期廃止を訴える環境政党が大躍進し、連立与党は敗北を重ねた。

原子力は、ドイツの発電量の2割強を供給する重要なエネルギー源である。脱原発で生まれる不足分は、当面は火力発電所の増設などで、将来的には自然エネルギーの拡充で埋めるという。

だが、その道程には不確定要素が多い。

増強をもくろむ風力発電はバルト海沿岸など北部に集中し、南部への送電網の建設に多額の投資が必要だ。自然エネルギーの高コスト体質に拍車をかけかねない。

自然エネルギー特有の供給の不安定さもつきまとう。

ドイツ産業界が競争力の喪失を懸念する所以(ゆえん)である。ドイツは欧州経済の牽引(けんいん)車だけに、欧州全体の景気も左右されよう。

ドイツが脱原発へと舵(かじ)を切れるのは、陸続きの周辺諸国から電力を輸入できるからだ。現に今、電力の8割を原発に依存するフランスや旧ソ連型の原発が稼働するチェコから輸入している。

原発廃棄は決めても、原子力に由来する電力に頼る構図は変わらない。自国の原発技術の売り込みも続けるという。ご都合主義の側面も否めない。

世界の趨勢(すうせい)を見れば、中国やインドなど多くの国が、増大する自国のエネルギー需要の供給源を原発に求めている。

島国の日本も、ドイツとは事情が異なる。電力を隣国から買うことはできない。産業競争力を維持するうえで、安全性を高めて原発を活用していくことが、当面の現実的な選択である。

2011670117分  読売新聞)

独、22年脱原発を決定 20年までに10%節電

2011662257

【ベルリン=弓削雅人】ドイツ政府は6日、2022年までに国内17基の全原発を閉鎖することを盛り込んだ原子力法改正案など関連法案を閣議決定 した。日本の福島第1原発事故を受けた反原発の世論を背景に脱原発政策を正式に決定、太陽光や風力など再生可能エネルギーへの早期転換を目指す。

独政府は連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)での審議を経て、来月8日までの法案成立を目指すが最大野党・社会民主党(SPD)も賛成の方針を示しており、法案成立は確実とみられる。

閣議決定によると、1980年以前に運転を開始した旧型原子炉7基と故障が多発する1基は、運転再開せず閉鎖する。残りの9基は、原子炉ごとに明確な閉鎖期限を設け、2015年以降順次閉鎖する。最終的に3基の閉鎖で22年には全廃させる計画。

新政策は、20年までに電力需要を全体で10%減らす大胆な目標を設定。現在、電力供給の23%を担う原発の閉鎖で、風力など再生可能エネルギーによる供給を現在の17%から20年には35%に引き上げるとしている。

レスラー経済技術相は「10年かかると見積もられていた送電網の整備を4年で実現する」と説明。原発廃止に伴う電力料金の上昇を抑えるために5億ユーロ(586億円)規模の補償措置を講じるとしているが、産業用電力の確保など、脱原発への転換には課題も多い。

(中日新聞)

独、「脱原発」を閣議決定 22年までに全17基停止

2011/6/6 22:04

 【ブダペスト=菅野幹雄】ドイツ政府は6日、17基の原子力発電所を2022年までにすべて止める「脱原発」の関連法案を閣議決定した。福島第1原子力発電所の事故で原発反対の世論が強まったため、エネルギー政策を転換する。

独連立与党は先月30日に脱原発の基本方針に合意。メルケル政権は関連法案を6月末に連邦議会(下院)で可決させたい考えだ。福島第1原発 の事故後に主要8カ国(G8)で脱原発を決めたのはドイツが初めて。メルケル政権は昨年秋に原発稼働の延長を決めたばかりで、方針を百八十度転換する。

ドイツは電力の2割強を原子力に依存する。原発停止と引き換えに、太陽光や風力などの再生可能エネルギーへの依存度を、現在の約17%から20年には35%と2倍に高める。石炭や天然ガスを燃料とする火力発電も増やしていく。

福島第1原発の事故後に稼働を一時停止した旧式原発など8基はそのまま廃止するが、電力不足の可能性を今秋まで見極め、必要なら1基を再稼働可能にする。他の原発は15年、17年、19年、21年、22年と止めていく。

「法的整理望ましい」 東証社長発言で東電株急落

2011.6.7 05:00

6日の東京株式市場で、東京電力の株価が急落した。一時、値幅制限の 下限(ストップ安)となる前週末終値比80円安(下落率約28%)の206円まで下げ、2日につけた上場来安値(282円)を更新した。東京証券取引所グ ループの斉藤惇社長が前週末に一部報道で「東電の再建は法的整理が望ましい」と述べたと伝えられたことで、「上場廃止の思惑を呼び売り注文の大きな材料」 (大手証券)と受け止められた。終値は79円安の207円だった。

斉藤氏は産業再生機構社長を務めた経験のある企業再建のプロで、市場で は「政治家が発言するよりも、インパクトがある」(カブドットコム証券の河合達憲チーフストラテジスト)との見方もあり、投資家は敏感に反応した。これを 受け、東証は同日、斉藤社長の発言に対し「一般的に債権放棄などが求められる場合には会社更生法などに基づき明確なルールのもとで対応が行われるべきだと いう考えを答えた」とのコメントを慌てて発表。「現時点で東電が上場廃止基準に抵触すべき事実はないと認識している」と発言の火消しに走る事態となった。

一方、斉藤氏の発言に関連し、枝野幸男官房長官は同日午後の記者会見で、東京電力の再建問題について「法的整理をやると大変な問題が生じる。このことは避 けなければいけない」と述べた。法的整理の可能性をあらためて否定し、政府が国会に近く提出する賠償支援法に基づき、東電の賠償を国が支援していく考えを 強調した。枝野氏は、法的整理をした場合、福島第1原発事故の被災者の賠償金などがカットされる恐れがあり、困難との見方を示した。

東京電力、67日以降の4週間も計画停電は「原則不実施」

2011/06/06

東京電力は66日、67日以降の4週間分の電力の需給見通しを発表した。これによると、現時点で想定最大電力を上回る供給力を確保できる見通しであることから、計画停電の「原則不実施」を継続できる見込み。

6月各週の電力需給の見通し

ただし、経年火力の連続稼働などによる計画外停止、異常な猛暑による需要の急増などが発生した場合は、需給の安定確保に支障を来す可能性があるとして、同社は引き続き、節電の協力を呼びかけている。

2011661548分 更新

下水汚泥・焼却スラグ問題、関東から中部・北陸まで拡散中、政府は指針を示さず-自治体は下水汚泥リサイクルの停止で対応に苦慮

 201163日、長野県下水道処理施設から放射性セシウムが検出したことを発表。また、62日には新潟県7か所の下水処理施設から放射性セシウムが最大で336ベクレル/kgが検出された。下水の放射線汚染は関東地方から中部・北陸まで広がりを見せている。

 新潟市・中部下水処理場

Image from 新潟市・中部下水処理場

 現在、放射性物質が検出された下水汚泥焼却スラグに関しては自治体の判断で、リサイクル処理を停止している。このため、下水処理で生成される下水汚泥、焼却スラグがたまる一方となり、苦慮している自治体も多くなってきている。

 512日には福島県の下水処理施設における放射性物質の検出を受け、国土交通省では福島県に対する対策の指針は出している。しかし、現在全国に広がっている放射性物質により汚染された下水汚泥焼却スラグの一時保管をどうするのかなどは、処分方法の指針を示せないでいる。

 この問題は、下水処理施設の管轄は国土交通省、焼却スラグをセメントにするなどリサイクル工程に入ったものは管轄が経済産業省、下水汚泥を埋め立てに使用する場合は管轄が環境省などに分かれている。関係する組織が多く対応基準の方針を決めることに手間取っているとのことである。

 各自治体では、リサイクル処理業者の受け入れ拒否などもあり、その対応には苦慮している。群馬県などでは、520日に政府に対し、取扱い基準の明確な指針の提示と、処理費用支援を求める要望書を提出している。

 下水の放射線汚染の問題は、発生するのが当然であり、かなり早い段階で危険性を指摘する声も上がっていた。政府は早急に明確な基準の策定を行う必要があると思われる.

放射能下水汚泥、行き場なし 業者引き取らず、保管限界

2011661420

写真:処分先がなく、通路の壁際に積まれたままの焼却灰=川崎市川崎区塩浜3丁目の入江崎総合スラッジセンター、鹿野幹男撮影拡大処分先がなく、通路の壁際に積まれたままの焼却灰=川崎市川崎区塩浜3丁目の入江崎総合スラッジセンター、鹿野幹男撮影

図:下水汚泥から放射性物質が検出されるまで拡大下水汚泥から放射性物質が検出されるまで

福島県に続き、東日本各地の下水処理施設の汚泥から相次いで放射性物質が検出され、影響が広がっている。国は処分できる明確な基準を示せず、行き場のない汚泥や焼却灰はたまる一方。セメントの原料などとして再利用できるはずが、受け取りを拒否する業者が相次いでいる。

■「6月中しかもたない」

「あと数日で置き場所がなくなる。いったいどうすればいいのか」

川崎市の下水処理場4カ所からの下水や雨水を処理する入江崎総合スラッジセンター(川崎区)の大河内孝所長はため息をつく。

5月13日の調査で、汚泥から放射性セシウムが1キロあたり470ベクレル、焼却灰から1万3200ベクレル検出された。焼却灰は市内の業者がセメント に再利用してきたが、「安全が確認されるまでは」と搬入を拒否。炉内では保管しきれず、二重の袋に入れ、通路の壁際に高さ約2メートルまで積み上げる。こ れまでに約550袋、計220トンに達した。

焼却灰などから 放射性物質検出

20110604

■札幌市「生活、影響なし」

札幌市は3日、市内2カ所にある汚泥脱水焼却施設の焼却前の脱水汚泥と焼却灰から、放射性物質のヨウ素とセシウムが検出されたと発表した。

5月中旬から下旬にかけて2カ所から採取した脱水汚泥4サンプルから、ヨウ素は1キロあたり10~60ベクレル、セシウムは不検出~4ベクレル、焼却灰の4サンプルからはヨウ素は不検出~4ベクレル、セシウムは9~94ベクレルが検出された。

放射性物質を含む汚泥に関する国の安全基準はないが、国は福島県に対し、脱水汚泥について1キロあたり10万ベクレルを超える場合は焼却 し、保管するよう求めている。札幌市の今回の数値はこれを大幅に下回っており、同市はセメント化など通常通りの処理をしているという。市は「市民の生活に 影響はない」と説明している。

また札幌市は「水道水からは放射性物質が検出されておらず、大気中の放射線量も過去の平常値の範囲内」としている。

野菜果樹32点、基準値下回る

201106061038分配信

県は5日、野菜と果樹の放射性物質の検査結果を発表した。

野菜は18市町村の24点、果樹は6市町の8点を調べ、全て食品衛生法の暫定基準値(1キロ当たり放射性ヨウ素2000ベクレル、放射性セシウム500ベクレル)を下回った。

検査結果、ニンニクとバレイショを初めて測定したが、基準値を上回る放射性物質は検出されなかった。

県によると、今回調査した品目のうち、川俣町のホウレンソウと伊達市のウメは出荷が制限されている。

2011-04-24 20:26:58

東京都在住者の累積放射線量と放射線被ばくの早見図及び人体と食物の自然放射能

 一部で「首都圏、特に東京の累積放射性物質の量が跳びぬけて多い」という話が広まって居る様だが、放射線医学総合研究所 が「放射線被ばくに関する基礎知識 第6報 」(pdf )において、既に東京都在住者の累積放射線量を算出しているので紹介しておく。

【以下放射線被ばくに関する基礎知識 第6報 平成23422日(金) 2000更新 より】

(文字修飾は我楽者による)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

3.東京の空間線量は低下する傾向にありますが、一方で長く続いています。東京に住んでいる人の累積の放射線量(314日~411日の約1ヶ月間)は、およそ何ミリシーベルトですか?

ここでは成人におけるモデルケースについて、体の外から受ける放射線と放射性物質を体の中に取り込むことによって受ける放射線のそれぞれについてお答えします。計算される以下の数値は代表的な放射線量を表し、一人一人については行動や食生活などで大きく違ってきます。

まず大気中の放射性物質によって体の外から受ける放射線量は、文部科学省が発表したデータから累積し、通常時の平均値分を除くと、314日以降の約1ヶ月で約16マイクロシーベルトと計算されます(18時間屋外に居たとして)。

放射性物質を体の中に取り込むことによって受ける放射線量は水、食べ物、呼吸の3つについて考えま す。水道水から受ける放射線量は、1日あたり 1.65リットルの水道水を飲んだとして、東京都が発表したデータを用いると約10マイクロシーベルトと計算されます(5.を参照してください)。

食べ物中の放射性物質から受ける放射線量は食事の習慣や量などで個人差が大きく、さらに難しい推定と なります。ここでは仮に、1キログラム当たりのヨウ素-131、セシウム-137、セシウム-134の濃度がそれぞれ2011ベクレルの牛乳、それぞ れ211ベクレルの魚、それぞれ1501010ベクレルの野菜を約1ヶ月間、毎日食べたとします。これによる放射線量は約69マイクロシーベルトと計算されます。

空気中の放射性物質を吸い込むことによる放射線量は、1日あたり22.2立方メートルの空気を吸ったとして、東京都が発表したちりの中の放射性物質のデータを用いると約21マイクロシーベルトと計算されます。

これらを足しあわせると約1ヶ月間で約120マイクロシーベルトを受けたことになります。この放射線量は、東京-ニューヨーク間を飛行機で往復するときに浴びる放射線量の上限よりも少なく、健康に影響を与えるレベルではありません。ただし、今後も行政機関からの発表に注意し、要請や指導があった場合にはそれに従ってください。

一部略≫

4.神奈川、埼玉、千葉、群馬、茨城、栃木はどうでしょう? 通常に生活するのに問題は無いのでしょうか?

文部科学省発表の空間線量率を見る限り、神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木はおおよそ東京と同じぐらい と考えて下さい。茨城は、大気中の放射線による線量は、文部科学省が発表したデータから累積し、通常時の平均値分を除くと、データのある315日以降で 66マイクロシーベルトを超える程度です(18時間屋外に居たとして)。普通に生活して下さって問題ありません。

5.自分が生活する地域の累積の放射線量はどうやって把握したらよいでしょうか?

以下、計算の方法が記してあるが、自分の頭脳では計算に難が或る為省略≫

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 なお「首都圏における累積放射性物質が多い」ことを理由に、「雨に当たると火傷などの被害が出るかも知れない」等と言う事を発言している方も居られるようだが、これについても放射線医学総合研究所48日付で公開している「放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版 第1号(Ver1.0 」(日本語PDF [347KB]  Chinese PDF [401KB]  English PDF [196KB] )のQ&Aに以下の様なコメントが掲載されている。

【以下放射線被ばくに関する基礎知識 サマリー版 第1号(Ver1.0 平成2348日(金) 1930更新 より抜粋】

(文字修飾は我楽者による)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

2.首都圏に住んでいますが、外出を避けたほうがいいですか? 放射線のレベルが高くなっていると聞きました。大丈夫でしょうか?

事故から現在まで首都圏で観測された放射線の量は微量で、今後事故が大きく拡大しない限りは、普段通 りの生活をおくって全く問題ありません。放射線のレベルが通常の10倍あるいは100倍などと聞くと、たいへん高い線量のように感じられると思いますが、 実際には健康に影響のないレベルです。

315日午前9時から午後5時に東京と栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、静岡の17県で計 測された放射線レベルでは最大で、1時間あたり 1マイクロシーベルトと報告されています。これは、例えこの放射線レベルで1ヶ月間生活したとしても、合計の放射線量は0.7ミリシーベルト(胃のレント ゲン撮影1回分強)で、健康に影響のないレベルです。

またピーク時の値がずっと続くようなことはありません。実際、東京都の発表では、46日時点では0.1マイクロシーベルト以下で、315日のピークに比べ10分の1以下になっています。

3.首都圏に住んでいますが、事故から数日後に雨に濡れました。健康に影響はないでしょうか? 

雨の中にも事故によって放出された放射性物質が含まれていると考えられますが、その量はわずかです。これまで報告されている空気中の濃度から計算すると、雨に濡れて放射性物質が皮膚についたとしても、健康に影響を与えるような量ではありませんので、心配する必要はありません。

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 同じく放射線医学総合研究所 は、42日付けで『放射線被ばく早見図』を公開している。

 日本語 PDF(高解像度) [921KB]
 日本語 PDF(低解像度) [442KB]
 English PDF(High resolution) [1.23MB]
 English PDF(Low resolution) [150KB]

以下に上記早見図をJPEG化したものを貼り付けさせて頂く。


まぁ、こんなもんでえぇんとちゃう?-放射線被ばくの早見図
上図ではチェルノブイリ事故の際に最も大きな影響を及ぼした(と言うよりは他の放射性物質による悪影響を自分は知らない)ヨウ素131について、その教訓を元に現在の日本の規制基準値目一杯の放射性ヨウ素131を含む飲食物を1ヶ月間摂取し続けた場合、及び被ばく放射線量0.1μSv/hの場所に1ヶ月居た場合の試算を行っている。

 ・水;基準値=300Bq/L12L1ヶ月間飲み続けた場合、被ばく量は0.4mSv

 ・牛乳;基準値=300Bq/L1200ccのみ続けた場合、被ばく量は0.04Sv

 ・ほうれん草;基準値=2000Bq/kg150g1ヶ月食べ続けた場合、被ばく量は0.07mSv

 ・空間線量率0.1μSv/hの場所に1ヶ月間居続けた場合、被ばく量は0.07mSv

これらの被ばく量は飛行機による「東京⇔ニューヨーク」往復の際に浴びる被ばく量(0.1mSv)と大して変わらない事が読み取れる。

 東京電力のホームページに、今ではトップ頁から入ることの出来ない頁(つまり今回の事故以前に作成公開していた)がある。その中の「放射線コーナー Q&A」というコーナーに、「自然放射線 Q4 人間の身体の中には常に放射性物質が存在しているって本当ですか?という質問が記されている。

これに対して以下の答えが記してあり、下図が示されている。

【以下、上記頁より】

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 私たちは身体の中に数種類の放射性物質を持っていますが、その代表的なものはカリウム40です。カ リウムは肥料の三大要素(チッ素、リン酸、カリ)であるように生物には欠かせないもので食品を通じて身体の中に取り込まれます。人間の身体には体重の約 0.2%程度カリウムが含まれていると言われていますが、このうちの0.012%が放射線を出すカリウム40です。  
 その他にも炭素14やポロニウムといった放射性物質が含まれています。


まぁ、こんなもんでえぇんとちゃう?-体内、食物中の自然放射性物質

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【以下、上図の品目毎の放射線量を記す。なおこの図は他の電力会社でも使用しており、例えば中部電力では此方 がそれである。】

1)体重60kgの人間の体内放射線量;

 ・カリウム40;      4000Bq

 ・炭素14;        2500Bq

 ・ルビジウム87;     500Bq

 ・鉛210・ボロニウム210; 20Bq

2)食物中のカリウム40の放射能量(日本)

 ・干し昆布;       2000Bq/kg

 ・干ししいたけ;     700Bq/kg

 ・ポテトチップ;      400Bk/kg

 ・生わかめ;        200Bq/kg

 ・ほうれん草;       200Bq/kg

 ・魚;            100Bq/kg

 ・牛肉;          100Bq/kg

 ・牛乳;           50Bq/kg

 ・食パン;          30Bq/kg

 ・米;            30Bq/kg

 ・ビール;          10Bq/kg

 最後に「放射線科学センター 」のホームページに「気になる情報」が掲載されていたので、此方も紹介しておく。

【以下「暮らしの中の放射線 46頁『放射性降下物』」(pdf) より文章と図を引用掲載】

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

放射性降下物

 1950年代末期から1960年代にかけて、世界各地で大型の大気圏内原水爆実験が相次ぎ、いろい ろな放射性同位元素が大気中に放出されました。これらは気流に乗って全地球上に広がり、雨などに混じって地上に降ってきて環境の放射線を増す原因となりま した。これを放射性降下物(フォールアウト)と呼んでいます。


 現在でも、私たちが日常食べている食品にはこの放射性降下物による放射性物質が微量ですが含まれています。


 有名なセシウム-137137Cs)の例を見てみましょう。下の図は東京で測定したセシウムー137の 月間降下量と国産穀物中のセシウム-137の量を表わしたものです。セシウム-137の降下量が増えるとその後収穫される米や麦など穀物の中のセシウム -137の量も大きく増加することがわかります。

まぁ、こんなもんでえぇんとちゃう?-日本産ビール、白米のセシウム137と年次降下量

 当然、食品を経由して人間の体内に含まれるセシウム-137の量も増えていきます。下の図はヒュー マンカウンタで体内のセシウム-137含有量を調べたものです。1962年で米ソの大気圏内での核実験が停止したので、環境中のセシウム-137の量が減 り、それにともなって、体の中のセシウム-137も減ってきています。

 セシウム-137と並んで重要なのは、ストロンチウム-90です。半減期が短いものは空から地上に 落ちてくる前に放射線を放出して安定同位元素に変化してしまい、直接私たちに影響を与えることはありません。しかし、セシウム-13730年、ストロン チウム-9028年と半減期が長いため、この二つは長期にわたって空から降り続け、環境を汚染することになります。


 1982年の国連科学委員会の報告書ではこれらの放射性降下物が全人類に与える影響は自然放射線源の約3年分に相当すると推定されています。


まぁ、こんなもんでえぇんとちゃう?-成人の体内セシウム137濃度の年次変化

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はて?

上に引用したグラフの1960年代のセシウム137月別降下量が、「ギガBq/km~2」単位はどれだけの量なのだ?

