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放射能に汚染された土が日本中にバラ撒かれていた!
2011.08.09 ニュース

荒川水循環センター敷地内に溜められた汚染焼却灰。すでに1000tも溜まっている。現在も450kgの袋が毎日30~35袋づつ増えているという
「日本最大の産業廃棄物」(08年度では約1億7611万t・日本全体の44%)である「汚泥」が、福島原発の事故後、放射能に汚染されている。そしてそれが「再利用」され、全国にバラ撒かれているという。
埼玉県戸田市にある下水道処理施設「荒川水循環センター」の竹迫浩幸・総務管理担当課長は顔を曇らせる。
「下水汚泥は、汚泥全体の半分弱を占め、1日約500tが発生します。それを脱水・焼却して灰にし、体積は3%にまで減ります。そして従来は、その焼却灰をセメント会社がセメントの材料として引き取っていました」
その際、県がセメント会社に1t当たり1万5000~2万円の引き取り料を払う。それでも、産廃の最終処分場に処分料を払うよりは安上がりになる。
「ところが、原発事故でこの予定が大幅に狂いました。5月13日に、汚泥1kgからセシウム134と137を合わせて620ベクレル(Bq)を測定。焼却灰にして水分が抜けるとセシウムは濃縮され、1万4200Bqにまで跳ね上がりました」
7月7日の測定でも、焼却灰からは7500Bqと、未だに高い値を維持している。
同じ問題は14都県の下水処理施設と浄水場などの365事業体で起こっている。6月9日、千葉県の浄水場から1キロ5210Bqのセシウム検出。宮城県 の浄水場では、6月上旬で約3万2000Bq。神奈川県の下水処理施設では6月下旬に、焼却スラグ(焼却灰を高温で溶かしてガラス化したもの)から1万 3200ベクレル……。どこの処理場も「このままでは溢れる!」と悲鳴を上げている。
8/9発売の週刊SPA!「放射能まみれの土が日本中にバラ撒かれている!」では、この放射能に汚染された汚泥が、園芸土や肥料として使用されている実態を取材。公園や宅地造成などの公共事業にも使われていることが判明した。
取材・文・撮影/樫田秀樹 志葉玲
- 放射能と暮らす(2)洗濯のり使い自宅除染
- 避難区域並みの汚染が確認された雨どいの下。土をはがし、砂利を敷いて放射線量は下がった(福島市で)
9歳、1歳の2人の子どもを持つ福島市の主婦A子さん(36)は、自宅や周辺の放射性物質を取り除く「除染」に取り組んでいる。
放射線に不安を抱く親が立ち上げた「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の会合に参加し、京都精華大教授(環境学)の山田国広さんらが作った「放射能除染・回復プロジェクト」の活動を知った。
5月中旬、自宅の中や庭の放射線量を山田さんらに調べてもらった。雨水が流れ込む雨どいの下は毎時60マイクロ・シーベルトあった。国が定めた校庭の活動基準(毎時3・8マイクロ・シーベルト)より、はるかに高い。
雨どいの下の土からは避難区域に匹敵する高い濃度の放射性物質が検出された。
「子どもたちの健康への影響が心配」と翌月、山田さんの指導で、雨どいの下など放射線量の高かった場所の除染を行った。
ホースで水を勢いよく当てて洗い流す高圧洗浄は、効果に限度があるうえ、洗い流した水が別の場所に流れる問題がある。そこで山田さんが除染に使う のは、PVA(ポリビニルアルコール)の成分表示のある洗濯のりや、でんぷんのりだ。液体や粉タイプがあり、100円ショップやホームセンターで入手でき る。
住宅の壁など表面が固い場所は、はけで塗り、土壌には液体をひしゃくでまく。園芸用シートやガーゼのふきんをかぶせて数時間おき、壁の表面にできた膜をはぎとり、固まった土を取り除く。砂利を敷くと、さらに放射線を遮る効果がある。
A子さん宅の雨どいの下の放射線量は、この作業の結果、毎時1マイクロ・シーベルト以下に減った。
その後も休日を利用して、夫(39)や母(56)が30坪ほどの庭の芝生をはがしたり、砂利を敷いたりと少しずつ除染を進めている。
取り除いた土や芝生の処分先が決まっていない問題もある。「最終的には東京電力や国が引き取るべきだ」と思っているが、現在は麻袋に入れ、庭に穴を掘って埋める。もう50袋になった。
家の壁や屋根も除染したいが、足場を組むだけで20万円かかる。「土やほこりによるも心配。国が責任をもってやってほしい」と憤る。
山田さんは「市民自らが身の回りのどこに放射線量が高い場所があるかを知り、除染を行うことは、放射能から身を守るために重要」と話す。「放射能除染マニュアル」を作成し、ホームページで公開している。
| 放射能除染マニュアル |
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| NPO法人「木野環境」のホームページ(http://www.kino-eco.or.jp/)に掲載 |
(2011年8月9日 読売新聞)
2011年8月9日(火)「しんぶん赤旗」
子どもを放射能から守る
対策チーム結成した福島県の親たち
除染・健康管理など求め運動
「ここに住み続けていいのか」―。福島第1原発事故以降、福島県に住む親たちが、苦悩の日々を送っています。福島県労連や新日本婦人の会などの民 主団体と日本共産党でつくる、ふくしま復興共同センターは「残る人も、避難する人も、誰もが悲しい思いをしないようにしたい」と7月半ば、放射能対策子ど もチームを立ちあげ活動を始めています。 (栗原千鶴)
「健康不安を抱えながら住み続けるのか、生活の見通しがたたなくても避難すべきなのか、子どもを持つ親は究極の選択を迫られています」。こう語るのはチームの一員で、3児の母(39)です。
福島市内でも放射線量が比較的高い渡利地域に住んでいます。「避難への考え方の違いで夫婦がもめた家があったり、避難したことを後ろめたく感じたり。残る側もいろいろ聞くのが、はばかられます。家族や地域が分断されてしまった。本当に悔しいです」
避難できず
2歳、5歳の保育園児と小2の子どもを持つ女性(36)=同市鳥谷野=も、立ちあげからのメンバーです。事故から3カ月ほどは、福島に住んでいていいのか悩んでいたといいます。仕事や生活費、地域のつながりなどを考えると避難できる条件は整いませんでした。
彼女は、7月に東京・明治公園で開催された「原発ゼロをめざす7・2緊急集会」に参加。「多くの人が福島に注目していることを知り、地元の人間が行動を起こさなければと思いました。何をどうしたらいいのか分からず、新婦人に駆け込みました」
こうした強い要求をもった母親たちを中心に、子どもチームとしての運動が本格的に始まります。今月2日には、学校の除染や子どもの健康管理などについて、速やかに手を講じるよう求めた「子どもたちを放射能汚染から守るための要望書」を県に提出しました。
不安抱えて
交渉に参加した母親たちは、多くの不安を抱えています。「周囲が転校すると、動揺してしまう。親も子もストレスがたまっています」「水泳や運動会 が今年だけできないというのなら我慢できます。でも来年だって実施できるか分からない。見通しがたちません」「子どもが減ったら、地域の中学に上げること ができるのか」
同席した神山悦子・党県議団長は「県議会は党の要求も実り、約350億円の子どもを守るための補正予算を組みました。しかし、具体的な市町村の手だてはこれからです。スピード感を持って、実行することが求められます」
2011年8月9日(火)「しんぶん赤旗」
土壌放射能 高濃度地点が混在
首都圏132カ所 市民団体の測定
(写真)放射能の土壌汚染調査の結果を発表する放射能防御プロジェクトの人たち=8日、参院議員会館 |
市民団体「放射能防御プロジェクト」が8日、首都圏などの132カ所で土壌の放射能の検査を行った結果を国会内で発表しました。
この活動は市民が5月中旬からインターネットで呼びかけたものです。回収した土を民間の専門検査機関に依頼して精密測定しました。茨城、埼玉、千 葉各県や東京都東部地域の植え込みや庭で土壌1キログラム中のセシウム134、セシウム137の合計で500ベクレルから7000ベクレル以上という高濃 度の土壌汚染が多数あることが明らかになりました。埼玉県では1万4140ベクレルという地点もありました。
同プロジェクト事務局の平野ももこさんは「首都圏全体で、汚染がひどい場所とそうでない場所が混在している」と指摘。都内でも高汚染の砂が道路わきに積もって6万ベクレルという局所的な地点があることなどを報告しました。
同席した紀藤正樹弁護士は「この検査結果をもとに国、自治体に対して、詳細な土壌調査をすること、除染など住民を放射能による健康被害から守るように要望したい」とのべました。
会見に参加した横浜市の母親は「どこがどれだけ汚染されているのかわからないので、子どもを遊ばせていいのか不安です。国や自治体は正確な調査をして安全対策をしっかりやってほしい」と話していました。
2011年8月9日(火)「しんぶん赤旗」
福島県議会 中小企業支援 2次募集
共産党県議に県側 「除染も急ぐ」
福島県は8日、東日本大震災・東京電力福島原発事故で困難に陥っている中小企業などへの支援事業受け付けの2次募集をすることを明らかにしました。放射能除染事業も急ぐ考えを示しました。同日開かれた県議会特別委員会で、日本共産党の宮川えみ子県議に答えたものです。
2次募集することになったのは、工場・店舗等再生支援事業補助金。7月末で打ち切られました。宮川県議は「転々と避難した業者が事業を再開しよう と思ったら、融資に間に合わなかったと嘆いていた。中小企業支援はこれから」と語り、再開を要求。県は「事業所の事情もあり2次募集する」とのべました。
放射能除染については、「緊急雇用と結び付けて大至急やるべきだ」との宮川県議の質問に、内堀雅雄副知事が「緊急雇用事業、あるいは他の経費の充当も含め、できるだけ早く除染が進むよう実施に移したい」と答えました。
「原子力に依存しない社会」をどう全国や世界に発信していくのかと問われ、県は「ビジョンを策定したら英訳して世界に発信したい」と答弁しました。
原子力安全・保安院問題での政府案について問われた佐藤雄平知事は、「(政府案で)安全のチェックができるのか。私どももできる限りチェックしていかなければならない」「原子力安全委が本当にその機能を発揮すべき」だと語り、注目されました。
宮川県議はまた、肉牛・米・水産物の検査体制、原発事故の収束のため第一線で作業にあたる労働者の被ばく・健康問題などを取り上げました。
「被災松送り火」の中止に抗議300件超 京都市
2011年8月9日
東日本大震災の津波でなぎ倒された岩手県陸前高田市の松でできた薪(まき)を、京都の大文字送り火で燃やす計画が中止になった問題で、放射能汚染の心配がないと判明したのに計画が取りやめになったことへの批判や抗議が、京都市に300件以上寄せられた。
京都市によると、中止が報じられてから8日夕までの3日間でメール180件、電話130件以上が殺到。大半が中止になったことへの批判で、「被災者を傷 つけた」「風評被害を助長する」「京都のイメージが悪くなった」など厳しい言葉が続いた。岩手や宮城など被災地をはじめ、全国各地から寄せられたという。
送り火の主催者として被災した松の薪を燃やす計画を進め、不本意ながらも中止を決めた「大文字保存会」(京都市左京区)。ある理事は、「批判は覚悟していたが、こんなに寄せられるとは……」と困惑した様子で語った。
【岐阜】
汚染稲わら食べた5頭分、県内で流通
2011年8月9日
放射能に汚染された稲わらの流通問題で、県は8日、汚染稲わらを食べた疑いのある牛5頭の肉約467キロが県内7市町の小売店7店と飲食店7店で販売されていたと発表した。
小売店は関、羽島、高山、下呂、瑞穂各市、飲食店は下呂、大垣両市と神戸町にあり、4月から7月に販売された。県は店名について、小売店は店側の同意が得られず、飲食店は全量が消費されたとして公表していない。
汚染肥料阻止求め 県に1万超署名
社会
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沖縄の放射能汚染問題に取り組む市民グループ「放射能防御プロジェクト沖縄支部」の吉田明彦さんらが 8日、県庁を訪れ、放射性物質に汚染された疑いのある汚泥肥料の県内流通を止めるよう、仲井真弘多知事に求め1万1071筆(うち県内9211筆)分の署 名を提出した。同時に汚染が疑われる地域の肥料や飼料全般の検査体制の確立、県の関係部署を横断した部局の新設と専門家や市民を巻き込んだ対策本部の設置 などを提言した。
比嘉俊昭農林水産部長は「農水部だけでなく各部と相談しながら、県の対応を検討したい」と述べた。
署名は、農水省が下水道処理施設の汚泥について、1キログラム当たり200ベクレル以下の放射性セシウム濃度を基準に、流通を認める通達を出したことに対して「非汚染農地に放射能被害を拡散させかねない」などと抗議し、7月14日に始まった。
その後、新たに県内の卸業者が取り扱う腐葉土に高濃度の放射性セシウムが含まれていたことなどが発 覚。吉田さんは「腐葉土の問題は氷山の一角。農水省は深刻な内部被ばくの影響を認識しておらず、安全基準は根拠がない。県は、国や国際放射線防護委員会の 基準を受け売りにせず、県独自の判断で県民の健康と産業を守ってほしい」と訴えた。
子ども山賊キャンプでいわき市児童を歓迎
地域の話題
[ 2011年 8月 9日 火曜日 9時48分 ]
泰阜村の松島貞治村長は5日、村内で左京キャンプ場を訪れ、サマーキャンプ「やすおか子ども山賊キャンプ」で招待した福島県いわき市の児童23人を歓迎し た。同キャンプでは期間中、数回に分けて福島県から計50人を招待。主催するNPO法人グリーンウッド自然体験教育センターだけでなく、村、地域住民など が協力し、キャンプ受け入れ事業を展開している。
この日は、福島県いわき市勿来(なこそ)地区周辺の児童が参加。東日本大震災後、グリーンウッドは、福島県の児童を無料で招待しようと奔走。同地 区では昨年キャンプに訪れた男子児童(12)の家を訪問し協力を要請。スタッフが5回ほど足を運び協力を得て、多数の児童が訪れることになった。
子どもたちを迎えた松島村長は「8月6日は広島に原子爆弾が投下された日。核兵器のない世を願いながら、平和利用の原発が壊れて放射能が漏れ出し た。村として何かしなければと思っていたが、グリーンウッドでこうした活動をしていただき、わずかながら村で支援している。どうか楽しくキャンプを過ごし てほしい」と呼び掛けた。
訪れた児童代表は「ことしはキャンプに来れないかとあきらめていたけどぼくの家まで来て招待してもらいうれしかった。震災では友達の家が津波で流 され、水や電気が止まって毎日何時間も並んで水をもらい、食べ物にも困った。5カ月たっても良くならない。プールも入れず屋外の部活も時間制限がある。で も、ぼくたちは福島で生活していかないといけない。不安だけど頑張っているので福島のことを応援してほしい」とあいさつした。福島の児童は3つのコースに 分かれ、4泊から7泊の日程で全国から集まった子どもたちと一緒にキャンプを楽しむ。
村内では、キャンプ受け入れへの支援の動きも広がっており、住民から無償の米200キロが提供されたほか、地元左京の住民が毎日野菜を提供、帰りのバスで子どもたちにお菓子を持たせる住民もいる。
キャンプ受け入れには約400万円の費用がかかる。日本財団や村で送迎費用を支援したほか、飯田女子短大をはじめ各地の大学や企業、過去のキャンプ参加者や保護者から募金も寄せられている。
グリーンウッドの代表理事は「大勢の方の協力でこのキャンプが実現できる。この村の方々の『困った時はお互い様』の精神を子どもたちに伝えていきたい」と話していた。
「被災松で五山送り火」中止を非難する声が殺到
(掲載日時:2011年08月09日)
京 都市内で2011年8月16日(火)に行われる「京都五山送り火」の一つ「大文字」で、震災の津波で流された岩手県陸前高田市の高田松原の松で作った護摩 木を燃やす計画を立てていたが、放射能汚染を不安視する声を受けて中止となり、京都五山送り火連合会の事務局がある京都市文化財保護課に対し非難の声が届 いている。
同課には電話が相次ぎ、大半は計画中止を抗議、非難する内容だったという。
被災者に犠牲者の名前や祈りを書き込んでもらった護摩木は約400本集まり、京都市などの検査で放射性物質は検出されなかったが、汚染を心配する声を受けて大文字保存会が中止を決定。
集まった護摩木は8月8日(月)、陸前高田市内で迎え火として燃やされた。
【震災】京都が使用中止の薪が陸前高田で迎え火に(08/09 05:50)
岩手県陸前高田市の市民が東日本大震災で亡くなった家族らへの思いを書き込んだ薪が、お盆の迎え火として市内で燃やされました。
市民の思いがつづられた薪は、津波でなぎ倒された市内の景勝地の松で作ったもので、当初、京都の「五山送り火」で燃やされる予定でした。しかし、放射能汚染がないにもかかわらず、汚染を心配する声が寄せられたため、計画を変更し、地元で迎え火として燃やされました。
市民:「(亡くなった長女の)地元がここなんで、地元の人と静かに見守ってやるのもいいかな」
「五山送り火」の実施団体では、薪に込められた思いを大切にしたいとして、書かれていた言葉をすべて別の護摩木に書き写し、16日の送り火で燃やすことにしています。
2011/08/09
戻ってきた外国人
このところ秋葉原に外国人の姿が多少は戻ってきた。
3.11以降、さすがの秋葉原も外国人の姿がばったり減ってしまっていた。もちろん、福島の原発の事故の影響によるもので、放射能拡散に対する恐怖心があり、福島も東京も外国人から見たら大きな違いはないのであろう。
最近になっても牛肉の問題など懸念材料が少なくないのだが、こういうニュースは外国でも逐一詳しく報道されてはいても、着実に外国人が戻ってきているように感じられる。
それこそ秋葉原は、3.11の前は外国人買い物客であふれかえっていた。30分も街角にたたずんでいれば10カ国くらいの人は容易に目撃することができ た。とくに中国人が多くて彼らが声高にしゃべっている姿は秋葉原の日常風景だった。その中国人ですら一時は皆無に近いほど激減していた。
それがやと外国人の姿が戻ってきたのである。夏休みというせいもあるだろうし、戻ったとはいってもピーク時のほんの1、2割のことだが、それでも街に活気が戻ってきたことでもありこれはうれしい。
外国人の姿の中では、中国人や韓国人に限らず西洋人も増えてきたように感じる。
両替店なども列が途切れることがないほどである。
一日も早く秋葉原の活気を取り戻したいものである。

(秋葉原風景76=両替店にも列が途切れることがなく続いている)
特集:第3回毎日新聞・震災フォーラム 原発災害と避難生活(その2止)
◇ふるさと福島取り戻す 希望と絆失わぬ復興を
◇総力かけ着実に除染--田嶋氏
司会 一連の指摘について、現地の対策本部長を務める田嶋さんはどうお考えですか。
田嶋 「なぜ避難地域を半径で区切ったのか」とよく聞かれます。未曽有の事態の中、当初は住民の安全を第一に水素爆発に備えて、半径で地域を決め ました。後々に分かってきた線量から見て矛盾が多いと私も思います。ホットスポットもありますし、20キロ圏内でも比較的数値が低い場所もあります。けれ ども暫定的なアプローチに基づいた判断ですから、なかなか責められるものではないでしょう。
「もっと情報があったのではないか」ともよく言われます。私自身、情報公開はかなり頑張ったつもりです。しかし当初は私も、緊急時迅速放射能影響 予測ネットワークシステム(SPEEDI)という言葉すら知りませんでした。よくそれを知る人の声は、残念ながら官僚機構の中で意思決定権者まで届いてい なかったのだと思います。
今後は、暫定的に決めた半径による区分けを、徐々に線量に基づいたより正確なものにしていくことが課題です。お盆以降に議論が始まるはずです。収 束に向けた工程表のステップ1が終わり、水素爆発の危険も去りました。土壌の線量をしっかり測り、除染を着実にやっていきます。国民の総力をかけてやる仕 事です。最近、多くの研究者が新しい除染の方法に挑戦しています。これからが腕の見せどころです。よくチェルノブイリ事故と比較されますが、日本はもっと 早く数値を下げることができるはずです。
◇施策の全体像を示せ--牧原氏
◇全国に被災者窓口を--鈴木氏
司会 「ふるさと」を取り戻すために重要だと思われる地域コミュニティーや行政機能の維持についてはいかがですか。
菅野 震災前に1700戸だった飯舘村が、1世帯が何世帯にも避難するなどで2200~2300戸になっています。それでも避難の際、1時間以内 に村に戻れるよう、村の職員が避難場所を探してくれました。通勤も今まで通りで、転校もしないで済む範囲です。分かれて避難した家族も週に1回ぐらいは会 える。こういう配慮を国にお願いしても、そこまで現場の事情は分からないと思います。
他県で「何百人受け入れる」という話もいただきました。ありがたいですが、遠くに避難すると住民はどれほど苦労するか。復興の原点はそこに住む 人々が故郷や家族に寄せる思いです。これを生かすべきだし、国にとっても楽です。ですから、もう少し裁量権をいただければ。裁量権をというのは国と一緒に 苦労したいという意味です。現場を知る人間が、住民のため必死に取り組むことが必要です。
増田 南相馬市だけでも、全国の約700の自治体に避難先が散らばっていると聞きます。避難者の把握は市町村の仕事ですが、ここまでバラバラだと難しい。県が市町村の機能を相当程度果たし、国が支える関係が必要ではないでしょうか。
田嶋 今後少なくとも10年、ひょっとしたら四半世紀、日本の軸足は東北に置かれるでしょう。だからこそ裁量権を現場に与えることも、国が現場を 知ることも大事です。そのためにも国会議員がもっと福島にいないといけない。今、福島に常駐している国会議員は私一人です。細野(豪志)さんが原発事故担 当相になった時、私は彼にここに住んでもらおうとしました。しかし、国会答弁があるから実際には無理です。そこで来年の通常国会を福島で開くよう主張して います。荒唐無稽(むけい)ではありません。立法府がここに置かれれば、行政もこちらに引っ張られる。国政は現場から遠い。そのハンディを克服するには、 国政を現場に近づけるしかありません。今は少数意見ですが、一つの打開策ではないか。
牧原 国の復興構想会議が当初、原発の問題を扱わないとしたことに批判が集まりました。しかし、あの会議の構成は確かに、福島県で起きている問題 を正面から取り上げるのに適切とは言い難かった。福島の事態は今回の震災で最も複合的な問題でしょう。それをかなりの速度で解かないといけない。国の制度 改正や県市町村の施策に早く手をつけないといけないのに、全体像がまだ見えていないのではないか。これが現政権の大きな問題だと思っています。
松原 政治主導の意味内容をどう捉えるか。すべてを国政で決めて行政はそれをただ現場に運ぶというのではなく、現場の判断をどう生かすかが大切だと思います。上は責任を持つから現場で頑張ってくれ、専門家が必要なら派遣する、というあり方が大切になってくるのでは。
鈴木 私から元総務相の増田さんにお願いしたいのが、全国の避難先の市町村が情報を正確に聞ける窓口を作ることです。また震災の背景にある格差社 会の問題について、ある官僚OBが先日こんな話をしていて驚きました。「今の格差を縮小するのは難しい。それよりも東京を発展させて、東京の金を全国にば らまいた方がいい」と。こんな議論が現実にあります。地方にいる者が地元の実態を言わないと、こういう議論が生まれると改めて痛感しました。
私自身は、震災以前から中心市街地の再活性化、コンパクトシティー論(注1)を唱えています。東北地方の都市周辺には広大な農村があり、市街地は 空洞化している。地方の市街地再生は、周辺の農漁村が元気にならない限りあり得ません。市街地と農村部との関係をどうするかが大切ですが、国土交通省と農 林水産省の縄張りが絡んでいます。ここにも、国政レベルでやるべきことがあります。
◇豊かさ考える機会に--菅野氏
司会 最後にそれぞれ提言や国への注文をお願いします。
鈴木 福島に来られた環境事務次官が「がれきの最終処分場(注2)は福島県内に置いてほしい」と述べ、知事が不快感を示されたことがありました。 もちろん、汚染されたがれきはたとえ時間がかかっても除染処理されるのは当然であると考えています。しかし、そのことと、福島県に最終処分場をという環境 省の考えは全く違います。福島県に最終処分場を置くということは、半永久的に汚染物質を保管することにつながるからです。この点は強調したい。
菅野 グレーゾーンの地域でやっていくには自己判断が大事になるという話を、私は何度も強調してきました。どこかに責任を負わせるという従来の日 本のやり方では難しい。2年で村に帰るためには必ず国と向き合う場面が出てくるし、村民一人一人と向き合って「あなたはどうしますか」と問いかけることが 必要になってくるでしょう。
もう一つは、高度成長時代の後に地震が来たことです。快適さを求め続けた発想を転じて、本当の豊かさとは何かを考える機会にしなければいけませ ん。そうならなければ今の私たちの苦労はむなしすぎます。金銭だけで考えれば、東北地方は最終ランナー的です。しかし、命や心の価値を考えれば、まだまだ 私たちには豊かな未来があります。
田嶋 2点あります。下世話な言い方ですが、“トイレ”のない家が原発問題です。福島県がとても気の毒なのは関東地方の電気を供給する原発の事故 だということです。“トイレ”はそれぞれの家に設けて、中央集権でなく分権型のエネルギーの形にしていかなくてはならない。便利さを求めるなら、やっかい なものも背負わなければいけません。また、先ほどの環境省と佐藤知事の間のお話ですが、原発はそもそも最終処分に答えがないまま進められてきました。除染 については、法整備が行われます。しかし最終処分は最大の難問で、ベストの答えは残念ながら申し上げられません。
そのうえで強調したいのは、私を含め、原発の恩恵を被ってきた、40代以上のもうあまり放射能の影響がないとされる世代が、福島、東北のため、次 の世代のために頑張らなくてはいけないということです。福島県の人口比は日本全体の1・5%。残る98・5%が救えないわけはありません。官僚はよくやっ ていますが、間違いも時々起こります。政治のリーダーシップが行政のやり方を少し変えるだけで結果は大きく変わります。
増田 最後は自分たちの意思で決めるとしても、そのために落ち着くところがありません。それを作ることです。脱原発は東京への送電分は当然だと思 います。しかし、女川(東北電力女川原発)など自分たちの電気を作る原発にどう対処するかは、依然として難しい問題です。全国の市町村に被災者窓口を作る ご提案は、すぐ総務省に話をしてみます。全国市長会、町村会にも窓口を考えるよう伝えます。
松原 経済界は、今後半年から1年がヤマ場です。震災からまもなくは、金融機関も無理をしてでも融資します。しかし金融機関も足腰が弱っているか ら、回収はせざるを得ません。阪神大震災では、2年目に資金繰りから自殺者が急増しました。世界一の海外金融資産を活用して金融機関に頼らないファンドの ような枠組みを国が作り、資本注入なども考えるべきでしょう。
牧原 震災後に大学が再開してから、学生たちに被災時の状況を聞きます。ある学生は女川原発を見学していて、3日間原発にいた。別の学生は宮城県南部でライフラインを絶たれ、井戸水を使い、たきぎを集めて生活した。皆、思考の奥深くに被災経験が刻み込まれています。
記憶の風化がよく指摘されますが、苦しみは内容が違ってもかなり共有できることが今回の震災で分かりました。ごく自然にボランティアに行く学生た ちを見ていても、そう思います。宮城県、岩手県と、福島県では被災状況が違い、復興プロセスにも格差があると言われます。でも他の被災地が福島を忘れるか というと、それはないのではないか。関西広域連合(滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、徳島2府5県でつくる広域行政組織)は、兵庫県が中心になって 東日本大震災に対する提言をまとめました。苦しみの共有が長く続くことに希望を持ちながら、今後5年、10年かかるであろう復興の道のりを支えていきたい と思います。【構成・山本隆行、岸俊光、鈴木英生】
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■ことば
(注1)コンパクトシティー
市街地の無秩序な拡大を土地の有効活用などで防ぎ、都市中心部の人口を再び増やすという考え方。空洞化が進む地方都市の市街地で広まりつつある。商店街の再活性化、バリアフリー化、渋滞の解消と共に、規制緩和で大型店が乱立した郊外の環境改善にもつながるとされる。
(注2)がれき処理
福島県のがれきは推計約288万トン。岩手県(約499万トン)、宮城県(約1595万トン)より少ないが、放射性物質の付着が問題になってい る。環境省は福島第1原発から半径20キロ圏内のがれき調査を7月に初めて実施。南川秀樹事務次官は県内で最終処分すべきだとの見解を示した。
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■人物略歴
◇ますだ・ひろや
1951年生まれ。東京大法卒。建設省を経て岩手県知事3期。元総務相。現在、野村総合研究所顧問。
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■人物略歴
◇まつばら・りゅういちろう
1956年生まれ。東京大大学院博士課程修了。著書に「日本経済論」「失われた景観」。
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■人物略歴
◇まきはら・いづる
1967年生まれ。東京大法卒。著書に「内閣政治と『大蔵省支配』」。現在、仙台市震災復興検討会議副議長。
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
東日本大震災:岩手・高田松原の松、迎え火に 京都で送り火拒否、地元でまきに
精霊の「迎え火」として燃え上がる震災遺族らのメッセージが書かれたまき=岩手県陸前高田市で2011年8月8日午後7時10分、大西岳彦撮影
津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松を京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画が放射能汚染を懸念する声を受けて中止された問 題で、震災遺族らのメッセージが書かれたまきが8日夜、同市を訪れている「大文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長や現地の人の手で精霊の「迎え火」 として燃やされた。
遺族らは午後7時から黙とう。333本のまきに点火した。祖母とおばを亡くした栃木県小山市の大学生、斎藤さとかさん(22)は「亡くなった方々の魂も天に昇っていくよう」と炎の上がった空を見上げていた。
保存会はメッセージを別のまきに書き写して送り火で使う。京都市によると、中止決定以来、約250件の電話やメールがあり、大半が中止を批判する 声だった。同市の門川大作市長は、協力した現地の人に「まきの一部を残し15日に京都市役所前で行うイベントで送り火のように燃やしませんか」と打診した が、断られたことを明らかにした。【大西岳彦、古屋敷尚子】
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
京都「大文字」の被災松“拒否”に抗議300件
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| 「迎え火」として燃やされる「高田松原」の松に遺族らが祈りの言葉などを書き込んだ薪。京都市の「五山送り火」で燃やされるはずだった Photo By 共同 |
京都市で16日に行われる「五山の送り火」の一つ「大文字」に岩手県陸前高田市の松を使う計画が、放射性物質の汚染を不安視する声を受けて中止が決まっ た問題で、京都市には8日夕方までに抗議電話などが300件以上が寄せられた。一方、燃やされるはずだった松の薪(まき)は、地元で「迎え火」として使用 された。
被災した陸前高田市の「高田松原」の松を送り火に使う計画が取りやめとなり、京都市には「被災地を差別する行為」「中止を撤回すべき」「京都市民として 恥ずかしい」などの抗議電話やメールが殺到した。市によると、8日夕方までに300件以上あり、一時は電話がパンク状態になるほどだったという。
7月に入り、市には被災地の松を使う計画を知った市民から「放射能汚染が心配」「琵琶湖の水が飲めなくなる」などの声が寄せられるようになった。松から放射性物質は検出されなかったが、「大文字保存会」(京都市)は急きょ中止を決めた。
京都市の門川大作市長は取材に対し、松の一部を保存するよう陸前高田市長らに働き掛けたことを明らかにした上で、「中止決定は大変残念で、寂しく思う。(保存会とは別に)京都市役所前の広場で送り火をしたい」と話した。
一方、燃やされる予定だった松の薪は、遺族らが祈りの言葉などを書き込んで同日夜、陸前高田市で精霊の「迎え火」として燃やされた。
同市矢作町の避難所の敷地内に積まれた333本の薪には犠牲者の名前のほか「姉ちゃんの料理おいしかったよ」「会いたい、会いたい」などと書かれたものも。午後7時すぎに点火されると、住民は手を合わせ、静かに炎を見つめていた。
義父が犠牲になったパート店員細田美穂さん(41)は「放射性物質が出ていないのに京都でできなかったのは残念だが、きっとおじいちゃんは天国で炎を見ていると思う」と涙を流しながら話した。
木に書かれたメッセージは7日に、保存会のメンバーが陸前高田市を訪れ写真撮影。京都市で別の護摩木に書き写したり、画像を貼り付けたりして、16日の送 り火で燃やす。保存会の松原公太郎理事長は「陸前高田の皆さんの要望に応えられず残念だが、心を込めて京都で護摩木を燃やしたい」と話している。
◆五山送り火 盆の間に迎えた精霊を再びあの世に送る鎮魂の行事。京都市内の山5カ所に、故人の名などを書き入れた「護摩木」と呼ばれる薪を複数組み上 げ、大文字や「妙」「法」の文字、舟、鳥居を点描のようにかたどり火をつける。有名な如意ケ岳(左京区)の大文字のサイズは1画目が80メートル、2画目 が160メートル、3画目120メートル。「大文字焼き」と言われることがあるが、山焼きではないため誤用。
[ 2011年8月9日 06:00
佐渡でリフレッシュ福島の小学生
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、屋外活動が制限されている福島県二本松市の16の小学校から5、6年生計133人が、島の自然体験を通じて心身をリフレッシュしようと、3~5日に佐渡市を訪れた。
二本松市内の小学校では、屋外活動が1日2時間までに制限されており、水泳の授業もほとんど行われていない。「子どもたちに思い切り水遊びなどを楽しんでもらいたい」と、同市教委がサザエ採りや砂金掘りの体験などを企画した。
二本松北小5年の挽地菜央さん(10)は「普段は両親から(放射能対策として)帽子をかぶるように言われているが、佐渡では気にしない」と笑顔を見せていた。
(2011年8月9日 読売新聞)
県が305億円の補正予算案
県は8日、県議会臨時会(9~11日)に提出する305億1400万円の今年度一般会計補正予算案を発表した。震災孤児や遺児への奨学金給付事業や放射能対策を盛り込み、補正後の一般会計予算総額は1兆1377億円となった。
県が震災以降に編成した補正予算は5度目で、財源には国庫支出金230億5100万円、県債18億5500万円などを充てる。
奨学金の給付事業は、県内の親を亡くした子どもの就学を支援する県の「いわての学び希望基金」から1億7100万円を拠出。未就学児と小中学生に は月1万円、高校生には月3万円、大学や短大、専門学校に通う学生には月5万円。卒業時には、進学の準備に使ってもらおうと、小学生に5万円、中学生に 10万円、高校生に30万円を支給する。奨学金の返済は不要で、7月29日現在、対象者は約600人に上る。同基金には、県の拠出金1億円に加え、一般か ら約10億円の寄付の申し出があるという。
小中高校、幼稚園、保育園などでの放射線量測定、土壌の除染作業、県民向けの放射能に関するセミナー開催経費などで1億6000万円を盛り込んだ。水産業では市場などの施設修復や冷蔵機器の修繕、購入などに72億2300万円、被災者が入居する民間の借り上げ賃貸住宅倍増に20億円を追加した。
(2011年8月9日 読売新聞)
核シェルター、米で需要増 原発事故受け「注文10倍」
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米国で、核シェルターへの関心がにわかに高まっている。日本で、東京電力福島第一原発の事故が収束しない中、放射能禍を恐れる米市民が、冷戦時代の遺物だったシェルターに目を向けているようだ。
カリフォルニア州サンディエゴでシェルター建築を手がけるビボス社のロバート・ビシーノ社長(58)は「福島の原発事故を受け、注文や問い合わせが従来の10倍に増えた」と話す。
同社のシェルターは集合住宅型で、地中に建造する。収容人数は小型シェルターで約80人、大型なら1棟で2千人が生活できる。入居料金は大人ひとり5万ドル(約400万円)、子供はその半額という。
「日本の大惨事が、米市民の災害観を変えたのだと思う。この先もっと激しい天変地異がいつ起こるかわからないという感覚が強まった。地震か洪水か隕石(いんせき)か誰にもわからないが、何らかの備えをしておきたいと考える人々が関心を寄せてくれる」とビシーノ社長。
「原子力立地」広がる不安
フクシマの衝撃?
計7回開かれた県民説明会では多くの参加者が国や事業者の説明に聞き入った(7月11日、青森市会場で)
「一度、放射能が出れば手に負えないとわかった。安全神話が壊れたことについてどう考えているのか」
「過度に安全だと言ってこなかったかと真摯(しんし)に反省したい」。むつ市の女性が問い詰めると、資源エネルギー庁の担当者はそう答えざるを得なかった。
国と事業者が、東京電力福島第一原発事故後に実施した原子力施設の安全対策について報告する県民説明会。7月11日からの4日間、県内各地で計7 回開かれ、千数百人が参加した。安全対策を了承する意見はまれで、国・事業者への不信感や原発からの撤退を求める意見が大半だった。「未曽有の大事故を起 こした国は信用できない」「日本が脱原発の模範を示すべきだ」。安全性への理解を求めるどころか、逆に不安の根深さが浮き彫りとなった。
不安の原因は、福島第一原発事故が見せつけた放射能汚染の広がりとその深刻さだ。立ち入り禁止となった20キロ圏の外でも避難が必要な汚染地域が広がり、住民の帰郷はメドが立たないままだ。それだけに施設の立地自治体だけでなく、周辺自治体が今、声を上げ始めている。
大間原発(大間町)から津軽海峡を挟んで23キロの対岸にある函館市。「ひとたび事故が起これば函館市は存亡の危機にさらされる」として、市議会 が7月20日に大間原発の建設凍結を国に求める意見書を全会一致で採択した。工藤寿樹市長は「建設凍結に向け、近隣の首長と足並みをそろえていきたい」と 意気込む。
「周辺自治体にもっと発言権があっていい。事故が起きたら、立地自治体も隣接も変わらないのだから」。使用済み核燃料再処理施設のある六ヶ所村と隣接する野辺地町の亀田道隆町長も不満を示す。
「これまで反核団体や一部政党の活動は近寄りがたかった。生活者の視点で、怖いという気持ちを表現できる機会があればと思った」。そう語るのは青 森市の主婦坂本麻衣子さん(28)。不安をインターネット上に書き込むうちに、同じ考えを持つ20~40代の男女と知り合い、意見交換する会を作った。集 まったのは主婦やスーパー店員、会社員など10人ほど。その「小さな集団」(坂本さん)が7月29日、県内の原子力施設の運転・建設の中止を求める要請文 を県に出した。
原子力施設の安全確保は国の責任だが、批判や不安の矛先は、推進の立場を取り、現在は独自に安全性を検証している県にも向かっている。県民説明会 でも、「日々、大丈夫かと考えて食材を買っている。放射線量調査を県のホームページで公開しているが、インターネットを使えない人はどうすればいいのか」 (五所川原市会場・女性)といった質問が相次いだ。
佐々木郁夫副知事は危機感を隠さない。「まさに非常に重大な事態ととらえている。原子力政策・原子力施設への対応は県政運営の大きな課題だ」。県もかつてないほどの重い責任に直面している。
(2011年8月9日 読売新聞)
【視点】産経新聞論説委員・井伊重之 課題突きつけられた危機管理広報 (1/3ページ)
■非常事態への意識改革が必要
東京電力福島第1原発 事故から約5カ月が経過したが、事態の収束には予断を許さない状況が続いている。日本に深刻な打撃を与えた事故は、企業の広報担当者にとっても危機管理を めぐって重い課題を突きつけた。また、東日本大震災の被害復旧や復興支援などの広報も企業による温度差が目立った。日ごろからの危機管理に対するトップや 広報の意識の違いが各社の対応の差を浮き彫りにした。
◇
今回の原発事故について は、発生当初から東電や政府のちぐはぐな対応が目についた。危機管理広報では普段から最悪の事態を想定し、入念に準備しておくリスク・コミュニケーション が重要だが、福島原発事故は「原発のメルトダウン」という非常事態を想定していなかったことが最大の問題といえる。原発の安全神話が独り歩きする中で、深 刻な事故に備えていなかった政府や東電の責任は大きい。
また、記者会見で情報を開示しても個別の情報提供にとどまり、事故全体を見渡すよ うな体系的な発表もみられなかった。政府や東電が目先の対応に追われたことが原因だが、事故発生後のクライシス・コミュニケーションでは初動が決定的に重 要な意味を持つ。危機管理広報会社、エイレックスの江良俊郎社長は「初期対応に失敗すると、その後の情報も信用されなくなる恐れがある」と警告する。
その点で今回の福島原発事故は、非常事態に備えたリスク・コミュニケーションと事故後のクライシス・コミュニケーションの両面で失敗だったと言わざるを得 ない。その失敗が政府や東電が発信する情報の信用失墜を招き、「政府は何か隠しているのではないか」と不信を増幅させる結果となった。とくに放射能影響予 測ネットワークシステム(SPEEDI)のデータ公表の遅れは周辺住民の健康被害に直結するだけに、政府への信頼を大きく損なった。
広報対応の窓口も揺れ動いた。事故が発生した際には現場の情報を集約 し、危機の全体像を示したうえで、その対策をわかりやすく説明できる発表者が必要だ。そのためには広報対応の窓口を一本化しなければならないが、当初は官 房長官と経済産業相、原子力安全・保安院、東電などが個別に会見を開いていた。途中から官房長官が一元化し、その後、原発事故担当相による記者会見も開か れるようになって混乱は一応収まったが、この点でも初期対応でつまずいた。とくに海外に対する情報発信の遅れは、その後の日本製品に対する風評被害の拡大 につながった。
大規模な自然災害で原発事故と電力不足という2つの危機が同時に発生し、刻一刻と状況が変化する原発に関する情報開示に追 われながら、戦後初となる「計画停電」の立案と周知徹底を一緒に進めるのは容易ではない。しかし、こうした想定外の事態に備えることが危機管理の要諦だ。 こうした危機管理を怠ってきた責任は民主党政権だけでなく、長年政権を担ってきた自民党にも同じようにある。
一方、東日本大震災をめぐる企業の広報対応でも多くの課題を残した。被災地ではサプライチェーン(部品供給網)が寸断され、産業界は懸命の復旧活 動を展開した。その混乱の中で大手建機メーカーのコマツは全国から中古建機を集めて被災地に投入し、「災害復旧や復興支援は企業の利益に優先する」との社 長メッセージを発出した。また、宅配便大手のヤマト運輸は小口配送のノウハウを活用し、被災地の物流網が断絶する中でも避難所などへの支援物資の輸送を支 援した。
だが、こうした企業の取り組みはマスコミで取り上げられた数少ない例だ。大震災直後には電池やガソリンなどの物資が不足し、危機 感を募らせた消費者は買いだめに走った。そうした商品動向の情報を消費者に的確に伝え、不安心理の払拭に努めた企業は少ない。被災地に対する義援金は多く の企業が拠出したが、企業の社会的な役割を考えた場合、日ごろの企業活動を通じて復旧・復興支援や大震災後の社会不安の解消に貢献する必要がある。企業の トップだけでなく、そうした活動を社会に伝える企業広報も意識改革が求められている。
福島第1原発:被災地から富山へ 母子が“ホームステイ”
「ここ、ほうしゃのう、ない?」。夏休みで富山県高岡市にホームステイしている福島市の羽根田理恵子さん(34)は、次女の結音(ゆいね)ちゃん (4)の言葉に胸を打たれた。東京電力福島第1原発事故による放射性物質におびえ、福島では4カ月間、外での遊びを我慢させてきた。約300キロ離れた土 地に行くことに不安はあったが、海に山にと駆け回る我が子の笑顔を見て「思い切って良かった」と実感している。【大森治幸】
ホームステイは「普通の夏休みを子どもたちに」との被災地の親の願いに応えようと、富山県射水市の市民団体が企画。羽根田さんは仕事がある夫を福 島に残し、結音ちゃんと長女琴音さん(10)、長男新也ちゃん(6)の4人で先月21日から高岡市の善興寺にホームステイしている。3人は境内の木に下げ た縄はしごに登り、バスケットボールをし、海水浴でやどかりや魚を見つけた。
原発事故後、羽根田さんは3人に言った。「目には見えないけど、体にすごく悪いものがあるから、外には出られないよ」。「放射能」という言葉を避 けたが、子どもたちはニュースなどを見て「悪いもの」が放射能だと知ったようだ。わがままを言わず、じっと家の中でテレビを見たりゲームをしたりするよう になった。校庭では遊べない。草や土にも触れられない。長袖にマスク着用で登校する。そんな4カ月間。3人とも次第に色白になった。
ホームステイ2日目に寺の境内に出た時、結音ちゃんは不安げに顔を向けた。羽根田さんは「大丈夫だよ」と頭をなでながら、「こんな小さな子が放射能を気にするなんて」とやり切れなかった。
羽根田さんは福島のママ友だちに「ホームステイに行く」と、あえて伝えて来た。放射能の影響はないと思っている夫や家族に気兼ねし、本当は心配していても口に出せない雰囲気があったからだ。「私がとっかかりになって『私も』と言える人が増えれば」と思っている。
ホームステイは25日までの予定。羽根田さんは再び福島に戻ることについて「外に出たり草に触ったりできなくなると、子どもの笑顔が減ってしまう」と複雑な心境だ。
毎日新聞 2011年8月9日 3時30分
石川のニュース 【8月9日02時58分更新】
金沢で「本物の夏」 郡山の児童が水遊び
![]() 歓声を上げ、水遊びを楽しむ児童=金沢市の健民海浜プール |
7日から金沢市に滞在している福島県郡山市の児童と保護者ら28人は8日、金沢市の 健民海浜プールを訪れ、久々の水遊びを楽しんだ。「やっと本物の夏が来た」。郡山では 福島第1原発事故による放射能の心配から、満足に外で遊べなかった子どもたちは、時が たつのを忘れて水遊びに興じた。
「つらいこと? いっぱいあったけど忘れた。今はすごく楽しい」。久野佑大君(7) は声を弾ませた。
郡山の小学校では今年、プール開きはない。佑大君が屋外プールに入るのは4月の入学 以来初めて。母千春さん(41)は「あんなに喜んだ顔はしばらく見てなかった」と、元 気な息子の姿に安堵(あんど)の笑みを浮かべた。外で遊ぼうにも土や葉っぱに触れるこ とができず、昆虫採集も許されない。昨年の今頃は日焼けして真っ黒だった顔が今年は白 いままだ。
「ウオータースライダーがすっごく面白かった」。1年ぶりのプールに中尾杏美さん( 11)は、休憩を終えると、またすぐに駆け出した。
大はしゃぎする娘を見送った母佳代子さん(40)は「ようやく夏らしい思い出をつく ってあげられる。金沢に来て本当に良かった」と話した。
一行は、1年半前に郡山市から金沢市に転居した主婦(38)の提案をきっかけに、同 市の計らいで訪れた。10日まで滞在する。9日は兼六園や金沢21世紀美術館などを見 学する。
震災下の8・15 千葉商科大学学長・島田晴雄
2011.8.9 03:10
■天与の試練と捉え歴史的再生を
今年も8月15日の終戦記念日が巡ってくる。66回目の記念日は日本にとって特別の意味があるように思う。いうまでもなく、何百年に一度かもしれない超大規模な東日本大震災から、5カ月目に迎える終戦記念日だからである。
第二次大戦の敗戦で日本はそれこそ壊滅的な打撃を受けた。連合国を相手に戦って敗れ、満州をはじめとする帝国主義的な利権を全て失い、日本の都市という都 市は爆撃の惨禍で廃墟と化し、民間人と軍人を合わせて310万人が命を落とした。だが、日本は壊滅するどころか見事に復興し、四半世紀後には米国に次ぐ世 界第二の経済大国に成長したのである。
東日本大震災は、強烈な地震とそれが惹起した津波で、東北から関東まで沿岸部をえぐり潰し、福島第1原発に前例のない事故をもたらした。電力供給が制約される中で、産業の海外移転が加速し、放射能汚染の不安は被災地のみならず全国に広がっている。
未曽有の災害から日本は立ち上がれるのか。被災者の冷静さや忍耐強さは各国から賞賛され、民間企業の復興努力にも目覚ましいものがあるが、菅直人首相をは じめ政府や政界の対応は、復興をリードするよりもむしろ障碍となっているようにさえ見える。政治・行政のこんな体たらくが続くと、それでなくとも衰退過程 に入っていた日本の衰弱は加速するだろう。
≪戦後の「世界の奇跡」に学べ≫
この大災害をむしろ天与の試練と捉え、これを契機に、日本が歴史的な再生を図ることはあり得ないのだろうか。8月15日の終戦記念日は、その可能性ありということを示唆してくれている。
敗戦後の廃墟の中から日本が立ち上がることができた最大の要因は、日本を軍国主義へ、そして無謀な戦争へと導いてきたそれまでの仕組みの全てを、敗戦を機に徹底的に否定して、全く新しい日本を生み出したからである。
マッカーサー総司令部の指導もあり、軍部や財閥の解体、農地解放による地主階級の解体、教育の平等化、労働組合など批判勢力の法認などによって、日本はど の共産主義国よりも平等で、どの資本主義国よりも競争的な経済社会を生み出した。人々は同じスタートラインに立て、努力さえすれば成果が挙がることになっ たので、懸命に働き、世界の奇跡とされた経済成長を達成したのである。
先達の英知と努力から、今、何を学ぶ事ができるだろうか。
それは、日本をこの20年ほど衰退させ続けている要因を、大震災を奇禍として徹底的に洗い出して日本の経済、社会、政治を大改革し、新しい時代にふさわしい国づくりをすることではないか。
≪40年前進化止めた成長モデル≫
日本は1993年に日本史上初めて一人当たりの国民所得で世界トップに立った。だが、それからはつるべ落としの低下が続き、2005年には23位に、そして、恐らく現時点では30位くらいに落ち込んでいるのではないか。
20年以上もデフレから脱却できないでいるのは日本だけである。人口減少が原因との説があるが、日本以上に少子化の韓国、台湾、シンガポールはデフレでは ない。私見では、日本衰退の根本原因は産業や企業モデル、農業、医療、教育、行政、政治など日本のあらゆるシステムが、40年前の高度成長時代のまま、化 石のように進化を止めていることにある。
米国に追いついたという成功体験と、それにまつわる既得権が改革を妨げてきた。その後、世界でも日本国内でもメガトレンドは激しく大きく変わってきたのに、日本だけが適応していない。これでは衰退しないわけがない。
東日本大震災は私たちに歴史的覚醒の機会を与えている。原発依存は確かに高度成長を支えたが、これからは再生可能エネルギーによる電力開発を国家戦略とし て強力に進め、原発の安全対策を抜本的に強化したうえで、徐々に依存を減らし、放射能汚染の危険や二酸化炭素(CO2)排出の少ない国へと転換をはかって いく。
≪安全強化しつつ“減発”せよ≫
人口減少が進む中で、年金制度を抜本的に改革して持続可能性を確立し国民の将来不 安を除く。能力と努力が反映される雇用のために、評価と解雇法制を改革し若者への雇用機会を開いて将来への希望を与える。次の時代へのロードマップを示し て、企業や投資の変革、産業の再編を促進する。
価格維持と減反の農政をやめ、自由化と選択による農業の自立強化と環太平洋戦略的経済連携 協定(TPP)などの利点を生かす。統制・規制の医療政策を廃して、国民共通の最低保障とのびやかな自由診療を組み合わせた豊かな医療を実現する。教育の 自由化と国際化を抜本的に進めて、異文化を生き抜ける人材を育てる。
これらの自己改革を選択し推進できる政治の実現は結局、選挙民の自覚と努力にかかっている。終戦記念日を、祖国のこれからを改めて想うよすがにしたい。(しまだ はるお)
冷たい水の中で考える
2011年8月9日 01:56
冷たい水の中で考える。「ここは爆心地だったんだ」
長崎市民総合プールは原爆落下中心地碑から北西約300メートル。66年前の8月9日、駒場町と呼ばれていたこの場所の住民は、ほとんどが熱線と爆風で即 死した。今、プールは夏休みに入り、子どもたちが歓声を上げている。そのコントラストに、目まいがするような気になる。
福島第1原発の事故を受けて、原発とどのように向き合うのか。長崎は今年、新たな課題を背負った。放射能被害を最も知る被爆地でも、多くの人が「安全神話」を信じ、原発については無関心だったと思う。私自身も危険性を深く考えたことはなかった。
プールから上がって、一緒に泳いだ息子と爆心地公園を訪ねた。あの日もそうだったのだろうか、せみ時雨に包まれる。この場所を見つめ直すことから始めよう。思いを強くする。 (竹井)
=2011/08/09付 西日本新聞朝刊=
8月9日
2011.8.9 03:04
京都をひいきにする文化人を挙げればきりがないけれど、昨年亡くなった文化人類学者の梅棹忠夫の思い入れは尋常ではなかった。生粋の京都人である梅棹は「今でも日本の首都は京都」と公言していたほどだ。
▼「すべての文化が、京都の文化が標準になっている。これにいかにかぎりなく接近するかというのが、日本のすべての文化の方向である」「京都がほろびるときは日本の文化もほろびるときなのだ、という理解まであるのではないか」。
▼梅棹がここまでたたえた文化都市らしからぬ出来事だった。東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松を、京都の伝統行事「五山送り火」の「大文字」で使う計画がとりやめになった。放射能汚染を心配する声が、寄せられたからだという。
▼もともと大分市の美術家の発案で、松から作った数百本の薪には、被災者が亡くなった家族への思いや復興への決意を書き込んでいた。大文字を主催する地元 の保存会と京都市がすべての薪を検査して、放射性物質がないことを確かめたにもかかわらず、最終的に風評に屈した形となった。
▼もちろん 大多数の京都市民の本意ではないだろう。美術家はとりやめに理解を示したというが、どうも釈然としない。何より陸前高田市民に対して失礼だ。ニュースを 知ってからというもの、街にあふれる「心をひとつにしよう」といった標語や「絆」の文字が、どうしても嘘っぽく見えてしまう。
▼盆の大文字の送り火は、室町時代から続く宗教行事だという。おびただしい観光客が訪れる、近年の大文字のあり方に批判的だった梅棹なら、今回の騒動をどのように断じただろうか。聞いてみたかった。
五山送り火被災松使用中止 抗議・非難の電話殺到
2011.8.9 01:23 (1/3ページ)
京都市内で16日に行われる「京都五山送り火」の一つ「大文字」で、東日本大震災の津波で 流された岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の松で作った護摩木を燃やす計画が放射能汚染を不安視する声を受けて中止となったことに対し、京都五山送り火 連合会の事務局がある京都市文化財保護課に非難が殺到している。
計画の中止が報じられ、休日が明けた8日朝から同課では電話が相次ぎ、約100件に上った。その大半が「被災者の気持ちを無駄にするのか」「京都のイメージダウンにつながる」などと計画中止を抗議、非難する内容だった。
さらに市政情報総合案内コールセンターにも7日に45件、8日に166件(午後5時まで)の電話とメールが寄せられ、9割以上が中止反対の意見だった。
今回の中止について、福島県飯舘村職員の杉岡誠順さんは「放射能汚染を恐れる気持ちをもつ人がいるのは致し方ない。ただ、今回のことで東北の人々は大変ショックを受けた。中止反対の声もあると聞くと励みになったが…」と話した。
被災者に犠牲者の名前や祈りを書き込んでもらった護摩木は約400本集まった。京都市などの検査で放射性物質は検出されなかったが、汚染を心配する声を受けて大文字保存会が中止を決定。護摩木は8日夜、陸前高田市内で迎え火として燃やされた。
保存会のメンバーは現地で護摩木を写真撮影しており、京都市で別の護摩木に書き写したりして16日の送り火で燃やすという。
被(ひ)曝(ばく)医療に詳しい鈴木元・国際医療福祉大教授(放射線疫学)は「放射能を怖がるレベルが極端になりすぎている。護摩木から放射性物質が検出されていないのに、中止を求めたりしたことは過剰反応に間違いない」と話している。
日本脱出で得られるものは何か
日本を出て海外で暮らすことによって、どんなことが得られるだろうか。そのメリットがわかれば、日本から脱出すべきなのか、日本に残るべきなのかが自ずと見えてくる。海外移住に詳しいジャーナリストの安田修氏に、日本脱出の利点について詳しく聞いた。
1つの選択肢として
日本脱出を考える人が増えている
東日本大震災発生後1ヵ月ほど経った頃、私の下に日本脱出の相談メールが届き始めた。混乱状態が少し収まりかけ、被災状況の全体が見えてきた頃だ。
「日本人として力を合わせてやっていきたいと思っているが、この先どうなるのかわからないので……」「自分自身のことはどうでもいいが、家族や子 どものことを考えると……」といったように、届いたメールの数々に共通するのは「選択肢の1つとして、いまのうちから準備しておきたい」というものだっ た。
そして発生から1ヵ月を過ぎてくると、届くメールの内容はより現実的、切迫したものへと移り変わっていく。
想像をはるかに超えた大津波による甚大な被害状況、福島原発事故の実態が明らかになるにつれ、その対応や施策をめぐって政府や東京電力への不信感が高まったからだ。
今後、さらなる放射能汚染の進行をはじめとしたさまざまな事態の変化、行政・企業・日本という社会への疑問や反発などによっては、日本から脱出したいと考える人はいま以上に増えてくるだろう。
10年ほど前、海外移住ブームが起き、ごく普通の人にとっても“海外移住”という選択肢があることが認識できるようになった。そして現在、海外移住をめぐる環境は新たなステージへと移りかけている。
日本社会から離れることで
異常なストレスから解放される
日本脱出を考える人が増えているが、実際に脱出すると、どのようなことが得られるだろうか?