ギガベクレルは109乗ベクレル」…その頃は今から見ると、どえらい量が降っていたのではないか?

全人類に与える影響は自然放射宣言の約3年分か…。

そして下のグラフからは「1964年の日本人の体内セシウム-1371990年の10倍以上」に見えるのは自分だけか…?

それで放射性降下物による直接の健康被害は聞いていないなぁ?

健康に影響を及ぼすには相当な量の放射性降下物質が必要な「気が」する。

4/25追記】

 結局の所、降下放射性物質の量のみで「人体への影響を云々する」事がそもそも間違っているのだろうと素人ながらに感じた次第。

 人に対して最も影響を及ぼすのは放射性物質を含む塵の吸入や汚染された飲食物の摂取による内部被ばくだが、単に「放射性降下物が増えた」からと言ってそれが直ちに人体に悪影響を及ぼす訳ではなく、チェルノブイリの事故の様に多量の放射性物質に汚染された飲食物を摂取し続けた際に悪影響が現れると考えるべきだろう。その上現在市場に流通している飲食物の放射性物質の量は、非常に厳しく安全側に立った規制値をクリアしている。何より自然界にも「自然放射能」が存在し、人間の体内にも普通の食物にも放射性物質が常に存在している。 

 もういい加減、「『ゼロリスクという幻想』は捨てませんか?」と云う話だろうと。

 現在被災地周辺の「基準をクリアした生産物を風評被害により忌避」する事は余りにも愚かであり、その行為は被災地復興に対して障害をもたらす「加害者」になっていると認識すべきではないだろうか?

 なお自然界に存在する放射性物質として放射性カリウムがクローズアップされている様だが、(これも風評被害か?)Togetterに興味深いまとめが作成されているのでリンクをしておく。是非お読み頂きたい。「バナナの放射性カリウムについて

放射能の土壌汚染地図、1500地域で作製へ 研究者ら(1/2ページ)

201142832

図:土壌汚染地図の調査範囲拡大土壌汚染地図の調査範囲

福島第一原発事故を受けて、大阪大や広島大、東京大などの研究者ら約300人が5月中に詳細な土壌の汚染地図作りに乗り出す。福島を中心に1500のエ リアで、最大1万地点の土を採取し、汚染の実態を明らかにする計画だ。地図は避難区域の設定などに役立ててもらう。文部科学省も、詳しい汚染の実態把握に は専門家の助けが必要として活用していく考えだ。

地図作りは、大阪大核物理研究センターの藤原守准教授や広島大原爆放射線医科学研究所の星正治教授、東京大原子核科学研究センターの大塚孝治教授らが呼 びかけ、全国の核物理学や環境放射能、気象の専門家らが協力する。チェルノブイリ原発事故の環境調査で実績のあるロシア放射線医学研究所の協力も得る。

チームは5月中旬ごろに、福島第一原発から西へ60キロ、南北100キロの範囲を2キロ四方、1500エリアに分けて調査。1エリアあたり5〜7地点の 土を採取して、ヨウ素131やセシウム137、ストロンチウム90などを測定し、2キロ四方の濃度を地図に落とす。原発から20キロ圏内の警戒区域でも調 査する計画で、政府と詰める。

土壌の汚染は地形や気象の影響を受けるため、同じ地域でも少し離れただけで値が大きく異なる。避難区域の設定など、きめ細かな対策には、詳細なデータが不可欠だ。

当面、数カ月ごとに調査を続け、地図を更新していく計画だ。福島はチェルノブイリに比べ、地形の起伏があるほか、雨が多く土壌が流されやすく、時間を追って、汚染度が変化しやすいと考えられるからだ。

また、住民への健康調査データをもとに、土壌汚染との関連も調べていく。

チェルノブイリ原発事故では、セシウム137の土壌汚染の詳細地図が出来たのは事故から3年後だった。半減期が短いヨウ素131の測定は不十分だったため、甲状腺がんの発症と、甲状腺に集まりやすいヨウ素131の汚染度との関連など、健康影響の評価には限界があった。

文科省も土壌汚染の地図作りを進めているが、現在の調査地点は53カ所。同省は「研究者と連携し、効率的に地図を活用したい」と調査手法などの協議を進めている。

大阪大の藤原さんは「将来のがん発症と放射性物質のリスクを検証するには、早期の調査が必要だ。土壌マップの基礎データがあれば、住民が納得できる避難区域の設定にもつながる」と話す。(岡崎明子)

柏、松戸、流山、三郷のホットスポット

臨時 ホットスポット情報 子供を守ってください

関東の一部に放射線の強い場所があります。柏、松戸、流山、三郷の4市です。放射性物質は「県境」などは判りませんから、測定値に従って行動することが必要です.

Radioactive300kms_2Radioactive300kms_3それを示したのはこの図ですが、この方面の汚染は福島から南下した気流に乗って二本松市、郡山市そして白河市まではある程度放射性物質が来ているのですが、宇都宮にはほとんど来ていません。

それがかなり離れた地点で放射性物質が観測されています。

この原因はまだわかりませんが、汚染の程度は福島市、郡山市等より低く、いわき市や白河と同等と見ることができます。

詳しい原因はともかくとして、普通に考えますと放射性物質がちょうどその場所で落ちたと考えられます。

このようなことはチェルノブイリの被曝図でも同じようになっているので、特に極めて奇妙であるということではありません。

・・・・・・・・・

測定値を見ますと、3月末に1時間に0.6マイクロシーベルトぐらいで、現在でも1メートルの高さでも、1時間に0.4マイクロシーベルト近くあります。

Photo大人での被曝量は、1年に3.5ミリシーベルトになり、校庭で運動したり、地面の近くで遊ぶ子供達は、読者からの情報では2倍から4倍のデータもあり、1年に10ミリシーベルトぐらいの被曝になる可能性があります。

日本の法律で定めた(風評ではない)被曝限度1年1ミリシーベルトを大きく上回ります.学校など強制力を伴う公的なところでは、法律違反にならないように万全を期してください。

(文科省が暫定基準で20ミリシーベルトと言っているのは、「非常時だから仕方が無い」ということで、「20ミリシーベルトでも安全だ」ということではありません。日本の法律は1年1ミリシーベルトです。)

茨城県北部の方と同じような注意をしていただきたいと思います。

特にお子さんの健康に関係の深い学校や幼稚園などは福島県中通りと同じように校庭の表土の除去、吹きだまりの清掃などをしていただいた方が、児童の被曝を減らすのに大切と思います。

また給食では、空間の被曝が多いので、負担を減らすために関東の野菜を使わないように注意を御願いします.

(データ:http://www.geocities.jp/environmental_radiation/、 放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線モニタリング)

(平成23510日  午後3時 執筆)(注)ここで使わせていただいた図は早川由起夫さん、萩原佐知子さんの制作とお聞きしています。早いほうが良いので、お断りをせずに使 わせていただきました。もし、ご連絡先をご存じの方がおられましたら、お断りをしたいと存じております.先に使わせていただいて恐縮ですが、お礼を申し上 げます。

武田邦彦

2号機 空気浄化し扉開放を検討

66414動画あり

東京電力福島第一原子力発電所の事故で、高い湿度のため作業が難しくなっている、2号機の原子炉建屋について、東京電力は、作業環境を改善するため放射性物質で汚染された空気を浄化したうえで建屋の扉を開放し、湿度を下げる方法を検討しています。

福島第一原発2号機の原子炉建屋の中は、湿度が99.9パーセントと高いうえ、放射性物質の濃度も 高く、現状では防護服やマスクを着用しても長時間、作業するのが難しい状況です。東京電力は、高い湿度の原因が2号機の燃料プールからの水蒸気とみて、冷 却装置を設置してプールの水温を下げましたが、これまでのところ湿度に変化はなく作業環境は改善されていません。このため東京電力は、放射性物質に汚染さ れた空気を浄化したうえで、原子炉建屋の扉を開放し、湿度を下げる方法の検討を始めました。空気の浄化には、先月、1号機の原子炉建屋に作業員が入る際に 設置した装置を検討していて、この装置が湿気に弱いことからヒーターを取り付けるなどの改良が必要になるということです。扉の開放にあたっては、外部に放 射性物質が放出される可能性があることから、1号機の時と同じように周辺の環境に影響が出ないよう放射性物質の濃度の評価が必要だということで、今後、慎 重に判断する方針です。2号機では、原子炉の安定的な冷却に向けた水位計の校正などの作業が、早ければ今月中旬にも始まる予定でしたが、高い湿度という環 境を改善できなければ、こうした作業に遅れが出るおそれがあります。

陸自隊長「助からないと思った」 3号機の水素爆発で

2011651921

 福島第1原発3号機の水素爆発に遭遇した陸上自衛隊中央特殊武器防護隊長の岩熊真司1等陸佐=5日午後、福島県郡山市の陸自郡山駐屯地

東京電力福島第1原発の原子炉冷却作業中に3号機の水素爆発に遭い、一緒にいた部下4人が負傷した陸上自衛隊中央特殊武器防護隊長の岩熊真司1等陸佐(49)が5日、共同通信などの取材に応じ「ひどい爆発だったら、助からないと思った」などと、当時の状況を振り返った。

岩熊隊長ら6人が小型四輪駆動車と水タンク車2台に乗り込み、原発近くの活動拠点から3号機への給水に向かったのは、3月14日午前10時ごろ。

約1時間後、車両3台が3号機付近に到着し、岩熊隊長が小型四輪駆動車のドアを開けようとした瞬間。「ドーン」―。重低音が響き、経験したことのない爆風が襲った。フロントガラスから見える視界は一面灰色に。上空からは次々とコンクリート片が降り注いだ。

岩熊隊長は「その時は何が起きたか全く分からなかった。がれきが落ちてきたのは数十秒だと思うが、非常に長く感じた」と述懐した。

(共同)

地震翌朝、原発敷地外に放射性物質 保安院公表遅れ

2011/6/3 23:13

経済産業省原子力安全・保安院は3日、東京電力福島第1原子力発電所が東日本大震災で停止した直後の大気中の放射性物質濃度などのデータ を公表した。地震翌日の3月12日朝、1号機で最初に排気用の弁の開放(ベント)をする前に原発敷地外で炉心の激しい損傷を示す放射性物質が検出されてい た。2カ月半も未公表だった。直ちに公表していれば事故の正確な実態把握や避難計画の検討に役立った可能性がある。

公表したのは地震直後の3月1115日に、政府の原子力災害現地対策本部と福島県が測定したデータ。15日に保安院の担当者らが大熊町の緊急時対策拠点から福島市に退避した際に持ち出し忘れたデータを、5月28日に回収したという。

データによると3月12日午前8時30分過ぎに浪江町や大熊町で放射性ヨウ素や放射性セシウムを測定。核燃料が1000度にまで過熱しないと出ないとされる放射性テルルも検出された。

東電は12日午前1017分に、1号機の格納容器の圧力を下げ水素爆発を防ぐためにベントを始めた。今回の公表データは、それ以前に炉心 の激しい損傷が原因とみられる放射性物質が建屋の外に出ていたことを示す。弁の故障や建屋の損傷などが早い段階から起きていた可能性がある。

保安院は12日午後に、原発敷地内で放射性セシウムが検出されたと発表。敷地外の放射性物質は13日以降の測定値しか公表していなかった。

新データは原子炉の異常がどのように進んだかを理解する手掛かりとなる。すぐに公表していれば事故の深刻度をより正確に把握し、避難地域を的確に判断するのにも生かせたとみられる。

保安院の西山英彦審議官は「意図的に隠すつもりはなく、情報を整理して公表する発想がなかった」と弁明した。福島第1原発事故を巡っては、 政府が放射性物質の拡散予測を3月下旬まで公表しなかった。東電も5月28日に大量の放射線量の未公表データを明らかにするなど、透明性が不十分との批判 が多い。

モニタリングデータ未公表=ベント前に敷地外でセシウム-保安院

 経済産業省原子力安全・保安院は3日、福島第1原発事故直後の緊急モニタリングで、未公表の データがあったと発表した。データには、蒸気弁を開く「ベント」操作や爆発の前に敷地外で放射性セシウムなどが検出されたものもあるが、西山英彦審議官は 「事故の解釈を変更するものはなかった」としている。
 未公表だったのは3月12~15日に実施した大気や雑草などに含まれる放射性物質の分析結果など。
 新たに公表されたデータによると、ベントや水素爆発の前の同12日午前8時39~49分、第1原発から約7キロの福島県浪江町での大気分析で、放射性のヨウ素やセシウムなどが1立方メートルあたり1.8~90ベクレル検出された。
 保安院が大気分析結果を初めて公表したのは同14日で、13日朝に約5キロの大熊町で測定した値だった。(2011/06/03-23:13

事故当初の放射線データ公表 保安院、遅れを「反省」

2011632310

経済産業省原子力安全・保安院は3日、東京電力の福島第一、福島第二原子力発電所周辺で事故発生直後に行っていた放射性物質の測定結果を公表した。第一 原発1号機のベント(排気)や水素爆発前に、核燃料が損傷しないと外部に出ないテルル132がわずかに検出されたというデータがあった。当初の混乱で未公 表になったといい、西山英彦審議官は「反省している」と釈明した。

公開されたのは、3月11~15日に福島県の設置した放射線のモニタリングポスト(監視装置)や、放射線の測定装置を積んだ車で測ったデータの一部。テ ルル132は3月12日午前8時半過ぎ~午後1時半ごろ、1号機のベント作業や水素爆発の前に浪江町や大熊町、南相馬市で測定された大気中のちりから検出 されていた。

千度以上示す核物質、3月12日に検出していた

特集

東電福島第一原発から約6キロ離れた福島県浪江町で3月12日朝、核燃料が1000度以上の高温になったことを示す放射性物質が検出されていたことが分かった。

経済産業省原子力安全・保安院が3日、発表した。検出された物質は「テルル132」で、大気中のちりに含まれていた。原発から約38キロ離れた同県川俣町では3月15日、雑草から1キロ・グラム当たり123万ベクレルと高濃度の放射性ヨウ素131も検出されていた。

事故発生から2か月以上たっての公表で、保安院の西山英彦審議官は「隠す意図はなかったが、国民に示すという発想がなかった。反省したい」と釈明した。

テルルの検出は、1号機から放射性物質を含む蒸気を放出する「ベント」の実施前だった。

2011632309分  読売新聞)

東日本大震災:「放射能がれき」処理難航

工場建設予定地に1カ月以上山積みされたがれき=福島県南相馬市原町区で2011年5月31日午後、神保圭作撮影

工場建設予定地に1カ月以上山積みされたがれき=福島県南相馬市原町区で2011年5月31日午後、神保圭作撮影

東日本大震災によって福島県で発生したがれきの処理が難航している。量は推計約288万トンで、岩手県(約499万トン)や宮城県(約1595万 トン)より少ないものの、原発事故で多くが放射性物質に汚染されているためだ。環境省は5日に開く専門家の検討会で処理方針を決めるが、放射性物質に汚染 された災害廃棄物の発生は法律でも全く想定していなかった事態で、解決は簡単ではないのが実情だ。【神保圭作、種市房子、江口一】

 ◇焼却先や費用負担見通せず

立ち入りが規制されている警戒区域(東京電力福島第1原発から半径20キロ圏内)近くの南相馬市原町区。大手重機メーカーの工場建設予定地だった 約18.5ヘクタールの空き地は現在、遺体捜索のために撤去されたがれきの仮置き場となり、コンクリート片や材木が山積みになっている。

その西約500メートルには住宅地がある。3月下旬の搬入開始以降、住民から市に「放射性物質に汚染されたものをなぜ置くのか」との苦情が相次い だ。4月に開かれた住民主催の説明会で、市の担当者は「がれき周辺の放射線量は1時間当たり0.3~0.4マイクロシーベルトで、住宅地周辺の山で測定さ れる0.56マイクロシーベルトよりも低い」との県のモニタリング結果を紹介し、理解を求めた。その後は毎日、がれき周辺の放射線量を測り、市のホーム ページで数値を公表している。

それでも住民の不安はぬぐえない。近くの主婦(56)は「ここは警戒区域にも近く、みんな放射線に敏感。いくら放射線量が少ないからといって、長 く置かれれば健康に影響が出るのでは」。子供が生まれたばかりの息子夫婦は福島市に避難させたといい、「放射性物質は元々原発から出たのだから、がれきも 原発の敷地内に運べばいいのに」と話す。

こうした状況は福島県沿岸部の自治体に共通する。より放射線量の高いがれきが多いとみられる警戒区域内では手つかずのままで、撤去終了のめどすら 立たない。環境省は汚染がれき処理のため、専用の仮設焼却炉を設置するなどの方針を示しているが、実現は容易ではない。南相馬市の担当者は「校庭で除去し た表土を埋めることにも苦情が出るのに、どこが(設置に)手を挙げるのか。施設を作れば風評被害が出るだろう」と懐疑的だ。

費用をだれが負担するかも大きな課題となっている。相馬市の担当者は「同じ問題を抱える自治体同士で広域連合を作り、がれきの種類ごとに受け入れ る自治体を割り振ってはどうか。そのためにも県にもっと主導力を発揮してほしい」と提案する。だが、県は「そもそも原子力政策は国策。国が専用焼却炉の場 所選定を調整し、費用も負担するのが筋ではないか」(生活環境部幹部)と国の対応を求めた。

 ◇「原発外」法の想定外

「どの法律も想定していなかった問題だ」。放射性物質に汚染されたがれきの処理を担当している環境省幹部は、前例のない事態にため息をつく。地震 などで発生したがれきは通常、災害廃棄物として廃棄物処理法に基づいて処理するが、放射性物質の汚染廃棄物は対象外だ。一方、原子力施設から発生する廃棄 物で、汚染がごく低レベルで人の健康に影響がないものは、原子炉等規制法で「放射性物質として扱う必要がないもの」と位置づけられる。その基準(クリアラ ンスレベル)は、年間0・01ミリシーベルトと定められている。

だが、原発事故で汚染された原発外の廃棄物の処分は、法律にも規定がない。しかも、経済産業省原子力安全・保安院の調査で、福島県内のがれきは、 クリアランスレベルを超える汚染のものが多いことも分かった。このままでは処理が進まないため、環境省は廃棄物処理法に基づいた手順で処理することを決め た。同省は既に▽警戒区域内と計画的避難区域内では当面、放置する▽大気中の放射線量が比較的低い会津地方と浜通り・中通りのうち10町村では通常の処理 ▽大気中の放射線量が他地域より高い浜通り・中通りでは、集じん用フィルター付きの焼却炉で燃やす--との方針を示している。環境省によると、汚染がれき を焼却炉で燃やした場合、排ガス処理用のフィルターを設置すれば、放射性物質の約半分は焼却後の灰の中に残り、あとはフィルターで捕捉できる。焼却炉の外 に排出されることはほぼない、という。

だが、専門家の中には「放射性物質は焼却ではなくならず、焼却灰などに濃縮されるはず。高濃度になると処理が困難だが、データが不足しており、実 験などで調べるべきだ」との指摘もある。さらに、汚染物質が含まれた焼却灰やフィルターは、監視しながら保管しなければならない。また汚染がれきの中でも コンクリートなどは燃やせず、埋め立てるしかない。保管・埋め立て場所の確保もかなり困難だ。

井上正・日本原子力学会クリーンアップ分科会主査(電力中央研究所首席研究員)は「国の責任で、汚染された地域を元に戻すための環境修復センターを原発敷地外に設置し、住民の納得をえながら汚染されたがれきを処理する方法などを探るべきだ」と提言する。

毎日新聞 201164日 029分(最終更新 64日 040分)

 暮らし・話題 原発立地の2町に一時帰宅 20キロ圏に立ち入り

 一時帰宅のため防護服を身に着ける大熊町の避難住民=4日午前、福島県田村市

 福島第1原発1~4号機が立地する福島県大熊町の避難住民が4日、一時帰宅するため、同原発事故で立ち入り禁止となった半径20キロ圏の警戒区域内に初めて入った。

 津波被害が甚大だった同県浪江町でも、帰宅や犠牲者の慰霊のため区域内への一時立ち入りを実施。政府の原子力災害現地対策本部によると、4日は2町合わせて、これまで最多の300人余りが区域内に入る見通し。

 大熊町で一時帰宅するのは福島第1原発から7~10キロほどの地域に自宅がある55世帯97人。必要な物品を持ち出すのが主な目的で滞在時間は約2時間。区域外にいったん集まり、防護服を着用、バスで自宅へ向かった。

(共同通信社)(’11/06/04

沿岸の警戒区域へ一時帰宅 20キロ圏の南相馬、富岡

 福島第1原発事故で立ち入り禁止となった警戒区域に一時帰宅するため、付き添われてバスに乗り込むお年寄り=25日午前、福島県南相馬市

 福島第1原発事故で立ち入り禁止となった半径20キロ圏の警戒区域への一時帰宅で、福島県南相馬市と富岡町の住民計125人が25日、警戒区域に入った。警戒区域内への一時帰宅は内陸部の川内村などに続き4度目で、沿岸部自治体では初めて。

 南相馬市は南部の地域、富岡町は全域が警戒区域に指定されている。

 南相馬市で一時帰宅の中継基地となった市馬事公苑には、帰宅を希望する25~83歳の85人が自家用車や送迎バスで集合。防護服を着てバスで自宅に向かった。

 南相馬市は同日、自衛隊と警察が震災後に津波の被災地などで回収した本や写真、アルバムなどを集め、所有者に持ち帰ってもらうため、馬事公苑内の倉庫で公開した。

  第1原発から約18キロの自宅に戻る元市臨時職員の主婦山本絹江さん(49)は、持ち帰る予定の品約30点のリストを手に「結婚指輪や母にもらったネック レスなど。全部持ってくるつもりです」。埼玉県の親族宅に避難している無職杉富喜子さん(61)は「避難生活が長引き、ストレスがたまっている。現金や保 険証、使い慣れた爪切りなどを持ち帰りたい」と話した。

 南相馬市の住民は午後2時ごろまでに、全員が馬事公苑に戻った。

 富岡町への一時帰宅の中継基地となった川内村の体育館でも40人が手続きを行った。

(共同通信社)(’11/05/25

3日、警戒区域への一時帰宅演習 バス3台で原発4キロ地点へ

 福島第1原発20キロ圏内の警戒区域への一時帰宅について、政府の現地対策本部は2日、自治体職員が3日に行う予行演習の概要を発表した。警戒区域外の福島県川内村を起点に自治体職員らがマイクロバス3台に乗り込み、原発から約4キロの同県大熊町役場周辺に向かう。

 政府が連休明けにも実施したいとしている一時帰宅を前に、現場の状況を確認し、住民の安全や通信手段が十分確保できるかどうかなどを検証するのが目的。

 3日は大熊町の職員や政府関係者ら数十人が参加。放射線防護服を着用するなど、住民の一時帰宅で想定される手順を踏んで警戒区域内に入る。

 区域内には2時間滞在し、町職員が住民役となって役場や周辺の住宅地に立ち寄る。川内村に戻った後、放射線量を検査し、必要なら除染作業を行う。雨天の場合は除染作業が困難になるため演習を中止する。

 政府は演習結果を踏まえて一時帰宅の実施要領を詰め、本番の日程を調整する。

 大熊町は福島第1原発が立地し、全域が警戒区域に指定されている。

(共同通信社)(’11/05/02

東日本大震災:福島・大熊、一時帰宅 原発の町、過酷な現実

 ◇売上金盗まれ/牛たち変わり果て

 東京電力福島第1原発の事故で立ち入りが規制されている警戒区域(半径20キロ圏)への一時帰宅が4日、1~4号機が立地する福島県大熊町であった。原発に支えられ、多くを奪われた町。変わり果てた我が家で、住民たちはやり場のない怒りをこらえていた。【袴田貴行】

一時帰宅には会津若松市などに避難する55世帯97人が参加。原発立地自治体への報道陣の同行が初めて認められ、記者も加わった。

午前10時半。防護服をまといバス5台で田村市の体育館を出発、15分ほどで大熊町に入った。震災や津波によるがれきはほとんどなく、乾いた田んぼを牛の群れが走る。その脇を原発作業員を乗せた車が頻繁に行き交う。

レジスターからも売上金などが盗まれていることがわかり、ぼうぜんとする酒店店主=福島県大熊町で2011年6月4日午後0時17分、川田雅浩撮影

レジスターからも売上金などが盗まれていることがわかり、ぼうぜんとする酒店店主=福島県大熊町で2011年6月4日午後0時17分、川田雅浩撮影

第1原発約8キロの町中部でバスを降りた。酒店の自動販売機の扉が開いている。男性店主(62)に声をかけられた。「記者さん、中を見てくださいよ」

店舗兼住宅に足を踏み入れ、息をのんだ。金庫がこじ開けられ、商品の酒やたばこも盗まれている。「鍵を閉めて避難したのに、窓から侵入したのか」。店主は言葉が続かず、足の踏み場もないほど荒らされた家の中を片付けていた。

小さい牛舎があった。中をのぞくと4頭の牛が息絶え、腐敗していた。「2~3日で戻れると思い、余分な餌も置いて出なかった」とオーナーの泉田幸 重さん(55)。父の代から優良牛を出す家畜農家として名をはせ、泉田さんも町役場で働く傍ら、家業を守ってきたという。「過疎だった町が半世紀にわたり 原発と共存共栄し、発展した。でもその代償がこれなら、もう原発はいらない」。手入れを重ねてきた牛たちの変わり果てた姿を前に、唇をかんだ。

午後1時。帰りのバスに乗り込んだ。約2時間の滞在で、胸元の線量計は15マイクロシーベルト上がっていた。

先祖の家系図を持ち帰った石川宮江さん(60)がつぶやいた。「事故が収束しても、代々続いた家には戻れないでしょう。悔しい。切ない。でも息子たちは原発関連の仕事をしている。東電を恨むことはできません」

毎日新聞 201165日 東京朝刊

東日本大震災:被災者住宅、生活支援…北海道まだまだ余裕

 今も10万人近い東日本大震災の避難者の受け入れが、東北に近い北海道内で思うように進んでいない。国土交通省によると、5月30日時点で道内の 自治体が被災者向けに用意した公営住宅(2157戸)は全国で3番目に多いが、実際に住んでいるのは265戸で、入居率(12.3%)は32位にとどま る。背景には、支援の情報が被災地に届いていない実態があるようだ。

「被災された児童の皆さんを応援します」。北見市は4月下旬、廃校や雇用促進住宅を利用して、被災した子供と家族、教員を丸ごと受け入れる「学校 支援事業」を発表した。住宅の家賃や水道料は無料、給食も市が無償提供する意欲的な支援策だったが、申し込みはいまだにゼロだ。

市によると、5月下旬に職員を派遣した岩手県大船渡市で、市役所に受け入れの用意がある事を伝えたが、それ以外はホームページに支援概要を載せているだけ。担当課は「現地ではインターネットが使えない人もおり、情報提供の方法に問題があるのかも」と周知不足を認める。

道の5月末のまとめでは、空き住宅を用意しても入居者がいない自治体は25市町村に上る。道は支援内容をまとめたA3判のビラを被災地で配布して いるが、公営住宅の詳細な情報は書かれていない。問い合わせ先は道住宅課になっているが、記者が電話をかけると、各総合振興局で聞くよう告げられた。

民間施設への入居も進んでいない。札幌市南区の定山渓温泉は4月20日まで、旅館などを避難場所に確保したものの一人も利用はなかった。こうした 支援策は「北海道ホテル旅館生活衛生同業組合」が全体をまとめ道に伝えていたが、道は地元自治体に横流ししただけで紹介や仲介はしなかったという。道の担 当職員は「『避難できます』と被災者を連れて来るのは、向こうの自治体から住民を奪うようで遠慮してしまう」と釈明する。

待ちの姿勢が目立つ道とは対照的なのが、大阪など2府5県でつくる関西広域連合だ。要請が来る前から被災地に出向いてニーズを探る「おしかけ支援」を進めている。

同連合では、府県が分担して特定の被災地を支援する「カウンターパート」方式を採用している。例えば京都府は福島県を担当し、職員を集中的に派 遣。帰還の際は避難を希望する被災者もバスに乗せ、用意した318戸のうち140戸が入居済みという。同連合の石田勝則・広域企画課長は「被災自治体は状 況把握で手いっぱい。『おしかけ』でなければ、必要とされる支援はできない」と訴える。【佐藤心哉】

毎日新聞 201165日 238分(最終更新 65日 1210分)

東日本大震災:福島・浪江町民、仮設286戸に入居73世帯 見知らぬ土地、遠い自立

 福島県浪江町の避難者を対象に県北部の桑折(こおり)町に建設された仮設住宅で、入居開始から1カ月以上たっても、4分の1しか埋まらない状態が 続いている。町は東京電力福島第1原発事故で全域が警戒区域か計画的避難区域に指定され、住み慣れた土地へ戻るあてはない。一方で、見知らぬ土地の仮設住 宅に入っても、仕事を見つけて自立する見通しは立たず、多数の住民が避難所暮らしをせざるを得ない状況に追い込まれている。【田中裕之、井上英介】

桑折町の仮設住宅300戸は、県内で最も早い4月21日に入居開始。JR東北線の駅から徒歩5分で病院や学校も近く、立地条件は恵まれている。14戸に町内の被災世帯が入居し、残り286戸は浪江町民が対象だ。

プレハブ平屋で風呂トイレ付き。日本赤十字社の支援で大型冷蔵庫や液晶テレビ、全自動洗濯機、電子レンジが備わっている。全国から寄せられた食器 や布団もあり、すぐに生活が始められる。それでも29日現在、浪江町民の入居は73世帯で、200戸以上の空きは埋まりそうにない。

浪江町は人口2万1434人で、半数の約1万1400人が県内に残る。町は仮設住宅の必要戸数を2700戸(約8000人分)と見込み、桑折町や 福島市などに2300戸を確保。一部は完成して入居可能だが、県内の旅館やホテルなどの2次避難所に今なお5300人がとどまる。

「これほど入居希望が少ないとは……」。浪江町の原芳美・住宅班長は苦渋の表情で言う。「自宅に戻れる見通しも新天地で自立する見通しも立たず、 滞在期限の7月末まで避難所にいたいという声が強い。桑折町にはなじみが薄く、無理に入れとも言えない」。土地を提供した桑折町側は「町長レベルで入居を 急ぐよう促したが、空きは埋まりそうにない」(地域整備課)と困惑している。

浪江町の役場機能は二本松市に移り、最大の2次避難所は同市の岳温泉。災害救助法で国が1泊5000円の宿泊費を負担し、三食付きで水光熱費もかからない。仮設住宅は家賃はかからないが、水光熱費や食費は自己負担となる。

「仲間たちは浪江に戻ることをあきらめつつある。町に戻れなければ、復興など絵に描いた餅だ」。福島第1原発から10キロの自宅から岳温泉のホテ ルに避難した志賀喜宏さん(50)は切羽詰まった表情だ。町で300年続く「大堀相馬焼」の窯元の16代目だが、今は町の臨時職員として簡単な事務を担当 する。義援金と東電の賠償の一時金計140万円を取り崩しながら母(73)と妻(50)、次男(16)と暮らす。

避難者の大半は自宅や職場を残したまま避難を強いられ、新たな土地で仕事が得られる保証もない。志賀さんは「みな自立したいと思っているが、将来 が描けず、避難所から出られない。我々の状態は『難民』。酒を飲んで暴れる者もいる」。浪江での生活再建は断念し、相馬市で新たに窯を作るつもりだという が、資金調達の見通しは立っていない。

毎日新聞 2011530日 東京朝刊

福島のがれきを焼却や埋め立て 処理加速で環境省が容認へ

 環境省は5日、福島第1原発事故で放射性物質の汚染の可能性がある福島県内のがれき処理を加速するため、警戒区 域と計画的避難区域を除く沿岸部や県中央部のがれきについて、焼却や埋め立て処分を認める方針を決めた。汚染の除去や管理を確実に行うことが前提。汚染レ ベルが低い会津地方と県南部など10町村で既に通常処分を認めており、規制解除を拡大する。

19日の同省有識者検討会で正式決定し、早ければ今月後半にも仮置き場からの移動を認める方向。ただし、県外への持ち出しは引き続き認めず、校庭などの汚染土壌や下水汚泥などは対象外となる。

2011/06/05 20:11   【共同通信】

厚木市22か所測定放射線量基準以下

厚木市は4日、市内の小中学校の校庭など22か所で初めて測定した放射線量の結果を発表した。

測定は3、4日に実施され、地表から高さ50センチでは毎時0・05~0・14マイクロ・シーベルト、1メートルでは同0・06~0・13マイク ロ・シーベルトだった。測定値を年換算した場合、いずれも国の基準値「年間1ミリ・シーベルト以下」を下回った。詳しくは、市のホームページで見ることが できる。市は2週間に1回の割合で測定を続けるとしている。

201165日  読売新聞)

教育施設の放射線量、31施設で国基準超

20110603

県が実施した教育施設での放射線量調査で、県北地域の学校など31施設で毎時1マイクロシーベルトを超えたことが分かった。文部科学省は、この数 値を超えた福島県内の学校については校庭の土壌処理費用を国負担で実施しているため、福田富一知事は県内での適用を強く要望している。

文科省は、学校での児童・生徒の年間被曝(ひばく)量を1ミリシーベルト以下に抑える方針を打ち出している。

県教委によると、福島県での施策を県内でも適用できるかどうか文科省に確認したところ、「現時点では福島を想定」と返答されたという。

県は先月、教育施設1266カ所の放射線量調査を実施。那須町と那須塩原市の小中学校、高校、幼稚園、保育園の31施設が毎時1マイクロ シーベルト以上だった。最大値は那須塩原市立箒根中での同1・62マイクロシーベルト。そのため、保護者からは「国の出方を見ずに、市町単独で土壌処理を してほしい」との声が県に寄せられている。

福田知事は5月31日の記者会見で、「要望を重ねているが明確な返事がない。これからも要望を続ける」と強調した。

この問題をめぐり、那須町の高久勝町長も同日の記者会見で「栃木県を補助対象外としたことに憤りを感じる。子どもに区別はない」と国の対 応を批判した。同町は、福島県に隣接し、いち早く独自で学校・保育園の放射線量測定を始めた。同町長は「(児童・生徒の)年間被曝量1ミリシーベルト以下 を目指す」などとした国の方針に対しても、「何を信じていいのかわからない」と不信感をあらわにした。

那須塩原市も、放射線量測定器を購入し、小中学校などで独自に測定することを決めた。実施時期については、機器の調達に時間がかかるため、早くても7月になる見込みという。

学校施設31カ所の放射線量追跡調査 栃木

2011.6.4 02:03

県は3日、県内の全学校施設の校庭・園庭で行った放射線量調査について、1時間当たり1・0マイクロシーベルト以上を測定した那須塩原市の19カ所と那須町の12カ所の計31カ所について、再調査を行うと発表した。

5月13~19日に実施した全校調査では、文部科学省が示した基準値の1時間当たり3・8マイクロシーベルトを下回っており、福田富一知事は「全ての施設 の利用に問題はない」と安全宣言していた。その後、文科省が福島県内に限って1マイクロシーベルト以上を測定した校庭の表土除去費用を補助することにした ため、県内でも該当する31カ所を追跡調査することにした。

汚染水浄化システム試運転開始 悪循環食い止め間近も工程は綱渡り

2011.6.5 21:31 1/2ページ)

東京電力は5日、福島第1原発の原子炉建屋やタービン建屋の地下などにたまっている汚染水を浄化するシステムの試運転を始めた。水が漏洩(ろうえい)しないかなどを調べ、問題がないと確認されれば今月15日にも本格稼働を開始する。

この日は油分離装置と塩分除去装置に水を入れて漏水検査を実施。さらに、除染装置に海水を入れた試運転に着手した。

また、3号機の汚染水の移送先である集中廃棄物処理施設が許容量に達し移送を中断していた問題で、東電は5日、3号機タービン建屋地下の汚染水を建屋内の 復水器に移す作業を開始した。復水器は発電に使った水蒸気を冷やし水に戻す装置。事故後は使用されておらず、汚染水の一時的な保管場所として活用する。

一方、東電は4日に1~4号機の周辺で計測したがれきなどの放射線量を公表。最大は3号機原子炉建屋西側で見つかったコンクリート片で、毎時950ミリ シーベルトだった。また、福島第1原発で作業をしていた40代の男性2人が体調不良を訴え、病院に搬送された。意識はあり、体に放射性物質は付着しておら ず、脱水症とみられる。

福島第1原発で汚染水浄 化システムの試運転が始まり、本格稼働に向けた準備は最終段階に入った。4段階の処理を経て放射性物質の濃度を1千~1万分の1まで下げる仕組みで、15 日の本格稼働を目指す。しかし、不測の事態で稼働時期が遅れたり、大雨で汚染水が増えれば、汚染水が外部に漏れ出す危険性もあり、システム稼働まで綱渡り の作業は続くことになる。

汚染水は原子炉を冷却するために注水した水が原子炉建屋やタービン建屋などの地下に漏れだして発生。原子炉を冷やそうとすれば、汚染水も増えるという悪循環が続いていた。

汚染水処理システムはその悪循環を食い止めるために導入されるシステム。汚染水を浄化して、再び原子炉に冷却水として戻す仕組みで、東電が原子炉安定冷却のために目指す「循環注水冷却」の根幹となる。

具体的には、「油分離装置」で、原子炉の潤滑油などの不純物を取り除くことから始まる。次にゼオライトという鉱物で放射性セシウムを除去する「セシウム吸 着塔」を通過。さらに、特殊な薬品で放射性物質を沈殿させる「除染装置」に移し、最後に「塩分除去装置」で淡水にする。

東電によると、1日に1200トンの処理が可能で、年内に約20万トンの処理を目指す。

ただ、汚染水の処理に伴い、約2千立方メートルの高レベル放射性廃棄物が出る見込みだが、処理方法などは未定で、システム稼働後も課題は山積している。(原子力取材班)

県内学校施設放射線調査県など2回目公表

201106051001分配信

政府の原子力災害現地対策本部と県災害対策本部は4日、2回目の学校施設の環境放射線モニタリング調査結果を公表した。

2日に調査した356施設のうち、文部科学省が表土除去の財政的支援の対象とした毎時1マイクロシーベルト以上の放射線が測定されたのは79施設あった。

調査は校庭・園庭の中央地点と四隅の計5地点で、地上から高さ50センチか1メートルの地点の空間線量を測定し、平均値を出した。

幼稚園、保育園、小学校は50センチ、中学校、高校、専修学校は1メートル、特別支援学校は50センチか1メートルのどちらかの数値が毎時1マイクロシーベルトを超えたかどうかを調べた。

最も高かったのは福島市の南向台小の2・8マイクロシーベルト。

最も低かったのは、猪苗代町の保育園「フォーチュン・キディ・ガーデン」の0・08マイクロシーベルトだった。

教育施設66カ所、1マイクロシーベルト以上計測 福島県調査

 福島県は3日、県内の学校など教育施設1752カ所を対象にした放射線調査の第 1回速報結果を発表した。1日に調査した336カ所のうち、文部科学省が表土除去などを財政支援するとした毎時1マイクロシーベルト以上は66カ所。暫定 基準値の3.8マイクロシーベルトを超えた施設はなかった。
 最大値は福島市の保育園「ひまわり子どもの家」で毎時2.2マイクロシーベルト。1マイクロシーベルト以上は福島、郡山、白河、南相馬の4市と川俣町、西郷村で計測した。
 県内の教育施設で行う大規模な放射線検査は4月に続き2回目。10日までに、福島第1原発事故に伴う警戒区域と計画的避難区域を除く県内の小中高校と幼稚園、保育所、専修学校など教育施設すべてを対象に実施する。

20110604日土曜日

二本松で1.4マイクロシーベルト 福島県内放射線量

 福島県災害対策本部によると、3日午後3時現在の県内各地の1時間当たり放射線量は、二本松市で前日を0.13マイクロシーベルト下回る1.4マイクロシーベルトとなった。
  飯舘村は0.08マイクロシーベルト上昇し2.95マイクロシーベルト、福島市は0.02マイクロシーベルト減少の1.29マイクロシーベルト、郡山市は 0.02マイクロシーベルト上昇し1.28マイクロシーベルトだった。白河、南相馬、いわき、会津若松4市と南会津町はいずれも1.00マイクロシーベル ト以下で、前日とほとんど変わらなかった。

20110604日土曜日

線量、4週連続で全校基準値未満 福島の学校・保育施設

2011631758

文部科学省は3日、福島県内の学校や保育施設で2日に測定した放射線量は、計56カ所の学校、施設すべてで屋外活動制限の基準値としている毎時3・8マイクロシーベルトを下回ったと発表した。4週続けて全校で基準値未満となった。

屋外での線量は、毎時0・3~3・5マイクロシーベルト。毎時1マイクロシーベルトを上回ったのは27カ所だった。基準値を下回っても、多くの学校や施設では屋外活動を自粛するなどしている。教室など屋内の測定値は毎時0・1~0・9マイクロシーベルトだった。

(共同)

東日本大震災:大気中の環境放射線量水準調査結果

 都道府県名 3日    4日    過去の通常値

北海道   0.029 0.029 0.02  ~0.105

青森    0.027 0.027 0.017 ~0.102

岩手    0.022 0.023 0.014 ~0.084

★宮城    0.070 0.071 0.0176~0.0513

秋田    0.035 0.036 0.022 ~0.086

山形    0.044 0.045 0.025 ~0.082

★福島    1.600 1.600 0.037 ~0.046

★茨城    0.095 0.095 0.036 ~0.056

栃木    0.059 0.059 0.030 ~0.067

群馬    0.032 0.032 0.017 ~0.049

埼玉    0.053 0.053 0.031 ~0.060

千葉    0.044 0.044 0.022 ~0.044

東京    0.060 0.060 0.028 ~0.079

神奈川   0.051 0.051 0.035 ~0.069

新潟    0.046 0.047 0.031 ~0.153

富山    0.049 0.049 0.029 ~0.147

石川    0.048 0.048 0.0291~0.1275

福井    0.045 0.045 0.032 ~0.097

山梨    0.043 0.044 0.040 ~0.066

長野    0.041 0.043 0.0299~0.0974

岐阜    0.062 0.063 0.057 ~0.110

静岡    0.039 0.039 0.0281~0.0765

愛知    0.043 0.043 0.035 ~0.074

三重    0.048 0.046 0.0416~0.0789

滋賀    0.033 0.034 0.031 ~0.061

京都    0.038 0.039 0.033 ~0.087

大阪    0.043 0.042 0.042 ~0.061

兵庫    0.038 0.037 0.035 ~0.076

奈良    0.049 0.049 0.046 ~0.080

和歌山   0.032 0.032 0.031 ~0.056

鳥取    0.064 0.064 0.036 ~0.110

島根    0.046 0.046 0.037 ~0.131

岡山    0.048 0.048 0.043 ~0.104

広島    0.050 0.046 0.035 ~0.069

山口    0.094 0.092 0.084 ~0.128

徳島    0.039 0.039 0.037 ~0.067

香川    0.052 0.053 0.051 ~0.077

愛媛    0.049 0.048 0.045 ~0.074

高知    0.026 0.026 0.019 ~0.054

福岡    0.036 0.036 0.034 ~0.079

佐賀    ---   0.040 0.037 ~0.086

長崎    0.030 0.028 0.027 ~0.069

熊本    0.029 0.027 0.021 ~0.067

大分    0.050 0.050 0.048 ~0.085

宮崎    0.027 0.027 0.0243~0.0664

鹿児島   0.035 0.036 0.0306~0.0943

沖縄    0.020 0.020 0.0133~0.0575

※文部科学省発表、午前8~9時観測。3日の佐賀県は機器の故障で計測できず。単位はマイクロシーベルト毎時。★は最新データで通常値を超えた自治体。福島は測定施設が警戒区域内で立ち入れず、福島市で代替測定。

毎日新聞 201165日 東京朝刊

古墳つなぐと北斗七星 千葉・市原、平安時代に星信仰?