海外移住をした人の多くが「移住して最も良かったと思うこと」として挙げるのが、ストレスから解放されたこと。
もちろん人間が生活する上でストレスは欠かせないが、自殺にまで追い込まれるような“異常なストレス”は海外生活ではあまり考えられない。
例えば、日本では、企業のリストラが始まった10年ほど前から中高年の自殺が急増し、いまでもその状況は変わらないが、外国人にはリストラで自殺するなど考えられないことだという。
諸外国ではいろいろな苦境が訪れても「人生を楽しむ」というスタンスは不変。会社や仕事にとらわれないで、個人の幸せ、家族の幸せをどのように実現していくかということが人生のスタンダードとなっている。
ちなみに、欧米の先進国では何もしないのが一種のステイタス。仕事で成功すると、簡単に会社を売却してリタイア生活に入る人が多くいる。つまり、 できるだけ早くリタイア生活し、家族と共にのんびりするのが人生の目標の1つ。築いてきた人生に生涯しがみついてしまう日本人とは大きな違いがある。
ただし最近は、閉塞環境が続く日本社会への不信や疑問といったことが契機となり、日本でも「個々の生活を一度リセットし、異なる土俵で、白紙からトライしたい」と思う人が急増している。
従来の「寄らば大樹の陰」「長いものに巻かれろ」といった“寄り掛かり主義”が無意味になり、欧米諸国と同じように「個人の幸せ」を追求する形へとようやく変わりつつあるようだ。
海外にいると、いままで見えなかったものが見えてくる
日本人としての成長がある
「海外に住んでいる日本人は、日本に住む人よりも日本人らしい」という言葉をよく聞く。
日本国内では日本人を意識することなどほとんどないが、日本を離れて海外生活をすることで、“日本人のアイデンティティ”が自然と養われてくるともいえる。
例えば、単なる“ひとりの旅人”として海外に出かけたとしても、ふと日の丸を背負っているような感覚になることを経験した人も多いはず。とくに、 日本人観光客が多く訪れない国や町に行くと、日本人の代表選手のような扱いを受け、質問攻めにあったり、食事をご馳走になったり、家に招かれたりと大忙 し。
特別に意識していなくても、自分が日本人である事実を思い知らされることになる。
こうして日本人としてのアイデンティティが形成された結果、日本を捉える目がいままでとは変化する。日本が嫌いであった人が日本の良さを再発見することになったり、反対に日本が大好きだった人が日本社会に疑問を抱くようになったりすることもある。
「かわいい子には旅をさせろ」ではないが、海外経験は人間を成長させるマジックのようなものかもしれない。
たとえ脱出しなくても、
日本脱出を考えることには新しい発見がある
日本脱出を考えて海外に目を向けるとき、誰もが自らの人生を振り返り、正面から自分自身を見つめ直したり真剣に向き合ったりする。このことから、たとえ脱出を実行しなくても、従来の生活とは異なる新たな希望や活力を見出す場合も多い。
また、日本脱出について、いろいろ迷ったり、悩んだりするときの一番の解決策は、「自分にとって一番重要なものは何か」「自分にとって一番の幸せとは何か」といった優先順位を考えること。
その一番大切なもの、幸せだと思うものを手に入れるために、また守るために、海外が適していれば日本を脱出すべきだし、反対に日本のほうが適していれば日本での生き方を模索することもありえるだろう。
例えば、従来からいじめや不登校など子どもの教育問題は、海外移住の動機の中でも確立したポジションを占めている。
東日本大震災による放射能汚染の行方によっては、「とにかく子どもの未来が一番」と考える人にとって日本脱出は切実な問題に発展するかもしれない。
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余録:「五山送り火」の悲しみ
<迎火やをりから絶えし人通り>は久保田万太郎の句である。フッとあたりに何かの気配を感じたのかもしれない。急に鳴きやんだセミたちに、闇に浮 かぶホタルに、チリンと風鈴を鳴らす風に、亡くなった肉親の来訪を感じる季節だ▲この夏、被災地でたかれるたくさんの新盆の迎え火を思えば、震災直後から の悲しい場面の数々が心によみがえる日本人だ。その魂を慰めるすべもないまま肉親のいない現実に耐える行方不明者の家族を思えば胸が詰まる▲ただ今では、 個々の家で迎え火や送り火をたくことの少なくなったこの列島である。毎年8月16日の京都の五山送り火といえば、国民的記憶に刻まれているお盆の情景の一 つだろう。それだけに何とも悲しくなる岩手県陸前高田市の松の薪使用中止をめぐる騒ぎだ▲この津波による被害のシンボルにもなった同市の高田松原の松であ る。それで作った薪に犠牲者の遺族らがそれぞれの思いを書き込んで五山送り火でたくという計画だった。だが「放射能の灰が飛ぶ」などという抗議の電話や メールが関係者に殺到、中止になった▲被災地の実情を知る者には放射性物質による汚染など見当外れだし、現に検査しても検出されなかった。専門家も木材内 部の汚染リスクを否定している。薪は被災地で迎え火としてたかれてしまったが、こんな理不尽がまかり通っては他の風評被害も防げないだろう▲むろん報道後 は京都市民からも中止批判が相次いだ。なお癒えぬ悲しみの中で願う肉親の魂の平安への祈りだ。それを分け隔てしては古都住民の名折れだろう。<新盆やひそ かに草のやどす露 万太郎>
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毎日新聞 2011年8月9日 0時15分
機を未然に防止する者は、決して英雄になれない」という。危機を未然に防止すれば、人は危機だったという認識さえ持たない。危機の認識がなければ、「なぜ危機は防げたか?」という総括もなされない。そこに英雄は生まれるはずもなく、まして教訓や改善策なども得られない。
危機管理が正常に機能すれば英雄は生まれない
水素爆発を起こした福島第一原子力発電所の1号機と2号機〔AFPBB News〕
今回の福島第一原子力発電所の事故であるが、仮に現場の判断で早々にベントを実施して、消火系から海水注入を実施していたら、メルトダウン、水素爆発もなく、放射能汚染も今よりはるかに低いレベルで抑えることができただろう。
ただ、実行責任者は英雄どころではない。放射能汚染と廃炉の責任を取らされ、処分されていたに違いない。
また予備電源が確保できていたなら、「止める、冷やす、閉じ込める」は成功し、約1カ月もすれば原発システムは再稼働されていただろう。よもや危 機寸前であったことなど話題にもならず、原発制御の難しさを再認識することもなく、やがて人々の記憶から消え去っていたに違いない。
反面、今回のような大事故が起こってしまうと、被害の甚大さに冷静さを失い、当事者の自己防衛本能も手伝って、真の教訓を抉り出す理性的、かつ冷静な分析は行われ難いのが常である。
このように事故を未然に防止しても、あるいは大事故が発生しても、いずれも危機管理の教訓を蓄積することは容易ではない。危機管理の不手際が繰り返される原因がここにある。
初めてのことに弱い日本の国民性
福島第一原発事故には、多くの危機管理の教訓が埋蔵されている。政府や東電の対応に感情的なバッシングを加えることはやさしい。だが、払った大きな代償を東電バッシングというカタルシスで済ますには、あまりにももったいない。
政府、東電の取った対応を冷静に分析し、そこから真の教訓を引き出し、社会で広く共有していくことは危機管理に強い国造りに欠かせない。
日本では目標が明確で「やるべきこと」が判明している時、組織は素晴らしい力強さを発揮する。だが、前例のない危機には極めて弱い。阪神・淡路大震災の時、対応の拙さを指摘された時の首相が「何しろ初めてのことじゃから」と言った言葉に象徴されている。
臨機応変さが求められる狩猟民族としてのDNAは、日本人には組み込まれていないようだ。だがこれは言い訳にはならない。今回の事故は人命や財 産、あるいは社会的信用や安定が失われる恐れがある時に、対応を間違えれば組織や企業などが致命的なダメージを受けることを教えてくれている。
危機管理には「リスクマネジメント」と「ダメージコントロール」という2つのキーポイントがある。
危機管理は発生時点で半分勝負はついている
危機管理は発生した時点で半分は勝負がついていると言われる。起きる可能性のある危険に事前に対応し準備しておく。これが危機管理で重視されるリスクマネジメントの概念である。
危機的な状況を作らないことは危機管理の要諦である。だが万が一、危機が発生してしまったら、被害局限、拡大や波及防止という「ダメージコントロール」の概念が重要になる。発生した危機に対して、いかに被害を局限するかがカギなのだ。
東電のリスクマネジメントを見てみよう。東日本大震災の特徴の1つに想定外の津波が押し寄せたことがある。東電は津波を最大5.7メートルと想定し、10メートルの防潮堤を建設していた。
だが実際は17メートルを超える想定外の津波が押し寄せた。これが全く予見できなかったかというと、そうは言えない。
平成21年6月、経産省の審議会で岡村行信氏(産業技術総合研究所活断層・地震研究センター長)が約1100年前の貞観地震に関する最新の研究成果を発表し、対策の必要性を訴えている。東電はこの時「学術的な見解がまとまっていない」として退けている。
How safe is safe enough?
あの時、防潮堤を20メートルにしておけば・・・だから東電はリスクマネジメントに失敗した。こういう発想は結果論であり短絡的過ぎる。これでは明日への教訓は得られない。
“How safe is safe enough?”という言葉がある。どこまで金をかければ安全が確保されるのかということだが、安全とコストのバランスには限界がある。いくらお金をかけ ても絶対落ちない飛行機は作れない。作れたとしたら、それはきっと飛べない飛行機であろう。
武器は例外としても、一般の製品には市場原理が働くのが現実である。原発で言えば過剰な安全基準はコスト高につながり、結局利用者の電気料金に跳ね返ってくる。最小限のコストで最大の安全を確保しようとするのは、原発も変わらない。
原発はあまりにも危険性が高く、市場原理の適用はできない。だから廃止すべきだという意見もある。その議論は本題ではないので、ここでは触れない。
「最悪に備えよ」は危機管理の鉄則である。貞観地震に関する研究成果を突き付けられた時、東電としては最悪の想定をただ退けるだけで思考停止に陥ったのは明らかに失敗だった。
「全電源喪失を想定しなくていい」というお墨付き
福島第一原発2号機のタービン建屋内〔AFPBB News〕
「学術的見解がまとまっていない」としても、仮に万が一でも可能性があれば「備え」が必要だ。それがリスクマネジメントである。
20メートルの防潮堤が時間的にもコスト的にも現実的でないとしたら、津波をかぶることを前提にした他のリスクマネジメントの合わせ技で最悪状態を回避する発想が必要だった。
津波をかぶった場合を想像すれば、電源喪失は容易に想定し得たはずだ。にもかかわらず「全電源喪失は想定しなくてもよい」と原子力安全委員会がお墨付きを与えていたという。
原子力政策をチェックすべき組織が東電の思考停止を後押ししていたわけだ。危機管理のイロハを理解していないお粗末な組織と言われても、しようがあるまい。
「電源喪失で何が起きるかを想定すれば、採るべき対策があったはずだ」と宮健三・東大名誉教授は語る。全電源喪失のリスクマネジメント欠如が今回の悲劇の始まりと言える。
被害を極小にするダメージコントロール
防潮堤を越える津波の可能性を前提にすれば、非常用電源確保のため、非常用発電機を高所に設置したり、分散配置したりするはずだ。あるいは機動電源車を近場の安全地帯に保管することも必要だろう。こんな発想は誰でも思いつく。
少なくとも非常用発電機の燃料タンクを海岸線近くに、しかも並べて配置するような愚は回避できたはずだ。
全電源喪失になって、あわてて近隣の予備電源車53台をおっとり刀で駆け付けさせている。だが規格不適合があったりや接続ケーブルが短かったり、コネクターが水につかっていたりして、繋ぎ込みに15時間以上かかった。
リスクマネジメント失敗により危機は発生してしまった。だが危機管理で重要なのは、これ以降の対応である。危機を拡大、波及させることなく被害局限を図るダメージコントロールはどうだったか。
ダメージコントロールで重要なのは、最悪を想定したうえでのセカンドベストの追求である。まず、今後生じる最悪の事態は何かを明確にする。そのうえで是が非でも最悪を回避するため、あえてベストを追求せず、セカンドベストに甘んずる覚悟が必要なのだ。
人間は危機に直面して楽観的になりやすい
当初、東電にとって最悪の事態は「廃炉」だった。だが本当の最悪は「閉じ込める」ことを失敗した「放射能汚染」だったのだ。これまでシビアインシデントを経験したことのない東電の平時体質は「最悪」の認識を取り違えてしまった。
危機に際し、人々は往々にして「以前もこうだった。だから今回も・・・」と楽観的、希望的に考えようとするのが常である。誰しも最悪の事態は考えたくないものだ。だが、危機管理は最悪を考えることから始まる。最悪の事態を取り違えると努力の目標を取り違えてしまう。
東電は最悪の「放射能汚染」を局限するため、「閉じ込める」という目標に向け、「廃炉」という犠牲を払ってでも、あらゆる手段を駆使して「止める、冷やす」を追求すべきだった。
当初、東電には「放射能汚染」といった最悪の事態は眼中になかった。多くの東電社員が「システム再稼働まで約1カ月」と思っていたと証言している。
「止める、冷やす、閉じ込める」という原発の基本対応が成功し、復旧、再稼働に向かうのは、東電にとってはベストに違いない。だが「廃炉」になっ てもいいから、あらゆる手段で「止める、冷やす」を追求するというセカンドベストを選択しなければならなかった。「復旧、再稼動」というベストは考慮外に 置かなければならなかったのだ。
ベントの判断に機を失した日本政府
東電にとって「廃炉」を最悪としたため、「冷やす」が徹底されず、結果的に「閉じ込める」ことに失敗した。日露戦争の旅順攻略作戦において、目標は旅順港内の軍艦であるにもかかわらず、旅順要塞陥落を目指し、大きな犠牲を払ったのと同じ構図である。
結果論的に言えば、ベントと海水注入を早々に実施していたら、水素爆発もなく、今のような最悪状態は回避できた。なぜ手遅れになったのか。
ベントについては東電が独自の判断で実施することはできない。ベントは放射能を空中に撒き散らすことになり、国民の健康に直接影響を及ぼすことになる。従って政府の決心がなければできない。
ベントは国内初のことであり、社会的影響の大きさを考えると躊躇せざるを得なかった心理状況は理解できる。だからといって政府の決心が機を失してよいわけはない。
格納容器の圧力異常上昇を察知してから通報まで30分かかり、海江田万里・経済産業大臣の記者会見まで2時間10分を要している。明らかに政府部内の調整に手間取っている。
廃炉を恐れるあまり本当の危機を見逃した
1号機の建屋。2号機との間では最高で毎時1万ミリシーベルトという高濃度の放射線が出ていることが分かった〔AFPBB News〕
遅疑逡巡しているうちにバッテリー駆動弁が作動しなくなり、手動開放作業に切り替えたためさらに時間を浪費した。結果的には圧力異常上昇から12時間あまり経って、ようやくベントができた。この間、事態が一段と深刻に悪化したことは否めない。
宮崎慶次・大阪大学名誉教授も言っている。「炉心溶融後にベントを行えば、放射性物質の漏出が増える。もっと早い段階でベントは行うのが定石だ」
海水注入も同様に躊躇した。海水注入は「冷やす」ための一手段に過ぎない。ベントとは事の重大性が異なる。「廃炉」を覚悟さえすれば、東電の判断で即座に実施できたはずだ。だが明らかに遅疑逡巡が見られる。
消火系で真水を注入し始め、水がなくなった後、海水注入までの4時間の空白が如実に語る。4時間の空白が事態の悪化を招いたのは間違いない。
海水を注入すれば廃炉を覚悟しなければならない。「廃炉」を覚悟しても、あらゆる手段を使って「止める、冷やす」に全力を尽くすというセカンドベストが何故追求できなかったのか。
社長、会長が揃って不在という問題
12日の12時00分に清水正孝・東電社長(当時)が海水注入を了解したと発表されている。いかにも遅きに失している。不測事態発生時、廃炉の決 断がどこまで委任されていたのか不明であるが、現場の判断で「止める、冷やす」ために、あらゆる手段が取れるよう権限委譲がなされていなければ、原発のダ メージコントロールはできない。
事故発生当時、東電の会長、社長とも東京を離れていた。決心の遅れはこのツートップ不在が原因となった可能性もある。
ダメージコントロールには「今以上に悪化した場合、どうするか」「最悪の状況は」といった悲観的な見方が出発点となる。東電はこの発想を持ち得 ず、セカンドベストの追求という原則も最初から考慮外だった。自ら作り上げた安全神話に安住し、最悪を予測する体質が東電に欠けていたと言われてもしよう がない。
東電には事故を考えることをタブー視する体質があったという。「原子力防災」についても、「事故は起こらない。だから『防災』という言葉は使わないよう」要請されたと関係者は証言する。
元東京大学総長が新聞に書いていたが、事故が万一発生した場合に備え、原子炉建屋で使うロボットを一緒に開発しようと持ちかけたところ、事故は起きないので必要ないといって拒絶されたという。
危機下の経営が想定外だった東電
原発を建設し運営していくうえでは、周辺住民の理解を得ることは欠かせない。住民には「原発は安全」「事故は起こらない」と言い続ける必要があったことは理解はできる。
しかしながら、東電には万々が一でも事故が起きた時の対応を考えるという危機管理の責任がある。対外的な広報用文言と内なる危機管理的発想を混同してしまい、自ら作り上げた安全神話に自分が騙されるという愚行を犯してしまった。
平時から危機へと思考スイッチが切り替わらなかったことも、セカンドベスト追求を阻んだ理由である。東電は経営という平時思考から、危機に直面してもなお抜け切れなかった。
新聞によると東電から政府に「海水注入は廃炉につながる。廃炉は株主代表訴訟のリスクがあり、民間会社としては決心できない。政府の命令という形にしてもらいたい」との意向が伝えられたという。
ここには寸秒を争う原発事故が進行中という切羽詰まった緊張感や、最悪の事態である放射能汚染を何としてでも防がねばといった危機管理の発想が全く欠如している。
海水注入を巡るドタバタで見えたこと
あらゆる手段を総動員して最悪の事態を回避するといった危機管理とは無縁の、平時専用の経営組織だったと言われてもやむを得まい。
現場の名誉のために1つだけ付け加えておこう。海水注入に関しては「菅直人首相が言った、言わない」という低次元の騒ぎがあった。
ことの発端は、海水注入について、首相の「再臨界の可能性は?」との質問に対し、原子力安全委員会の班目春樹委員長が「ゼロではない」と答えたため、総理が原子力安全・保安院に再検討を命じたことに端を発する。
その間、東電本社は総理の了解が得られていないとして、現場に海水注入の中断を命じたという。実際には現場は本社の指示を無視し、海水注入は継続していたことがあとで判明した。
これは3重に愚を犯している。技術的な細部を一々聞く総理も愚かであるが、答える者の答え方も愚かである。そして進行中の重大な危機を理解しないまま現場に指示する東電本社も愚かである。愚かな3者の揃い踏みだ。
墜落する飛行機の中で「落下傘が開かない可能性」を聞く愚かさ
原発事故の収束工程表を発表する東電の幹部〔AFPBB News〕
そもそも海水注入はシビアインシデントの緊急手順である。当然、再臨界などの検討がなされたうえで手順化されているものである。総理の質問に対しては、即座に「問題ありません」と答えればよかった。
学問的には「ゼロではない」かもしれないが、危機におけるリーダーへの答え方としては不適切だ。
戦闘機が墜落しようとした時、緊急脱出という緊急手順がある。この時、「落下傘は開かない可能性はあるのか」と問われ、これに対し「ゼロではない」と答えるような愚かなやりとりである。
この後、原子力安全・保安院が検討を命ぜられ、総理に回答したのは1時間40分後であった。危機が進行する中、こんな質問に2時間近くかけて応答する保安院は本当に専門家集団なのかと疑いたくなる。
官僚主義が蔓延した危機意識ゼロの組織と言われてもしようがない。この間、「廃炉」に政府指示のお墨付きをもらいたい東電本社は、現場に中断を命ずるという愚を犯す。
水素爆発の映像が世界中に与えたインパクトの大きさ
この3者のバカバカしいやりとりを尻目に、粛々と海水注入を継続していた現場の判断は褒められてしかるべきだ。遅きに失した海水注入ではあったが、本社の指示通りさらに1時間40分中断していたら、さらに取り返しのつかぬ事態の悪化を招いたことは間違いない。
水素爆発について、東電も保安院も「想定外」ではなく「想定していなかった」と恥ずかしげもなく述べた。正直といえば正直だが、原発を扱う専門家としての知的レベルはこの程度だったのか、と驚いた国民も多いだろう。
水素爆発は格納容器や配管等を破損し、かつ放射能汚染された瓦礫を散乱させ、その後の対応を困難かつ複雑化した。何より爆発した建屋の映像が与えた悪影響は甚大であった。
映像は全世界に流れ、事故のイメージを拡大し、技術大国日本の信用を著しく下げた。その後の各種風評被害も、このイメージが手伝っているものが多い。
危機管理上の問題は1号機の水素爆発があった後、なぜ3号機、4号機の水素爆発を防げなかったかというダメージコントロールの失敗である。
1号機の水素爆発の教訓を生かせなかった東電
1号機爆発の27時間後に「2、3号機の建屋壁パネル開放を検討」と記者会見録にはある。だが、43時間にわたって無為無策であった。1号機の爆 発後、43時間経ってようやく2号機の建屋パネルを開放した。だが、ほぼ同時期、3号機が爆発している。その19時間後には4号機が爆発した。
なぜこれほど無為無策であったのか。建屋に窒素を充満させることはできなかったのか。屋根に穴を開けて水素を逃がすようなことはできなかったのか(実際、5、6号機は1号機の爆発から66時間後に屋根に穴を開けている)。
この間、東電はどう考え、どう動いたかは発表されていないので分からないが、ダメージコントロールの重要なポイントであり今後の発表を待ちたい。
これは憶測だが、想定していないことが起こると途端に思考停止になるという、日本人の危機管理の弱点が表れたのではないだろうか。
「今これが発生した。さらに悪いことは何が起こり得るか。そのために何を準備すべきか」といった思考のトレーニングは、軍隊では机上演習として日常行っている。
危機を想定したトレーニングの必要性
政府、自治体、企業なども危機管理からは逃げることはできない。少なくとも組織の危機管理に携わる者には、東電に限らず、こういった思考トレーニングは欠かせないものである。
東電は原発の運営責任者であるとともに危機管理責任者である。だが、自ら作り上げた安全神話に自らが騙された結果、危機管理者という当事者意識が希薄になり、こういった思考トレーニングを蔑ろにしていたのではないだろうか。
最後に、東電の危機管理から学んだ教訓を基に、企業経営者に提言をしたい。
「組織は人なり」と言う。どんな企業でも危機管理から逃げることはできない。「最悪に備えよ」「セカンドベストに甘んじる覚悟を持て」といった危機管理原則については、組織全員が共有しておかねばならない。
危機管理は時間との戦いである。現場の人間が危機管理原則に沿って、上司の指示を待つことなく行動することが求められる。同時に、責任者は現場を信頼し、責任を取る覚悟が必要である。
異端児をそばに置き常に耳を傾けよ
この方のそばにはイエスマンしかいなくなった・・・〔AFPBB News〕
危機をうまく収拾できた場合、得てして「不必要なことをした」、あるいは「過剰反応だった」というような批判が後日出てくるものだ。危機管理に携 わる者はこれを甘受する覚悟が必要である。また管理者は「責任は我にあり」を自覚し、現場の行動を理解、許容してやる度量が何より必要である。
次にリスクマネジメント重視の社風を養成することである。特に設計者、技術者にとって想定外を想定することは宿命である。いかにイマジネーションを働かせるかが勝負であるが、1人の想像力には限度がある。
このためホンダの「ワイガヤ方式」のように、大人数でのブレーンストーミングが頻繁に、しかも自然発生的に実施されるような社風を育成することが大切である。
その際、「異端児との共存」に留意しなければならない。変わったことを言う奴、妥協しない奴、うるさい奴といった異端児はどこの組織でもいる。
異端児が組織にいると居心地が悪い。だから、組織は異端児を排除しようとする傾向がある。だが異端児こそ、ブレーンストーミングをより活性化する。また、誰も考えつかない視点を提供してくれることが多い。危機に弱い「金太郎飴」の集団になってはならないのだ。
知的瞬発力を鍛える思考トレーニングを
最後に、演練の必要性を強調しておきたい。危機は想定外の事が起こるから危機である。どんな想定外が起こっても、ダメージコントロールが適切に取れることが組織に求められる。
想定外だから、その都度状況は異なり、危機管理者には知的瞬発力が求められる。知的瞬発力は筋肉と同じで、鍛えなければ力がつかない。この知的瞬発力を鍛えるには思考トレーニングが欠かせない。前述の軍隊の机上演習が参考になる。
軍隊では兵棋演習、図上演習とも言うが、2個以上の対抗勢力による作戦を演練するため、地形や敵情についての定量的なデータを踏まえながら状況を作る。当事者は逐次変化する状況の中で判断し、決定を下すという思考トレーニングを実施するのだ。
危機管理は戦争とは違い、悪意を持った敵は存在しないので、そう複雑な準備もいらない。事前に起こり得る最悪のシナリオを研究し、各種想定を加味したシナリオを作る。そのシナリオに沿って組織を挙げて対応を演練し、知的瞬発力を鍛えるわけである。
この演練は対応能力を鍛えるのはもちろんだが、準備の段階で最悪のシナリオ、各種想定を徹底的に検討するため、リスクマネジメントを考えるうえで極めて有効である。
また、机上演習を通じて新たな問題点を把握することもあり、フィードバックして改善が図れるというメリットもある。
東電の危機管理の失態は他人事ではない。どんな企業でも起こり得る。明日にでも起こり得ることなのだ。
見たくない現実にあえて目を向け、考えたくない困難にあえて心を開く。こんな前向きな社風を日頃から醸成しておく。危機が起きたら初動における迅 速な決断と果断な処置ができるよう、末端まで危機管理原則を徹底しておく。緊急時の責任と権限を明らかにしておくとともに、日頃から組織を挙げて机上演習 で思考トレーニングしておく。