201164054

千葉県市原市の稲荷台遺跡の性格を見直す新たな仮説が登場した。古墳時代に築かれた古墳群。平安時代には祭祀(さいし=宗教儀式)の場として再利用され ていたが、その時に使われた古墳をつなぐと北斗星の配列に見えるというのだ。千葉神社(千葉市)で知られるように、星をまつる妙見信仰が房総には根強い。 そうした文化のルーツなのでは、と研究者は言う。

県教育振興財団文化財センター上席研究員の西野雅人さんが過去の調査や出土品を再検討して研究にまとめ、5月にあった千葉歴史学会の大会で発表した。

市原市役所から北東に1キロほど。市原台地に広がる稲荷台遺跡は1970年代から調査され、5~6世紀の円墳13基が確認された。古墳としては中小の規 模だが、1号墳から「王賜」と刻まれた鉄剣が出土。文字のある剣としては日本最古で、ヤマト王権の広がりを示すとして注目された。

市原市教育委員会文化財保護係の浅利幸一係長によると、大量に出土した陶器や土器の分析を進めた結果、平安時代の9~10世紀に墳丘上で祭祀が行われて いたことがわかった。1号墳のすぐ北では国司の館らしい住居跡も確認。国分寺などもほど近い。「古墳を意識して政治施設が配置された」とみられるように なった。

西野さんは、平安時代の遺物が見あたらない古墳のあることに注目した。古墳を選別して祭祀を行っていたのではと考え、検討するうちに、平安時代に利用した古墳をつなぐと星座の配列に見えることに気づいた。

当初は「偶然だろう」と思った。だが1号墳と7号墳は利用されたのに、その間の8号墳に遺物はなかった。使った4号墳と使わなかった10号墳の間には境界を示すような溝もあった。

北斗星だとすると、地上から見上げる場合とは裏返しの配列になっている。調べると、それは道教で使う星座と同じで、星座が地上に舞い降りた姿と考えると、説明のつくことがわかった。

出土品には明かりをともすための皿が多く、月食の直後の年月日を記した土器や、「月」の字をたくさん書いた土器もあった。「夜に儀式をしたのだろう。星信仰の聖地だったのでは」と西野さんは考える。

■「妙見信仰の歴史と符合」

この見解に、県神社庁長の杉山林継国学院大名誉教授(祭祀考古学)は「星座だとすると全国でも初めての例であり、さらに慎重な検討が必要だ」と語った。

国学院大の岡田荘司教授(宗教史)は「星座の配列は意図的なものだろう」とみる。そして「星信仰の歴史とも符合する」とも。

北極星や北斗星を神格化した妙見信仰は道教を通して6~7世紀に日本にもたらされた。その影響を受け陰陽道が発達し、9世紀には、天文や暦をつかさどる陰陽師が東国にも配置されるようになったという。

稲荷台で盛んに祭祀が行われた時期に東日本で災害が相次いだことに岡田教授は注目する。今年の東日本大震災に匹敵すると注目される貞観の大津波(869年)をはじめ、天変地異が連続し社会が動揺した。「その対策として祭祀が必要だったのでは」と考える。

10世紀前半に活躍した平将門には妙見の力で危機を脱したとの逸話があり、中世には千葉氏が妙見を氏神とした。その信仰は千葉神社のほか千葉市の登渡神社、君津市の人見神社などに現在も受け継がれている。夜祭りで知られる秩父神社(埼玉県)も同じ系譜だ。

妙見信仰は方向を見失うと命にかかわる遊牧民の間で生まれたとされる。方向性を見いだせない現代に、突然舞い降りてきた新たな仮説。「そんなことがある のかと驚かれる人もいるでしょう」と西野さん。はるかな古代に、この地に生きた人々の何かのメッセージなのかもしれない。(渡辺延志)

東日本の環境放射能測定値の地図による可視化実験

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東日本の環境放射能測定値の地図による可視化実験 New!! アニメーションGIF版はこちら –> 携帯版はこちら 文部科学省 都道府県別環境放射能水準調査結果 のデータからコンター図を作ってみました。 単位は、μSv/hです。最新は201156日午前8時のものです。 青系は通常値(0.5μSv/h以下)、緑系(5μSv/h以下)は注意、黄系(510μSv/h)が高め、赤から白(1010…

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汚染地域は減っているが、汚染状況は今でも深刻な状況

5月24日時点の放射能汚染

5月24日時点の放射能汚染

見て分かるように、全く改善してません。

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5月6日時点の放射能汚染

5月6日時点の放射能汚染

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3月29日時点の放射能汚染

3月29日時点の放射能汚染

日米の放射能汚染地域マップの比較。

2011-04-25 Mon 20:07

福島第一原子力発電所の事故は、世界の関心事。

アメリカのエネルギー省では、福島原発事故による放射能の影響を、
独自の調査と分析により評価し、公表しています。

そこで、22日に日本の文部科学省が発表し20キロ圏内の放射線量調査結果と、
18
日にアメリカのエネルギー省が発表した積算放射線量の予測マップを比較しました。

米国積算放射線量地図
年間積算被爆線量(放射線量)。赤色の地域では20ミリシーベルトを超える。
(出典:米エネルギー省

放射線量調査結果地図

20キロ圏内線量調査結果 (出典:朝日新聞

大まかな傾向をみると、

放射線量の分布のパターンは似ている(北西方向に帯状に放射線が高い地域が続く)
アメリカの予測では、4050キロにわたり、20ミリシーベルトを超える地域がある

といったことが分かります。

日本政府が計画的避難区域を設定する際、根拠として採用したのが、国際放射線防護委員会が定めた、年間の積算放射線量20ミリシーベルト

日 本の資料では、オレンジの□と赤の○印が、年間年間被爆量20ミリシーベルトを超える地域ですが、これは、1日に8時間屋外、16時間屋内で過ごした場合 で、屋内の被爆量は屋外の40%として計算されています。これに対し、アメリカの試算では、屋内で過ごすことによる被爆量の減少は考慮されていません。

一方、アメリカの予測では、放射能が時間と共に低下することが考慮されていますが、日本のデータは、調査時と同レベルの放射線量が一年間続く、と想定しています。

また、アメリカは、外部被爆と共に、口・鼻からの吸引による内部被爆を考慮していますが、日本は外部被爆のみです。

調査や分析の方法が違うのため、一概にどちらがより現実的かとは言えませんが、
独自に行われた分析で、似たような結果がでた地域に関しては、
その結果の信頼性が高いとは言えるでしょう。
(アメリカのエネルギー省では、分析の結果を「控えめな予測」としています。)

アメリカの放射線リスクの専門家、ホフマン博士によると、統計上では、
20
ミリシーベルトの被爆により、

成人の500人に一人、または、
1
歳児の100人に一人

の割合で、将来癌になる確率が高まるといいます。(Kaiser 2011)
一方で、放射線の影響がない場合に癌になる確率は、10人に4です。

ホフマン氏は、住民が避難するべきかどうかは、

「長期の避難生活によって、どれほどの困難が伴うか、を考慮しなければならない。
将来の健康のリスクと、経済的、社会的なリスクのバランスを推し量ることが大事。」

と述べています。

全くその通りですね。

例えば、20キロ圏内でも放射線量の少ない地域では、
避難によるマイナス面のほうが、大きいかもしれません。

逆に、現在指定されている区域外でも、放射線量が高めの場所があります。
放射線の影響を受けやすい乳幼児や子供が居るご家庭なら、
可能であれば、引っ越して安心して生活したほうがいい場合もあると思います。

いずれにせよ、対象地域に住んでいる人たちには、
放射線の危険性に応じたリスクに関して、説明が十分になされた上で、
住民の意向に配慮した対策が行われてほしいと思います。

参考文献:
Kaiser, J., 2011. A Map of Fukushima’s Radiation Risks, ScienceInsider.

放射能で「汚れた土」がこれからしでかすこと汚染地域800平方km以上、元に戻すには100年以上かかる

20110601日(水) 週刊現代

山菜やキノコに多量に蓄積

「飯舘牛というA4A5の高級牛ブランドがあるから、ここでは畜産しかやっていないと勘違いしている人が多いけれど、ほとんどの農家は完全複合経 営なんだ。だから俺たちには畜産と同時に、田んぼや畑もやってきたという自負がある。それもすべてここの土のおかげだったんだな。今は畜産にしろ米にし ろ、落ちるところまで落ちたイメージに苦しんでいる。ここは『日本一美しい村』という称号があったけど、原発のせいで日本一汚い村と言われるようになって しまったんだ」(福島県相馬郡飯舘村で農業を営む60代男性)

福島第一原発から漏れ出た放射性物質によって、広範囲の土壌が汚染されている。兼業も含めれば人口の約7割が農業に従事している飯舘村のように、汚染地域の大部分を占める福島県浜通りは、稲作や畑作、牧畜が盛んな土地だ。それだけ土との関係が深いところなのである。

新潟大学農学部土壌学研究室の野中昌法氏が言う。

「あの地域の土はもともとそんなに肥沃なわけではない。人々が長い時間をかけながら、家畜を飼い、その糞や里山の落ち葉などをかき集めて堆肥にして、必死に土地を改良したうえで、農業を営んできたんです」

苦労して肥沃な水田や畑、牧草地を手に入れた人々にとっては、土そのものが仕事の場であり、生活の糧だ。

それがいまや汚された。放射能で「汚れた土」が、これからしでかすことは何なのか。

言うまでもなく、第一に挙げられるのは、甚大な健康被害を住民に与えることである。放射線防護学が専門の日本大学専任講師・野口邦和氏がその危険性について解説する。

「土に触れる農作業などによって放射性物質が体内に入ります。また野菜類、とりわけ地表に根を張る山菜やキノコには、土に含まれる放射性物質が多量に蓄積され、それを食べることで被曝してしまう。

土を汚染している放射性物質のひとつ、ヨウ素は8日経つと線量が半分に減って1ヵ月でほぼなくなります。だから今後問題なのは、半減期が約30年 と長いセシウムです。体内に入ると70日ぐらいで半分に減って尿とともに排出されますが、多量に摂ると、骨と脂肪以外の全身に均等に行き渡ります。そのた め全身が被曝することになり、甲状腺がんのみならず、あちこちにがんができるようになってしまいます」

ヨウ素やセシウム以外に、ストロンチウムという放射性物質も、先月、第一原発から30km圏外の土壌から検出された。野口氏が続ける。

「カルシウムと性質が似ているストロンチウムは代謝の遅い骨にたまるので、半分に減るまで18年もかかってしまう。体内に入ると、長い間体内で放射線を出し続けて、白血病の原因にもなる厄介な存在です。核分裂でできる放射性物質の中では最も危険なものです」

また、第一原発敷地内の土壌からはプルトニウムも検出されている。内臓の表面などを損傷するうえに、半減期は24000年と長い、きわめて危険な物質だ。

高濃度汚染地域が水源となる

福島と同じ「レベル7」と評価されているチェルノブイリ原発事故では多くの人々に様々な健康被害があった。そのため事故から今年ですでに25年が 経つが、原発から半径30km圏内はいまだに立ち入り禁止となっている。ウクライナだけに限っても、合計して300万人(そのうち子供は100万人)を超 える人々が放射性物質によって病気になったというデータもある。NPO法人「チェルノブイリ救援・中部」理事の河田昌東氏が説明する。

「チェルノブイリ原発から100~300kmくらいのところに住んでいた人を、事故から10年経った後に調べたデータがあります。循環器系の病気の 罹病率が、1000人当たりの平均では294人なのに対して、被災者は430人、消化器系の病気は平均では210人なのに対して、280人と高い値を示し ています。福島の原発事故はチェルノブイリと比べて汚染地域の面積はいまのところ狭いですが、実際にはかなりの線量があると考えられるので健康被害が心配 されます」

文部科学省と米エネルギー省が4月に作成した汚染地図によれば、チェルノブイリ原発事故で強制移住対象となったレベルまで放射性物質が蓄積してい る「高汚染」地域は、すでに800ヘーホーキロメートル(琵琶湖の12倍の面積に相当)にのぼっているという。「警戒区域」に指定されて立ち入り禁止と なっている第一原発20km圏の外側もその中に含まれ、放射性物質が同心円状には飛んでいないことが窺える。

しかし、もはや汚染地域はその800ヘーホーキロメートルだけにとどまってはいない。すでに放射性物質は、意外なところにまで拡散している。近畿 大学教授・山崎秀夫氏の調査によると、東京・江東区亀戸の土壌から、福島第一原発に近い茨城や千葉よりもずっと高い濃度のセシウムが観測されたのである。

「放射性物質が首都圏まで飛んできているのは紛れもない事実です。水素爆発が発生したときに原発から放出された放射性物質が、大気中を漂い、風に 乗って南下したのでしょう。茨城の神栖市が455ベクレルに対して亀戸では3201ベクレル、皇居前の泥土からは1311ベクレルと、放射性物質は雨や下 降気流により、均一にではなく、まだらに地表に落ちていきます」(山崎氏)

さらに福島原発から約300kmも離れた神奈川県小田原市で取れた新茶の生葉からも、セシウムが検出されている。箱根や丹沢の山によってセシウムを含んだ風が遮られたことで、ふもとの土壌にたまった可能性が高いという。それを茶が根から吸い上げたわけだ。

放射性物質そのものが遠くまで飛ぶだけではない。それを含む土が風や雨によって飛散・流出してしまうことも十分に考えられる。福島県浜通りの「土」が特別なものだからだ、と野中氏(前出)は説明する。

「高濃度の放射性物質に汚染された地域には、黒ボク土と呼ばれる火山灰土壌が多くあるのですが、それは軽量のため風で飛び散っていきやすい。だから汚染の範囲をどんどん拡げてゆきます。

また、たとえば高濃度汚染地域の飯舘村は、相馬市や南相馬市を潤す川の水源となっています。ですから、放射性物質の被害がいまのところ比較的少な いそれら海沿いの地域も、梅雨や台風による土砂流出に伴って放射性物質が流れつき、田畑が徐々に汚染されてゆく危険性もあるんです」

高濃度に汚染された地域800ヘーホーキロメートルは、時間が経つにつれてだんだん狭まるどころか、逆に拡がっていく可能性が高いというのだ。

これからまもなく梅雨や台風の季節がやってくる。汚染地域が広がらないように、放射性物質を含む土を何とかする方法はないのだろうか。

原発事故から2ヵ月半経過した現在では、セシウムのような放射性物質は地中にはまだ浸透しておらず、地表面に付着しているだけである。そのため、土地の表面5㎝だけでもすくい取れば、その危険はだいぶ軽減されると専門家は言う。

実際、原発から60kmほど離れた福島県郡山市では、小中学校や幼稚園、保育所の表土を除去した。市教育委員会学校教育部学校管理課がその効果について説明する。

427日に、市内の小学校の校庭の線量が国の暫定基準(38マイクロシーベルト)を上回っていたことから、1日でも早く子供たちに安全に通っ てもらおうと、市の判断で除去作業を行った。表層3㎝を削ったところ、41マイクロシーベルトだった値が、19にまで下がりました」

実際に作業にあたった福島県建設業協会によると、スクレイパー(土を削り取る建設機械)やグレーダー(整地用の車両)といった重機を用いて、7時 間ほどで終わったという(校庭の広さは約9000ヘーホーメートル)。それにかかった費用は、作業員15人の日当と土嚢代、燃料代などを合わせて100万 円程度。仮に「汚染地域800ヘーホーキロメートル」をすべて校庭と同じ状態だと考えると、約900億円かかる計算だ。

土を持って行く場所がない

しかし、高濃度汚染地域ではそれだけで済むはずがない。別のコストが付加されるからだ。作業員に対しては、防護服やマスクの装備費用や特別手当などがかかる。投入される重機などに対する除染の費用もかさむのだ。

さらに「汚れた土」の行き場の問題もある。郡山市の例でも除去した土の処分先が決まらず、飛散防止の樹脂を吹きつけ、校庭の隅に積み上げられた。

それでは、削り取った土を下の土と入れ替える方式はどうだろうか。この手法も福島市や郡山市の小学校で試され、効果が現れているのだが、似たやり 方を選択したケースがすでに存在している。日本初の公害病・イタイイタイ病で全国的に知られる神通川(富山県)流域のカドミウム汚染の事例がそれだ。

「神通川流域の汚染された土壌約95ヘーホーキロメートルの復元作業は’79年から始められ、ちょうど今年度をもって終わる予定です。ブルドー ザーで表層を剥ぎ取ったあと、汚染された土を3mほど下に埋め込み、山から持ってきた新しい土をかぶせるやり方で、費用は約400億円かかりました。福島 の農地を復元する際には私たちの経験が生かされると思いますので、いつ国から声がかかってもいいように心構えをしております」(富山県農村整備課)

実に、30年以上かけてようやく終わる土壌復元作業だが、福島の800ヘーホーキロメートルの地域で行うとして単純計算すると、費用は約34000億円もかかることになる。

いささかオーバーに思える数字だが、実際に入れ替え作業を行おうとするともっとかかる。なぜなら、800ヘーホーキロメートルの土地すべてが、学 校のグラウンドや河川流域のように、更地だったり比較的平坦だったりするわけではないからだ。津波により膨大な瓦礫が積み重なった田畑もあれば、険しい山 林もある。たとえば原発20km圏内の浪江町は総面積の73%が、楢葉町は76%が山林で占められている。重機による作業は困難で、山林に降り積もった放 射性物質を除去するのには大変な労力が必要となるだろう。

元原子力安全委員会専門委員で中部大学教授の武田邦彦氏は、

「山林から放射性物質を取り除くのが一番厳しい。特に、木や草など植物の表面に付着したのを取り除くのは大変難しいので、いっそのこと山林をすべて伐採して、新たに植林してもいい」

と、大胆な提案をするが、費用と時間は校庭の場合の数百倍、数千倍とかかるかもしれない。

それでは、もし山林の除染を行わないままだとどうなるか。

「仮に、田畑などの平地だけでも汚染土を除去し、住民が家に帰れたとしても、裏山は100年間立ち入り禁止といった生活を強いられるでしょう。日本 の場合、土壌に蓄積しているセシウムは30年ではなく約7年で半減していくという予想もありますが、どんどん半減していってもほぼなくなるまでには時間が かかるので、安全な作物ができて、元のように農業・林業などが営めるのには100年以上要するでしょう」(前出・野口氏)

平地に関してはどうか。除染作業が山林より簡単にできる牧草地は、表面の草を刈り取ってしまえば再来年以降は線量がだいぶ低くなるというが、やは り斜面や起伏がネックとなりそうだ。田畑については、ヒマワリや菜種を植えてセシウムを吸収させる実験を、今月中にも農水省が始めるというものの、「毎年 数%ずつしか濃度が下がらず、元に戻るまでに10~20年はかかる」(前出・野中氏)

国はいまだに放射性物質が漏れ続ける第一原発を収束させることや、補償問題にかかりきりで、汚染された広大な土地の復元には手が回らない。

東日本大震災復興構想会議委員のひとりで、福島県に住む僧侶で作家の玄侑宗久氏が言う。

「復興会議でも問題になっていますが、学校の校庭で削り取った土をどのように処理するか、汚染された草を刈り取った後どうするのか、すら決められな い状態です。いわんや、汚染地域の山林をどうするかなどについては農水省もお手上げ状態で、人間がいる場所の線量をモニタリングするだけで精一杯なんです よ」

しかし、遅かれ早かれ土の汚染を何とかしなくてはならない。大熊町の60代男性が嘆いた。

「農業で食べていくことができなくなり、出口の見えないトンネルにじっとしているような感覚です。戻れるものならすぐにでも戻って先祖代々続いたあ の家を守りたい。ただ、あの汚れた土地の食べ物を誰が食うのか。集まった皆で『この先どうすっぺ』という話ばかりしているんだ」

「汚れた土」が除去され、暗いトンネルに光が差す日はいつになるのか。

原発敷地外でプルトニウム ごく微量、事故で放出か

2011.6.5 22:40

東京電力福島第1原発の正門から約1.7キロの福島県大熊町内の土壌に、今回の原発事故で放出されたとみられる放射性物質のプルトニウムがごく微量含まれていることが5日、山本政儀金沢大教授の分析で分かった。

プルトニウムは文部科学省の調査でも、原発敷地外でごく微量検出されているが、過去の大気圏内核実験によるものとされており、事故の影響とみられる検出は初めて。

山本教授によると、この地点のプルトニウムの濃度自体が、過去の核実験の影響で検出される国内の平均的なレベルよりかなり低く、「人体への影響は心配ない」としている。

山本教授によると、土壌は原発周辺20キロ圏内の警戒区域が設定される4月22日より前に、北海道大の研究者らが採取。プルトニウムの3種類の同位体の比率から、核実験ではなく今回の事故が原因と考えられるという。

原発敷地外からプルトニウム検出

651933動画あり

東京電力福島第一原子力発電所からおよそ1.7キロの道路脇の土から、原発から放出されたと見られ るプルトニウムがごく微量検出されました。今回の事故でプルトニウムが原発の敷地の外で見つかったのは初めてで、専門家は「人体への影響はないが、汚染の 実態をより詳しく調査すべきだ」と話しています。