これをやっておけば、東電のような惨めな失態は避けられるはずだ。
150人と連絡取れず 福島第1原発の作業員
2011.8.8 23:28
福島第1原発の事故作業後に連絡の取れない作業員が出ている問題で、東京電力は8日、同日 現在で150人と連絡が取れていないことを経済産業省原子力安全・保安院に報告した。全員が協力企業の作業員で、東電は企業側に照会するなど調査を続ける としている。この問題は、東電が作業員の健康に関わる内部被ばく量の調査をする過程で発覚。保安院は核物質や施設の管理の観点から問題視、1日に東電を厳 重注意するとともに調査結果の報告を求めていた。
東電は作業を開始した月別に不明作業員の人数を集計。3月は11人、4月は66人、5月 は73人だった。細野豪志原発事故担当相は記者会見で「5月時点でも十分(管理が)できていない状況は問題だ」。東電の松本純一原子力・立地本部長代理 は、所属企業を退職していたり、登録時に名字しか書かれておらず特定できないケースがあるとした上で「改善後の出入り管理を徹底したい」と述べた。
食品の放射能検査機器、自治体に貸与 消費者庁
消費者庁は8日、食品中の放射性物質を測定する自治体に、検査機器を無償で貸与する方針を明らかにした。食品の放射能汚染を心配する声が消費者からあがっているためだという。
実際に貸し出すのは、独立行政法人の国民生活センター。国からの交付金のうち、10億~20億円で検査機器を購入またはリースで借り受け、希望する自治体に無償で貸す。メーカーや専門家による検査方法などの研修も行う。
消費者庁は10月にも貸与を始めたい考えだが、担当者によれば検査機器によっては在庫がないため、調達は難航しそうだという。機器は200万円から2千万円程度のものを想定している。
【放射能漏れ】増え続ける汚泥 毎日40トン、9月には保管限界に
福島県国見町と伊達市にまたがる下水処理施設「県北浄化センター」では放射線物質に汚染された汚泥を敷地内のテントで保管しているが、その保管場所もあとわずかになっている=8日午後、福島県国見町(大西史朗撮影)【拡大】
福島県の国見町と伊達市にまたがる下水処理施設「県北浄化センター」では、放射性物質を含んだ汚泥が敷地内の仮設テントに置かれているが、増え続ける汚泥に、保管できるスペースがあとわずかに迫っている。
汚泥は毎日約40トンずつ増え続け、9月下旬には保管場所がなくなるという。紺野禎紀所長(56)は「住民の不安もあるので、一刻も早く外に運び出せれば」と話している。
原子力損害賠償支援機構法案191人アンケート / 法案をまだ理解できていない国民が多数
【社会ニュース】 2011/08/08(月) 22:38
8月3日に可決された『原子力損害賠償支援機構法案』。これは別名『東電賠償支援機構法』とも呼ばれており、東電の賠償金支払いを支援するために設立さ れる新たな機構に全国の電力会社が資金を拠出し、公的資金を投入するなど、「東京電力を救済するために作られた法案」とも一部で揶揄されている。
これは国民にとって今後電気料金の値上げや増税など、暮らしに直接関わる部分に影響するものだが、現状はテレビなどであまり報道をされていな い。実際に国民はこの法案に対して、いったいどのように考えているのだろうか。テレビ番組リサーチ会社フルタイムの会員191名のご協力により、アンケー トを取ることができた。今回はその結果についてお伝えしようと思う。
<Q.8月3日に可決した原子力損害賠償支援機構法案について、賛成ですか?反対ですか?>
■賛成 53名
・理由
「東電という一企業の賠償問題では無く、国の補償が必要と考えるから。」東京都・40代男性
「被災者の気持ちを考えると当然」愛媛県・20代女性
「同じ日本の中で起きた事故なので、他人事ではない。」愛知県・30代男性
「被害者救済の方法が他に見当たらない。」静岡県・30代男性
「一刻も早く、原発の被害を受けた方々に賠償金を払ってもらい、生活を立て直して欲しいから。」群馬県・40代女性
「原発事故の補償は一企業単独では無理で原発業界および国で保証せざるを得ない」大阪府・60代男性
「仔細はともかくスキームができたことは評価する。」青森県・30代男性
「何もしないのが一番よくない。次善策であろうとなんであろうとまず行動することが先。文句つけて行動を阻止することが最大の悪である。」東京都・40代男性
■反対 55名
・理由
「現状でさえ、東電の社員の給料は高いにも関わらず、東電を守る為だけの案にしかなっていない。安易なリストラは単に不景気を促進させるだけなので、東電はリストラせず、給料をもっと下げて社内努力をするべき」東京都・40代男性
「よく内容がわかりません、私たちの税金が結局使われるってことですよね。なんでって感じです。」三重県・30代女性
「まずは東京電力をつぶし、経済産業省と原発推進議員を晒し者にすること」愛知県・40代男性
「電気代が値上げになるから」兵庫県・60代男性
「責任の所在をもっとはっきりさせ、しかるべきところから必要最大限の損害賠償をすべき。」奈良県・20代男性
「発電会社と送電会社に分離出来れば 賛成です!」大阪府・50代男性
「東電を守る必要はない」千葉県・40代女性
「原発のもたらした膨大な損害を、国民に押し付けるための役割を果たすだけである。今回の被害額を放射能の完全な収束までを含めたコストで考えれば、原発のコストが他の発電所と比較にならないことは明確である。」北海道・50代男性
■どちらともいえない 83名
・理由
「急場に作られた不完全な法案に思う」岩手県・50代男性
「今の政権下ではねぇ」沖縄県・40代男性
「どうすることが正しいのかよく分からないから」神奈川県・10代女性
「法案の内容がよく分からない」千葉県・20代女性
「いち早く充分な補償はされるべきだと思うが、基準が複雑で混乱が予想されるから。」神奈川県・40代男性
「双方の言い分も納得がいく」京都府・50代女性
「もともと地震が元凶であり、責任が誰なのかが線引きが難しい。すべてを保障してしまえば莫大になるし、そもそも原発により恩恵を受けていた場合などは、除外するなどしなくてはならないのではないか。」千葉県・30代女性
「容易に解決できることではないから」埼玉県・50代男性
アンケートの結果を見てみると、賛成は「いち早く被災者を救済すべき」との声が多く、反対は「東京電力の負担が軽すぎる」との意見が多かった。また、意外な結果となったのはどちらともいえないという人が一番多く、反対と賛成の人数差が2人しかなかったということだ。
上でも述べた通り、原子力損害賠償支援機構法案についてはまだまだ国民が理解できていない部分が多いと言っても良いだろう。ある程度テレビを良 く視聴していると思われるテレビリサーチ会社の会員でもこの結果なので、テレビなどのマスコミも今以上に多く、この法案について報道すべきなのかもしれな い。
参考リンク:経済産業省(原子力発電所事故に関する賠償などについて)
協力:株式会社フルタイム(情報提供:ロケットニュース24)
京都で拒否された被災松、夜空焦がす 陸前高田で迎え火
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東日本大震災の津波になぎ倒された岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松でつくった薪をたく、お盆の迎え火が8日、同市矢作町であり、夜空を焦がし た。被災者らの願いを記した薪は京都の伝統行事「五山送り火」の大文字で燃やされるはずだったが、放射能汚染を不安視する根拠のない声に押されて中止に なった。
約50人の遺族らが迎え火を見守った。「お父さんは最高の父です。ありがとう」「前へ前へ行くぞ」「絆」――。燃された333本の薪の一本一本には、津波で亡くなった人への思いや、復興に向けての決意が記されていた。
母と姉を亡くし、「鎮魂」とフェルトペンで書いた斎藤哲夫さん(51)は「(京都に受け入れられず)やるせない」。祖父母を亡くした高校2年の及川亮さん(16)は「自分の思いが炎とともに届けられたかな」と目を潤ませた。
岩手・陸前高田の松、地元で迎え火=放射能懸念、京都の送り火中止で
東日本大震災による津波で流された岩手県陸前高田市の名勝「高田松原」の松を使った迎え火が8日夜、同市で行われた。「パパへ、今までありがとう」「姉 ちゃんの料理おいしかった」などと、被災者がメッセージを記したまきは読経の後、点火され、夜空に向かって鮮やかな炎を上げた。
まきは当初、京都の伝統行事「五山送り火」で燃やされる予定だったが、福島第1原発事故による放射能汚染を懸念する声が相次ぎ、中止された。
母と姉を亡くした斎藤哲夫さん(51)は「鎮魂を祈った。京都でできないのは残念だが、たくさんボランティアが来てくれたから」と燃えるまきを静かに見詰めた。
五山送り火を主催する「大文字保存会」の松原公太郎理事長も立ち会い、「中止は苦渋の決断だった」と話した。まきに記されたメッセージは写真に撮り、京都で別のまきに書き写して16日に行われる送り火で燃やすという。(2011/08/08-21:51)
福島のゴルフ場、東電に除染と経費要求 仮処分申し立て
東京電力福島第一原発の事故でゴルフ場が放射能に汚染されて休業に追い込まれたとして、「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」(福島県二本松市)の運営 会社などが8日、放射性物質の除去と半年間の維持経費約8700万円の支払いを東電に求める仮処分を東京地裁に申し立てた。
弁護団によると、ゴルフ場は原発から約45キロで、震災による地割れなどの補修を終え、7月1日の営業再開を目指していた。だが、6月に二本松市が実施した検査で、全18ホールから基準を超える放射線量が計測され、安全を考慮して自主的に休業しているという。
東電には、放射性物質の除去のほか、7~12月分のゴルフ場の社員12人の人件費や施設維持費などの支払いを求めた。
放射線を正しく警戒して家族を守る/セーラー万年筆「個人向け外部被ばく線量計」発売開始
2011年8月8日 12:00
個人用外部被ばくセンサーの一般向け販売
震災後、福島第一原発事故の長期化を受け、個人向け外部被ばく線量計の需要が高まり、全国的に品薄が続いている。そのような中、8月上旬よりセーラー万年筆は、個人向け外部被ばく線量計を発売することを発表した。
今回、発売されるのは「PDM-122 マイ・ドーズ・ミニ(国産製品)」。医療機器・医学用線量計の専門メーカーである日立アロカメディカル製の病院・医師・放射線技師・看護師向けの個人向け線量計を、一般ユーザー向けに販売する。価格は、1個29,900円(税別)。
病院内で20年間の使用実績、初心者でも使いやすい「被ばくセンサー」
今 回発売となる「PDM-122 マイ・ドーズ・ミニ」は、病院内で医師や放射線技師が20年間にわたって使ってきた。また、本体重量は39gと小型軽量。 初心者でも使いやすいシンプルな設計だが、性能はプロ仕様。有害なガンマ線を計測し、時間当たり線量と積算線量を表示できる。
またPDM-122は小数点以下の表示をしない。これは、自然界の放射線と混同しやすい微小な線量値と混同しないような配慮があらわれた機能である。
放射線を「正しく警戒して家族を守る」
また、今回の発売を機に、セーラー万年筆はユーザー登録者向けに、放射線の知識や線量計の使い方に関する情報提供を行うほか、ユーザーと一体となったweb上での線量計マップなどを作成する計画だという。
セーラー万年筆は今回の発売開始に際し、「国産の高品質な個人向け線量計を安価で大量に提供することで、無用な放射線量パニックを防ぎ、「正しく警戒して家族を守る」ツールを広めたい」と発表している。今年度の販売は5万~10万本が目標。
長引く放射能への不安を「見える化」し、正しい情報を正しい行動へと繋げられる商品・サービスとして、多くの需要が予想される。
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セーラー万年筆 公式オンラインショップ
http://sailorshop.jp/SHOP/79-2991-000.html
2011.08.08
本当に恐ろしいのは原発ではなく、われわれの考え方、生き方(南こうせつ)【ちょい潤 語録】
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南こうせつさん
東日本大震災復興支援のチャリティーコンサートを発表した会見での、さだまさし語録をお伝えしてきたこのコーナー。今度は、さだまさしさんの盟友、南こうせつさんの言葉をお届けします。
誤解を恐れずに申し上げると、本当に恐ろしいのは原発ではなく、原発(建設、稼働)の一番の心根のところにあるわれわれの考え方、生き方。そこが放射能100+ 件をばらまいたということです。そのことをわれわれは認識しないといけない。(南こうせつ)
こんなに厳しい状況になっても、今後、原子力発電をどのように扱っていくかがはっきりしない日本。そんななか、原発に触れた南さん。原発事故が起きる状況を生んだ日本人のライフスタイルへの意見は、大いに共感できました。
(井上康太郎)
京都 送り火と別に燃やす考え
京都の「大文字五山送り火」で東日本大震災の被災地の松の木を燃やす計画が、放射性物質への不安の声を理由に中止になったことについて、京都市の門川大作市長は、「遺憾だ」としたうえで、送り火とは別に京都で松の木を燃やせないか、関係者に働きかける考えを示しました。
今月16日に京都市で行われる「大文字五山送り火」では、津波で被害を受けた岩手県陸前高田市の国 の名勝「高田松原」の松で作ったまきを燃やす計画が進められてきましたが、「放射性物質が出るのではないか」といった不安の声が寄せられ、中止されまし た。京都市によりますと、計画の中止を受けて、送り火の保存会はまきが保管されている陸前高田市内で8日夜、まきを燃やしたいとしているということです。 これについて、京都市の門川市長は、NHKの取材に対し、「放射能の心配がないのに京都で松を燃やせないのは非常に残念だ」と遺憾の意を示しました。その うえで、門川市長は「市民から多数の問い合わせがあり、その中には、まきを燃やしたいという声があった。保存会と話し合い、一部を京都に持ち帰ったうえで お盆の時期に『送り火』とは別に燃やしたい」と述べ、京都で松の木を燃やせないか関係者に働きかける考えを示しました。
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福島第1原発:市民団体「こどもプチ避難」を企画
東京電力福島第1原発事故による放射線から子どもを守ろうと、福島県三春町の自宅を離れて東京都東大和市で避難生活を送る増子理香さん(41)が 代表をつとめる「つながろう!放射能から避難したママネット@東京」が、福島の子どもたちに野外でのびのび遊べる機会を提供する「こどもプチ避難プロジェ クト」を企画した。東大和市に事務局があるガウスネット(電磁波問題全国ネットワーク)が協賛している。
期間は11日(木)~14日(日)の3泊4日。魚釣り、川遊び、虫捕り、バーベキュー、石窯ピザなどを計画中。11、12日は相模原市の廃校に なった小学校を利用した里山体験施設「篠原の里」、13日は同市の姫谷温泉に宿泊。福島県郡山市発着のワゴン車も用意している。参加費は大人5000円、 子供3000円。小学生だけの参加も受け付ける。参加希望者は9日中に連絡を。詳細は「つながろう!放射能から避難したママネット@東京」のブログ (http://ameblo.jp/hinan-mama-net/)で。申し込みはメール (hinan_mamanet_tokyo@yahoo.co.jp)か、ガウスネット(電話042・565・7478)まで。
毎日新聞 2011年8月8日 19時17分
DOMMUNE FUKUSHIMA!森支局長が語る「変えることを目的にしないで、終わる事のない話し合う場を作ります」
8月15日に福島から、日本各地、世界各地へ呼びかける世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!開催。

DOMMUNE FUKUSHIMA!第3回目のライブ・パフォーマンス。左より長見順/マダムギター、岡地曙裕、遠藤ミチロウ各氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
5月に発足した音楽家の遠藤ミチロウ、大友良英、詩人の和合亮一を中心に福島の現状と未来を考えていくプロジェクトFUKUSHIMA!。そのコンセプトに賛同した宇川直宏が全面的にバックアップを行いスタートしたユーストリーム番組DOMMUNE FUKUSHIMA!。 8月15日に開催される野外イベントへ向けて配信を続けてきたこの番組スタートのきっかけ、そして福島での番組制作の困難について、支局長である森氏に郡 山にあるDOMMMUNE FUKUSHIMA!の配信スタジオで話を聞くことができた。取材当日に配信された6月19日の第3回目は、『A.3.11.B 第二夜「move ≠ trip」~「引っ越していく人引っ越してきた人」と題し、福島から東京に出てきた遠藤ミチロウ、東京から福島に居を移し音楽活動を続ける長見順/マダム ギターと岡地曙裕、そして東京でのライブハウス運営の後福島に戻りなまず亭を運営する、じょにの各氏を迎え、地元から引っ越すことにまつわるトークとライ ブ・パフォーマンスが行われた。
DOMMUNE FUKUSHIMA!は福島県を孤立させないためのメディア
──最初に、DOMMUNE FUKUSHIMAの成り立ちについて教えてください。
震災から約一ヶ月後に大友良英さんが会いにきてくださって、「フェスをやろう。」とお誘いいただいたんですけど、その時は生意気にも「フェスじゃない。」と僕が言いまして(笑)。
その時すでに大友さんが心配していたのは、福島県はいづれ孤立してしまうのではないかということでした。チェルノブイリもそうですけれど、最初はニュース に載るし、マスコミもくる。ところが、福島県枠のニュースが日に日に全媒体から縮小されていって、最後は実は原発が大変なことになっていても、あまり情報 が流れなくなることで、視聴者の興味や関心がどんどん薄れていってしまうと。そうすると福島県の声が外に出ていかなくなるし、外からの声も入ってこなくな り、風通しが悪くなって、福島県が孤立したエリアになってしまう。それを回避するべく、情報発信を続けるために独自のメディアを持たなきゃいけないんじゃ ないか、と。そのときに、大友さんはDOMMUNEでJAMJAM TVって副島(輝人)先生と一緒に番組やっていらっしゃったので、ユーストリームはどうかということで、すぐに宇川さんに電話していただきました。
なまず亭のじょに、岡地曙裕、長見順/マダムギター、遠藤ミチロウ、司会の小川直人各氏[左から右][写真:梅原渉 (contrapost)]
当初はDOMMUNEの中に福島県という番組を作ってもらって、福島県の情報をDOMMUNEの場所と時間を借りて東京から発信するというのを提案 したんです。そうしたら宇川さんは「それじゃダメでしょう。福島内部から情報を発信しないと、現在のマスメディアと被災地の距離感とあまり変わらないし、 本来、大友さんや森さんの伝えたい情報の意味や信念が、捩じ曲げられる恐れがある。場の力というのは大きいから、世界ではじめてのUSTREAM配信局支 部、つまりDOMMUNE福島支局を作ろう」という話になりまして、5月8日に急遽1回目をやることになりました。人と物がまったくないところから3週間 弱くらいで、多くのみなさんにご協力いただいて、1回目のDOMMUNEを配信しました。
──このスタジオはどうやって見つけたんですか?
ここのオーナーが去年からKOCOラジというコミュニティFM放送を始めていたのと、これはほんと奇跡的なんですけれど、4月の8日に、仙台の知り 合いの方からお電話をいただいて、「渋さ知らズオーケストラが仙台の公園で野外フリーコンサートを行うのですが、その翌日に少人数の編成で野外コンサート を郡山でもやれないか」という相談を受けたんです。既に当時、郡山市の放射線量は高かったですし、そんな中、野外イベントを行うことは、その行為自体が加 害者になってしまうではと思い、もっと安全で、福島県の人みんなが観られる方法はないかということで、ラジオ番組の公開生放送がいいんじゃないかと、ここ の社長に相談したんです。そうしたらその場に外部スタッフでユーストができる人がたまたまいらっしゃって、せっかくなのでユーストで、オンエアエリア以外 の方にも見てもらおうよ、という話の流れとなりました。僕自身はユーストは何度も見てましたが、配信をする側は初めてでした。実際配信してみたらこれはと んでもないメディアだと改めて気がつきました。そのような体験からDOMMUNEをやるとなったらここしか場所がないだろうと。なのでスタジオと配信機材 とスタッフは全部用意できましたと大友さんにメールしたら、大友さんがレイ・ハラカミ、七尾旅人、U-zhaanの3人を呼んで、プロジェクト FUKUSHIMA!代表のお一人である和合亮一さんが加わって、1回目の配信が行われました。ミチロウさんはその日本当にタイミングが悪くて、東京でラ イブがあったので出られなかったんです。
宇川さんは「福島内部からの発信で、で協賛金もスポンサードも募って、規模は小さいかもしれないけれど本来の意味での経済活動の復興として DOMMUNE FUKUSHIMA!は独立採算でやらなくてはいけない。出演者にも交通費やギャラをちゃんと払って、スタッフにも何かしらの対価を払って、機材を揃え て、スタジオレンタル代を払って、お客さんからもスポンサーからもお金をもらって成り立たせることを目標とするのなら、僕が1年半かけて作った DOMMUNEのノウハウをすべて森さんたちにぜんぶ渡します」と言ってくれたんです。その時に、これを揃えればDOMMUNEができるからという機材リ ストをもらって、そこから僕はずっと人と物と場所を探して、何とか1回目に間に合わせました。宇川さんも初日に、麺のゆで方とかスープの出汁の取り方を教 えに行ってやるってことで、本家のラーメン屋のおやじの暖簾分けのようにスタジオに来てくださいました。
遠藤ミチロウ氏(中央)[写真:梅原渉 (contrapost)]
──スタート地点では宇川さんと大友さんの力を得て、ノウハウはDOMMUNEから受け継ぐけれど、制作自体は支局長の森さんが全部仕切ってということなんですね。お金的にどれくらいかかるんですか?
番組制作は僕が仕切りつつ、福島主導で行っています。経営は本家DOMMUNEとDOMMUNE FUKUSHIMA!で結束して成り立たせています。VJの機材と、CDJとターンテーブルとかミキサー、大きめのパソコン2台とか、計算すれば100万 円は超えます。DOMMUNEは渋谷にスタジオを借りて、常設でサウンドシステムを組んで、配信していますけれど、僕らはオール仮設なので、7時の本番に 向けて2時から入って仕込まなきゃいけないんですよね。そうするとオペレーターだけじゃなく仕込みのスタッフの人件費が毎回かかりますよね。あとは地元の VJやCM制作会社の人とか、プロ、アマチュア問わず集めました。助かったことは、宇川さんはクラブカルチャーに造詣が深く、VJでもいらっしゃるので、 配信機材がいわゆる放送機材じゃなくて、市販されているVJ機材なんですよ。廉価でプロユースのものではないというもので用意できる。実は郡山にもやっぱ りVJはいて、彼らが3、4人集まって自分の機材を持ち寄ると、揃っちゃったんです。企業にも社長さんに物と人をお借りしにいったんですけれど、快くみな さん集まってくださった。しかも現段階ではボランティアなので、仕事優先じゃないですか。そうすると本業の仕事が入ったときにアウトなので、同じ職種・担 当を2.5人くらい集めて組織を作っておいたんです。なので、突発的に何があっても予定通り今のところは放送できる。
あと東京のDOMMUNEはDJが多いですが、こっちは大友さんたちがはじめられたということもあるので、バンド系やライブも多い。DJの時よりも ライブのほうがPAは複雑になってきますから、プロのPAスタッフにも参加いただき、音の良さを守ったりしています。そうして2回やった後に、1回目の再 放送をやって、その再放送も福島県から実は放送していたんですよ。東京に宇川さんがいて、電話でしゃべりながら、録ったアーカイブをこちらから流したんで す。7月の4回目以降の予定は決まっていない、それくらい自転車操業なんですけれど、ただ8月15日がひとつのピークなので。DOMMUNE FUKUSHIMA!は福島県を孤立させないメディアとして成り立たせるとともに、プロジェクトFUKUSHIMA!のオフィシャルの広報媒体なので、イ ベントを成功させるために最優先で、プロジェクトFUKUSHIMA!の情報はお伝えする。そして、参加者とか事務局や主催側の情報を伝達したり、考え方 を伝えるということで始まってますね。
実はもっと娯楽的なもの、エンターテインメント性の高い企画を最初は目論んでいたんですけれど、状況がご存知の通り、ぜんぜん好転しない。郡山なん か特に生活圏内の放射線が高いですから、1回目の放送を観た方で「家流されて、段ボールの上で寝ている人がいるのに、あなたたちはミュージシャンを呼んで なにをお祭りみたいな大騒ぎをしているんですか」とかなり辛辣なクレームをいただいたりもしました。「仕事が無くなって、明日から仕事どうしようか、と悩 んでいるときに、そんなコンサートとかやって何が楽しいんですか」みたいな。そういう意見は想定内だったんですけど、やっぱり作っていく中で、あまり刺激 をしてしまって反発されたら、せっかく協力して出てくれているミュージシャンやDJのネガティブ・キャンペーンになってしまうので、そこは宇川さんと大友 さんと話して、様子をみながら、中身はマジメなプログラムを配信してます。ただDOMMUNE FUKUSHIMA!独自の魔球を投げて欲しい、と宇川さんがおっしゃっていて、いま約30人のスタッフプラス大友さんらがぜんぶ参加しているメーリング リストを作って、そこに僕らがどんどんどんどん企画をぶつけたり、それに対していろんな人がそこに書き込んで、一個の番組を作っていっています。男子校の 放送部と言われています(笑)。
長見順/マダムギター氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
岡地曙裕氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
遠藤ミチロウ氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
──基本的にボランティアだけで成り立っているんですか?
そうですね。ただ、ミュージシャンなどの出演者にはそれができないので、経費、交通費と宿泊費は、まず50人限定の入場料で賄ってますが正直赤字です。
──ビューワーはどれくらいでしたか?
1回目が最大同時視聴者数で、約8,200人です。番組の最初から最後まで延べで10万人弱が見てたんじゃないか、と聞いています。この間の再放送 ですら、最大同時視聴者数で3,000人、延べ2万人以上が見てくれました。ただ、それは1回目のハラカミさんや七尾さんらのお陰でもあって、2回目は一 気に落ちました。飯舘村という計画的避難区域になった村の村長さんが公務の合間を縫って生出演いただいて、最大1,500人だったかな。そのときはDJに WADAさんが出てもらいました。
2回目をやるときに、1回目の数字は気にしないで、お祭り騒ぎからググっとリアルな情報をお伝えして、生の声を伝えるほうにちょっとシフトしようと企画をたてていたので、計算通り数も減ってしまいましたが、このまま安定路線でいければいいんじゃないかって。
──想定内の反応とおっしゃいましたけど、今まだライブとかやってる状態じゃないだろうという意見に対しては、どう想定内で回答を考えていたんですか?
ひとつあるのは、福島県ってものすごく広いんです。面積が広くて、エリアでいうと3つに分かれていまして、太平洋側が浜通り、郡山市や福島市がある のが中通り、そして白虎隊がいた会津若松市がある会津地方があります。この3地方で、方言、食べ物、気候、文化がものすごい多種多様で、産業も違うし、住 んでる人たちの気性も違う。そしてとても仲が悪いんです(笑)といいますか歴史も違うし、お互いプライドを持って競い合っている。郡山は僕が育った街です けれど、まったく歴史がなく、ここ100年くらいで一気に経済都市として大きくなった。敷居が低くて出入りが激しいので、お金を持っていたり事業をやりた いという人がたくさん来ます。けれど、会津若松は城下町で、言ってみれある種、閉鎖的で、なかなかコミュニティに入り込めない。またいわきの方は炭鉱が あったり、海がありますから気性が荒い漁師さんたちがいたり。
今回も、南相馬市や浪江町とか福島県の東の上のあたりは津波の被害で、家が流されて、気仙沼や石巻のように津波の被害を受けてたくさんの人が亡く なってます。そこから南下していった海沿いに大熊町があって、ここには原発があって、放射線汚染エリアなんです。そして今僕らがいる中通りは、オンタイム ではそうでもなかったんですけれど、その後風向きと、雨のせいで、飛んでいた放射性物質が落ちてきて福島市と郡山市や飯舘村が放射線量が高くなってま す。。一方で、会津地方は地震津波の災害がほとんどなく、放射線量も低く、あるのは風評被害。同じ福島というだけで、会津若松の隣にある、ラーメンで有名 な喜多方や、白虎隊とか鶴ヶ城とか飯森山とかがある会津若松市も観光地なのに人がまったく来ない。
こうした問題に対して一度に全部返せる番組なんかないんです。どちらかを立てればどちらかを立てないことになってしまうし、それだけ多種多様な被害 を受けていて、その違いに差もつけられない。僕は被災には重いも軽いもないのかなと思っていて、それは福島だけじゃなくて、三重県の人も関東の人もそうで す。お祭り騒ぎをやって、そういうことをやってる場合じゃないと怒らるでしょうけれど、何かやって経済活動の一助に繋げていく、日常に一日でも戻すための ことをしないと、みんなで避難所でじっとしていてもしょうがない。そこくらいまでは考えていましたね。ただ実際、同じ県民から理解をいただけなかったのは 想定していたとはいえ精神的にはショックでした。でもそれ以外の大多数からは「よくやった」「面白かったし応援してますよ」と県内外からメッセージをいた だきました。
5月8日の第1回放送より、七尾旅人氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
5月8日の第1回放送より、U-zhaan氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
5月8日の第1回放送より、レイ・ハラカミ氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
5月8日の第1回放送より、和合亮一氏(左から4番目)が加わったライブ[写真:梅原渉 (contrapost)]
──いまのお話を聞いていると、DOMMUNE FUKUSHIMA!は中通り的気質なわけですよね。
発起人の遠藤ミチロウ、大友良英、和合亮一の3人は福島市の出身で、同じ高校の先輩後輩です。そういうのを知ってる人は「あれは福島市の人たちがや るんでしょ」っていうことを僕に言ってくる。でも僕は郡山市に住んでいるので「全県でやるんですよ」というと「福島市と郡山市で、つまり中通りだけでやる んでしょ」「いわきや会津は関係ないんでしょ」という方もいました。実際、DOMMUNE FUKUSHIMA!のスタッフは、福島県内のいろんなところにおります。そのくらいエリアごとに被災の内容と度合いが違うから確執があって、それがま た、さらに溝を深めていく結果となっているのが、残念なことにあります。
3回目のテーマは引越しなんですけれど、このテーマに行き着いたのは、強制避難、計画的避難を入れると約7万人の人口が実際動いています。20キロ 圏内、10キロ圏内、計画的避難区域になるところは一ヶ月以内に逃げなさいとやっていますけれど、7万人がほぼ2、3ヶ月のうちに引っ越すって、歴史上日 本でなかった出来事です。それは進学とか転勤という個人的な理由じゃなくて、まったく引っ越す気のない人が、避難の名のもとになかば強制的に引越しをさせ られたりする状況。そして例えば僕の友達でも避難区域でもないのに、避難した人もいるんですね。東京でも海外に避難された方もたくさんいらっしゃると思う んですけれど、それは自主避難じゃないですか。そうすると、もしかしたら合わせて10万人以上の人が、県内だけの移動、県内外、国内外の移動を含み、福島 県から移転をしていると思うんです。それで5月の連休明けくらいから聞こえてきた話が、避難先での避難をしてきた人と地元の人とのトラブル、そしてもう一 個大きな問題としてあるのは、特に子どもを持った親御さんの世代で、金銭的な理由で引っ越したくても引っ越せない人たちがたくさんいるということ。その人 たちが発言をしているおかげで、いろんなことが動いています。
例えば福島市の隣の伊達市市内の小学生に8,000個の線量計が配られるといったアクションにもつながっていったり。30代の第一子第二子を育てて いるくらいのお父さんお母さんたちがデモをやって、それがマスに訴えたり、いろんな理由で避難ができない人の声がいちばん高らかですね。これが60代、 70代になってしまうと、ぜんぜんびくともしませんし。それは事象的にも40代以上の男性は放射線の影響をあまり受けないと言われてますから。そして、ど うせ逃げるなら仙台や新潟や栃木など、近いところに逃げたいんですよね。すきあらば地元に帰ってきたいから。だから佐賀や京都や大阪などが避難民を受け入 れを申し入れてくださってるんですけど、なかなか集まらないというのはそういうところもあるのかなと思います。
また、一概に主義思想とかイデオロギーでは区別できないのかもしれないですし、今やイデオロギーなんていっている場合じゃなくて、目の前に原子力発 電所の事故という事象があってそれに戦っていかなきゃいけないという部分では、別にデモをやって何かが動くのであれば、それはいいんじゃないかと思うんで すけれど、でも、DOMMUNE FUKUSHIMA!をやる分には、デモを斡旋したり紹介したりする企画は今のところまったくないです。
──それはどうしてですか?
原発は簡単には止まらないと思っているんです。そして、我々は反対賛成の論にはまったく陥らないというのを掲げているので、原発を推進するとか、反 対するという質問に対しては、どちらでもない。別に東電からDOMMUNE FUKUSHIMA!にお金が出ているわけじゃないですよ(笑)。
「二元論に陥りません」とホームページの宣言(※)にも書いてあるんですけれど、ぜったい答えがでないんです。たぶんこの先、僕はとっくに死んで、何十年 何百年経っても答えはでないかもしれない。賛成でも反対でもなく、その先を考える場としてDOMMUNEがないとつらいなって。
──宇川さんは反対じゃないんですか?
宇川さんは完全に反対派ですね。ただ番組上では「二元論に陥らない」ということなんですよ。
(※)DOMMUNE FUKUSHIMA番組コンセプトより
1 福島県と外を結ぶことにより、福島県を孤立させず、未来を共に考える場とします。
2 福島県民の多岐にわたる生の声を国内外に正確に伝えます。
3 有識者の意見を基に放射能汚染に関する対策の術を学習します。
4 特定の企業、政党、自治体、団体、個人の糾弾を行いません。
5 原子力発電所の推進・反対の二元論に陥りません。
これは僕個人の考えなんですけれど、僕43歳で、原発の事故が起こって、しかも浜通りじゃなくて、中通りに住んでますから、原発のことなんか無意識 に育ってきたんですね。原発のことを意識したのは、チェルノブイリのとき、ブルーハーツ、清志郎を聴いてきた世代です。そこで育ってきたなかで、実はこん なところに住んでいたにもかかわらず、恥ずかしながら「清志郎かっこいいなぁ」「タイマーズいいなぁ 」というだけで育ってきて、実際事故が起こったんです。
震災後一ヶ月くらい仕事もないのでその間ずっと考えていたんですけれど、だいたい僕が3歳くらいのときに1号機ができあがっていますよね。その20 年前、いまの知事の4代前、木村守江さんという知事のときに、福島県が原発を誘致した。やっと1個目が完成したのが40年前で、それがこのあいだ事故が起 こった1号機です。そうすると、ほぼ僕人生と一緒にリンクしているんです。40年前に誘致して、みんなが僕の父や母や祖父母そして親戚も県民が投票した。 私利私欲もあったかもしれないけれど、でも福島県によかれと思って原発を誘致したんです。安全だと言って誘致したのが、いざ安全じゃなくなった時に「だま された」と思うのは勝手、でも原発の存在は当時選んだ政治家がやった政策であり、それに対して県民がOKを出した。それを今否定するのは、僕らの祖先を否 定することにもなるんじゃないかと思ったんです。しかも日本で最初の誘致原発ですから、来てくださいとお願いして作ってもらった。税金等も免除されて、も のすごい優遇を受けて福島県民は潤った。人によればじいちゃん、父ちゃん、自分と3世代に渡って東電関連の仕事をしていたりする人もいます。
気がつきだすと、僕らは原発の恩恵を無意識にもらっているんです。しかしもらっているから反対って言えないでしょ、という理屈ではないんです。もち ろん危ないものですから賛成もできない。そうしたことは大友さんに最初にお話しました。「反対!」と手を挙げた瞬間から、石原慎太郎が出てきて、倒したと 思ったら今度はオバマと、次から次へと原発推進派が出てくる。今の日本が経済的な部分と思想的な部分で彼らと戦っていけるのかと思った時に、やっぱりアメ リカが強いんじゃないか、って。そうなるとずるいかもしれないけれど、土が汚れて困っている人も、家が流されて困っている人も、自分の家に帰れない人もい るんだから、まずそれを整理するのを俺も手伝うよ、という考えなんです。だから、簡単に賛成とか反対とか口が裂けても言えないですね。「反対!」と言って 無くなるなら、いくらでも言いますよ。でも無くなったことは有史以来無いということです。
影響を与えるというのはおこがましいと思ってます
──それがDOMMUNE FUKUSHIMA!のスタンスなんですね。被災に遭っている方をはじめ大変な状況にある中で、福島の人はもっと娯楽を享受してもいいんだよ、という気持ちはありますか?
それはもちろんあります。お祭りもイベントもそうですけれど、娯楽を望む声は高いんです。小さい子でも放射線量が低いところで公園とか走らせたり遊 ばせたりしたいというお子さん連れのお客さんが多く、震災約一ヶ月後に僕が企画した花見のときも、2,000人以上お客さんが来られたんです。
──ここは放射線量は大丈夫だと発表したんですか?
県が発表してますから、それ以上は自己判断です。しかも入場料無料にしましたし。実際には不可能なんですけれど、3月11日より前の生活を思い出すというか、そっちにシフトを戻しておかないと、避難民生活に慣れてしまうから。
──森さんはお子さんがいらっしゃるんですか?
ペットのウサギを飼ってたんですけれど、ペットと妻は避難しましたね。で、僕の勤め先とか取引先の人たちも、逆単身赴任というか、みんなここに残って、小さな子どもと奥さんは実家や親戚の家に避難している方が目立ちます。
──統計に出ない自主避難ですね。いま生活と政治ということで、今まで政治なんか関係なかった人たちがデモやったり、あるいは国会まで行ったりと いう動きが出てきてますよね。ところがDOMMUNE FUKUSHIMA!は、福島の郡山という放射線が多いという現実のど真ん中にいるのに、政治と距離を置くというスタンスですよね。
それはプロジェクト FUKUSHIMA!のコンセプトなんですけれど、特定の政党や政治団体マスコミとは特別付き合うことはないと、ミチロウさんがおっしゃってます。
5月29日の第2回放送より、大友良英氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
5月29日の第2回放送より、DJ WADA(Co-Fusion)氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
5月29日の第2回放送より、Satoshi a.k.a jackhouse氏[写真:梅原渉 (contrapost)]
──何かの党派に属する必要はないけれど、いま現実を変えるには政治や法律を変えるという意識はDOMMUNE FUKUSHIMA!にはないんですか?
そんな力はまったく持たない媒体です。無力でお金もないし、コネもない。
──でもメディアとして、観ているのは東京の人が大半でしょうけど、1,000人や8,000人というパワーはあるじゃないですか。福島からの発言ということで、東京に影響を与えているんじゃないですか?
影響を与えるというのはおこがましいと思ってます。別に僕はそもそもそんなに謙虚な人間じゃないんですけれど(笑)。大友さんもミチロウさんも、プ ロジェクトFUKUSHIMA!を「僕らは金も力も武器も持っていない音楽家であり芸術家だから、無力だよ。ただ無力だからといってなにもしないのは卑怯 だ。だからなにかアクションを起こそう」という話をして始めていますから。影響を受けてくだされば、そんなありがたいことはないですし、それでもし何かが 変わればすごい嬉しいことで、ありがたいことかもしれませんけれど、最初からそこを目標にしたらぜったい燃料が切れます。だって何かおいしいことがないと 続かないじゃないですか。地元の人々はみんな生活もあるし、ずっと脳内麻薬を分泌させ続けるのは難しいです。
──放射性物質の半減期は数十年続きますよね。DOMMUNE FUKUSHIMA!もいま一瞬福島発ということで話題になっているけれど、1年後はどうなっているのか解らないですよね。でも森さんは続けると。
宇川さんと大友さんがずっと続けようと言ってくださっているので、それは続けさせてもらいます。でも金銭的な理由とか、ここから逃げなきゃいけない 物理的な理由とか、原発の状況がもっと悪くなったりしたら、できなくなるかもしれないです。例えばいま僕が務めている会社が潰れたらそれどころじゃなく、 家庭を守らなくちゃならない。
KOCOラジ内 DOMMUNE FUKUSHIMA!スタジオにて、森氏[左から3番目]と制作スタッフ。
──あなたの一票の力とあなたの一声が世間を変えます、ということが普通ですよね。そうじゃないと個人個人の力で変わるわけないだろうと思うし。でも森さんはまったく逆で、シニカルですよね。
中原昌也くんのファンですから(笑)。でもほんとに悔しかったら変えてみろっていうくらい否定的です。変えられないんですもん。そういうところから 立たないと、たぶん僕らは長持ちしない。変えることを目的にしちゃまずいと思うんです。だから「終わらない話合いをはじめます」ということは、話しあうだ けでいいんじゃないの、っていうことなんです。話しあう場すらなくなると、本当に無じゃないですか。でも、やれ反対だ、やれ賛成だという人がふたりいれば そこで討論が始まりますよね、その場を設けておけば、とりあえずロウソクの火は続くかなって。それくらいしか僕らにはできない。その討論の場、 DOMMUNEという場を僕らはここで生活しながら設けるから、喋りたい人は来て喋ってください、という感じです。というとかっこよすぎるかな(笑)。
──中原昌也さんはミュージシャンで小説家だけど、森さんはちゃんと会社員で生計を立てていて、ある意味両極ですよね、でも考えているシニカルさは同じ。
本当は明るい未来を望みたいですけど、そこを言った瞬間から嘘になってしまうというか。「本当にそう考えてる?」って言われたら、「いや今かっこつけていいこと言っちゃいました」という感じです(笑)。
──最後に、8月15日の世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!へ向けてのメッセージをお願いします。
プロジェクトFUKUSHIMA!事務局一同、フェスの成功へ向けがんばっております。みなさまどうぞお楽しみに。
(インタビュー:浅井隆、駒井憲嗣 構成:駒井憲嗣) ※本文中の視聴者数などの数字は6月の取材当時の内容です。
8.15世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!
【福島市での開催概要】
2011年8月15日(月)9:00~21:00
会場:福島市 四季の里(福島県福島市荒井字上鷺西1-1)、あづま球場(福島県福島市佐原字神事場1番地 あづま総合運動公園内)
入場料:無料
主催:プロジェクトFUKUSHIMA!実行委員会
出演:遠藤ミチロウ「ザ・スターリン246」
(遠藤ミチロウ+山本久土+KenKen+クハラカズユキ)
和合亮一「詩の礫」
(朗読 : 和合亮一/音楽 : 大友良英、坂本龍一)
オーケストラFUKUSHIMA!
福島群読団2011
プロジェクトMadamguitar! with 会津マスクワイア
(長見順+ロケット・マツ+かわいしのぶ+岡地曙裕+会津マスクワイア)
七尾旅人+原田郁子 スペシャルバンド
静寂
(灰野敬二+ナスノミツル+一楽儀光)
遠藤賢司
竹原ピストル
De+LAX
(宙也+高橋まこと+鈴木正美+Lee)
その他、福島ゆかりの音楽家や、趣旨に賛同する国内外の様々なアーティスト
8.15世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!公式HP
親子の消えない不安
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「子どもの屋外活動を制限する積算線量の基準値が年間20ミリ・シーベルトでは高すぎると、見直しを求める抗議集会に、5歳の娘と参加した斎藤夕香さん。子どもの健康への不安や安心して生活できる場を奪われた悔しさから、涙を流した(5月23日、東京・霞が関の文科省で) |
今年6月と7月、福島市内で開かれた子ども健康相談会。会場には2日で計500人超の親子が訪れ、原発事故による放射能汚染の不安を医師らに訴えた。
「生後2か月の子もいるんですが、大丈夫でしょうか?」と相談したのは福島県伊達市の菅野徳子さん(28)。文部科学省の推計では、自宅付近の年 間積算線量は約10ミリ・シーベルト。政府が避難対象とする基準の年間20ミリ・シーベルトは下回っている。それでも、平常時の年間線量限度は1ミリ・ シーベルトに設定されていたことが気になるという。結局、菅野さんは先月下旬、夫を残し、2人の子どもを連れて宮城県へ避難した。
放射能に 対する周囲との温度差もストレスになる。4人の子どもがいる福島市の斎藤夕香さん(39)は、「不安を口にすると、神経質だと責められる」と打ち明ける。 「中学生の娘からは『仲間外れになるから絶対出してね』と、部活の屋外活動の同意書を渡されました」。サインはしたが、かなり悩んだという。
「放射線の影響は本当にわかりにくい。不安に思うのは当然のこと」。ボランティアとして会場で相談に応じていた東京都八王子市の医師、山田真さん (70)は親たちの葛藤に理解を示すが、こうも話す。「子どもの体調の変化は不安やストレスからくる部分もあるだろう。福島の人たちが不安なく生きていけ るよう、日本中で考えていく必要がある」
福島県郡山市で子ども2人を育てる斎藤幸恵さん(32)は、震災直後、毎日のように車で北部の大型スーパーに買い出しに行っていた。後日、その地 域の放射線量が高かったと知った。「子どもたちも連れて行ってしまったのに……」。不安の種はつきない。それでも、自宅の床をこまめに水ぶきしたり、外壁 を高圧洗浄機で洗い流すなど、線量を下げるための“自衛”に力を入れる。
週末には、線量が比較的低い会津地方の公園まで車で約1時間かけて向かう。子どもたちが笑顔で遊ぶ姿を見ると、「来てよかった」と思う。「今の状 況の中で出来る限りのことをして、楽しく過ごしたい。それが子どもたちのためにもなると思うんです」と斎藤さん。「ガソリン代がかかって大変ですけどね」 と笑った。
写真と文 上甲 鉄
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2歳の里子を育てる60歳代の夫婦は、放射線量を少しでも下げるため、庭の芝生をはぎ取った。「私たちだけならいいんだけど、この子のことを思うと。生まれた時は不幸でも、幸せな将来を与えてあげたいでしょ」(7月24日、福島市で) |
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福島市内で開かれた「食と放射能」に関する講演会。「不安はあるけれど、今の生活を全部捨てて引っ越す勇気もなくて……」。市内在住の尾形真知子さん(31)は、生後6か月の長男を背負いながら、必死にメモを取っていた(5月16日) |
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健康相談会で診察を受ける菅野徳子さんの3歳の長男。不安な表情で医師を見つめた(7月17日、福島市で) |
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放射線量が比較的低い場所を求めて、子どもたちと遊ぶ斎藤幸恵さん。生活の中での不安は消えないが、子どもたちにはできるだけその不安を見せないように気をつけている(8月1日、福島県猪苗代町で) |
■「親子の消えない不安」動画はこちら
もっと見る
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除染作業がすすむ福島市内の保育所。夏空の下に子どもたちの姿はなく、重機やダンプカーのエンジン音が響いていた(7月25日、福島市で) |
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表土を除去したあと、地面近くの放射線量を量る作業員(7月25日、福島市内の保育所で) |
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妊娠6か月の高橋真史子さん(39)は、本やインターネットから放射能対策の情報を集め、ノートにまとめている。「私もある程度被曝しているだろうし、不安は不安。でも今は、お腹の赤ちゃんにストレスを与えないためにも、出来るだけ深刻に考えないようにしています」。(7月27日、福島市で) |
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市民の有志らが立ち上げた「市民放射能測定所」では、親たちが野菜などを持ち込んで放射線の測定を行っている(7月27日、福島市で) |
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妊娠6か月の高橋真史子さんは、7月末、山形に母子避難することにした。夫不在の生活、二重生活による経済的負担など、そこには新たな不安がある(7月27日、福島市で) |
(2011年8月8日 読売新聞)
【森島 賢】
コメの先物市場に投機マネーが殺到した
いよいよ今日から東京と大阪で、コメの先物取引が始まった。今日は日本農業の歴史を汚した、という点で後世に残る日になった。
東京の今日の日中取引は、あらかじめ決められていた上限価格の1万4100円を提示したが、買いが殺到し、売りが少なかったので、取引が成立しないままで終った。だから、日中取引では、買い手は買えないままで終った。
一方、大阪では制限が緩かったので、11月限(11月にカラ売りとカラ買いの決済をする取引)は1万4320円、12月限は1万4540円、これに対して、来年の1月限は1万9210円だった。(※)
これを素直に解釈すれば、いまの米価は安すぎるし、来年になれば、さらに高騰する、ということだが、そうだろうか。
その後、11月限と12月限は、値幅制限の上限値に張り付いたし、来年1月限は下限値に張り付いた。このことが示すように、今日の初日の取引は、今後の米価の乱高下を予知させるものになった。
こうした大量の投機マネーによる米価の乱高下は、農業者を混乱させるだけでなく、日本農業を根底から揺るがすことになるだろう。それだけではない。日本人 の主食であるコメの安定的な確保、つまり、食糧の安全保障を相場師たちに任せ、危機的な状況に陥れようとしているのである。
これほどの重大な政策を、近く総辞職する「死に体」の内閣が決めてしまった。その責任は重い。
いま、コメの経済は混沌とした状況にある。そうした中で、先物取引が始まった。農協は、組織をあげて反対したが、それを押し切って政府は認可した。
米価は下げ基調を続けている。米価が下がっても、昨年から始まった戸別所得補償制度で、売り手である農家の所得が補償されるからといって、買い手側は強気で値下げを要求する。
その結果、たとえば、栃木産のコシヒカリをみると、一昨年産米は平均1万4235円だったが、昨年産は、先々月には1万2512円に下がっている。1723円、つまり12%という大幅な下落である。
米価が、今後も下がるのではないか、という不安の中で、政府は米価の乱高下を招く先物取引を認めてしまった。
◇
こうした状況に加えて、原発事故の影響が懸念されている。
例年なら、いまごろ、消費者は新米を待ちかねているのだが、今年は放射能汚染の不安があるので、新米よりも、放射能汚染の不安のない、昨年産の古米のほうが、売れ行きがいいという。
先物市場の「価格調整表」では、新米のほうが古米よりも1500円高いことを想定しているが、実際には、この差は小さくなるだろう。不安な新米のほうが安くなるかも知れない。もしも、そうなれば、瑞穂の国の歴史が始まって以来のことになるだろう。混乱の結果、「価格調整表」は、さっそく修正せざるを得なくなるに違いない。
そうした異常な混乱の中で、政府は先物取引を認め、混乱に拍車をかけようとしている。
◇
いままでのところ、新米の売れ行き不振は、風評被害にとどまっている。だが、もしも仮に、実際に新米から放射能が検出されたとすれば実害になる。その瞬間に、米価は先物市場で暴落するだろう。
検出されなくても、いま行おうとしているコメの放射能検査を、消費者が完全な検査でないと考え、信用しなければ、風評被害は、いまよりも、さらに広範にひろがるだろう。