ごく微量のプルトニウムが検出されたのは、福島第一原発の正門から西におよそ1.7キロの大熊町の 道路脇で採取した土です。NHKの番組取材で、北海道大学の木村真三非常勤講師らが警戒区域に設定される前の日の4月21日に採取し、金沢大学低レベル放 射能実験施設に分析を依頼していました。その結果、3種類のプルトニウムがごく微量検出され、このうち多かったプルトニウム239と240は、1キログラ ム当たり、合わせて0.078ベクレルの濃度だったということです。これは過去の核実験で国内に降ったプルトニウムと同じレベルですが、3種類のプルトニ ウムの割合が異なることから、原発から放出された可能性が高いとしています。今回の事故で、プルトニウムが原発の敷地の外で見つかったのは初めてです。分 析にあたった金沢大学低レベル放射能実験施設の山本政儀教授は「ごく微量なので人体への影響はないが、放射性物質が飛び散るメカニズムを考えるうえで貴重 なデータになる。原発に近い場所では、汚染の実態をより詳しく調査すべきだ」と話しています。

地表汚染マップ公表。避難地域以外でも広範囲の汚染が明らかに。

投稿日: 201156 作成者: もにぽ

文部科学省とは、米エネルギー省と協力して航空機で放射性物質の蓄積量を測った。
チェルノブイリの原発事故ではセシウム13755.5万ベクレル以上の地域が強制移住の対象となった。
今回発表された汚染マップを見ると、計画避難地域以外でも高い数値が出ている。

航空機計測もとに「地表汚染マップ」 日米共同で製作

文部科学省は6日、福島第一原発から80キロ圏内の地表の汚染マップを初めて公表した。米エネルギー省と協力し、航空機を使って、地表1~2キロ四方で放射性物質の蓄積量を測って作った。原発から北西方向を中心に避難区域外の一部でも、高レベルの汚染地域が見つかった。
~中略~
この結果、原発から北西方向にセシウム137が1平方メートルあたり300万~1470万ベクレルの汚染地域が帯状に広がっていた。チェルノブイリ原発事 故では、セシウム137が55.5万ベクレル以上の地域が強制移住の対象となった。今回のマップでは、計画的避難区域の飯舘村や浪江町などの外でも一部、 この水準を超える地域が散見された
引用:「航空機計測もとに「地表汚染マップ」 日米共同で製作」 asahi.com 2011.05.06″]

地表面のセシウム134と137の蓄積量

引用:地表汚染マップ(地表面のセシウム134137の蓄積量)「航空機計測もとに「地表汚染マップ」 日米共同で製作」 asahi.com 2011.05.06

300万~3000万ベクレルという恐ろしい数値の地域は
図の赤い部分だ。

すべてではないが、気になるところを見ていってみたい。

100万から300万ベクレルレベルが含まれる市町村
図の黄色い部分。
避難地域以外で、
田村市東部、葛尾村の広範囲、南相馬市西部広範囲、伊達市南東一部、
いわき市の最北部に少し、伊達市の最南・最西部に少し存在する。

30万~60万ベクレルレベルが含まれる市町村
(広範囲)
伊達市、川俣町、二本松市
(一部)
南相馬市、相馬市、丸森町、伊達市、福島氏、郡山市、天栄村、西郷村。

後は30万以下でくくられているが、もっと
0
10万、10万~20万、20万~30万という細かい区切りで出す必要があるだろう。

政府は、年明けに避難住民が戻れるかどうか判断したいなどと言っているが、

この数値をみたら、戻れないのは明らかだ。

チェルノブイリの強制地域よりひどいところに戻れ

というのか。

戻れる可能性があるというのか?

この状況を説明し、

住民たちが次の生活をスタートできるように、

最大限の努力を、スピードを持ってしなければならない。

一度避難してまた戻る、そしてまた避難。

前回と同じようなパターンは避難者たちにとって一番きつい。

「先が見えないのが、つらい」

というインタービューが多かった。

待たされるだけ、待たされて

ダメでした。

可能性が高く、検討した結果ダメなのは理解できるが、

この数値の状況を見たら、

残念ながら可能性は無いに等しい。

さらに細かく土壌を測定して、

国際基準・チェルノブイリで採用した例

以上に厳しく、避難地域を決めて欲しい。

線量が高いと騒がれている

「郡山市」「福島市」

の福島県の2大都市。

高い数値が出るわけだ。

30万~60万ベクレルという、

チェルノブイリの強制避難地域と同等レベルの

放射性物質が堆積しているのだから・・・

そんなところにいる子供が

「安全」

なんですか?

年間20マイクロシーベルト以下ならいいのですか。

理解不能

です。

2011.5.7 15:00 追記】
この記事にアクセスが多いので、追記します。

郡山市の一部が線量が高いという事で、地表汚染マップと、地図を見比べて分析してみました。
以下のような感じです。

郡山市の真ん中を突き抜けるように

30万から60万ベクレルの帯が通っている。

郡山市地図

郡山市の地図 引用:福島県文化スポーツ局文化振興課ホームページ

ちなみに55.5万ベクレル以上が、チェルノブイリでは強制移住区域となった。

郡山市の薫小学校が線量が高いと有名になったが、

この帯のあたりだと思われる。

帯のあるあたりは、

ちょうど郡山市の中央を南北に走る東北自動車道と東北本線の間っぽい。

2つの地図比べてみると、そう読み取る事ができる。

市の中心部の線量が高くなっているのだ。

【追記】2011.05.9

さらに詳しくは、このあとにわたしが書いた記事をご覧ください。(福島市の汚染を地図でみてみました)
地表汚染マップ。チェルノブイリの強制移住区域と同じレベルに驚きの声。深く考察してみた。

いわき市の避難者より悲痛な叫び(生の叫び声が届きました。泣けてきます)
チェルノブイリ並みの汚染を知ったいわき市の避難者の悲痛な叫びが届きました。泣けてきます。

[その他、このサイト内の関連記事です]
農作物の「風評被害」と「実害」を考えてみた。汚染値マップを見て。
染色体異常!原発撮影の韓国KBSテレビ撮影監督 ついに出てしまったか。
1
号機と3号機の爆発を比べた動画
NHK
スペシャル「汚された大地で~チェルノブイリ20年後の真実~」の感想 1/5
小佐古敏荘内閣官房参与辞任。記者会見資料全文がNHKページに載っている。
【衝撃動画】福島市の個人宅地表で97μSV/時。市内の地表は1025μSV程度。
3
号機の爆発の音(3回鳴ってると思われる)

 

東電、中性子測定を22回に修正 未公表データで

(05/28 18:16)

 東京電力は28日、福島第1原発で事故後に敷地境界付近で測られた放射線の一種、中性子線の測定回数を、これまでの13回から22回に修正した。同日、東電が発表した未公表データに含まれていた。

東電によると、中性子線は3月13~15日に測定されたが、うち13日午前と、14日夜~15日未明に計測された計9回が公表されていなかった。すでに 公表された分も含め、いずれも1時間当たり0・01~0・02マイクロシーベルト。計測場所は1、2号機の南西約1キロにある正門付近1カ所だった。

東電は「3日間と限られた期間しか検出されていないので、炉心から放出したウラン50 件やプルトニウムなどによる中性子線と考えられる」としている。

福島第1原発敷地内の土からウラン

2011.5.28 21:23

 東京電力は28日、福島第1原発敷地内で今月2日に採取した土壌から、微量のウランを検出したと発表した。事故後、継続的に検出されている。

濃度は土壌1キロ当たりウラン234と238が23ベクレル、235が0・94ベクレルで、東電は事故で放出された可能性があるとしている。

ウランれんが、来月中に搬出


 日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)が鳥取県湯梨浜町方面(かたも)地区に放置したウラン残土で製造した計145万個のれんがが、6月末に同 県三朝町の加工場から全て搬出される見通しであることが30日、分かった。加工場は稼働を終え、残ったれんが4万個の搬出を待つだけとなった。方面地区の ウラン残土問題は放置の発覚から23年がたち、一定の区切りを迎える。

同機構人形峠環境技術センター(岡山県鏡野町)によると、れんがは平均0・22マイクロシーベルトの放射線量を含み、1個90円で市販のれんがとほぼ同じ。花壇や歩道などに使う。

機構はこれまで、東海村の本部など全国の機構の事業所へ58万個を無料で搬出、一般の個人・法人向けに83万個を販売した。販売件数は計1800件。その約10%の販売先が岡山県内とみられる。

販売が続く理由について、センターは「東日本大震災後もそれ以前と変わらず注文を受けている。『もの珍しさ』なども購入の動機になっている」と説明している。

【写真説明】加工場内で山積みに保管されたれんが(鳥取県三朝町)

2011年 5月 31日(火曜日) 14:58
イラク侵攻時のアメリカの非通常兵器で10万人以上ががんに

アメリカのイラク侵攻で非通常兵器が使用された影響により、10万人以上のイラク人が、がんにかかっています。
イラクにある研究センターの報告によりますと、16万人のイラク人が、2003年のアメリカによるイラク侵攻で使用された兵器の影響により、悪性腫瘍・がんにかかっており、その多くを子供たちが占めているということです。
この報告によれば、イラク占領から8年が経過したにも拘わらず、今も毎年、8000人以上のイラク人の子供が、がん、悪性腫瘍、発達障害、医薬品や医療スタッフの不足により、命を落としています。
また、アメリカ発行の新聞、ワシントンポストは、「アメリカのイラク攻撃以来、この国の大都市のほとんどが、放射能兵器や化学物質によって汚染されている」としています。
こうした汚染により、これらの地域の住民の間では、障害を持って生まれる子供やがんなどの危険な病気にかかる人が増加しています。
この報告ではさらに、「アメリカはイラク占領の中で、2000トンを超える劣化ウラン弾が使用されたが、これは1991年の湾岸戦争で使用された800トンとは別である」とされています。
イラク環境大臣も、「保健省には14万人を超えるがん患者が報告されているが、報告されていない事例も数多くある」と語りました。

見えない恐怖「内部被曝」を理解する第一歩

2011年6月3日 コメント(2件)  総合RSS Twitter はてな

(NPO連想出版 新書マップ編集部 川井 龍介)

『内部被曝の脅威~原爆から劣化ウラン弾まで』
肥田舜太郎/鎌仲ひとみ・著
筑摩書房
756円

最初に断っておくが、本書が出版されたのは2005年6月である。サブタイトルにあるように、「核」が人間をいかに蝕むかを、広島・長崎の原爆からイラク戦争などで使われた劣化ウラン弾まで、「核」使用の実情を通して明らかにされている。

核による被害には、放射線を体外から受ける外部被曝と放射線物質を体内に取り込んだことから生ずる内部被曝があるが、本書は内部被曝にしぼって人体への 影響について説く。まさに、いま、日本がそして世界が注目している、放射能汚染とそれに伴い放射線がどのような形で人体に悪影響をもたらすかについての考 察である。

○○シーベルトだったら安全なのか、農産物はどの範囲まで汚染されているのか、漁獲物はどうなのか、どこのなにをどの程度食べても平気なのか。保育所の園庭は安全なのか。少なくとも東北、関東では、こうした心配の声が無数にあがっている。

この場合、突き詰めれば現在進行中の懸念は、内部被曝の実態とその評価である。それを考えれば、原発事故を対象としたものではないが、まさにいま最も国民がが知りたいテーマといっていいだろう。

二人の著者のうち肥田舜太郎氏は1917年生まれ、戦時中軍医として広島に赴任し被曝したが、同時に被爆者の治療、救援にあたる。これが原点となって、放射線の人体への影響を医師として研究、同時に反核運動にも積極的にかかわってきた。

内部被曝が原因と思われる、「ぶらぶら病」といわれた被爆者特有の病気の解明につとめてきたのも彼である。海外も含めて内部被曝の実態を長期にわたって見続け、研究してきた経験にもとづく発言は、今回の原発事故に関しても注目されている。

 もう一人の著者、鎌仲ひとみ氏は米国などで医療、環境問題などのドキュメンタリーを手がけ、2003年には劣化ウランで被曝したイラクの子どもたちやアメリカのかつてのプルトニウム製造現場などをとらえた作品「ヒバクシャ」を制作した。このなかに肥田氏も登場する。

本書では、イラクやボスニアなど劣化ウラン弾による被曝の実態や、アメリカでは世界で初めての大型原子炉がつくられたワシントン州の「エリア」での被曝 の調査など、世界各地に広がる内部被曝について、鎌仲氏が記す。一方肥田氏は、原爆による被曝者の実態を幾多の経験からまとめ、医師、研究者として内部被 曝のメカニズムを説く。

被曝とがんなどとの因果関係について、分かったようで分かっていないという人が多いと思われるが、たとえば低線量放射線が細胞膜を破壊し、遺伝子を傷つけ突然変異を引き起こしがんなどをもたらす過程などを説明する。

しかし、著者自身も言うように、内部被曝と健康被害の関係については、細かく分かっていない。低線量の放射線なら安全であるとか、放射線影響について、 安全と危険の境となる値として「しきい値」というものが定められるとする見解と、低線量でも危険であることはまちがいないし、「しきい値」はないという見 解がある。また、自然放射線と人工放射線についても同じだとする見方と異なるものだとするものがある。

著者はいずれも後者の立場をとり、世界的な権威である国際放射線防護委員会(ICRP)については、被曝しても有益な行為を不当に制限しないことを防護の目的としているから内部被曝を過小評価していると批判する。

アメリカでの乳がんによる死亡者数をみたとき、増加がみられる場所と、そこから原子炉までの距離との相関関係があるという報告やイラクで劣化ウランがもたらす内部被曝と思われる健康被害の実態が紹介される。

内部被曝と健康被害については、まさにこれから議論が盛んになるだろうし、建設的議論は歓迎したいところだ。しかし、本書でドイツのある学者が指摘して いるように、この問題は、科学的な論争のはずがしばしば経済的、軍事的な論争に姿を変えてしまうことがある。また、内部被曝の研究にかけるコストは、核兵 器開発、原子力開発にかけるコストに比べたら微々たるものである。今回の原発事故の被害をみると、今思えば原発建設を計画するなら被曝の恐ろしさを真剣に 科学的に研究するのが先だと痛感する。

本書の終章では二人が対談。そこで「目に見えないから存在しないことにしようとされている放射能汚染を予防的に回避できるかどうかが今の日本に突きつけ られた課題だ」と鎌仲氏が言うと、肥田氏は「原子力をいちどきにストップすることはありえないでしょうから、結果として犠牲者を出しながら徐々に変わって いくという形になるでしょう」と返す。残念ながらこの課題は解決されることなく、肥田氏の言うままに東日本大震災を迎えてしまったようだ。

福島の23河川、放射性物質検出されず

福島第一原発の事故を受け、環境省は3日、福島県中通りと浜通り地方の23河川29地点で実施した水質と川底の放射性物質濃度の調査結果を発表した。

川の水は、全地点で放射性物質が検出されなかった。

調査は5月24~29日に、原発の半径20キロ圏外で実施された。川底の土からは、通常は含まれない放射性セシウム137が全地点で検出され、1キロ・グラムあたり1万6000~51ベクレルだった。最も高かったのは同県南相馬市の新田川・木戸内橋。水田の場合にコメの作付け制限の基準としている5000ベクレル超だったところも5地点あった。

同省水環境課では「濃度はすべての地点で周辺の土壌とほぼ同じレベル。今のところ、川の中で濃縮はされていない」としている。

(2011年6月3日20時51分  読売新聞)

高濃度汚染水の放射能量、72万テラ・ベクレル

東京電力は3日、福島第一原子力発電所の原子炉建屋などにたまった計10万5100トンの高濃度汚染水について、含まれる放射能量が約72万テラ・ベクレル(テラは1兆倍)に上ると発表した。

同原発で1年間に放出が許されている量の約300万倍にあたる。

東電では、1~3号機の原子炉に現在のペースで注水し続けると、こうした汚染水の水位が上昇して、20日にも地表へあふれ出す恐れがあると推測し た。15日までに汚染水処理施設を稼働させて流出を防ぐ方針だが、大雨が降ると、あふれる時期が早まる可能性がある。梅雨の季節を迎え、汚染水処理問題 は、時間との勝負という様相を強めている。

(2011年6月3日21時53分  読売新聞)

震災、アサリにもストレス 東邦大調査、殻の模様に異変

2011年6月5日5時47分

写真:殻の途中で帯状に模様が変わったアサリ=大越健嗣・東邦大教授提供拡大殻の途中で帯状に模様が変わったアサリ=大越健嗣・東邦大教授提供

写真:殻の途中で帯状に色や模様が変わったアサリ=大越健嗣・東邦大教授提供拡大殻の途中で帯状に色や模様が変わったアサリ=大越健嗣・東邦大教授提供

写真:帯状の変化がみられない通常のアサリ=大越健嗣・東邦大教授提供拡大帯状の変化がみられない通常のアサリ=大越健嗣・東邦大教授提供

 福島県の沿岸で、二枚貝のアサリの模様に東日本大震災の影響とみられる異変が起きていることが、東邦大学の大越健嗣教授らの調査で分かった。9割の個体 で殻の途中に溝ができ、それを境に色や模様が変わっていた。津波で環境が激変したことによるストレスが主因とみられるという。

大越教授らは5月下旬、アサリの産地として知られる福島県相馬市の松川浦とその周辺の河口で生息密度などを調べた。この調査で採取したアサリ216個体 のうち、約9割にあたる192個体で、貝殻の模様の一部が帯状に変わっていた。同じ松川浦で2009年6月に行った調査では、貝殻に帯状の変化がみられた 個体は1割以下だった。

アサリの殻には様々な色や模様があり、遺伝と生息環境の両方の要因に左右される。また、通常の海域でも、ストレスが加わると模様に変化が起きる場合がある。

台風による大波で転がされたり、冬に海水温が大きく下がったりすると、貝殻の途中に「障害輪」という溝ができて、そこから先にできた模様が変わることがある。外国産のアサリを、環境の違う日本の海に移して育てても、同じ現象が起こることが多い。

モニタリングデータ未公表=ベント前に敷地外でセシウム―保安院

2011年6月3日22時6分

経済産業省原子力安全・保安院は3日、福島第1原発事故直後の緊急モニタリングで、未公表のデータがあったと発表した。データには、蒸気弁を開く「ベン ト」操作や爆発の前に敷地外で放射性セシウムなどが検出されたものもあるが、西山英彦審議官は「事故の解釈を変更するものはなかった」としている。

未公表だったのは3月12~15日に実施した大気や雑草などに含まれる放射性物質の分析結果など。

新たに公表されたデータによると、ベントや水素爆発の前の同12日午前8時39~49分、第1原発から約7キロの福島県浪江町での大気分析で、放射性のヨウ素やセシウムなどが1立方メートルあたり1.8~90ベクレル検出された。

保安院が大気分析結果を初めて公表したのは同14日で、13日朝に約5キロの大熊町で測定した値だった。

[時事通信社]

福島沖の海底土壌から高濃度セシウム 海水は基準超えず

2011年6月4日1時19分

 福島県は3日、同県いわき市四倉の沖合1.7キロメートルの深さ20メートルの海底の土壌から、1キログラムあたり9271ベクレルの放射性セシウムが 検出された、と発表した。県によると、海底の土壌については安全性の基準がなく、魚介類などに影響が出るかどうか今後調べるという。

県は5月下旬、海底土壌と海水を測定。いわき市四倉の沖1キロ、深さ10メートルの土壌からは同6003ベクレル、同市江名の沖2.6キロ、深さ20 メートルの土壌からは同4653ベクレルが検出された。海水については、基準を超える放射性物質が検出された地点はなかったという。

石巻、東松島、女川 放牧自粛を解除 宮城

2011.6.4 01:50

 県は3日、石巻市、東松島市、女川町の石巻地域について、乳用牛と肥育牛の放牧と牧草を与えることの自粛要請を解除した。県が実施した牧草の放射能測定で放射性セシウムが国の暫定許容値を下回ったため。

石巻市は前回(5月25日採取)の測定で120ベクレルと、乳用牛と肥育牛の放射性セシウムの許容値300ベクレルを下回った。今回は石巻市2カ所と東松 島市に測定地点を拡大。測定結果は石巻市が52ベクレルと不検出、東松島市が10ベクレルで許容値を下回った。放射性ヨウ素は2回連続して検出されなかっ た。今回は1、2日に6市3町でサンプルを採取。放射性セシウムは5月18日採取分が、丸森町で980ベクレル、七ケ宿町で1770ベクレルと許容値を大 幅に上回ったが、今回は丸森町231ベクレル、七ケ宿町207ベクレルで、ともに許容値を下回った。

栗原市は380ベクレル、気仙沼市は359ベクレルでともに2回連続で許容値を上回った。大崎市は253ベクレルで連続して許容値を下回った。

県施設の排水口で放射能調査 山形大での検出受け

2011年6月4日

 山形大理学部の屋上排水口周辺から高濃度の放射性セシウムが検出されたとの調査結果を受け、県は3日、県施設の排水口周辺の放射能調査を始めた。汚泥の放射性物質や付近の空間放射線量を測定、来週にも分析結果を公表する。

県水大気環境課の職員が、県庁駐車場の側溝の排水口周辺から汚泥約800グラムを採取。汚泥から高さ10センチ、50センチ、1メートルの空間放射線量もそれぞれ測定した。県衛生研究所(山形市)の屋上でも調査した。

同大の岩田高広教授が5月30日の県議会特別委員会の研修会で、大学屋上の排水口周辺のほこりから、1キロあたり50万ベクレルの放射性セシウム134を検出したことを公表。福島第一原発から飛来した放射性物質が、雨水などで流されて蓄積した可能性を指摘した。

県水大気環境課は「住民の不安もあるので、県内の道路脇の側溝の調査も行う」としている。

2011年6月4日(土)「しんぶん赤旗」

72万テラベクレルの汚染水

20日にも流出の恐れ

福島第1原発 限度の327万年分


東京電力は3日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1~4号機の建屋地下などにたまっている高濃度の放射能汚染水が、海などに漏れ出す危険性 について検討した結果を発表しました。現在のペースで原子炉への注水を続けると、汚染水の一部を別の施設に移送しても20日に海への流出が懸念される状況 になります。流出させないためには汚染水処理装置の稼働が急がれますが、稼働予定は15日で、それまで綱渡りの作業が続きます。

それによると、1~4号機原子炉建屋やタービン建屋の地下、移送先の集中廃棄物処理建屋などにたまっている汚染水の総量は計10万5100トン (5月末現在)。汚染水に含まれる放射性のヨウ素とセシウムの放射能は計72万テラベクレル(ベクレルは放射能の強さを表す単位。テラは1兆倍)で、同原 発の外部への放出限度の327万年分にあたる放射能量です。

東電は、原子炉建屋などでの汚染水の水位の変動や原子炉からの漏えい経路などの推定をもとに、今後の水位の変化を予測。別の施設に汚染水を移送す るとした場合でも、早ければ20日にも海への流出が懸念される水位を超えるという結果でした。汚染水処理装置が予定通り15日に稼働すれば間に合う計算で すが、今回の試算には雨の影響が反映されていません。降雨があれば状況は「相当厳しくなる」としているものの、有効な雨水対策はとられていません。

東電は2日、検討結果を経済産業省原子力安全・保安院に報告しました。

解説

流出防止 手だて尽くせ

福島第1原発1~4号機の建屋地下にたまっている高濃度放射能汚染水の全容が、初めて明らかにされました。予想されていたとはいえ、10万 5000トンの汚染水に含まれている放射能が72万テラ(兆)ベクレルとは驚くべき量です。しかも、原子炉の圧力容器も格納容器も壊れ、溶融した燃料を冷 やすために注いでいる水は筒抜けの状態で、日々、その量は増え続けています。

東京電力は、15日以降、処理装置を通して放射能を低減したうえでタンクに貯蔵するほか、集中廃棄物処理施設に移送するので、たまり水を減らすこ とができるとしています。しかし、装置の処理能力は1日当たり1200トンにすぎません。集中廃棄物処理施設も、2、3号機のタービン建屋からこれまで移 送した分で“満杯”状態です。計画どおりいくのか、疑問といわざるを得ません。

そのうえ、東電がみずから行った予測で、処理装置が予定通り稼働できなければ、20日にもたまり水がいっぱいになることがわかりました。雨が降れ ば、さらに早まるといいます。最悪の場合、人間が近づけないほどの強い放射線を出す水が地表にあふれ出して海に流れ出す可能性は否定できません。

福島第1原発からは、すでに、2、3号機の取水口付近から建屋地下のたまり水とみられる高濃度放射能汚染水が海に流出しました。意図的な汚染水の放出も行われ、漁業者から強い批判があがったほか、国際的な問題となりました。

これ以上、海を放射能で汚染することは許されません。国と東電は、予定通り動かすことができるか確信のもてない処理装置だけに頼るのでなく、緊急時に備えて汚染水を入れることのできるタンカーを確保しておくなど、あらゆる手だてを講じることが求められます。(間宮利夫)

表

東電、海水浄化を9日から実施 福島第1原発

2011/6/4 10:33

 東京電力は9日から、福島第1原子力発電所の取水口付近の海に流れ出た放射性物質を含む汚染水の浄化作業を始める。海水をポンプでくみ上 げて浄化装置に送る通水試験を実施する。また、4日から、タービン建屋や原子炉建屋にたまった高濃度汚染水を浄化してためるためのタンクなどを搬入する。 原子炉を安定冷却させるうえで大きな課題である汚染水の対策を急ぐ。

 福島第1原発では2、3号機の取水口付近のピット(立て坑)から大量の高濃度汚染水が漏れ出たため、フェンスなどを張って放射性物質が拡散 しないようにしている。東電は海水を浄化して海に戻すことを決め、東芝製の浄化装置2台を設置した。装置は海水に含まれる放射性物質をゼオライトと呼ぶ鉱物で吸着処理する。2台で毎時60トンの処理が可能。9割以上の放射性セシウムを除去できるという。

 一方、原子炉で発生する汚染水を浄化して一時的にためたりするための仮設タンクなどを搬入する。仏アレバ社の浄化装置は10日から試運転を 開始する。この装置は化学物質を使って放射性物質を沈殿させ、汚染水に含まれる放射性物質の濃度を下げる。1日あたり1200トンを処理できるという。東 電は処理した汚染水を原子炉に戻して冷却する「循環注水」に利用する考えだ。

 現在、敷地内には合計で約10万5100トンの汚染水がたまっている。放射性物質の量は72万テラ(テラは1兆)ベクレルに達し、海などへ の流出を防ぐため集中廃棄物処理施設などにためている。ただ、原子炉への注水は今後も続けなければならず、20日にも再び海に流れ出す危険性が増してい る。

東日本大震災:焼却灰からセシウム 長野の下水施設2カ所で /長野

 県は3日、長野市内の下水処理施設で3度目の放射能濃度を測定し、2カ所の焼却灰から放射性セシウムを検出したと発表した。

県生活排水課によると、5月25日に食品環境検査協会(東京都)が測定。焼却灰から1キロ当たり、長野市赤沼の施設で1430ベクレルを、同市真島町の施設で510ベクレルを検出した。

放射性物質が検出された焼却灰は、県内の下水処理施設4カ所で保管中。別に県環境保全研究所が5月28~30日、全施設の放流水を測定したが、4カ所とも放射性物質は検出されなかった。【大平明日香】

毎日新聞 2011年6月4日 地方版

蒸気放出前に金属性放射性物質検出 福島第1原発から7キロ地点

2011年6月5日 02時06分

 東日本大震災の発生翌日、福島第1原発で爆発が起きる前に福島県が行ったモニタリング調査で、金属性で飛散しにくい放射性テルルが原発から約7キ ロ離れた同県浪江町などで検出されていたことが分かった。拡散しやすい揮発性の放射性ヨウ素より多く検出されており、早い段階で金属性の放射性物質が広く 飛散していた。

テルルはレアメタル(希少金属)の一種で、放射性同位体のテルル132の半減期は3日余り。主にベータ線を出す。

データは保安院が3日夜に公表。3月12日朝から13日夜までの大気を調べたもので、大半がこれまで未公表だった。テルル132は12日朝から昼すぎにかけ、浪江町の2カ所と大熊町、南相馬市で検出され、濃度は1立方メートルあたり119~23ベクレルだった。

当時の原子炉建屋は換気装置が止まって外に空気が出ないようになっていた。蒸気を放出するベント作業は12日午後に始まり、その直後に水素爆発が起きている。

東京電力は、核燃料の損傷が最も進んでいたとされる1号機が漏出元とみており、「格納容器内の圧力が高まり、接ぎ目から水素とともにテルルが漏れ出したのでは。建屋内の圧力も高まって外に漏れ、風に乗って広がったことが考えられる」と説明している。

ただ、拡散しやすい揮発性のヨウ素131の検出量はテルルの半分程度。テルルと同じ金属性のセシウム137は浪江町の1カ所でテルルを上回った以外、微量しか検出されなかった。

京都大原子炉実験所の山本俊弘准教授(原子炉物理)は「現在分かっている状況では、テルルが漏れるとは考えにくい」と話している。

(中日新聞)

東日本大震災:福島第1原発事故 伊達市、避難希望住民に相談会 /福島

 ◇13世帯が参加

伊達市は4日、累積放射線量の年間推計値が計画的避難区域と同じ20ミリシーベルトを超える伊達市霊山町石田で、自主避難を希望する住民ら向けの個別相談会を開いた。13世帯の家族が参加し、市職員に質問をした。

住民らは市職員に「避難先の線量はどの程度か」「駐車場は2台確保できるか」「ガソリン代などの経費は今後、東京電力などに請求できるのか」など と質問。主婦の大槻真由美さん(39)は「県外に避難した人もいる。とりあえず市営住宅に入るけれども心配です」。農業、菅貴之さん(34)は「いつから 移転先に入居できるのか知りたい。ブルーベリーの収穫は朝5時からなので、遠くから毎日車で通うのが大変です」と話した。

市は5月14日、独自にこの地域の住民から希望者を募り、別の地域の市営住宅に自主避難させることを決定。対象44世帯へのアンケートの結果、当 初15世帯48人が自主避難を希望と回答していた。その後、1世帯が辞退、もう1世帯が県外への自主避難を決め、現在13世帯45人が希望している。【吉 田卓矢】

毎日新聞 2011年6月5日 地方版

東日本大震災:福島第1原発事故 保安院モニタリング調査、県未公表データも /福島

 経済産業省原子力安全・保安院は3日、福島第1原発事故発生直後の緊急時モニタリング調査結果を発表し、この中に未公表のデータが含まれていた。

県原子力センターが3月15日に採取した川俣町の雑草から通常は検出されない放射性ヨウ素を1キロ当たり123万ベクレル検出したデータもあった。このほか、県原子力センター福島支所(福島市)で同日採取した雨水からも10万3000ベクレルの放射性ヨウ素を検出した。

県は「国に報告しており、そちらから公表されると思っていた。データ公表について反省すべき点はあった」としている。【三上健太郎、渡辺諒】

毎日新聞 2011年6月5日 地方版

東日本大震災:牧草の放射性物質、暫定許容値下回る--県内5カ所 /秋田

 県は15日、県内5カ所で14日に採取した牧草の放射性物質の検査結果を発表した。いずれも農林水産省の暫定許容値を大きく下回り、安全性に問題はなかった。

調査は、岩手県滝沢村の牧草から暫定許容値(1キロ当たり300ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたことを受けて実施。鹿角市11ベク レル、北秋田市3・4ベクレル、大潟村7・4ベクレル、大仙市6・4ベクレル、湯沢市28ベクレルだった。放射性ヨウ素は暫定許容値の1キロ当たり70ベ クレルに対し、湯沢市が4・5ベクレルで、他4カ所は検出されなかった。【辻加奈子】

毎日新聞 2011年5月16日 地方版

福島原発港湾内、14兆ベクレル残留

2011年5月24日 14時03分
 経済産業省原子力安全・保安院は24日、東京電力福島第1原発から流出した放射性物質について、17日の段階で原発専用港の湾内に14テラベクレル(テラは1兆)、残留しているとの分析結果を公表した。

 同原発では、4月はじめに2号機近くからヨウ素とセシウム計4700テラベクレルを含む汚染水が流 出。湾内の放射性物質はその後、減少を続けていたが、5月10日から11日にかけて新たに3号機付近から20テラベクレルが流出した。保安院は、今回の数 値はこの3号機の影響で、今後、放射性物質が時間をかけて湾外に拡散するとみている。

保安院の推定によると、残留している主な放射性物質はヨウ素131が1・7テラベクレル、セシウム134が6・2テラベクレル、同137が6・4テラベクレル。(共同通信)

東日本大震災:須坂、肥料からセシウム 排水処理施設2カ所 /長野

 須坂市は2日、市内2カ所の農業集落排水処理施設の汚泥を脱水したコンポスト(農業肥料)から放射性セシウムが検出されたと発表した。

市上下水道課によると、検出されたのは豊丘地区(同市豊丘)と高甫地区(同市八町)。5月23日に採取したコンポストを水戸市の民間会社で検査し たところ、放射性セシウム134(1キロ当たり)は、豊丘16ベクレル▽高甫210ベクレル。放射性セシウム137(同)は豊丘21ベクレル▽高甫260 ベクレル--をそれぞれ検出した。

コンポストは通常、隣接する保管小屋に置き、希望者に肥料として配布しているが、市は結果を受け配布を停止。国の指針が決まるまで施設内に保管するという。【小田中大】

毎日新聞 2011年6月3日 地方版

東日本大震災:脱水汚泥検出のセシウム増える--逗子の下水処理場 /神奈川

 逗子市は2日、下水処理場「市浄水管理センター」の脱水汚泥から1キロ当たり放射性セシウム197ベクレル、放射性ヨウ素18ベクレルを検出したと発表した。

採取日は5月27日で、同16日に採取した前回分よりセシウムが21ベクレル増え、ヨウ素は21ベクレル減った。今後も下水や汚泥などの放射線量の測定を随時実施する。【松永東久】

毎日新聞 2011年6月3日 地方版

東日本大震災:牧草から放射性セシウム 大河原、大崎で県説明会 /宮城

 丸森町や七ケ宿町など県内放牧場の牧草から国の暫定許容値(1キロ当たり300ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、県は3日、 大河原町と大崎市で畜産農家を対象にした説明会を開いた。農家からは「東電の担当者が来て説明すべきだ」など厳しい声が相次いだ。登米市南方農村環境改善 センターでも4日開かれる。

大河原町での説明会には県南地域の畜産農家ら約300人が出席。農水省の担当者が「刈り取った牧草を一般廃棄物とするかどうかは、最終調整中」な どと説明。JA宮城中央会の担当者が損害賠償について「13日に県協議会を設けて連絡調整し、一本化して7月末、東京電力に請求する」などと説明した。

質疑・意見交換で畜産農家からは「刈り取った牧草ロールの処分方法は」「定点観測地点を増やし、迅速に結果公表を」「代替飼料の確保は十分か」 「刈り取った牧草の検査も」などさまざまな意見、要望が相次いだ。これに対し県は「放射性物質の測定は、迅速化を図るため6月からは東北大に依頼してい る。定点観測以外も増やしたい」などと理解を求めた。【豊田英夫】

毎日新聞 2011年6月4日 地方版

2011年6月1日(水)「しんぶん赤旗」

ストロンチウム90依然「通常の100倍」

福島第1


東京電力は31日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)敷地内3カ所で9日に採取した土壌から放射性のストロンチウム89と同90が、4月18 日にほぼ同じ場所で採取した土壌から検出されたのに続いて、検出されたことを明らかにしました。ストロンチウム90の濃度が通常検出される値の約100倍 に相当していることから、今回の事故で放出されたものだとしています。

土壌を採取した場所は、1号機から西北西へ約500メートル離れた「グラウンド」と、西へ約500メートル離れた「野鳥の森」、南南西へ約500 メートル離れた「産廃処分場近傍」の3カ所です。ストロンチウム89が乾燥土壌1キロあたり1700~2800ベクレル、同90が同じく300~480ベ クレルで、前回とほぼ同じレベルでした。

ストロンチウム89と同90は、カルシウムと似た性質をもち、摂取すると骨などに蓄積して、放射線を出すため、骨がんなどの原因になります。スト ロンチウム90は半減期(放射能の量が半分に減るのに要する期間)が約29年と長いため、約50日のストロンチウム89よりも影響が大きいとされていま す。過去の大気圏核実験の影響で、国内でも半減期の長いストロンチウム90が乾燥土壌1キロあたり最大4・3ベクレル検出されています。

東日本大震災:佐久でセシウム検出 焼成汚泥から /長野

 佐久市は3日、佐久平環境衛生組合で処理された焼成汚泥から各1キロ当たりで放射性物質のセシウム134を100ベクレル、セシウム137を90 ベクレル検出したと発表した。5月24日に採取して食品環境検査協会(東京都)で検査した。焼成汚泥は農業用肥料として利用している。【藤澤正和】

毎日新聞 2011年6月4日 地方版

東日本大震災:さしま茶協会、今年度茶生産を全面中止 原発事故影響に憤まん /茨城

 政府が食品衛生法の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたとして県全域で生産する茶の出荷停止を指示した ことを受け、さしま茶協会(会員数38戸)は3日、境町役場で会議を開き、今年度の茶生産の全面中止を決定。同協会員に通知した。同協会の長野元明会長は 毎日新聞の取材に「生産者の1年の苦労がすべて失われた」と漏らし、東京電力福島第1原発事故の及ぼし続ける影響に憤まんやるかたない表情を隠さなかっ た。

同協会は、出荷停止指示について「私達協会は、消費者の皆様の安全・安心を第一と考え、国の指示を粛々と順守することを宣言致します」とのコメン トを発表。通知では全協会員に対し、お茶の木を高さ約50センチほど残す台切りや深刈りという方法で、新芽と古葉のすべてを刈り取り廃棄をするよう求め た。

長野会長は会議終了後、毎日新聞の取材に対し、「さしま茶ブランドを守るために、会員同士が歩調を合わせ、消費者離れをぜがひでも防ぎたい」と強調。せっかく育てた茶葉の刈り取りを全会員に求めるのはあくまで「さしま茶」のブランドを守るため、との考えを示した。

協会によると、苗木を植えてから茶摘みができるまでは6~7年もかかる。やっと摘み取れる時期を迎えたところで刈り取らなければならないという事態に陥った。中には「廃業を考えるしかない」と悲鳴をあげる生産者もいるという。

長野会長は「今回の放射性物質検出は、葉物野菜などの生産農家も含めて、計り知れない痛手。死活問題だ。行政やJAなどと協議し、東電への賠償請求を検討していきたい」と語った。【宮本寛治】

毎日新聞 2011年6月4日 地方版

東日本大震災:佐渡産サザエから微量の放射性物質 県、健康に影響なし /新潟

 県原子力安全対策課は3日、4月23日に佐渡市で採れたサザエから放射性セシウム134が1キロあたり0・34ベクレル、セシウム137が同0・ 39ベクレルそれぞれ検出されたと発表した。県内の海産物から放射性物質が出たのは初めて。福島第1原発事故の影響とみられる。

同課によると、文部科学省からの委託事業として毎年行っている環境放射能水準調査で判明した。国の暫定規制値(1キロあたり500ベクレル)を大幅に下回っており、食べても健康に影響はないという。【畠山哲郎】

毎日新聞 2011年6月4日 地方版

川底の土壌から放射性物質 セシウムなど、初調査

2011年6月3日 21時08分

 環境省は3日、福島第1原発の警戒区域を除く福島県沿岸部と中央部を流れる河川の底の土壌から放射性セシウム137が1キログラム当たり最高1万6千ベクレル、セシウム134が同1万4千ベクレル検出されたと発表した。川の水から放射性物質は検出されなかった。

福島県内の河川の放射性物質濃度調査は初めて。県内で文部科学省が行っている地上の土壌調査では警戒区域外で数十万ベクレルのセシウム137や134が検 出されている。環境省は「周辺の土壌並みか、それ以下の濃度と考えられ、ただちに健康への影響はないのではないか」とし、水量が増える梅雨にかけて引き続 き調査、対応を検討する。

調査は5月24~29日に河川29カ所で実施。全地点の土壌で放射性セシウムが検出された。セシウム137、 134とも最高値は南相馬市を流れる新田川の木戸内橋付近で記録。次いで高かったのは伊達市内の阿武隈川の大正橋付近でセシウム137が1万2千ベクレ ル、セシウム134が1万1千ベクレルだった。放射性のヨウ素131は4カ所の土壌で検出、大正橋付近の65ベクレルが最高だった。

セシウム137は半減期が約30年、セシウム134は約2年、ヨウ素131は約8日。

(共同)

ムール貝、ワカメ初の規制値超…いわき市沿岸

厚生労働省は19日、福島県いわき市産のムラサキイガイ(ムール貝)とワカメから、それぞれ暫定規制値(1キロ・グラム当たり500ベクレル)を上回る放射性セシウムが検出されたと発表した。

貝類や海藻類で規制値を超えたのは初めて。また、伊達市でとれたヤマメからも初めて規制値を超える同セシウムが検出された。いずれも検査のための採取で、市場には流通していない。

厚労省によると、ムラサキイガイとワカメはいわき市沿岸部で16日に採取されたもので、ムラサキイガイからは650ベクレル、ワカメからは1200ベクレルが検出された。

17日採取のヤマメからは990ベクレルが検出されたほか、すでに規制値を超えたことがあるワカサギ(北塩原村)やシラス(いわき市沖)でも、再び規制値を超えた。

(2011年5月19日22時49分  読売新聞)

海水の放射性物質 基準大幅に下回る 県調査

県は3日、福島第一原発の事故を受け、港湾や漁港、沿岸部の漁場などで行っている海水、海底土壌調査で、調査が終了した全45か所から放射性物質が検出されたと発表した。県は海水について「いずれも基準値を大幅に下回っており、安心できるレベル」としている。

調査は64か所を対象に行う予定。5月16日~30日に行った45地点すべてで、「セシウム134」と「同137」が検出された。最も数値が高 かったのはそれぞれ、いわき市久之浜磯根漁場の1リットルあたり12・7ベクレル、相馬市松川浦(湾口部)の同13・7ベクレルだったが、国の基準(それ ぞれ60ベクレル、90ベクレル)を下回った。ヨウ素は検出されなかった。

海底土壌を調べた9地点での最大値は、いわき市四倉沖1・7キロ地点で、「セシウム134」が1キロ・グラムあたり4592ベクレル、「同 137」が同4679ベクレル検出された。県は「土壌については国の基準がなく、生物に与える影響は分からない。今後、定期的に魚の検査を行うなどして データの動きをみていきたい」としている。

(2011年6月4日  読売新聞)

東日本大震災:福島・いわき市沖海底、通常の2000倍検出--放射性セシウム

 福島県は3日、いわき市沖の海底の土から通常の約2000倍を超える放射性セシウムを検出したと発表した。県は「海産物へ海水や餌を通じて蓄積される恐れがある。魚介類のモニタリング結果を注視していきたい」としている。

調査は5月26日に同市の四倉、江名、勿来(なこそ)沖0・5~5キロの9地点で土を採取。同海域の過去の調査では、セシウム濃度が土壌1キログ ラム当たり4ベクレル程度が最高だったが、四倉沖1・7キロ地点で9271ベクレルを検出した。他の地点でも486~6003ベクレルと100倍以上の値 を検出した。【関雄輔】