そうした不安の中で、政府は先物取引を認め、混迷を拡大しようとしている。
◇
こうした事態を収束するには、政府が完全な検査をするしかない。
しかし、完全な検査はあり得ない。だから、風評被害はなくならない。風評被害をなくすには、原発からの放射能の流出を、将来にわたって止めるために、政府が断固とした姿勢を示すことである。そして、消費者からの信頼を回復することである。
その上で、政府がより完全に近い検査をするしかない。そうして、その情報を迅速に公開することである。
◇
これらの点からみても、先物市場は、コメをめぐる混乱に拍車をかけ、混迷を拡大するだろう。その責任は先物市場が負うべきだ、などと政治が逃げてはならない。責任は、先物市場を認めた政府にある。混乱を収拾するには、早急に先物市場を廃止するしかない。
いまは、2年間の試験期間である。遅くとも試験期間が終わる2年後には、廃止すべきである。それが、日本農業に責任を持つ農協の全組合員の要求である。そして、食糧安保をねがう大多数の国民の要求である。
※ 東京穀物商品取引所の取引資料はココから
関西商品取引所の取引資料はココから
(前回 牛肉の出荷制限は弥縫策)
(「正義派の農政論」に対するご意見・ご感想をお寄せください。コチラのお問い合わせフォームより、お願いいたします。)
原爆と原発を地続きで考察する、渋谷で原発・原爆テーマの作品集中上映
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なぜ被爆国が原発大国になったのか?その過程を見つめなおす-『はだしのゲンが見たヒロシマ』より - (C) 2011 シグロ、トモコーポレーション
[シネマトゥデイ映画ニュース] 都内イベントスペース、オーディトリウム渋谷では、広島に原子爆弾が投下された日で、広島平和記念日とされてい る8月6日から、原爆・原発をテーマにした映画4作品が上映されている。また、同スペースを擁する複合施設「KINOHAUS(キノハウス)」内の映画館 ユーロスペースでは『あしたが消える どうして原発?』の上映も開始され、原爆と原発問題を地続きで考察することのできるラインナップとなっている。
『あしたが消える どうして原発?』は、チェルノブイリ原子力発電所の事故から3年後の1989年に、福島第一原発の関係者を取材した作品。製作会社の元に眠っていたフィル ムが発掘され、急きょユーロスペースでの公開が決定し、福島第一原発事故を予言するかのような内容が話題となっている。そんな中、オーディトリウム渋谷で は、『はだしのゲンが見たヒロシマ』『ひろしま』『ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード』『原発切抜帖』の4作品の上映が開始された。
オーディトリウム渋谷によると、これら4作品は、それぞれ別の会社が配給を手掛ける作品だが、どの作品も終戦記念日のある8月の上映を希望してい たという。そこで同館では、本来別のものである原爆と原発について、地続きで考えることができるラインナップとして、これら作品のスタート日をそろえるこ とに。終戦を迎えて以降、被爆国である日本の原発に対する姿勢がどのように変化し、なぜ原子力大国となっていったのかを確認できるようになっており、現在 から見た原爆のあり方や、原発について考える上で、観るべき作品郡になっているという。
『はだしのゲンが見たヒロシマ』は戦争や原爆をテーマにした作品を多く発表する漫画家の中沢啓治が、世代を問わず、戦争の悲惨さと原爆・放射能障 害の恐怖を多くの人々に訴え続ける代表作「はだしのゲン」を創作した経緯について語ったドキュメンタリー。『ひろしま』は原爆の投下からわずか8年後の 1953年に製作された作品で、広島の市民ら約8万8,000人がエキストラ出演し、原爆が投下された直後の惨状を再現。原爆を直接体験した者も多く、地 獄絵図と化した広島の惨状を描き出す。一方の『ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード』は2009年が舞台の長編ドキュメンタリー作品。アメリカ西海岸を南下しながら、在米被爆者の記憶の奥底に刻まれている広島、長崎をめぐる 2人の青年を追うロードムービーとなっている。
そして、ラインナップの中でも一風変わった作品となっているのが1982年の作品となる映画『原発切抜帖』だ。本作は広島・長崎への原爆投下か ら、製作当時までの新聞記事の切り抜きや資料を通して、原子力発電所や政府の姿勢の変化を読み解く。小沢昭一の語りと新聞記事だけで構成された、作風が特 徴で、映画としては実験的な内容だが、シンプルな構成から、被爆国である日本がなぜ原子力大国の道を歩んでいったのかが、順序だって浮き彫りになってい く。原爆と原発のあり方を結び付ける、重要な一本といえるだろう。
これら4作品、そしてユーロスペースの『あしたが消える どうして原発?』の上映が重なったのは偶然だったということだが、現在、これらの作品が集中して上映されることには、大きな意味があるはず。全作品を鑑賞 するのは難しいかもしれないが、『はだしのゲンが見たヒロシマ』と『原発切抜帖』は、それぞれの半券を提示することで、リピーター割引の利用が可能となっ ている。(編集部・入倉功一)
映画『ヒロシマ・ナガサキ ダウンロード』は6日の上映後8月10~13日まで、『はだしのゲンが見たヒロシマ』『ひろしま』『原発切抜帖』は8月26日まで、オーディトリウム渋谷にて上映。
映画『あしたが消える どうして原発?』はユーロスペースにて上映中
母として、医師として、脱原発を考える
nikkei BPnet (プレスリリース) – 16 時間前
東日本大震災発生から、もうじき5カ月が過ぎようとしていますが、福島第一原発事故による放射能汚染は、東日本を中心に深刻な状況が続いています。この震災以後、国内各地、また国外でも、脱原発の運動が盛んに行われるようになりました。 …
2011年8月 8日 17:22
「舞鶴から脱原発の声を」 市民らがピースパレード
若狭湾原発群の関西電力・高浜原発から10~20キロ圏内に入る舞鶴市で6日、地元住民らが脱原発を訴えるピースパレードを行いました。広島に原子爆弾が 投下された日に、原爆と原発に共通する放射能の危険性をアピールしようと、住民の有志でつくる「舞鶴ピースプロジェクト」(呼びかけ人・村本さゆりさん ら)が企画したもので、150人が参加しました。
パレードは、JR東舞鶴駅南口からスタートし、関電舞鶴営業所前などを通過する約4キロのコース。参加者は、アニメ映画「となりのトトロ」の主題 歌「さんぽ」を、ギターやパーカッションの演奏にのせて「バイバイ原発、命が大事、サヨナラ原発、明るい未来」と歌いながら脱原発をアピールしました。関 電営業所では「若狭原発群にある運転停止中の原発の再稼動中止。全ての原発をただちに廃炉にする。自然エネルギーへの転換を」など求める要望書をポストに 投函しました。
パレードを呼びかけた村本さんは「再び福島のような事故が起こらないように、若狭湾原発群に近接する舞鶴から声をあげることが大事だと思います。 福井で反対運動している人や労働者にエールを送り、みんなで手をつないで安心なエネルギーで暮らせるようにしたい」と語りました。
参加した市川優子さん(31)=京都市右京区=は「今動かなければ何も変わらない、うやむやにされてしまうと思い、初めてパレードに参加しまし た。ドイツでは国民が声をあげて政府に脱原発の道を歩ませました。日本もみんなが自分たちの考えを表明して政治を動かさなくてはと思います」。三須磨利香 さん(42)=南丹市=は「広島出身で小さいころから核の恐ろしさについて教えられてきたので、『原発は安全』との宣伝には疑問を持っていた。私たちが訴 えていくことで多くの人に原発の危険性を知ってもらいたい」と話しました。
日本共産党の山内健・舞鶴地区委員長、後野和史、小杉悦子両舞鶴市議らも参加しました。
【JA全農畜産事業特集】JA全農畜産総合対策部・榎本健蔵部長に聞く 「本所と県域一体で販売力強化に取り組む」
・和牛を中心に厳しい販売環境
・マルキン見直しを緊急要望
・本所との一体的事業展開
・飼料用米で差別化商品産地指定取引の切り札に
・バリューチェーンの視点で販売力を強化
JA全農の畜産事業は図に示したように飼料原料の海外調達から配合飼料供給、生産技術の提供、そして食肉センターから子会社による販売まで、まさに農場から食卓までを一貫した事業を実現しているといえる。
とくに畜産物は生鮮食品と違って、食肉処理、加工といった部門が不可欠だ。JA全農の畜産事業はこうしたそれぞれの機能を一体的に発揮することによって「販売力の強化」をめざしている。
最近の販売情勢とともに23年度事業のポイントなどをJA全農畜産総合対策部の榎本健蔵部長に聞いた。
厳しい畜産環境で政策支援も要求
◆和牛を中心に厳しい販売環境
――最初に畜産物の生産と価格動向についてお聞かせ下さい。
平成22年度は口蹄疫、夏の猛暑、鳥インフルエンザ、そして東日本大震災によって大きな影響を受けました。
口蹄疫では宮崎県で多くの牛と豚が殺処分されて、現在も5割強しか復活していません。さらに夏の猛暑が家畜の受胎率等に影響を与え、たとえば豚では半年後の出荷量に影響が出ました。
鳥インフルエンザは南九州のブロイラー、採卵鶏の生産に影響を与え、今回の震災では直接に畜産農家が津波被害などを受けたというよりも、震災後に配合飼料が十分に行き渡らなかったことによる生産の縮小という事態が起きました。
その結果、採卵鶏、ブロイラー、豚は生産量が前年を下回る状態が続いているため価格は高く推移しています。ただ、景気の低迷が続き、一定の価格水準に上昇すると、輸入が増えるという状況です。
また、牛ではこのところ和牛頭数は増加傾向だったのですが、景気がなかなか上向かないなか、とくに高級部位の消費が伸びない状況でしたが、それに加え原発事故による放射能汚染で輸出ができなくなっています。
高級部位は輸出だけでなく海外からの観光客にホテルやレストランが提供してきたわけですが、そうした観光客も減った。ですから5月までは5等級の相場が前 年を下回る状況でした。そこにさらに焼き肉店での食中毒問題が発生したために、6月になると3等級の相場も下がってしまいました。
例年より梅雨が早く明けたということから今後猛暑がどう生産面に影響を与えるかということとともに、どうしても暑い季節は食肉需要は減退しますから、それらを要因として相場が決まってくると思われます。
◆マルキン見直しを緊急要望
――JAグループとしてこうした厳しい環境にどう対応していくのでしょうか。
JAグループとして7月はじめに畜酪対策要求を決めました。そこではマルキンの仕組みの一部見直しを緊急に求めていきます。
現在は28市場の相場をもとに補てん金の発動基準価格を決めていますが、中央卸売市場が中心だと銘柄牛も入るためどうしても基準価格が高めに設定されま す。地域で相対取引されているものとは差があるんですね。そこでわれわれはこの相対取引価格も含めて基準価格を決めるべきではないかと考えています。
それに加えて24年度予算に向けては戸別所得補償制度の導入を視野に、コストの考え方の見直しも求めていきます。たとえば、市場の手数料や、と畜費用もコストに含めるということです。
F1や乳オスにはマルキンが発動されていますが、和牛は先に触れたように厳しい状況なのに発動されていません。政策面での要求は畜産総合対策部の役割ですからこうした取り組みも進めていくということです。
◆本所との一体的事業展開
――環境は厳しいわけですが23年度の畜産販売の事業方針の柱は何でしょうか。
JAグループの畜産事業は、かなりの部分が会社化されて事業展開していますし、また、県域によって事業領域やどの組織が機能の中心を持っているかはそれぞれ違います。
たとえば、生体をと畜場に出荷する事業のみの県域もあれば産地子会社の食肉センターでと畜をして部分肉にして販売しているところや、さらには加工品も製造して販売しているところもあります。
ただ、今後強化していかなければならないのは、より消費者に近いところ、すなわち直販事業を強化することです。それが結果的に有利に生産者にフィードバックできるということです。
そのためには、たとえば、県本部にはそういう直販事業の経験も組織も子会社がその機能を持っているのであれば、その子会社を軸にして、そこに本所子会社で ある全農ミートフーズや全農チキンフーズといった会社が持っている知識や技術を伝えていくことが重要だと考えています。そのためには人の交流も必要で、す でにいくつかの県では実践しています。
一方、大消費地に販売できるほどの生産量とブランド力はなく、地元で販売するほうが有利な地域もありま す。そういう地域では地産地消、つまり、地元でどう売るかが課題になります。地元で売るほうが他県産よりも売りやすいし、いかに地元で販売を強化するかが 重要になってくるわけです。
これも生産力という点で県ごとに生産基盤整備と販売力をどうとマッチングさせていくかが重要になります。 そのため に各県域に振興協議会を設置し、県本部、全国本部のほか、産地食肉センターや飼料会社なども加わり地域ごとにどう畜産を振興しブランド化していくかに22 年度から取り組んでいるところです。
それに加えて23年度からは、4つの地域別飼料会社のエリアごとに販売会社と飼料会社が一体となって畜産振興を図る協議も始めたところです。
たとえば、北日本くみあい飼料が軸となる東北エリアでは、この2、3年の間に合わせて17万頭ほどの豚の生産農場ができる予定です。それらの農場を立ち上 げる前から、どう売っていくかという協議を始めているところです。どう売るかを考えて生産基盤を整備する、それに合わせて飼料の供給も考えていく、という ことです。
◆飼料用米で差別化商品産地指定取引の切り札に
――飼料用米の生産とそれを使った畜産物販売への取り組みも期待されていますが、どのような実績が出ていますか。
われわれは販売手法のひとつとして指定産地取引にも力を入れていて、これは量販店や生協に対してこの農場から供給しますよ、というかたちの取引です。22年度で10件の実績があり、23年度は4件ほど新たに増える見込みです。
実は飼料用米を使った畜産物販売は、この産地指定取引で増えているんです。22年度の実績では飼料用米を使った畜産物は、豚5万5000頭、卵1200ト ン、ブロイラー2万5600トンです。飼料米を使った差別化商品ということですね。これは飼料米生産の拡大にともなってさらに増える見込みです。
一方、飼料米の生産推進も畜産総合対策部の役割で種子の確保、直播技術の確立、立ち枯れ試験などを行っています。今年は無人ヘリによる直播試験に取り組みました。
また、飼料用米を飼料工場に搬入するのではなく農場で粉砕して飼料に使う粉砕器を共同で開発し、農場で飼料に添加するという試みも行っています。鶏には籾 のままでも飼料として使えますから、この方法で地域内流通の運送コストを削減しようということで、できるだけ拡大していきたいと思っています。
これまでの試験でかなり米で代替できることが分かってきて、トウモロコシの5割から8割を米に替えることができるという結果も出ています。増体も問題はなく和牛の試験では食味もいいということです。
全農の飼料用米の21年度は1万1000トンほどでしたが22年度は4万2000トンと一気に増えました。23年度はさらに拡大する見込みです。もちろん畜種によって飼料米が使える程度は違いますが、差別化するための重要な切り口になっています。
◆バリューチェーンの視点で販売力を強化
――そのほか販売力強化のための重点的な取り組みをお聞かせください。
本所の機能という点 では品質管理と食品表示の指導があります。 本所として県本部や県本部の子会社も含めて巡回して指導をし、全農グループとして統一的な品質管理の仕組みを つくっています。巡回先は全国で76か所ほどになります。販売は県域ごとで、となりますが、守らなければならないルールなどは本所で統一的に管理していく ということです。
それから食材加工事業の強化も課題としています。消費者の調理時間がどんどん短くなる中で、肉をそのまま売るのではなく、県域 も含めて食材加工事業を強化していく必要があります。具体的には包装肉に加えて、衣づけをしたり、ハンバーグやミートボールを製造するなどですね。
今まで系統の事業はどうしても原料の売り買いが中心でしたが、食材加工事業となると先ほど触れた表示の問題がダイレクトに関わってきます。ですからこの食 材加工事業の強化もやはり品質管理、適正な表示の取り組みとセットで進める必要があるわけです。消費者に近くなればなるほど細かな管理が必要ですし、その ノウハウが必要になってきます。
食品業界がどんどん消費者に近い地点まで系列化を図りバリューチェーンを強化していますが、全農グループも県域と一体となって攻めていくことが求められるしそれが競争力を強化することになると思います。
そういう意味ではたとえば、これまでキーとなる販売拠点がない東北域に対して本所子会社が県本部の子会社と一体となって攻めていくといったことが今後の課題です。こうした取り組みで全農全体として販売力を強化することが求められていると考えています。
―ありがとうございました。
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(関連記事)
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・【全農特集】畜産総合対策部「生産から販売まで 系統の力を結集し畜産農家との連携強化と事業拡大をめざす」 (2010.09.02)
(2011.08.08)
明けない夜はない=鈴木琢磨
フクシマの危機が去らない。風評被害は広がるばかり。でも、どっこい負けない男がいる。いわき市出身のイベント企画会社社長、鈴木賢治さん。まだ 29歳。スケールのでかい構想力とスピード感あふれる行動力、机上の空論ばかりの永田町をよそに、ふるさと再興へ向け駆け回っている。
「ヨンナナダイニング福島」で飲んでいる。京王井の頭線高井戸駅近くにできた居酒屋。キャッチフレーズは「食べる47都道府県」。日本中のうまい ものをサカナに一杯やりながら、地方の魅力を知ってほしい、震災前から鈴木さんが温めていたアイデアだった。その第1号がここ。いわきの家庭の味、サンマ ハンバーグ「ボウボウ焼き」をつまみに「みちのく福島路ビール」がいける。
テレビが美しかったいわきの海岸線の空撮映像を流している。港のそばにあった父の製氷会社は津波にのみ込まれた。4月のオープン予定が迫るなか、 キッチンカーで炊き出しに向かったこと、放射能で汚染されているとネットでひぼう中傷されたこと。涙がこぼれそうになったが、鈴木さん、あきらめなかっ た。「避難している人がきてくれたんです。頑張ってよってね。やってよかった」
もうひとつ大きな夢がある。JRいわき駅そばにあるシャッター横町の「白銀小路」。「新宿ゴールデン街みたいにレトロなところでね。ぜひ復興屋台 村としてよみがえらせたい。震災で被災された飲食店の経営者、いや、誰でもOK。出店者を募集しています。わいわい楽しく、息の長い被災地支援につながれ ばすごくうれしい」。新しい横町の名前は決めてある。「夜明け市場」。「ええ、明けない夜はありませんから」(編集委員)
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毎日新聞 2011年8月8日 東京夕刊

鈴木琢磨(すずき・たくま)
1959年、滋賀県大津市生まれ。いまや絶滅した「探訪記者」の生き残り。サンデー毎日記者時代から北朝鮮問題にこだわる。日本中の穴場の焼き肉屋をめぐ り、1970~80年代の韓国歌謡にひたるのが至福のときという。現在、毎日新聞夕刊編集部編集委員、TBSテレビ「みのもんたの朝ズバッ!」のコメンテ イター。著書に「金正日と高英姫」がある。
国連事務総長と福島の高校生が対話「苦しみや悲しみ分かるリーダーに」
2011.8.8 14:17
対話終了後、高校生からお土産をもらう国連の潘基文事務総長(右から2人目)=8日午前、福島市の福島南高
来日中の潘基文国連事務総長は8日午前、福島市の県立福島南高校を訪れ、同校を避難先としている県立双葉高生を含む計11人と対話集会を行った。
生徒らは流暢(りゅうちょう)な英語で、「以前の自然豊かな福島に戻したい。国連も支援してほしい」などとスピーチや質問をした。
警戒区域の浪江町から避難中の双葉高2年、渡辺美波さんは、「人は普通に生きることが一番幸せだとわかった。辛くて泣いた日々を糧に、逆境に負けない強い人間になりたい」とスピーチした。
潘事務総長は「人の苦しみ、悲しみを理解できる皆さんは若いリーダーとして世界で活躍してほしい」と励ました。
「原発はなくすべきか」との質問には、「原子力政策は各国政府や国民が決めること。国連は安全性の評価、改善、緊急時の対応強化に努める」と応じ、国連が9月に行う原子力に関するハイレベル会合に全力をあげる考えを示した。
集会後、生徒らは牛を模した福島の郷土玩具「赤ベコ」とこけしを贈った。渡辺さんは「緊張したが思いは伝わったと思う。これを励みに頑張りたい」と話した。
潘事務総長はこれに先立ち、福島市内のホテルで佐藤雄平知事らと会談し、福島の復興に国連も全力で協力する考えを伝えた。
仙台七夕まつり会場の一つ、クリスロード商店街(青葉区)で、ことしも「ノーモア・ヒロシマ、ナガサキ」を呼び掛ける折り鶴の吹き流しが、人の波に揺れていた。
市民グループ「平和を祈る七夕市民のつどい」(油谷重雄代表)が毎年行っている平和七夕。ことしは核廃絶に加え、震災復興の願いが、一羽一羽の折り鶴に託されている。
日本各地と米国から合わせて100万羽が届き、吹き流しと観光客らに配布する首飾りを製作した。
仙台二華高2年の佐瀬楓さん(16)が、会のメンバーと共に街頭で首飾りを配っていた。同校JRC(青少年赤十字)部の部長を務める。毎年、平和七夕に参加しているが「ことしは特別な思いがする」という。
登米市に住む佐瀬さんの家は畜産業を営む。原発事故による放射能汚染で、肉牛が出荷停止となった。「母たちは何も言いませんが、悲しんでいるのが分かります。とてもつらい」と佐瀬さん。
「平和でありますように。そして原発事故が一日も早く収束しますように」。祈りを込めて、道行く人に折り鶴を手渡していた。
2011年08月08日月曜日
放射線被害 長崎で学ぶ、原爆資料館の来館者増える
見学者に放射線被害について説明するガイドの中川さん(5日、長崎市の長崎原爆資料館で)
長崎原爆資料館(長崎市)の来館者数が5月以降、前年を上回るペースで増え続けている。福島第一原子力発電所の事故を受け、放射線被害について詳 しく知ろうと、関東から訪れる人たちが目立つという。応対するボランティアガイドたちは、被爆地としての経験をもとに、より分かりやすい説明を心がけてい る。
同館によると、震災後の4月の入館者数は3万3624人(前年同月比で1万326人減)だった。しかし、5月に10万1178人(同25人増)と 持ち直し、6月は7万1145人(1万3603人増)と大幅に伸びた。7月以降の数字はまだまとまっていないが、夏休みに入り、連日多くの家族連れらが訪 れている。
出身地別の統計はないが、ガイドたちは関東からの来館者が増えていると感じる。
東京都立川市の主婦柴田麻衣さん(30)は4日、長女(6)を連れて見学に来た。福島第一原発の事故後、水道水の放射能汚染など、都内では身近に迫る影響に不安を覚えるという。「放射能への関心が高まり、子どもと一緒に学ぼうと思った」と話した。
ガイドの中川知昭さん(75)は「放射線の情報はいろいろ発表されているが、実感がわかないから多くの人が不安に思っている。そうした人たちが勉強に来ているようだ」と分析する。
(2011年8月8日 読売新聞)
震災と新幹線事故が中国の日本観を変える
2011/08/08 13:00
山田 太郎=ユアロップ代表取締役社長
まさにそのニュースは、私が北京に滞在している間に飛び込んできた。7月23日、浙江省温州方面行き中国新幹線が衝突、脱線した。今から3カ月前、私が 温州から上海虹橋駅まで乗車したまさに同じ路線。4時間半の乗車でみたあの時の車窓を思い出し、複雑な心境になる。先週、北京と上海の新幹線が開通し、さ らに中国が新幹線の特許を米国で申請することが日本でも大きなニュースになっていた矢先のことだ。北京、上海間の新幹線乗車に一番乗りをしようとていた私 に友人が「やめておけ」と言っていたことを思い出す。
中国鉄道部長(大臣)がすぐさま現地に赴き事態の対処にあっている。目の前で流れる事故のニュースを、街角にあるテレビ、食堂で、空港で、多くの中国の 人々がテレビの前で凝視している。私は「この事故についてどう思うか」と現地の中国人に聞いてみるが、衝撃を食らった人々の口は重い。それぐらいこの新幹 線は、経済と科学技術の力を象徴する大きな存在だったのだろう。
もちろん、一度の新幹線事故が中国の技術力全体の問題につながるわけではない。しかし、開業以来小さな事故が続き、「起こるべきして起こった事故」と考 えている中国人が少なからずいることから、中国人が自国の科学技術や安全性を評価する際に一定の影響を与えることは間違いない。さらには、日本の東北大震 災以来、変わり続けて来た中国の日本に対する見方や姿勢を再び大きく変える要因にもなり得る。そうなれば当然、日中のビジネスにも大きな影響が及ぶだろ う。
ここで、中国新幹線事故以前から事故までの、その見方の変化について振り返ってみたい。
同じ23日、北京で北京和僑会設立1周年のパーティーが開かれていた。そこで私も参加してパネルデスカッションが開かれたのだが、東日本大震災に対する 中国人の日本に対する見方の変化について非常に興味深い話題が提起された。それは、中国人が東北大震災とその後の日本の対応を通して日本に対する見方が 「同情」から「尊敬」へ、そして「不信」から「優越」へと変化していったということだ。
「同情」(3月11日地震発生):同じ地震大国として中国も四川大地震や唐山大地震など数々の震災を経験している。四川大地震では、日本のレスキュー隊 が被災し死亡した中国の方々への敬礼と黙祷を丁寧に行ったことが、中国人の心を打った。その後、私が乗車したタクシーの運転手からも「もし、日本で何かが あったら、自分はすぐに助けに行くよ」とレスキュー隊に対するお礼までされたのを思い出す。同じ被災国のアジアの隣人として、自然との闘いに関して同じ思 いを抱いたのだといえるだろう。
「尊敬」(地震後の現地の対応):津波で非難する人達が正しく列を成し食料や水の配給を受けている姿、被災者でありながら他人の支援も積極的に行ってい る現地ボランティアの姿、こんな緊急時でありながら暴動や略奪もなく粛々と清清と災害に当たっている現地の人々の姿が全世界に報道され、日本に対して多く の中国人が尊敬の念を抱くようになった。連日の中国のマスコミもこの日本の尊敬すべき姿を伝えていた。
「不信」(福島原発事故発生):3月14日、福島第一原発の各号炉が爆発した。日本政府はこの事態にうまく対応できず混乱が続いた。放射能の危険性やそ の影響についても「隠蔽している」と世界中から疑われ、多くの国が日本退避命令を出し、外国人が日本を離れる事態となった。中国から日本に来ていた留学生 や労働者も一斉に日本を後にした。中国では「日本食は放射能に汚染されている」との風評被害から日系のレストランが苦境に立たされた。日本の製品も放射能 に汚染されているのではないかと疑われ、日本製品に対する不買運動まで起きたのである。中国では食の安全性が頻繁に問題になるが、放射能についても相当に 敏感だ。日本人よりもっと敏感かもしれない。技術大国日本がどうして何日たっても放射能問題に対応できないのか、いつまで放射能を中国や世界にばら撒き続 けるのかとの不満から、人々は日本の技術力に不信感を抱くようになった。