毎日新聞 2011年6月4日 東京朝刊

福島県内の川底から放射性セシウム検出 環境省

2011/6/3 19:46

 環境省は3日、福島県内の河川の放射性物質の濃度を調べた結果、南相馬市の新田川で、川底の砂からセシウム137が最大1万6000ベクレル検出されたと発表した。川底の砂について基準はないが「周辺の田畑など、汚染された土壌と同レベルの濃度」(環境省)という。

 環境省は県内河川の29カ所で砂を採取、全地点でセシウム137と同134が検出された。最も高濃度だったのは福島第1原子力発電所の北側 の新田川・木戸内橋周辺。国立環境研究所の柴田康行領域長は「急性の毒性が出るレベルではない」と説明している。水からは検出されなかった。

 放射性セシウムは土壌に吸着しやすく、水に再び溶けることは少ないとされる。1キログラムあたりの半減期(放射性物質の量が半分になるまで の時間)は30年。ただ、川底の生物を食べた魚などに放射性物質が移る可能性もあり、「将来、生態系にどう影響を与えるか観察する必要がある」(柴田領域 長)としている。

東日本大震災:川底の砂、最高3万ベクレル 福島の23河川、放射性セシウム検出

 ◇環境省測定

環境省は3日、福島県浜通りと中通りの警戒区域外にある23河川(29地点)で実施した、放射性物質濃度の測定結果を発表した。全地点で水からは 検出されなかったが、川底の砂からは全地点で放射性セシウムが検出され、最高値は1キログラムあたり3万ベクレルだった。同省は「対策は政府内で検討中 だ」としている。

調査は5月下旬、国土交通省と共同で実施。川底の砂に含まれる放射性セシウムは、セシウム134が1キログラムあたり1万4000~48ベクレ ル、セシウム137が1万6000~51ベクレルで、最も高い南相馬市の新田川・木戸内橋の放射性物質の濃度は計3万ベクレルとなった。

環境省によると、下水処理後の汚泥などには放射能に関する基準があり、1キログラムあたり10万ベクレル以下なら、漏出防止策を取った処分場の敷 地内に仮置きして差し支えないとされる。調査地点はいずれも上水道用の水源ではなく、同省は「川底の汚染は周囲の土壌と同じレベルとみられる。水からは放 射性物質が検出されていないため、川底の汚染が大気中などに拡散する可能性は低い」と話している。【江口一】

毎日新聞 2011年6月4日 東京朝刊

震災ファイル:前橋の水道水から放射性物質検出 /群馬

 県は4日、3日に採取した県衛生環境研究所(前橋市上沖町)の水道水を検査した結果、放射性セシウム137が1リットル当たり0・12ベクレル検 出されたと発表した。飲用基準を大きく下回っており、県は「健康に影響がある値ではない」としている。放射性ヨウ素とセシウム134は検出されなかった。 同研究所の水道水から放射性物質が検出されたのは4月27日以来。

毎日新聞 2011年6月5日 地方版

海底土壌から9271ベクレル いわき沖漁場

 福島県は3日、いわき市沖の漁場9地点の海底土壌に含まれる放射性物質量を初め て調べた結果、最高で1キロ当たり9271ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。県の1973年以降の調査では、海底沈積物の放射性物質の最 高値は4ベクレルで、2000倍以上を検出した。
県によると、5月26日に採取した海底の土壌を調査した。いわき市四倉沖1.7キロの深さ20メートル地点の土壌から、9271ベクレルの放射性セシウムが検出された。
海底土壌の安全基準は定められていないため、県は「国に評価を求めるとともに、土壌と海底魚介類のモニタリングを続けて継続的に監視したい」と話している。
いわき、相馬市と新地町で5月16~30日に採取した海水も調査。海水については、法令が定める周辺監視区域境界外の水中の放射性物質の濃度限界を下回った。県と国は、漁港や海岸から近い沖合などの海水と海底土壌の検査を今後も継続的に行う。

2011年06月04日土曜日

福島市などの雑草から高濃度放射能 原発事故直後

 政府の原子力災害現地対策本部と福島県災害対策本部は3日、福島第1原発事故が 発生した直後の3月15日に、福島市など4カ所で採取した雑草から1キログラム当たり30万~135万ベクレルと非常に高い放射能を検出しながら、発表し ていなかったことを明らかにした。事故で放出された放射性物質が付着したためとみられる。
食品衛生法による野菜の暫定基準値は放射性ヨウ素が2000ベクレル、セシウムが500ベクレル(いずれも1キロ当たり)。付近で栽培された野菜を食べたり農作業を行っていたりすれば、放射性物質を摂取した危険性もあり、政府や県の情報公開の姿勢が問われそうだ。
最も高かったのは、福島市立子山でヨウ素119万ベクレル、セシウム16万9000ベクレルの計135万9000ベクレル。さらに川俣町役場近くでヨウ素 123万ベクレル、セシウム10万9000ベクレルの計133万9000ベクレル。田村市船引町新舘でヨウ素86万2000ベクレル、セシウム10万 6000ベクレルの計96万8000ベクレル、同市の阿武隈高原サービスエリアでヨウ素27万7000ベクレル、セシウム3万1100ベクレルの30万 8100ベクレルを検出した。
政府と県によると、測定は県原子力センター福島支所が実施。データを政府の原子力災害対策本部に集約し公表するはずだったが、事故直後の混乱でデータが紛れるなどしたという。
県原子力安全対策課の小山吉弘課長は「公表されるべきだったが、結果的に抜け落ち、未公表自体にも気付かなかった。大変申し訳ない」と話している。

2011年06月04日土曜日

【原発】雑草から100万ベクレル超 県公表せず(06/04 02:53)

3月15日に県が測定した福島県川俣町の雑草から、1キロあたり100万ベクレルを超える極めて高い濃度の放射性物質が検出されていたことが分かりました。このデータはこれまで公表されていませんでした。

3日夜、政府の原子力災害現地対策本部と県が記者会見で明らかにしました。極めて高い濃度の放射性物質が検出されたのは、3月15日に川俣町から福島市へ 向かう国道114号沿いの2カ所で採取された雑草です。このうち、福島第一原発から38キロ離れた国道349号が交差する川俣町小作付近の雑草から1キロ あたり123万ベクレル、さらに北西に8キロ離れた場所で採取された雑草から119万ベクレルの放射性ヨウ素が検出されていました。測定したのは福島市に ある県の分析機関でした。これまでデータを公表しなかったことについて、県の小山吉弘原子力安全対策課長は「過去のデータを調べていたら、発表していない データがあることが分かった」としています。

県、高放射能データ公表せず 3月、福島市などで検出

2011年6月5日

 東京電力福島第一原子力発電所で最初に水素爆発があった3日後、原発から約50キロ離れた福島市内の雑草から、1キログラム当たり100万ベクレルを超 える高い放射能が検出されていたことが分かった。福島県は政府に連絡したが、公表されたのは、翌日に別の場所で測った6千分の1ほど低いデータだけだっ た。県は「意図的に公表しなかったわけではない」としている。

県は3月15~16日に第一原発から福島市までの国道沿いや、福島市の県原子力センター福島支所など5地点で、雑草や水道水(上水)、雨水を採取し、放射能を測った。

その結果、5地点から採った計七つの試料のうち、ヨウ素が10万ベクレルを超えたのは五つに上った。川俣町の国道114号と349号の交差点付近の雑草 からは、放射性ヨウ素が1キロ当たり123万ベクレル、放射性セシウムが10万9千ベクレル。福島市の国道114号付近の雑草からはヨウ素が119万ベク レル、セシウムが16万9千ベクレル検出された。

しかし、県が当時公表したのは、同支所の水道水から出た放射性ヨウ素の177ベクレル、放射性セシウムの33ベクレルだけだった。公表を限定した理由に ついて、県は「数値の高低ではなく、直接体内に入る可能性があるため、上水を優先した。それ以外は政府で発表すると思っていた」としている。

政府の現地対策本部によると、測定結果は、県から報告を受けた同本部がファクスで経済産業省の原子力安全・保安院に連絡している。3月16日以降の周辺 モニタリング結果は、文部科学省が一括して発表する段取りだった。このため、15~16日のデータの発表を県と文部科学省のどちらがするのか、あいまいに なっていた可能性があるという。

基準超え生茶葉出荷停止(茨城他) 荒茶問題=静岡は検査、神奈川拒否へ

 2011年6月5日 00:00


原子力災害対策特別措置法での出荷停止は初

以前、神奈川や静岡の「荒茶」から、食品衛生法の暫定規制値(基準値)の、1キロあたり500ベクレルを超える放射性セシウムが検出された一連のニュースを、何度かに分けてお届けした続報だ。

<一部の荒茶が、抹茶アイスなどにも使用されているという>
Image: tantek

加工過程のどの段階で規制するかや、その規制値の基準をめぐっては、生産者や農林水産省、厚生労働省とで、意見がわかれていた。

政 府は2日、放射性セシウムが暫定規制値を超える、茨城県全域と、△神奈川県=南足柄市、小田原市、湯河原町、真鶴町、愛川町、清川村 △千葉県=野田市、 成田市、富里市、八街市、山武市、大網白里町 △栃木県=鹿沼市、大田原市で生産された一部の生茶葉について、出荷停止を要請した。

これは、政府が、荒茶についても、生茶葉同様、規制値を超えたものは出荷停止にすることに決めたものによる。規制値を上回ったものについては、出荷自粛されており、市場には流通していないという。

原子力災害対策特別措置法に基づく措置による、茶の出荷停止は初めて。

静岡県は一転、検査実施へ

川勝静岡県知事は、乾燥後の荒茶は、放射性物質が濃縮され、生茶葉で問題がなくても、基準値を超える恐れがあり、

「政府への不信も高まりかねない」

との理由から、検査を拒否してきた。しかし、さきの出荷停止措置の発表を受け3日、一転して、これから収穫が始まる二番茶から、荒茶の検査を行うと発表した。

検査は、工場単位で実施する予定で、暫定基準値を上回った場合も、市町村単位ではなく工場単位でするよう、厚労省に要請するとのこと。

かたや、神奈川県は、科学的・合理的な根拠なく、荒茶に、生茶と同じ基準を求めるのは’規制強化’に等しいため、検査は実施しないとの方針だ。

基準値超え流通あれば回収へ

今回、政府が、荒茶に加え製茶も規制の対象にした理由は、一部荒茶が抹茶アイスなどの食品に加工されているためとのこと。

ほとんどの自治体で、荒茶の検査は行われていないため、厚生労働省は、各自治体に、再度、荒茶の検査を要請し、すでに規制値を超えて出荷された可能性のあるものについては、判明次第、回収などを実施するとしている。

原爆放射線について

第2次世界大戦で使用された他の兵器にはない、原子爆弾特有の特徴として放射線があります。原子爆弾の放出したエネルギーの50%は爆風に、 35%は熱線に、15%は放射線となりました。また、放射線は爆風で飛ばされるものではないため、爆風や熱線が届いたからといって、 放射線が届いたわけではありません。

第2次世界大戦は全国民が被害を被った戦争であり、米軍の空襲による被害は全国に及びましたが、広島、長崎の原爆被災者だけに「被爆者援護法」による、 特別に手厚い援護施策が実施されているのは、原爆特有の「放射線」があったからです。援護施策のうち、健康手帳の交付や健康管理手当の支給等は、 原爆の被害を受けた人をもれなく幅広く救済するため、放射線被曝の要件が相当程度緩和されていますが(被爆者の約9割が健康管理手当(年間約40万円)を受給)、 原爆症認定については、被爆者援護法上で放射線起因性を厳密に要求されているため、認定の要件として、その病気が放射線に起因することが必要となります。 つまり、いわゆる原爆症と言われているものは「原爆放射線症」のことになります。この放射線起因性という要件を外しまうと、 原爆被爆者が一般戦災者より特別に援護されている理由がなくなってしまうのです。

原爆の威力

人は日常生活でも放射線を受けています。自然放射線は宇宙や大地から出ており、世界平均で年間2.4ミリシーベルトを被曝しています。 また、健康診断や医療行為で人工放射線を利用することもあり、レントゲン写真を撮ると0.6ミリシーベルト、CTスキャンで6.9ミリシーベルトを被曝することになります。 一般公衆の線量限度は1ミリシーベルトとされています。がんの治療では数十グレイ(1ミリシーベルトの数万倍)という放射線を浴びることになります。 自然放射線も原爆放射線も同じ放射線であり、違いはありません。原爆の放射線起因を考える場合、これらとの整合性を考える必要があります。

原爆の初期放射線(爆弾が爆発した時に出た放射線)は、爆心地から遠くなるほど減少し、長崎では爆心地から3.5km付近で1.0ミリシーベルトにまで減少しました。 これより遠距離においては、人が日常生活で受ける放射線よりも少なかったことになります。 胸のレントゲン写真を撮ったときに受ける被曝線量は、爆心地から4.0Km付近の被曝線量と同じくらいということになります。


放射線の線量と影響について(長崎の場合) 放射線の線量と影響について(広島の場合)

また、初期放射線の他に、「残留放射線」もありましたが、原爆投下時から放物線状に急速に減少し、短期間でほとんどなくなりました。 長崎では爆心地から100m地点での初期放射線量は約300グレイでしたが、原爆投下24時間後には0.01グレイ(3万分の1)まで減少したとされています。 この残留放射線があったことを考慮して、原爆投下時には市内にいなかった入市者にも、幅広く被爆者健康手帳が交付されています。

残留放射線とは

これらの放射線量は、戦後60年間にわたる専門家達の研究によって得られた唯一の成果である「DS86」及び「DS02」に基づいています。 残留放射線についても科学者が被爆地の土や建築資材などを採取して調査してきたデータに基づいているのです。 科学的検証に基づいた最も信頼できるデータによっているのであり、原爆の威力を過小評価しているということではありません。 原爆による死者は広島では約14万人、長崎では約7万人とも言われており、原爆の殺傷力、破壊力が甚大であることは間違いない事実です。 また、最新の核兵器の威力は、64年前に世界初で開発された広島・長崎型の何万倍にもなり、広島・長崎に投下された原爆の何百万倍もの放射線を放出する恐るべき兵器であり、 このような核兵器を世界中から廃絶すべきであることには変わりがないのです。

放射線量の評価 核兵器のない世界を

分子腫瘍学研究

. がん遺伝子、がん抑制遺伝子とは

ヒトが1個の受精卵から大人になるまでの間には、体細胞が何万回も繰り返し増え ることが必要です。しかし体細胞は無秩序に増えているわけではありません。体の形を作るために必要な時と場所で増え、必要のない時には増えるのを止め、ま た、自ら死んでいくといったことが巧妙に調整されています。 がん原遺伝子は体細胞が増えるときにアクセルを踏む役割を持っている遺伝子、がん抑制遺伝子はブレーキの働きを持っている遺伝子といえます。体細胞ががん化するときには、がん原遺伝子に傷がついてがん遺伝子に変わりアクセルを踏んだままになる、あるいはがん抑制遺伝子が壊れブレーキが利かなくなる、といった現象が同じ細胞に幾つも起こります。がんの種類が同じでも、傷ついたり壊れたりする遺伝子の種類や変化は必ずしも一様ではありません。そのため、多種類の遺伝子を広い範囲にわたって調べる必 要があります。私たちは、原爆放射線によって引き起こされた遺伝子上の傷を、極微量の貴重な検体を用いて効果的に調べるために、最新の技術に様々な改良を 加えながら使用しています。

 

. 放射線によるがん遺伝子・がん抑制遺伝子の傷を見つける

マウスオーバーで部分拡大図をご覧いただけます。

 

1. 原爆被爆者における がん抑制遺伝子p53に異変を持つ
肝細胞がんの割合と肝臓の被曝線量

 

1. チェルノブイリの事故による放射線汚染地域における
小児甲状腺がんの活性化 RET/PTC1がん遺伝子

まとめ

放射線や化学変異原物質によって、細胞の遺伝子DNA突然変異が誘発されることがよく知られています。突然変異がいろいろながん遺伝子、がん抑制遺伝子に次々と起きると細胞はがん化すると考えられています。原爆被爆者由来の肝細胞がんでは、放射線量が上がるにつれてがん抑制遺伝子p53の点突然変異が多く見つかるようになります(図1)。チェルノブイリ原子力発電所事故による放射線汚染地区に居住している小児に発生した甲状腺がんでは、RETと呼ばれるがん原遺伝子が高頻度に異変を起こし、RET/PTC1というがん遺伝子に変化していることが最近の私たちの研究で分かりました(表1)。この事実は、放射線によって傷つけられたがん遺伝子やがん抑制遺伝子が、発がんに関与することを示唆しています。今後、原爆被爆者に発生したがんに放射線 による傷が残っているか、放射線によるがん化はどういう機構で起きているのか、などの疑問を分子腫瘍学的研究によって明らかにしていきたいと考えていま す。

Wednesday, June 01, 2011

フランスIRSN報告が明らかにする福島の汚染・被曝状況と、さらなる避難の示唆 IRSN New Report: Revealing Contamination in Fukushima, and Possibility of Further Evacuation

(6月2日付記。米国の専門家からIRSNレポートについてコメントをもらっていますのでご覧ください。また、原発問題について大変優れた分析をしているブログを運営している「大鬼」さんから詳細に渡るコメントを頂いています。コメント欄もぜひご覧ください。)

5月23日、フランスの放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)による報告書『福島原子力発電所事故から66日後の北西放射能降下区域住民の予測外部被曝線量評価 -住民避難対策が与える影響-』には改めて深刻な福島の汚染の現実と、避難政策の不十分さを視覚的に突き付けられます。(リンクはフランス語版英語版真下俊樹さん訳による日本語版。日本語版の一部は省略されているので必要な場合はフランス語版か英語版に行くこと。)。米エネルギー省と文科省による小型航空機とヘリを使った福島第一から半径80kmまでのモニタリング結果は文科省サイトにあり、米エネルギー省のサイト(US Department of Energy Blog) でも結果を発表しています。これについてのメディアの報道等をもとに、先日このサイトで、福島には、チェルノブイリだったら25年後の今でも居住禁止に なっている区域と同じ汚染レベルの区域でもまだ避難になっていない場所があることや、チェルノブイリで一時的強制移住になっった汚染度と同じ程度の汚染の 地域が広範囲に渡って避難になっていないことなどを驚きと共に記録しました。また、土壌汚染レベルでは稲作制限をしなければいけない地域も、広範囲で米も 野菜も作付制限がされていない事実にも触れました。詳しくは、こちらの投稿をご覧ください

そして一昨日、IRSNが同じ調査の分析報告書を出していることを知りました。

まず、この報告を読むにあたり重要な注意点があります。AFP通信社はこの報告が「さらに7万人避難する必要がある」と言っていると報道しましたが、ISRN報告でいう「退避区域」は、当初の「避難指示区域」である福島原発から20km圏内のみを指し、4月22日に日本政府が発表した「計画的避難区域」と「緊急時避難準備区域」(地図はここ) は含まれていないとのことです。したがって、この報告を読むに当たりこの地域の避難状況を把握している必要があります。5月31日午後3時のNHKニュー スによると、飯館村などの「計画的避難区域」には約1万人いたが、今残っているのは約1800人であるとのことです。ということはこの地域からすでに 8200人避難しているということになります。また、この地域は段階的に最終的には全員避難させる地域であるということから、まもなく、ほぼ1万人全員が 避難すると理解します。問題は「緊急時避難準備地域」です。4月22日の共同通信の 報道によると、この地域の対象人口は約6万7千人とのことです。福島県の災害対策本部に電話して聞いたところによると、この地域での自主避難の数はあまり 把握していませんでした。南相馬市からの自主避難は5月29日時点で約5700人ということでしたが、それは、南相馬市で計画的避難区域にも「緊急 時・・・」区域にも含まれていない北部からの避難を含むということです。一番わかっているのは川内町で、役場が郡山に移転し、学校も30キロ圏外に移転し ているということで、町民の大半、2429人が避難しているということです。他の田村市、楢葉町、広野町一部についての数字は把握していないとのことで す。ということで対象人口6万7千人のうち、仮に南相馬市の5700人が「緊急・・」区域内だったと仮定したとしても、南相馬と川内で8千人強、他の地域 については不明です(情報歓迎)。今のところ大ざっぱに考えて、この2地域の合計7万7千人のうち、間もなく避難が完了する「計画・・」区域の1万人と 「緊急・・」区域の約8千人、不明な地域で仮に同数の8千人程度の人が避難しているとしたら、5万人前後は残っているのではないかと想定してもいいのでは ないかと考えています。

文部科学省及び米国DOEによる航空機モニタリングの結果
(福島第一から80キロ圏内のセシウム134,137の地表面
への蓄積量の合計)文科省サイトより。ISRN報告にも転載
されている。

し かし、この報告書が「平方メートルあたりセシウム55万ベクレル(チェルノブイリでは強制避難になった)の高汚染地域に住んでいるのが7万人前後」と言う この7万人が、上記2地域に住んでいた7万7千人とほぼ一致するかというと必ずしもそうではありません。ここで紹介する汚染地図でもわかるように、3つの 避難区域(20キロ圏と、「計画・・」区域と「緊急・・」区域)以外にも55万Bq/m2 レベルの場所があり、逆にこの3つの中にも55万に満たない場所があるのです。なので、この報告書が「計画・・」と「緊急・・」区域を考慮せず20キロ圏 だけを「退避区域」と扱ったとしても、この2地域にまだ7万7千人中5万人前後残っている可能性があること、また、どの避難区域にも属さないところに55 万ベクレルレベルの高汚染地区があることを考慮すると、この報告書の避難人口についての見解にそう影響を及ぼすものではないと考えます。