「優越」(東北地方の復興の遅れ):5月半ば過ぎ、政府復興予算の決定や実施の遅れに象徴される政治の混乱は、「日本は自力で復興ができないのではない か」との疑念を中国にもたらした。中国は、四川大地震の際も1カ月~2カ月でほぼ復興のメドを付けた。一昨年は「神船5号」「神船7号」と立て続けに飛ば し、ソ連、米国に次いで日本を追い抜き、世界で3番目の有人ロケット発射成功国となった。今年の4月、GDPで日本を追い抜き米国に次ぐ世界第2位の大国 となった。そして中国新幹線の特許を米国で申請するというニュースが飛び込んできた。経済や技術において日本を抜くことが中国の目標だったが、「日本の技 術は無根拠に受け入れるべきものではない」「すでに中国で作れないものはない」「日本より中国の方が優れている」など、中国の優越性を誇る声が高まって いった。
そんな矢先、今回の新幹線事故が起こった。事故処理の途中で車体を埋め、その中から生存者が出てきたニュースが流れてきたことは、中国人が自国への不信 感を大きく持つきっかけとなった。さらに立て続く食品問題、食用油をめぐる問題も同時に大きく報道され自国への不信感はさらに深くなっていく。
この事故から時間を経て、大きな変化が起きつつあるように思う。中国各地をまわっていて聞こえるのは「日本の技術をきちっと中国に導入しよう」という再 評価の声だ。「日立製の鉄道運行システムが事故防げなかった」という中国鉄道省の発表がかえって「日本の技術が本当に導入されていればこんなことは起こら なかったのに」という思いに火をつけた格好だ。1963年、東京オリンピックにあわせて開業した新幹線は、開業以来半世紀近く無事故を続けている(これま で自殺者が飛び込みをしたケースはあるが)。改めて日本の技術力の高さと安全に対する考え方の厳格さを感じさせられる。このことを中国人が再認識し始めた のだ。
今回の中国新幹線事故が自国に対する見方、さらに日本に対する見方をどこまで変えるかは、現在進行中の話であり正確には予測できない。ただ、震災、そし てこの事故を通じ、日本の進むべき方向性も見えてきたように感じる。それは、日本は中国を始め世界の評価がどうであれ妥協することなく、品質がよく信頼性 の高い製品やサービスを出し続けていくことだろう。その地道な努力が世界の人たちの評価を「不信」から「信頼」、「信頼」から「尊敬」へと繋げていくのだ と思う。
日本は他国からどの様に見られるかをとかく気にする。それも大切だが、己を知り、自らが守るべきものを見極めることはもっと大切だ。その信じるものを育て、伸ばし、その上で他国と戦略的に付き合っていくことこそが私たちがとるべき道なのだと改めて感じるのである。
ペン&ぺん:被ばく労働の闇 /福岡
「被ばく労働者はボロ雑巾よ」。遠くを見やるようにつぶやく言葉が耳を離れない。東京都国分寺市のフォトジャーナリスト、樋口健二さん(74)の目には、これまで取材した150人に及ぶ彼らの姿が焼きついている。
「平和利用」の名の下にバラ色の夢を描く原発が建設され始めた当初から反対し、「過激派」のレッテルを貼られてきた樋口さん。それでも「権力と企業に嫌われる写真家」であり続けた。
原発の労働形態が電力メーカーから末端未組織労働者群までのタテの差別構造であり、放射能のない「クリーン」な制御室でエリートたちが高給をはむ 一方、事故や定期検査時に原子炉に入って放射能を浴びる下請けの男たちが全国から寄せ集められる。彼らが、がんを患っても労災に認定される例は極めてまれ だ。
国内初の被ばく訴訟を棄却された岩佐嘉寿幸(かずゆき)さんが亡くなる2週間前に見舞った樋口さんは、4階から「苦しい。助けてくれ」と叫ぶ声を 玄関口で聞く。背中をさする樋口さんは、岩佐さんから「俺の苦しみを伝えていってくれ」と“遺言”を託された。「学者や医者など権威を使い、国家権力が司 法と一緒になって労働者をつぶしていった」と樋口さんは憤る。
被ばく労働者は累計50万人にも上るという。「原発渡り鳥。この人たちが原発を支えてきたのさ。いつ死んでいくのか。やりきれない」と顔をゆが め、せんべい布団に小型テレビと雑誌が置かれたプレハブ宿舎を思い出しながら、家族と離れて過ごす味気ない風景に悲しみを隠さなかった。
原発が動く限り、被ばく労働は生まれ、闇に消されていく。告発する写真集を出す樋口さんに失礼ながら「まだ死ねませんね」と水を向けると、うなず きながら「原発はエネルギーの問題ではない。カネになるからだ。人間を第一に考えて、いま原発を止めなきゃ日本人の恥だよ」と私を見据えた。【林田英明】
〔北九州版〕
- 原発作業員:被ばくでがん 労災10人
- 福島第1原発:作業中に心筋梗塞で死亡 妻が労災申請
- 福島第1原発:東芝協力企業の作業員死亡 労災申請へ
- ヒバクシャからの警告:/4止 原発労災 いとこと古里奪われ
- 原発労働者と労災
毎日新聞 2011年8月8日 地方版
京都五山送り火に陸前高田の薪「放射能あるからあきまへん」
2011/8/ 8 13:07
「これはひどい!」
司会の赤江珠緒が珍しく怒った。大津波でなぎ倒された岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松で作った薪に被災地の人たちらがメッセージ書き、京都の「五山送り火」で大文字山などで燃やす計画がご破算になった。
赤江は8月7日(2011年)に陸前高田で、4台あった山車のうち残った1台だけで行われた伝統行事「けんか七夕」を取材してきたばかりで、「高田松原はけんか七夕とまったく同じ場所なんですよ」と無念そうだ。
検査ではまったく検出なし
京都の送り火で燃やそうというアイデアがつぶされたのは、京都市に放射能が飛び散ることを心配する声が数十件寄せられたためという。しかし、検査で松からはまったく放射能は検出さていない。

高田松原には7万本の松が植えられていたが津波で全部なぎ倒され、地元ではやむなく薪にして売ることにしていた。これを伝え聞いた大分県の美 術家が発案し、京都大文字保存会に呼びかけたのが発端だった。350本の薪に、震災で家族を亡くされた人や復興への思いを綴ったメッセージを書いて燃やそ うと6月末から準備を進めてきた。綴られたメッセージには「絆」や「津波で死なせてゴメン」などの文字が書かれている。
地元の「迎え火」で燃やそう
地元の人も「突然プツンと切れてしまったのは残念に思いますけど…」と無念そうだが、350本の薪は8日に地元で迎え火として燃やされるという。
コメンテーターの青木理(元共同通信記者)は「たかが数十件で『世論が…』になっちゃうことこそ風聞の一番ひどいケース」と怒り、前田典子(モデル)は「そんなこと(放射能汚染が飛び散ること)思っていない京都の人は多いと思う」
それにしても数十件の電話でヤメにしてしまうのも不可解だ。なにか「薪利権」みたいなものでもあるのか。こうなったら、高田松原の松にとっては、京都で「送り火」に使われるより、地元で犠牲になった人々を迎えるほうが本望だろう。
ケーブルダクトから漏水=環境、設備への影響なし-福島第1
福島第1原発事故で、東京電力は8日、3号機の起動用変圧器のケーブルを通すダクトから隣のコントロール建屋に水が漏れたと発表した。水は高濃度の放射能汚染水がたまっているタービン建屋内に排水し、環境や設備への影響はなかったという。
東電によると、4日午後1時40分ごろ、ダクトとコントロール建屋の接続部付近に深さ10センチ程度の水たまりが見つかった。ダクトの開口部を通じて、水が同建屋側にあふれたという。(2011/08/08-12:32)
首相、もんじゅ廃炉含め検討 衆院予算委

高速増殖炉原型炉もんじゅ=6月、福井県敦賀市
菅直人首相は8日の衆院予算委員会で、高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、廃炉も含めて検討すべきだとの認識を示した。
社民党の服部良一氏が廃炉を求めたのに対し、首相は「原発に依存しない社会を目指す。依存の中には使用済み核燃 料の再処理、もんじゅも含まれる」と指摘。その上で「この方向性を十分に議論しながら計画的、段階的に目指していくことが必要だ。しっかり検討を進めた い」と強調した。
使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の扱いに関しては「長期、安定的に管理し、後世に悪影響を残さないで済むかが深刻な問題だ」と指摘。
2011/08/08 16:19 【共同通信】
【原発】震災10日後に3号機で「炉心再溶融」か(08/08 15:39)
福島第一原発3号機で、メルトダウンした後に固まった燃料が震災の10日後に再び溶融していた可能性があることが専門家の研究で分かりました。
3号機は、3月11日の震災後、すぐに津波の影響で原子炉への注水機能が失われ、3月13日午前に海水注入が行われたものの、3月14日に原子炉建屋が水 素爆発しました。東京電力によりますと、燃料の大部分は圧力容器にとどまっているものの、一部が格納容器に落ちている可能性があるとしています。しかし、 3月20日夜から21日朝にかけて圧力容器への冷却水が減少したり、圧力が急上昇したのは、燃料の大部分が「再溶融」して、大半が格納容器に落下している ことが原因である可能性のあることが、旧日本原子力研究所の元研究員で現在は社会技術システム安全研究所の田辺文也所長の解析で分かりました。このため、 放射性物質が新たに放出され、風下になった関東地方で3月21日に放射線量が上がったとしています。東京電力は、8日の会見で「ベント弁が閉じたため圧力 が上がった。温度の様子から、燃料は圧力容器にほとんどたまっているのではないか」としています。また、原子力安全・保安院も「温度を考えると、ある程度 の冷却は行われていたと考えている。再溶融し、圧力容器の底部が大きく損傷したということは考えにくい」としています。田辺所長は、この解析結果を来月に 北九州市で行われる日本原子力学会で発表する予定です。
福島3号機の燃料、2度溶融か 収束作業見直しも

東京電力福島第1原発3号機=3月(エア・フォート・サービス提供)
東京電力福島第1原発事故でメルトダウン(炉心溶融)が起きたとされる3号機では、いったん溶け落ちて固まった燃料が再び溶融を起こして圧力容器を破損し、大半が下部の格納容器に落下した可能性があるとする専門家の研究報告が8日、明らかになった。
原子力安全の専門家で社会技術システム安全研究所所長の田辺文也氏によると、大量の燃料が格納容器側に漏れ出たとすると、現在実施中の圧力容器への循環注水冷却は再検討が必要。事故の収束作業は見直しを迫られる恐れもある。
東電は「燃料の大半は圧力容器内にとどまっているのではないか」と、否定的な見解を示している。
2011/08/08 13:00 【共同通信】
腐葉土 使用自粛を改めて要請
全国各地で高い濃度の放射性セシウムが含まれている腐葉土が見つかっている問題で、農林水産省は、どのように検査すれば安全が確認できるか今の時点では判断できないとして、東北や関東など17の都県に改めて腐葉土の使用などを自粛するよう要請しました。
福島第一原発の事故のあと、放射性セシウムが含まれた腐葉土が相次いで見つかっている問題で、農林 水産省は、先月25日、放射性セシウムが含まれている可能性のある腐葉土や肥料の生産や使用の自粛を求めました。その後、1キログラム当たり400ベクレ ルという目安を示し、これを下回れば生産や使用を認めるとして検査の方法や手順を検討してきました。ところが、腐葉土については、材料となる落ち葉の汚染 の広がりや生産や流通の実態がよく分からず、地域ごとにどのくらいの割合で業者や農家を検査すれば安全が確認できるか、今の時点では判断できないとして、 東北と関東甲信越、それに静岡の17の都県に対して改めて生産や使用を自粛するよう要請しました。一方、牛の排せつ物を使った堆肥については、放射性セシ ウムを含む稲わらが流通している16の道と県で、汚染した稲わらを与えた畜産農家から原料を調達しているすべての肥料製造業者を対象に検査を行うなどし て、目安を下回ったものは使用などを認めるとして、自治体に検査計画を作るよう求めました。
国産和牛焼肉セット3点盛り
国の暫定規制値を超える放射性セシウムが含まれる稲わらを飼料として与えていた肉牛を販売した
投稿日:2011年08月08日
2011年8月4日
【不具合内容】
北雄ラッキー株式会社は、国の暫定規制値を超える放射性セシウムが含まれる稲わらを飼料として与えていた肉牛を販売した店舗が新たに判明したとして、該当個体識別番号の製品の回収を行うと発表した。
【対象製品】
製品名:国産和牛切り落とし、国産和牛焼肉セット2点盛り・3点盛り、国産和牛バラうす切り
個体識別番号:08379-10169
販売期間:2011年7月4日~12日
販売店舗:ラッキー 札幌市内全店舗(14店舗)、 花川南店(石狩市)、朝里店(小樽市)、岩内店(岩内町)、千歳錦町店(千歳市)、長沼店(長沼町)、栗山店(栗山町)
【対応】
自主回収
該当個体識別番号の製品をお持ちの方は、購入した店舗へ連絡する。
北雄ラッキー株式会社がお詫びを発表した。
【お問い合わせ先】
北雄ラッキー株式会社 顧客サービス課
TEL:011-643-3233
受付時間 10:00~17:30(土・日を除く)
店舗一覧はこちら。
不具合情報引用元URL:
http://www.hokuyu-lucky.co.jp/pdf/20110804_kokuchi.pdf
7月街角景気 4年4カ月ぶり「50」超える 東北は過去最高に
内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査は、街角の景気実感 を示す現状判断指数が前月比3・0ポイント上昇の52・6で、景気が良くなっているという判断の目安となる50を4年4カ月ぶりに上回った。4カ月連続の プラスで、季節商品や家電が好調だった。ただ、2~3カ月先の見通しを示す先行き判断指数は0・5ポイント低下の48・5で、4カ月ぶりに下落。放射性セ シウムが検出された牛肉などの買い控えや急激な円高が重しになっている。
内閣府は基調判断を「東日本大震災の影響が残るものの、持ち直している」として、3カ月連続で上方修正した。
現状判断指数の上昇は自動車などの生産回復や自粛ムードの解消に加え、猛暑や節電で「衣料や住関連の省エネ商品が好調」(近畿・スーパー)だったため。地上デジタル放送完全移行でテレビの販売も伸びた。
地域別では、東北が復興需要を背景に6・7ポイント上昇の59・5となり、統計開始以来最高だった。
一方、先行き判断指数は飲食・小売りなどで低下した。猛暑や地デジ特需などのプラス要因がなくなるうえ、「食品の放射能汚染問題が消費を鈍らせる」(近 畿・百貨店)懸念が広がっている。また、製造業でも「最近の円高を考慮すると受注量は減少する」(東海・電気機械器具製造業)との見方が少なくない。
牛肉の全頭検査開始=ヨーカ堂
イトーヨーカ堂は8日、放射性セシウムに汚染された疑いのある肉牛が流通した問題を受けて、販売する全ての国産牛肉を対象に検査を行うと発表した。10日から、店頭に並ぶのは全て検査済みの牛肉となる。
検査は取引先の精肉メーカー全7社が実施。各メーカーは自社で検査機器を導入したり、第三者機関で検査したりする。(2011/08/08-15:58
UPDATE1: 街角景気は5年ぶり高水準 生産回復や復興需要で=7月景気ウォッチャー調査
2011年 08月 8日 15:47 JST
[東京 8日 ロイター] 内閣府が8日に発表した7月景気ウォッチャー調査によると、現状判断DIは前月比3.0ポイント上昇の52.6と、景 気判断の分かれ目となる50を上回り、5年3カ月ぶりの高水準となった。サプライチェーンの復旧による生産の回復や消費マインドの改善、東北での復興需要 の広がりなどが背景。ただ、数カ月先を見る先行き判断DIは4カ月ぶりに低下。肉牛の放射性セシウム汚染問題や円高が、景気回復の足かせとなる可能性に懸 念を示す声が上がっている。
現状判断DIが50を超えたのは4年4カ月ぶり。7月は家計動向、企業動向、雇用関連がそろって上昇した。自動車などの生産が回復してい ることが幅広く好影響を与え、自粛ムードの緩和も寄与。猛暑で季節商材の動きも活発だったほか、地上デジタル放送への完全移行で、テレビなどに駆け込み需 要が起きたことを指摘する声も多かったという。地域別では復興需要の強い東北が59.5と、2000年1月の調査開始以来の最高を記録した。
現状判断が高水準となったことなどを受け、内閣府は景気ウォッチャー調査の基調判断を前月から上方修正。「東日本大震災の影響が残るものの、持ち直している」と、前月の「厳しさが残る」といった表現を削除した。
一方、先行き判断DIは前月比0.5ポイント低下の48.5と4カ月ぶりに低下した。特に、地デジ化や猛暑関連で高まった駆け込み需要の 反動減、肉牛の売り上げ減少などを懸念する小売関連で先行きを不安視する声が多かったほか、製造業を中心に円高を懸念する声が前月より増加したという。
◆鳥取の牛、全頭検査へ
平井伸治知事は4日の定例会見で、県内で食肉処理されるすべての牛の肉について、放射性セシウム濃度を調べる検査を、早ければ11日から始める方針を明ら かにした。東北6県など、国の基準を上回る肉の汚染や、汚染稲わらを食べた自県産の牛が確認された13県以外で全頭検査するのは初めて。二十世紀梨、コメ についても収穫前にサンプル検査する。
(’11/08/08
東日本大震災:「送り火」のまき中止へ 被災地の松、放射能を懸念--京都・保存会

遺族らのメッセージが書き込まれ、「五山送り火」で使用されるはずだったまき=岩手県陸前高田市で、小川昌宏撮影
東日本大震災の津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松に震災遺族らのメッセージを記して京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画 が、放射能汚染を懸念する声を受けて中止されることになった。メッセージが書かれたまき約350本は陸前高田市内で保管されており、現地入りしている「大 文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長らが8日夜、精霊の「迎え火」として燃やす。しかし、京都市には市民から中止を批判する声も多数寄せられてい る。【成田有佳、古屋敷尚子、入江直樹】
◇「恥ずかしい」市民批判も
保存会は遺族らのメッセージを写真に撮り、後日、別の護摩木に書き写して「送り火」で使用するという。
計画は大分市の美術家、藤原了児さん(61)が発案し、松原理事長に相談したのがきっかけ。藤原さんが震災後に知り合った陸前高田市の旅館経営、鈴木繁治さん(66)がまき集めやメッセージの呼びかけを担った。
計画が報道された6月末以降、京都市や関係者の自宅に「放射能汚染された灰が飛ぶ」などと抗議の電話やメールが寄せられるようになった。
保存会はまきのかけらを取り寄せ、民間会社に依頼してセシウムとヨウ素の検査をしたが何も検出されなかった。まきの使用を巡って理事会で意見が割れたが「不安は完全にぬぐえない」と中止を決断したという。
山本正・副理事長は「陸前高田の方々には申し訳ない。迎え火で燃やすことで気持ちに応えたい」と苦渋の表情を浮かべる。鈴木さんは「時節柄、仕方のないことだと思う」と言葉少なだった。
藤原さんは「不安に思う人がいるのなら押し通すことはない。保存会が現地で(当初の計画から)形を変えて亡くなった人や遺族らの思いに応えているのは、誠意の表れで感謝している」と話す。
京都市には8日朝から中止に反対する意見が電話で多数寄せられた。市によると「送り火は死者を鎮魂する場で被災者の思いに応えられる場。『いちげ んさんお断り』のようで、京都市民として恥ずかしい」「陸前高田市は原発から離れているのに、被災地の思いを届けようとする真摯(しんし)な取り組みをな ぜ中止するのか」などの意見があったという。
毎日新聞 2011年8月8日 東京夕刊
街角景気52カ月ぶりに50上回る 7月52.6、4カ月連続改善
- 2011/8/8 14:55
内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比3.0ポイント上昇の 52.6と、4カ月連続で改善した。景気の横ばいを示す50を2007年3月(50.8)以来、52カ月ぶりに上回った。06年4月(54.6)に次ぐ高 水準で、震災前の2月(48.4)も上回る。内閣府は「程度の差はあるが方向としては良くなっている」と説明。基調判断を「景気の現状は、震災の影響が残 るものの、持ち直している」とし、3カ月連続で上方修正した。
東日本大震災後に落ち込んだ消費マインドの回復に加え、梅雨明け後の猛暑や節電に伴う省エネ関連やクールビズ関連の商品の売れ行きが好調 だった。地上デジタル放送への移行に伴う液晶テレビの駆け込み需要や、自動車産業を中心とした生産の回復も寄与し、指数を構成する家計、企業、雇用の全て で改善した。
一方で2~3カ月先の先行き判断指数は0.5ポイント低下の48.5と、4カ月ぶりに低下した。薄型テレビの駆け込み需要の反動減や、牛肉 の放射性セシウム汚染による小売業などの先行き不透明感の高まりを背景にした家計部門の低下が響いた。円高や原材料価格の高騰などを懸念する声も聞かれ た。
調査は景気に敏感な小売業関係者など2050人が対象。
3カ月前と比べた現状や、2~3カ月先の景気予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価してもらい、指数化する。今回の調査期間は7月25日から月末まで。〔日経QUICKニュース〕
立秋 菊川で早くも稲刈り(8/ 8 14:33)
8日は「立秋」。暦の上では秋の始まりとされる。静岡地方気象台によると、正午現在の各地の気温は三島32・8度、浜松市中区30・4度、静岡市駿河区31・1度など。暑い日が続く一方で、菊川市では稲刈りが早くも始まった。
収穫が始まったのは菊川市上平川の農業大石憲司さん(64)の水田の早場米「なつしずか」。真夏の太陽が照り付ける中、大石さんが黄金色に実った稲を次々 と機械で刈り取った。上平川地区では小笠水稲受託営農組合が早場米を生産している。他の組合員も順次刈り取り作業に入り、13日には店頭に並ぶ見通し。
今年の収穫は例年より若干遅かったが、大石さんは「穂はとても充実している。おいしい米になったはず」と太鼓判を押す。大石さんが育てたなつしずかの玄米 は県が放射性物質検査を実施し、放射性セシウムと放射性ヨウ素が検出されなかったと発表されたばかり。大石さんは「消費者に安心して買ってほしいと胸を 張って言いたい」とアピールした。
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早くも収穫が始まった早場米「なつしずか」=8日午前9時50分ごろ、菊川市上平川
コメ先物 東京初値付かず 取引72年ぶり
2011年8月8日 夕刊
| 72年ぶりのコメ先物取引開始を祝う文字が映し出された電光掲示板(上)=8日午前、東京都中央区で |
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江戸時代の大阪・堂島で誕生し、戦時統制で廃止されるまで約二百年間続いたコメ先物取引が八日、約七十二年ぶりに東京穀物商品取引所(東京・日本 橋)と関西商品取引所(大阪市)で復活した。午前九時に始まった東穀取の取引は、取引の標準品である「関東コシヒカリ(茨城、栃木、千葉県産)」に買い注 文が殺到。午前の取引で初値はつかなかった。
先物取引は、将来のある期日(決済期)の価格を予想し売買する。八日は今年十一、十二月と来年一月を決済期とする取引が行われた。東京電力福島第 一原発事故に加え、東北や北関東の米産地が豪雨で甚大な被害を受け先々の供給不足が懸念されていることから、東穀取では一俵(六十キログラム)当たり一万 三千五百円の基準価格を大きく上回った。午前九時十五分現在、一万八千四百~一万八千五百円の買い気配となった。
東穀取は「農林水産省が打ち出した放射性セシウムの予備検査が今週始まり、問題がなければ価格は落ち着くのでは」とみている。
関西商取では、「北陸コシヒカリ(石川、福井県産)」の十一月物が一万四千三百二十円、十二月物が一万四千五百四十円、来年一月物が一万九千二百十円の初値をつけた。
コメ先物は東穀取と関西商取が二年間の試験上場を申請し、七月に農水省が認可した。両取引所とも今後、価格の動きや監視体制などを検証し、本上場を目指す。
県の検査機器が故障
(秋田県)
放射性物質を測定するための県の機器が6日から故障しています。県では現在雨などや水道水の放射性物質について秋田大学で測定を行って対応し ています。故障したのは県健康環境センターにある放射性物質を検査する機器です。この機器では、県内の雨などや水道水に含まれる放射性物質の量を測定して いました。しかし、6日に機器が故障していることが分かりました。放射性物質を精密に検査できる機器は、県内ではこの他秋田大学に1台あり、県でこれまで 行っていた測定をきのうから秋田大学に依頼しています。今月5日には県内の農家が出荷した牛肉から国の暫定規制値を超える量の放射性セシウムが検出されて います。県では6日、牛を出荷した農家が与えていた稲わらについて、その放射性物質の量を測ることにしていましたが、機器が故障していたため、測定が出来 ませんでした。県では稲わらの測定を国の検査機関に依頼していて、今後の測定に支障は出ないと説明しています。
[ 8/8 13:14 秋田放送]
腐葉土、再び17都県に自粛要請 農水省が方針転換
- 2011/8/8 13:41
農林水産省は8日、東北や関東など17都県に対し、腐葉土の生産を自粛するよう再度通知したと発表した。農水省は腐葉土中の放射性セシウ ムの暫定規制値を2日に発表したことに伴い、いったんは自粛要請を取り下げた。しかし汚染実態の把握が難しく、具体的な検査方法を決められなかったため方 針を転換、再び自粛を求めることにした。
17都県は青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡。この地域で作られた腐葉土の利用自粛も求めている。
農水省は先月25日付で17都県に腐葉土の生産自粛を要請した後、腐葉土など肥料に含まれるセシウムの暫定規制値を1キログラム当たり400ベクレルと今月2日に発表。牛ふんや雑草、稲わらなどを原料とした堆肥については検査方法を定め、5日付で全都道府県に通知した。
一方、腐葉土に関しては、原料となる落ち葉が東京電力福島第1原発事故後も地面に放置され、放射性物質を大量に浴びている恐れが指摘されて いる。地域ごとにサンプル検査の密度をどの程度に高めたら安全性を担保できるかなど不明点が多く、検査態勢の確立が難しいことから、再度の自粛要請に踏み 切った。
既に流通している腐葉土については、規制値に基づく検査を行った上での販売を求めている。〔共同〕
【地震】福島第一原子力発電所の状況(8日午前9時現在)
2011年8月8日(月) 14時25分
東京電力が8日午前9時現在として発表した福島第一原子力発電所の状況は以下の通り。
東京電力福島第一原子力発電所(4月12日)
・8月7日午前8時7分、除染装置の高速凝集沈殿装置用の薬品注入ポンプが停止したことに伴い除染装置が自動停止したため、水処理設備が停止。同日午後3 時31分、水処理設備を再起動し、モータの過負荷を防止するために薬液注入ポンプ(ダイヤフラム式)のストローク調整を実施の上、同日午後4時54分、水 処理を再開。
・8月7日午後4時11分、淡水化装置にて発生する濃縮された海水から淡水を作るため、水処理設備に追加設置していた蒸発濃縮装置2台の試運転が終了し、本格運用に移行。