上記を断り書きした上で、大事と思う点を紹介します。

図7.ISRN報告図7文科省によるセシウム137と134の蓄積量
の0.3-30MBq/m2のデータを用い、ISRNが6MBq/m2
のレベルを追加して作成した地図(注意:文科省地図の赤の部分
がもう2区分に分けられているので、ISRNの赤とオレンジを足した
範囲が文科省地図の赤の部分に該当する。

この報告書の一番の注目点は地図だと思います。IRSN報告がもとにしている、日本と米エネルギー省は航空調査の結 果の地図(右上)では、意図的としか思えないのですが、セシウム134,137合計が平方メートルあたり30万-60ベクレルを薄めの青でしめし、30万 以下を濃い青で示し、30万ベクレルの境界線がわかりにくいようになっています。IRSNの地図(右)ではそれがはっきりわかるように示されていますので 比べて見てください。文科省とDOEの地図では、画面上ならまだぼんやりとわかりますが、印刷したらほとんどわかりません。薄い青の地域は30-60万ベ クレル/m2で、チェルノブイリだったら強制避難になっていた55.5万レベルの地域がある可能性があること、そして、80キロ圏ギリギリまで、人口密集 している福島市、郡山市に帯のように降りかかっているような汚染地域をはっきり示したくなかったのではないかと思われます。よく見ると、30キロ圏内、 「緊急時避難準備区域」になっている地域にはこの30-60万レべルを下回る地域(IRSNの地図では白い部分)もあるのです。文科省の地図はわざわざそ こがわからないように「川内村」という字を乗せているように見えます。つまり、20-30キロ圏内ではかなりの地域が30-60万ベクレルの範囲か30万 以下なのに「緊急避難準備区域」と指定しているにも関わらず、同じく30万ー60万ベクレルの汚染の帯が(下のISRN地図では濃い青)、伊達、福島、二 本松、本宮、郡山、須賀川といった人口密集地帯にまで伸びているにも関わらず、何も方策を取らず放置しているのです。また、 この30-60万レベルの地 域は、中日新聞に よると農林水産省が稲作を制限するのは33万ベクレル/m2以上なので、それ以上の汚染の地域が大半であることが予想されます。そうなると、現在作付制限 されているのが20キロ圏、「計画・・」区域と「緊急・・」区域だけということなので、この広大な青い帯の部分の大半は作付制限という意味でも放置されて いるということになります。

次に、避難についてです。以下が、IRSN報告の図8:図7のセシウム137+134の蓄積量の地図と図4の最初の1年間の被ばく線量(図4は日本語では省略されている部分に入っている。図4は元のフランス語版11ページにあります。)を5,10,20mSVの3段階で示した外部被曝レベルの地図とを重ね合わせたもの。


上記で触れている元のフランス語版の外部被曝地図はこれです。


脱線しますが、これを見ると、5月30日「飯館村の積算被曝量が20ミリシーベルトに達した」というのが納得できます。この地図の赤線の部分は飯館村の、原発から20-30キロ圏にも存在し、その地域が最初の1年100ミリシーベルト以上の被曝が予想されるということは、事故後3カ月足らずで20ミリシーベルトに達したことの説明がつくからです。

IRSNは、これらの異なる汚染・被曝度合いの地域とそれぞれの地域の人口を照合して、このような分析結果を出しています。ここでは既に避難になっている地域についての分析は割愛し、 避難になっていない地域についての言及で重要と思われる部分を引用します。

福島原発から20km圏内の避難区域以外で、最も汚染された地域(セシウム137+13455Bq/m2を超える874km2)に住んでいる住民の数は7万人前後と多い可能性があり、うち9,500人が014歳の年少者である。

こ れは重要な指摘です。冒頭でも述べたようにこの7万人の中にはすでに避難している人たちも含まれる可能性があります。と同時に指摘したいのが、日本政府の 避難区域の定義で避難した人たちの中には福島市や郡山市に避難した人たちがかなりいるということです。汚染の軽い地域もある川内村は役場を郡山に移動しま した。30キロ圏内の汚染の比較的軽い地域からの場合、緊急時を想定して圏外に移動することは必要でしょうが、移動先によっては、地表沈着した放射性物質 により逆に被曝のリスクのより高い地域に行ってしまった人たちがいることが考えられます。ISRNの上の指摘では、地図の青い部分の中で約7万が55万ベ クレル/m2レベル以上の高汚染地域に住んでいるとのこと。これはチェルノブイリの強制避難レベルであり、外部被曝の程度だと年5ミリシーベルトであるこ とが上の地図からもわかります。IRSNはこの人たちを「避難すべき」とは言っていません。IRSNも日本政府と同じように、あくまでもICRPの基準を 使って議論しており、現在を「緊急時」と理解し、現在日本政府が避難基準としている年20mSVを、ICRPの緊急時の基準20-100mSVの中で「一 番防護的な基準」としています。緊急時の前提で年単位の被曝の計算をするということはおかしいと思いますが、ISRNはそう理解しているのです。そして、

仮に日本政府がこれよりも防護的な基準レベル(たとえば最初の1年間の最大被曝線量10mSv)の採用を決定し た場合、対象住民(約7万人)が回避できる外部被曝線量は、避難実施の遅れが短いほど大きくなる。たとえば事故から1年後に避難した場合、これらの住民が 回避できると予測される外部被曝線量は59%なのに対して、事故から3ヵ月後の避難で82%を回避することができる。


これが指摘しているのは、年10ミリシーベルトを避難基準に設定した場合、約7万人は、3カ月後の今避難すれば、ずっと避難しない場合に比べ、82%の外部被曝を回避することができるということであり、これは自主避難を考えている人にとっては重要な情報です。

全般的に見て、このISRNの報告は、上に述べたように文科省や米エネル ギー省の調査結果を使いながらこの二つの機関が曖昧にしてきた危険地域を明るみにしたという意味で大変重要なものと言えます。と同時に、何カ月、何年とい う被曝予測にICRPの緊急時の許容範囲20-100mSVを応用し、年間20ミリシーベルトの避難基準を「最も防護的」と呼ぶなど、非常に甘い基準を 使っています。しかしそうかと思えばチェルノブイリの基準を使って7万人のさらなる避難を示唆するようなことも言っております。このように価値観的には矛 盾しているように見えますが、異なる基準やシナリオを仮定して、避け得る被曝量を分析したという側面においては、評価できるでしょう。今強制避難となって いない地域で自主避難を迷っている人たちにとっては、日本政府はこういう情報こそ提供すべきであり、自分たちの避難政策の矛盾を隠すために境界線のわかり にくい濃い青と薄い青を使ってごまかすということをしているとしたら言語道断としか言えません。また、米エネルギー省の報告を見ても、同じく曖昧な地図を 使い、在日米軍の安全しか気にしていないような報告をしています。このフランスの防護協会の報告は福島の人たち、県、自治体に見てもらいたいものであり、 政府はもとよりメディアも重要視するべきものです。また、ここで触れたのは一部に過ぎないのでぜひ日本語版全部を、また、図表だけでも、フランス語版を見 てください。

最後に一番大事なことを指摘します。この報告は外部被曝しか扱っておらず、内部被曝については、結論で、

これらの被曝線量には、放射能の雲がこの地域を通過した際の被曝線量も、食品の摂取にともなってすでに受け、ま た今後受ける被曝線量も含まれていない。総実効被曝線量(外部被曝+内部被曝)は、蓄積物の状態(乾燥か湿潤か)や食習慣、食品の産地によって大幅に増え る可能性がある。

と述べているに過ぎません。調査を行ったのは日米なのでこれをもってIRSNを批判しているわけではないのですが、この報告を見て、米エネルギー環境研究所のアージュン・マキジャーニ所長がコメントを寄せてくれています。こちらをご覧ください。

コメント等は、下記ブログ投稿欄、 ツイッター @PeacePhilosophy またはフェースブック Peace Philosophy Centre にお寄せください。これらがうまくいかないときは info@peacephilosophy.com にお願いします。

Peace Philosophy Centre

投稿者 Peace Philosopher 時刻: 4:56 AM

ラベル: Fukushima Nuclear Power Plants 福島原発問題, In Japanese 日本語投稿

<大項目> 放射線影響と放射線防護
<中項目> 放射線による生物影響
<小項目> 放射線の人体への影響
<タイトル>
原爆放射線による人体への影響 (09-02-03-10)


<概要>
 19458月、広島と長崎に原子爆弾が投下され、その熱線と爆風及び放射線は、 数か月以内に多くの人々を死亡に至らしめた。死亡を免れた人にも、その際の放射線が長期にわたり健康に影響を与え続け、種々の臓器にがん(ガン、癌)や機 能異常をもたらしている。これらの健康影響については、日米の協力の下、放射線影響研究所(放影研:前身は原爆障害調査委員会)で1947年以来今日まで 科学的調査が続けられ、膨大な数の報告書が発表されている。特に12万人の固定集団を設定して1950年から長期追跡を行なっている寿命調査のデータに基 づくがんリスクの研究は、世界的に高い科学的評価を受けている。その研究結果は、国連科学委員会の報告書に収録され、国際放射線防護委員会放射線防護基準を策定する際の基礎となっている。


<更新年月>
2005
02


<本文>
1.原爆放射線
 広島型原爆にはウラン235が使われ、エネルギーはTNT火薬の16kt相当、長崎型原爆はプルトニウム239で、TNT火薬の21kt相当といわれて いる。原爆の特徴は爆風の他に強烈な熱線と放射線を伴うことであり、そのエネルギー分布は爆風50%、熱線35%、放射線15%といわれている。
1.1
 放射線
 爆発によって生じた放射線は、爆発1分以内に放射された初期放射線(主要成分はガンマ線と中性子線)と、その後長時間にわたって地上で放射された残留放射線(核分裂生成物:いわゆる死の灰と、誘導放射能)に分けられる。原爆投下の翌日に爆心地に入り1週間作業をした人の被ばく線量は、広島で約10rad0.1Gy)、長崎で3040rad0.30.4Gy)と推定されている。
1.2
 被ばく線量の推定
 原爆被爆による健康影響を知るためには、正確な被ばく線量を把握することが必要である。そのため、放影研は原爆被爆者の被ばく線量(初期放射線)の推定 方式をこれまで何回か改訂してきた。1965年に暫定1965年線量(Tentative 1965 Dose: T65D)が提唱され、放射線リスク研究に広く使用されてきた。このT65D1970年代後半になって再評価され、1981年から1985年にかけて日 米専門家が共同作業を行ない、コンピュータ計算によって推定する新たな線量評価方法(Dosimetry System 1986: DS86)が発表された。現在このDS86に基づいて放射線リスクが推定され、放射線防護基準の勧告を策定する際の基礎となっている。しかし、DS86に もいくつかの疑問が生じ、2003年にDS86に修正を加えたDS02Dosimetry System 2002)線量方式が放影研の評価委員会で承認された。今後のリスク推定には、このDS02線量が使用されることになっている。
2.人体影響
 原爆投下から数か月以内に、広島で約11.4万人(人口の33%;軍人および朝鮮半島出身の人々は含まない)、長崎で約7万人(人口の28%)の人々が 死亡した。爆心地から半径2km以内の死亡総数を100%としたとき、被ばく2週間以内に88.7%が、第3から第8週までに11.3%が死亡した。半径 1.2km以内での死因の内訳は、爆風による外傷が20%、放射線障害が20%、熱線と二次的な火災による熱傷が60%であった。
2.1
 急性障害
 急性障害は194512月末までの症状をさすが、表1の ように3期に分けられる。急性症状では、即死者は崩壊建物下での圧死や、焼死及び全身熱傷による。大量の放射線を被ばくした者では全身の脱力感、吐き気、 嘔吐等の症状が現れ、数日の間に発熱、下痢、吐血等による全身衰弱で10日前後までに死亡した。病理学的には造血組織や腸の上皮細胞の障害が認められた。
 亜急性症状の主なものは、吐き気、嘔吐、下痢、脱力感、各種出血、白血球減 少、赤血球減少等であった。特に骨髄、リンパ節、脾臓などの組織が破壊され、その結果、顆粒球や血小板が減少し、感染に対する抵抗力の低下および出血症状 が現れた。この時期の死因の多くは敗血症であった。放射線被ばくによる主要な急性障害は、脱毛、出血、口腔咽頭部病変及び白血球減少であるが、これらの発 生率は被ばく線量の増大とともに顕著となり、50rad0.5Gy)での510%から、300rad3Gy)での5080%まで直線的に増加し た。脱毛は被ばく後810週に起こった。
 このような放射線障害からの回復は、被ばくの34か月後から始まり、内臓諸器官の機能回復、脱毛からの発毛、各種血球の増殖、正常化が起こりはじめた。
2.2
 後障害
 原爆放射線による後障害とは、1946年以降に発生した放射線による人体影響である。個々の症例は一般に見られる疾病と同様な症状を呈するので、放射線 に起因するのかどうかを識別するのはむずかしい。しかし、被ばく集団としてみたとき、集団中に発生する頻度が高い疾病は放射線に起因している可能性が高い と判断される。つまり、放射線の影響は統計的解析によってはじめて明らかにされる。このため、原爆による後障害を正しく評価するためには、科学的な調査が 必要である。
 以下に放影研が行なっている主要調査について述べる。
 放影研では、1950年の国勢調査で把握した原爆被爆者とその対照者からなる約12万人の調査集団(寿命調査集団)を設定し、1950年から死亡追跡調 査を行なっている。また1958年に開始された広島市・長崎市の腫瘍登録とレコードリンケージをして、がん罹患調査も行なっている。さらに寿命調査集団の うち約2万人については2年に1回の定期検診が行なわれている。これとは別に3600人からなる胎内被爆者、約8万人からなる原爆被爆者の子供(被爆二 世)の調査集団を設定し、死亡追跡調査、がん罹患調査を行なっており、この2つの調査集団の一部についても定期検診を行なっている。以上の3つの調査集団 について、被爆者個人ごとの線量を被爆状況の聞き取り調査により推定している。なお、以下に示す結果はDS86線量を使用した解析結果である。上述の通り 最近線量推定方式が変更されたが、がん死亡のリスクにおいてDS86線量からDS02線量への変更の影響は小さいことが判明しているので、以下の結果が線 量方式の変更により大きく変化することはないと思われる。
2.2.1
 放射線誘発がん
 後障害の中で最も重要なものは悪性腫瘍の発生である。図1に、1Svの放射線を被ばくした時のがん死亡率(甲状腺がん、皮膚がんについては罹患率)が、0Svの死亡率に比べて何倍高いかを示す相対リスクとその90%信頼区間を示す。図2に原爆被爆者におけるがん死亡者の中で放射線に起因すると思われる割合を示す。白血病と白血病以外のがん(例えば肺がん、乳がん等)とでは、被ばく後の発生パターン(図3)や線量反応関係が大きく異なっていた。そこで、白血病と白血病以外のがんに分けて以下に述べる。
a)白血病
 種々の後障害の中でも、白血病は最初に認められた悪性疾患で、広島では1948年、長崎では1947年が最初とされている。この年から白血病が多発しは じめたことは明らかであるが、寿命調査集団が設定された1950年以前では被ばく者集団が不明確なため、この期間(19461950年)での白血病発生 のリスクを正確に推定することはできない。白血病発生は19501953年の間でピークに達したが、その後徐々に低下し、現在では殆どバックグランドレ ベル近くまで下がっている。白血病の中でも慢性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病は放射線によって誘発される可能性が高く、ついで急性骨髄性白血病が高 い。しかし、慢性リンパ性白血病や成人T細胞白血病(*1)は、原爆被ばくによる増加が認められていない。白血病の相対リスクは固形がんに比べて高いが(図1)、死亡数は少ない(図2)。表2に被ばく線量別の白血病死亡数、放射線に起因すると思われる死亡数および割合を示す。1Sv以上の線量を被ばくした白血病死亡者のうち84%は放射線に起因すると推定される。発生の相対リスクは、同じ被ばく線量でも被ばく時年齢が若いほど高い(図4)。男女で差は認められていない。線量反応曲線は、3Sv以上ではリスクは減少もしくは横ばいになっており、03Svでは直線ではなく高線量域で急激に増加する上向きの線形ニ次曲線を示している(図5)。
b)白血病を除くその他のがん
 白血病以外の固形がんは、部位別の発生パターン、線量反応関係、放射線の影響を修飾する要因等は大きく異ならない。固形がんの相対リスクは白血病に比較して低く、すべての部位で信頼区間は重なっており、統計的に部位により相対リスクが異なるとは言えない(図1)。放射線被ばくによって死亡した人の割合は低いが死亡数は多い(図2)。表3に 被ばく線量別の固形がん死亡数、放射線に起因すると思われる死亡数および割合を示す。1Sv以上の線量を被ばくした固形がん死亡者のうち、39%が放射線 に起因すると推定されるが、0.0050.2Svの被ばくでは2%のみが放射線に起因していると推定される。一般的に、固形がんは被ばく者ががん年齢に 達したときに発生し、その後がん自然発生率に比例してリスクが増加している。したがって、被ばく時年齢が若いほど、潜伏期は 長く、放射線誘発の固形がんの最小潜伏期は通常10年とされている。また一般的に、相対リスクは被ばく時年齢の若い方が高く、男より女の方が高い。線量反 応関係は、3Sv以上では白血病と同じくリスクは減少もしくは横ばいになっているが、03Svでは白血病と異なり直線である(図6)。胃がん、肺がん、乳がん等ほとんどの部位で直線関係を示すが、皮膚がん(悪性黒色腫以外)は直線でなく、1Sv程度まではリスクのないしきい値のあるモデルを示唆していた。
2.2.2
 遺伝的影響
 原爆被爆者の子供に対する遺伝的影響を調べるため、1940年後半から胎児の流早産や死産、胎児・新生児における奇形の発生が調べられたが、統計的に有 意な影響は検出されなかった。また、遺伝生化学的手法で血中の変異タンパクをマーカーとして突然変異の出現率を調べたが、影響は検出されなかった。さら に、DNAまたはRNA中の突然変異を直接検出する調査が1985年から行われているが、これまでのところ遺伝的影響があることを示す結果は得られていな い。また、原爆被爆者の子供のがん死亡率、がん罹患率、がん以外の疾患による死亡率ともにリスクの上昇は認められていない(表4)。
2.2.3
 胎内被ばく
 母親の胎内で放射線に被ばくし、原爆時から1946531日までの期間に出生した者を胎内被ばく者という。爆心地から2km未満の胎内被ばく者数は約1100人と推定されている。胎児期の脳は放射線感受性が高く、原爆放射線と精神遅滞及び小頭症との関連が明らかにされてきた。特に受胎後8~15週齢の胎児に重度精神遅滞の頻度が高く、1625週ではその頻度は低くなる。この感受性期は、増殖したニューロンが大脳皮質へ移動する時期に当たっている。線量反応関係は0.2Gy以上から直線的に増加している(図7)。胎内被爆者の発がんリスクは、10才未満までは上昇しなかった。その後追跡調査が継続され、成人でがんのリスクの上昇が示唆された。そのリスクの大きさは、幼児被爆者と同等であることが判明した。しかし、がん発症者数は少ないので今後の追跡調査が必要である。
2.2.4
 その他の影響
 その他の影響としては、白内障、 若年被爆者における発育遅延がある。また甲状腺疾患(良性甲状腺結節、甲状腺機能低下症、副甲状腺機能亢進症)も原爆放射線との関連が示唆されている。さ らに最近、循環器疾患等がん以外の疾患でもリスクは小さいが死亡率の上昇が示唆されている。しかし、その理由やメカニズムは不明であり、今後の研究結果に 注目する必要がある。

[用語解説]
*1)成人T細胞白血病
 成人T細胞ウィルスによって起る白血病で、「血液のがん」である。造血機能に障害が起り、白血球が異常増殖する病気である。九州、四国、沖縄などの西南日本に多く発生し、しかも原因が分かっていることから一種の感染症と見られている。


<図/表>
表1 急性障害の経過
表2 被ばく線量別白血病死亡数および過剰死亡数
表3 被ばく線量別白血病以外の全がん死亡数および過剰死亡数
表4 遺伝的調査結果
図1 部位別がん死亡の1Sv(臓器線量)における相対リスクおよび90%信頼区間
図2 原爆被爆者におけるがん死亡者中の放射線に起因する割合(寄与リスク)
図3 原爆放射線誘発がん発生の時間的経過(模式図)
図4 原爆被爆時年齢および被爆後年数での放射線誘発白血病パターン(模式図)
図5 白血病の線量反応
図6 固形がんの線量反能
図7 胎内被ばく児の重度精神遅滞子宮吸収線量

・図表を一括してダウンロードする場合は ここをクリックして下さい。


<参考文献>
1)放射線医学総合研究所(監訳):放射線の線源と影響、国連科学委員会(UNSCEAR2000年報告書、実業公報社(20023月)
2)放射線被曝者医療国際協力推進協議会(編):原爆放射線の人体影響 1992、文光堂(19923月)
3)放射線影響研究所要覧、(19934月)
4)放射線影響研究所ホームページ
5Pierce DAShimizu YPreston DLVaeth MMabuchi K: Studies of the mortality of atomic bomb survivors. Report 12Part 1. Cancer: 1950-1990. Radiation Research1461-271996.
6Thompson DEMabuchi KRon ESoda MTokunaga MOchikubo SSugimoto SIkeda TTerasaki MIzumi SPreston DL: Cancer incidence in atomic bomb survivors. Part II: Solid tumors1958-1987. Radiation Research137S17-S671994.
7Preston DLShimizu YPierce DASuyama AMabuchi M: Studies of mortality of atomic bomb survivors. LSS Report 13: Solid cancer and noncancer disease mortality 1950-1997. Radiation Research160381-4072003.
8Preston DLPierce DAShimizu YCullings HMFujita SFunamoto SKodama K: Effect of recent changes in atomic bomb survivor dosimetry on cancer mortality risk estimates. Radiation Research162377-3892004.

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