作業員個人の被ばく線量データ化 原発収束作業で東京電力

東京電力福島第1原発事故で、作業員の被ばく線量を把握、管理するために下請け企業が作成している「個人被ばくデータ表」
東京電力福島第1原発事故で、収束作業にあたる下請け企業が東電からのデータを基に、作業員の被ばく線量を厳格に把握、管理するため作成した「個人被ばくデータ表」を、共同通信が8日までに入手した。
入手したデータ表には約70人分の個人線量が記載されている。事故発生当初に従事した約180人の行方が分からないなど、線量管理のずさんさを指摘された東電がその後、どのように線量を管理しているか実態が判明したのは初めて。
データ表は、東電から送られてくる個人の被ばく線量などを基に、下請け企業が作成。作業員の1日ごとの被ばく線量を作業時間帯、移動時間帯、待機時間帯ごとに記載。
2011/08/08 17:27 【共同通信】
福島の小中高生 1万4000人 転校や希望
2011年8月9日 朝刊
東京電力福島第一原発事故後、福島県から県内外へ既に転校した小中高生や希望者が一万四千百七十六人に上ることが八日、県への取材で分かった。こ のうち小学生は一万百四十四人で、県内の全小学生約十一万七千人(昨年五月時点)の一割弱。中学生は三千九百三十九人で全中学生の6・3%。二学期に入る までに転校希望者数はさらに膨らむとみられる。
県によると、県外への転校の割合が高く、夏休み中に希望する小中高生は千百三十人。原発事故の発生から七月十五日までに、小中学生だけでも計七千六百七十二人が県外に転校したという。
これまで原発事故による福島県外への子どもの流出が指摘されていたが、転校の実態が明らかになったのは初めて。事故から五カ月近くたっても歯止めが利かず、次世代による復興に支障を及ぼしかねない事態といえそうだ。
放射線への不安が大きく影響しており、県学校経営支援課の田代公啓課長は「特に小学生の保護者の間で心配が広がり続けているようだ」としている。
県外転校を希望する千百三十人の内訳は、小学生九百十八人、中学生百六十三人、高校生四十九人。警戒区域や緊急時避難準備区域などに指定された地域の子どもが中心とみられる。転校先の詳細は不明だが、全国各地にわたるもようだ。
県内に転校のケースでは、小中学生四千五百七十五人が七月十五日までに移り、小中高生七百九十九人が夏休み中に希望している。原発事故の避難者や津波の被災者が家族で仮設住宅に入るのに伴い、子どもを転校させるケースが目立つという。
県は、各市町村教育委員会から情報収集し、子どもの転校の実態調査を進めていた。
東日本大震災:福島小中生、震災後1.4万人転校 夏休み、県外へ1081人
福島県内の公立小中校に通っていた児童・生徒のうち、東日本大震災と福島第1原発事故以降に転校したか、夏休み中に転校予定の小中学生が計約1万 4000人に上ることが、県教委のまとめで分かった。夏休み中に県外に転校予定の小中学生は1081人で、4分の3は放射線への不安を理由に挙げた。当初 は原発から30キロ圏など避難区域からの転校例が多かったが、区域指定されていない県央部(中通り地方)からの例が多くなっているという。
県教委によると、震災発生から7月15日までに県外へ転校した児童・生徒は7672人。県内への転校が約4500人。夏休み中に県外へ転校を予定しているのは1081人、県内への転校予定が755人。
文部科学省によると、県内の公立小中校の児童・生徒は5月1日現在で約16万5000人だった。1割近くが転校を余儀なくされた形だ。私立学校生や就学前の幼児、高校生らを含めると「疎開」した未成年者の数はさらに増える。
原発事故後、同県では、原発30キロ圏内の学校の多くが県内他校の校舎を借りて授業を行っている。県教委の分析では、7月15日までの転校者計約 1万2000人の半数以上は、元々は原発30キロ圏内の学校に通っていた児童・生徒とみられる。今回、1学期終了に合わせて実態を調査した。調査に携わっ た関係者によると、夏休み中の県外転校予定者の半数以上が福島、郡山両市など中通りの学校に通学していたという。
一方、夏休み中の県内転校予定者の約半数は「仮設住宅などへの転居」を理由に挙げた。同県相馬市に避難先から戻るケースもある。県教委は「子供の負担を考えて、区切りとなる1学期終了後の転校を決めた人が多いのでは」と推測している。【安高晋、関雄輔】
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毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
福島の小学生1割転校 原発事故への不安拡大
東京電力福島第1原発事故後、福島県から県内外へ既に転校した小中高生や希望者が1万4176人に上ることが8日、県への取材で分かった。このう ち小学生は1万144人で、県内の全小学生約11万7千人(昨年5月時点)の1割弱。中学生は3939人で全中学生の6・3%。2学期に入るまでに転校希 望者数はさらに膨らむとみられる。
県によると、県外への転校の割合が高く、夏休み中に希望する小中高生は1130人。原発事故の発生から7月15日までに、小中学生だけでも計7672人が県外に転校したという。
これまで原発事故による福島県外への子どもの流出が指摘されていたが、転校の実態が明らかになったのは初めて。事故から5カ月近くたっても歯止めが利かず、次世代による復興に支障を及ぼしかねない事態といえそうだ。
放射線への不安が大きく影響しており、県学校経営支援課の課長は「特に小学生の保護者の間で心配が広がり続けているようだ」としている。
県外転校を希望する1130人の内訳は、小学生918人、中学生163人、高校生49人。警戒区域や緊急時避難準備区域などに指定された地域の子どもが中心とみられる。転校先の詳細は不明だが、全国各地にわたるもようだ。
県内に転校のケースでは、小中学生4575人が7月15日までに移り、小中高生799人が夏休み中に希望している。原発事故の避難者や津波の被災者が家族で仮設住宅に入るのに伴い、子どもを転校させるケースが目立つという。
県は、各市町村教育委員会から情報収集し、子どもの転校の実態調査を進めていた。
福島県内の小中学生、夏休み中に千人以上転校
福島県の公立小中学校で夏休み中に県外に転校する児童・生徒が1081人に上ることが8日、県教育委員会の調査でわかった。
福島第一原発事故による放射線への不安から、1学期の終了を区切りとして県外に引っ越すケースが相次いでいると県教委はみている。
県教委学校経営支援課によると、内訳は小学生918人、中学生163人(7月27日現在)。ほとんどが「健康面で心配がある」など、放射線への不安を理由にあげているという。昨年の夏休み中の転校者数は集計していないが、県は「大幅に増えたのは明らか」としている。
調査によると、東日本大震災後から夏休み前までに県外に転校した小中学生は7672人だった。夏休み前の転校は、家を失ったり、警戒区域などから避難を求められたりしたケースが大半とみられる。
(2011年8月9日01時43分 読売新聞)
1130人が県外転校希望 福島の小中高生、夏休み中に
福島県で学校の夏休み中に、県外への転校を希望する小中高生が1130人に上ることが8日、県への取材で分かった。東京電力福島第1原発事故の発生から7月15日までに、小中学生だけでも7672人が県外に転校している。
放射線への不安が影響しているとみられ、県学校経営支援課の田代公啓課長は「特に小学生の保護者の間で心配が広がり続けているようだ」としている。
県によると、1130人の内訳は小学生918人、中学生163人、高校生49人。警戒区域や緊急時避難準備区域などに指定された地域の子どもが中心とみられる。
2011/08/08 19:25 【共同通信】
原発事故賠償 欠かせぬ因果関係の精査
2011.8.9 03:13
東京電力福島第1原発事故による賠償は、文部科学省の「原子力損害賠償紛争審査会」が中間指針をまとめたことで、来月から請求の受け付けが始まる。
避難した中には生活に困窮している人が多く、企業の倒産や廃業も相次いでいる。賠償金の支給を急がねばならない。
しかし一方で賠償が際限なく増えれば、電気料金や税金の引き上げなど国民負担にもつながりかねない。範囲認定や基準、算定方法には、因果関係を精査した上での合理的判断が欠かせない。
認定のあいまいさで一例を挙げるなら、避難の際の交通費や宿泊費、精神的損害について、何を基準に算出するのかが明確にされていない。期間も「避難指示が解除されて相当期間が経過した後」とあるだけだ。
企業の場合も、事故がなかった場合に得られた収益がどのくらいなのかを適正に判断するのは難しい。「過去何年間分の営業利益を基準に判断する」など、具体的に詰めなければならない。
風評被害の救済は、かなり幅広く認められた。野菜や茶葉などの農作物や水産物のほか、放射性セシウムを含む稲わらの流通が確認された17道県産の牛肉についても、認定された。
だが、判断が難しいものもある。例えば、外国人旅行客がキャンセルしたホテルや旅館の損害は5月末まで認めることにしたが、5月までという期間や地域を京都や九州まで広げることに果たして合理性はあるのだろうか。
一方、避難対象区域外の住民が自主的に避難した場合の費用に対しての判断は先送りされた。賠償対象に含めるなら、原発事故による避難だと判断できる合理的基準がなければ混乱するだろう。
賠償金の支払いは、東京電力が一義的に責任を負うとなっている。しかし「原子力損害賠償支援機構法」の成立によって、東電が払いきれなくなった場合、最後は国が負担する。このことを忘れてはなるまい。
事故はまだ収束しておらず、賠償件数や額は不明だが、50万件を超えると予想される。賠償額に納得できず、紛争審査会の下に設置される第三者機関が和解の 仲介に乗り出したり、訴訟に至ったりするケースも相当数あるだろう。法曹界は、これに対応する態勢づくりを始めなければならない。
東電、特損5000億円計上へ 原発賠償費用を計上
4~6月
- 2011/8/9 2:00
- 日本経済新聞 電子版
東京電力が2011年4~6月期決算で5000億円規模の特別損失を計上する見通しとなった。福島第1原子力発電所事故の損害賠償費用が 発生するためだ。電力事業の採算悪化で経常損益段階から赤字となり、連結最終損益は5000億円を超す赤字となったもよう。賠償額は今後も膨らみ、政府が 8月中にも設立する原子力損害賠償支援機構からの資金支援が経営上の焦点になる。
東電は9日、4~6月期決算を発表する予定。決算で…
文科相、東電社長に迅速な原発賠償要望
- 2011/8/8 12:45
高木義明文部科学相は8日、文科省内で東京電力の西沢俊夫社長と面会し、福島第1原子力発電所事故について政府の「原子力損害賠償紛争審 査会」が当面の賠償の目安としてまとめた「中間指針」を渡した。文科相は原発賠償支援法と原発賠償仮払い法の2法が成立したことも踏まえ、「指針に沿って 迅速で適切な賠償をお願いしたい」と求めた。西沢社長は「被害者の救済に公正かつ迅速に賠償をしっかり進めていきたい」と答えた。
避難対象区域外から自主的に避難した住民らへの賠償について、西沢社長は面会後に記者団に「審査会も議論を継続すると聞いている。審査会の 結論を踏まえて対応したい」と語った。賠償総額の見通しについては「事故がまだ完全に収束していないこともあり、確たる見通しを現時点で持っていない」と 述べるにとどめた。
原発賠償の「中間指針」渡す=東電社長に高木文科相
文部科学省の原子力損害賠償紛争審査会が東京電力福島第1原発事故の賠償範囲を示す「中間指針」を策定したことを受け、高木義明文科相は8日、文科省に西 沢俊夫東電社長を呼び、中間指針を手渡した。高木文科相は「適切、迅速な賠償をお願いする」と要請。西沢社長は「(原子力損害賠償)支援機構法を含めた損 害賠償の枠組みの下で、公正かつ迅速に賠償を進めたい」と述べた。
この後、西沢社長は記者団に対し、自主避難者への対応など中間指針に盛り込ま れていない賠償について「議論は今後とも継続されると聞いており、審査会の結論を踏まえて対応したい」と述べた。また、賠償総額については「事故がまだ完 全に収束しておらず、確たる見通しは持っていない」と語った。(2011/08/08-13:27)
文科相“東電は早期賠償を”
高木文部科学大臣は、東京電力の西澤社長と会い、国の審査会が原発事故に対する損害賠償の範囲などを取りまとめた中間指針を手渡し、速やかに賠償に応じるよう求めました。
この中間指針は、福島第一原子力発電所の事故を受け、被害者を速やかに救済しようと、先週、国の審 査会が明らかに事故の影響と認められる損害に関して賠償の範囲などをまとめたものです。高木文部科学大臣は8日、東京電力の西澤俊夫社長を文部科学省に呼 び、中間指針を手渡したうえで、「適切かつ迅速な対応ができるようお願いしたい」と述べ、指針に基づいて速やかに賠償に応じるよう求めました。これに対 し、西澤社長は「被害者救済のため、公正かつ迅速に賠償を進めていきたい」と答えました。会談のあと、西澤社長は、記者団に対し今月下旬にも具体的な賠償 の手続きやスケジュールを示す考えを明らかにしたうえで、「来月中には請求の受付を開始し、再来月中には支払いを目指したい」と述べました。東京電力は、 賠償問題に対応する人員を現在の1000人態勢から5000人規模にまで増やして対応する方針です。
基地に低レベル放射性廃棄物、「トモダチ作戦」で使われた布など/横須賀
横須賀市は8日、東日本大震災の被災地支援活動に関連した低レベル放射性廃棄物が、在日米海軍横須賀基地と海自横須賀地方総監部内に保管されていると発表した。市が外務省と防衛省南関東防衛局に確認し、情報を得た。
米軍基地に保管されている廃棄物は「トモダチ作戦」に参加した航空機を除染した際に使われた布など。海自には東電福島第1原発事故に対応した隊員の簡易 防護服などが、プラスチック容器(160リットル)6個に収納されている。いずれも処分方法を協議しているところという。
横須賀市は適正な管理と処分、情報提供を求めた。国は「放射能レベルは微量で、適切に保管されている」としている。在日米軍司令部は「日本政府と協力し、安全性を考慮して処置する」としている。
厚木基地(大和、綾瀬市)を抱える大和市も国に照会したところ「適正、安全に保管している」との回答があったという。
放射性廃棄物を保管 海自と米海軍 横須賀市、処分など要求
横須賀市は8日、海上自衛隊と米海軍のそれぞれの横須賀基地内に、東京電力福島第一原子力発電所で起きた事故での活動や、「トモダチ作戦」の活動 で出た低レベル放射性廃棄物が保管されていることを明らかにした。海自と外務省は、「廃棄物の放射能レベルはごく微量で、適切に管理している」としている が、市は防衛、外務省に対し、廃棄物の適正な管理と処分、処分後の市への情報提供を求めている。
市基地対策課が同日、防衛省南関東防衛局と外務省日米地位協定室に電話で確認した。海自は福島第一原発事故で活動した隊員の簡易防護服などの廃棄 物を、160リットルのプラスチック容器6個に保管していることが判明。海自横須賀地方総監部広報係は、「人体に影響を与えるものではない。専用の密封容 器で管理している」と語っている。
一方、米海軍は「トモダチ作戦」で活動した航空機などを除染した際に使った布などの廃棄物を保管しているとしたが、量や形質、保管場所などを明らかにしていないため、市で日米地位協定室に照会している。
放射性廃棄物を巡っては福島第一原発事故に由来し、東京電力が処分するとして、政府内で具体的な処分方法を協議している。
(2011年8月9日 読売新聞)
’11/8/9
放射性廃棄物の保管に抗議
東日本大震災で出動した自衛隊機などを除染した際に出た放射性廃棄物が、海上自衛隊岩国基地(岩国市)に保管されている。安保条約廃棄・岩国基地撤去岩国地域実行委員会は8日、岩国市に対し、国に早期撤去を求めるよう要請した。
米重政彦代表ら9人が市役所を訪れ、放射性廃棄物の種類や処理方法を調査し公開するよう求めた。加納健治基地政策課長は「国から情報がなく、照会の準備をしている」と答えた。
岩国基地によると、物資輸送で福島第1原発沖約35キロを飛行したヘリコプター数機の除染に使用した布約6・5キロ。4月15日以降、金属製容器に密閉保管している。放射線量は極めて低レベルで人体への危険性はなく、処分について東京電力と協議中としている。
外務省によると、放射性廃棄物は米海兵隊岩国基地にはないが、佐世保(長崎県)厚木(神奈川県)などの米軍基地では保管されているという。
横須賀でも放射性廃棄物 原発対応の米軍、海自基地
神奈川県横須賀市は8日、米軍と海上自衛隊それぞれの横須賀基地に福島第1原発事故後の支援活動などで出た低レベルの放射性廃棄物が保管されているのを確認した、と発表した。同県大和市にある米軍厚木基地でも低レベル廃棄物の保管を大和市が確認した。
両市は「ごく微量で適切に保管されており、外部への影響はないと聞いている」としている。
横須賀市が国に照会したところ、米軍基地は「トモダチ作戦」で活動した航空機を除染した際の布など、海自基地は防護服などを保管。政府や東京電力が処分方法を協議しているとの回答があったという。
2011/08/08 19:42 【共同通信】
九電、やらせ問題で国に虚偽報告 国会追及前に総会対策
九州電力の「やらせメール」問題で、原子力発電部門が6月28日の株主総会向けに、この問題の想定問答をまとめていたことがわかった。九電は「7月6日 に国会で追及されて初めて問題を把握した」と説明、7月14日に経済産業省に出した調査報告書でもそうしているが、原発部門は早い段階で知っていたのに公 表を避けてきたとみられる。
九電は想定問答に加えて幹部と佐賀県の古川康知事との会談の事実も報告書に記しておらず、国に虚偽報告をしていたことになる。
九電の原発部門の課長級社員は、国主催のテレビ番組(6月26日放送)に玄海原発(佐賀県)2、3号機の運転再開に賛成意見を送るよう、6月22日にメールで社員らに指示を出した。
九電の複数の幹部によると、番組放送前後から「やらせ疑惑」の指摘がインターネット上に相次ぎ、共産党も追及する姿勢を見せていた。
このため原発部門内で対応を協議し、総会で質問があったときに担当役員が答えられるよう事実関係を整理した回答案を作ったという。回答案は経営陣が目を通す可能性が高く、少なくとも原発部門の幹部はやらせ問題を把握していたことになる。
「やらせ」認める問答準備 九電、6月の株主総会用
2011年8月9日 01:49
玄海原発(佐賀県玄海町)再稼働をめぐる「やらせメール」問題で8 日、九州電力の原子力部門が6月28日の株主総会向けに、再稼働賛成の意見を投稿するよう社内外に要請していた事実を認める想定問答を作成していたことが 分かった。九電はこれまで、国会質問で取り上げられた7月6日に初めて事実を認めたとしていたが、同総会前に「やらせ」の事実を把握していたことになる。 九電関係者は「問答は原子力部門が独自に用意し、全社的には共有していなかった」としている。
複数の九電幹部によると、原子力部門の課長 級社員が6月22日に「やらせ」の要請メールを送信し間もなくインターネット上で疑惑が指摘された。25日に関連会社社員が共産党に告発する動きが表面化 し、原子力部門が28日の総会で質問が出た場合に事実を認める想定問答を準備した。実際には質問は出なかった。
その後、7月2日に同党機関紙が報道。他の報道機関の取材を受けた広報部門の問い合わせに対し、原子力部門は事実を否定。当時の原子力管理部長(現・上席執行役員)も同4日の鹿児島県議会で否定し、結果的に虚偽答弁をしたことが判明している。
こうした対応が総会対応と矛盾する点もあるため、当時の原子力管理部長ら原子力担当幹部が問答の作成に関与していたかどうか、第三者委員会が調査している もようだ。九電幹部は「原子力部門は、7月2日に報道されるまで『やらせ』を大きな問題と認識せず、想定問答を作成した可能性がある」としている。
=2011/08/09付 西日本新聞朝刊=
やらせ認める想定問答、九電 株主総会用に作成
九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働を巡る「やらせメール」問題で、九電が株主総会(6月28日)に備え、説明番組に賛成意見を投 稿するようメールで呼びかけたことを認める内容の想定問答を作成していたことが8日、九電関係者への取材でわかった。7月4日の鹿児島県議会で九電側が、 「そのような事実はない」と「やらせ」を否定した答弁が、完全に虚偽だったことになる。九電はこの事実を発覚から1か月以上たった今も公表しておらず、 「隠蔽体質」にさらに批判が集まりそうだ。
九電関係者によると、想定問答は、諸岡雅俊・原子力発電本部長(当時)が回答するために作成されたもの。真部社長は、「7月6日に衆院予算委員会でメール問題が取り上げられるまで、知らなかった」と話しているが、第三者委員会では、真部社長がいつ「やらせ」の実態を把握したのか確認を進めている。
想定問答を作成したのは当時、原子力管理部長だった同本部の中村明副本部長と、やらせメールを社内外に送信した課長級社員ら。6月25日に九電の 子会社社員が共産党に内部告発し、その後、インターネット上でも話題になるなどしたため、株主総会対策として、社内で事実関係の調査を開始。メールが社内 の3事業所(玄海原発など)と子会社4社に送信されていたことなど実態を詳細に把握した。その結果、「賛成意見の投稿を要請するメールを送信した」と、や らせを認める回答を作成したという。しかし、実際の総会では、メール問題に関する質問は出なかった。
(2011年8月8日 読売新聞)
動員どこから「やらせ」? 原発住民シンポジウム 広報活動か世論誘導か
2011年8月8日 10:03 カテゴリー:社会 九州 > 佐賀

玄海原発2、3号機の再稼働問題で、佐賀県が開いた県民説明会。ここでも九電の「動員」が明らかになった=7月8日、同県多久市
九州電力の「やらせメール」を機に、全国で明るみに出た原発をめぐる官民一体の「やらせ」問題。質問の誘導はともかく、関係者に参加を呼び掛けた「動員」 については、当事者から「広報の一環だ」と反論も出ている。原発に限らず、住民の意見を政策決定に反映させる取り組みは国、地方自治体とも珍しくない。許 される動員と不正なやらせ、その「境界線」はどこにあるのか-。
◆識者「当事者関与は問題」
「呼び掛け自体は否定されるも のではない」。玄海原発(佐賀県玄海町)のプルサーマル実施に関するシンポジウムなどで動員が表面化した7月末、九電役員は会見でこう強調した。九電に動 員を依頼した経済産業省原子力安全・保安院の元課長も「主催者として通常の広報だ」。官民とも「許容範囲」と主張する。
◇ ◇
霞ケ関には同情めいた声もある。「Aという考え方の人ばかり集まりそうなときは、Bという考え方の人を集めるため、業界団体に声を掛けることもある」。ある中堅官僚は「動員=悪」という見方に疑問を呈す。
九州の自治体元幹部も「スカスカに空いた住民説明会を経て政策決定すれば、『住民の意見を十分聴いたのか』と批判を受けかねない」と漏らす。過度に結論を誘導しない範囲での動員は問題ないとの立場だ。
「九電の場合は論外だが、動員すべてがダメとは言えない。企画を盛り上げようとするのは社会通念上許される部分もある」。岩井奉信日大教授(政治学)は、一般論としては柔軟にみる。
◇ ◇
原発増設や再稼働をめぐる集会は反対派住民一色となり、容認派の意見が宙に浮く-確かに、そうした懸念はある。
それでも、川上和久明治学院大副学長(政治心理学)は、動員に手厳しい。「集めた参加者は人形ではない。『何か発言して』という振り付け、世論誘導の糸口になる」
川上氏は、2006年の内閣府主催タウンミーティング(TM)のやらせ問題で、政府の調査委員会に加わった。「日本には米国のような草の根民主主義が根付 いていない」として、TMのような取り組み自体に懐疑的だ。「動員しないと参加者が偏ってしまうならば、多様な意見を吸い上げる装置として機能していな い。世論調査や住民投票をした方がいい」
◇ ◇
では、「やらせメール」を誘発したとされる佐賀県の古川康知事の言動はどうみるべきか。
古川知事は「(玄海原発)再稼働容認の意見を経済界から出すべきだ」と九電幹部に述べた事実は認めるものの、「メール投稿を依頼した事実はない」と「誘発説」は否定する。川上氏は「バランスを取ろうと前のめりになり過ぎたのでは」とみる。
岩井氏は(1)一定の方向に議論をリードする意図がある(2)参加を呼び掛けた対象が利害関係者-という“不正基準”を提示する。これに照らせば、広く経済界に呼び掛けるならまだしも、九電という当事者に働き掛けた古川氏は、一線を越えた印象を否めない。
川上氏は住民側にも注文をつけた。「お上任せの意識から脱し、自分たちの問題として積極的に声を上げるべきだ」
=2011/08/08付 西日本新聞朝刊=
電、やらせ認める想定問答作成 6月の株主総会時に
- 2011/8/9 2:08
- 日本経済新聞 電子版
九電の「やらせメール問題」で、同社が6月28日の株主総会に備え、やらせ意見の投稿を社内や子会社にメールで呼び掛けたことを認める内容の想定問答を作っていたことが8日、分かった。総会で質問が出なかったことから、同社はこの段階では公表しなかった。
総会後の7月4日、鹿児島県議会で九電の中村明・原子力発電本部副本部長が投稿依頼について「そのような事実は無い」と否定しており、この答弁は虚偽だった可能性が高…
ごみ焼却灰迫る満杯
流山「9月中旬が限界」
流山市クリーンセンターに保管されている焼却灰(同市提供)
東葛地区の清掃工場でごみの焼却灰から国の基準(1キロ・グラムあたり8000ベクレル)を上回る放射性セシウムが相次いで検出されて約1か月た つが、流山、松戸、柏市などは問題の灰の保管場所に依然、頭を抱える。最終処分場がある県外の自治体などは、基準値以下になるまで焼却灰の受け入れを拒否 する方針を示し、焼却場内などで灰を仮保管する。国に保管場所や最終処分場の確保などを要望しているが、見通しが立たないまま、タイムリミットが迫ってい る。(松本勲、馬場忠雄)
流山市は8日、市クリーンセンター(流山市下花輪)で今月2日に採取した溶融飛灰から2万210ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。先月、検出した2万8100ベクレルより低かったものの、依然、基準を上回るレベルだ。
先月、秋田県小坂町など県外の最終処分場への焼却灰の搬出を停止し、約140トンを同センター内の建屋などに仮保管。焼却灰を減らすため、各家庭 に自宅の草を庭に埋めて処分するなどのごみ減量化を呼びかけているが、このまま焼却を続けると、「仮保管は9月中頃までが限界」(市クリーン推進課)と打 ち明ける。
松戸市も、市内2か所のクリーンセンターで計約30トンの焼却灰を保管しているほか、秋田県小坂町から受け入れ合意を破棄されたため、同町へ搬入する予定だったコンテナ6台分の焼却灰(約60トン)を引き取る。
市和名ヶ谷クリーンセンターでは、2日に採取した焼却灰が基準値を下回ったものの、受け入れ先の自治体が慎重な姿勢を示し、「早期に再開できるかは不明」(市環境計画課)としている。
柏市は市内2か所のクリーンセンターで飛灰の固化物が基準を超え、センター内でドラム缶に入れて保管している。市内の最終処分場への埋め立ては、基準を下回ったとしても周辺住民らの反対で困難な見通し。
流山市や松戸市とともに国に解決策を要望し、「今月中に対処しなくてはならない」(柏市環境部)と危機感を募らせる。
(2011年8月9日 読売新聞)
セシウム含む焼却灰、大館駅から移動 DOWA敷地や松戸市へ
首都圏から運ばれたまま大館市のJR大館駅に留め置かれていた焼却 灰が入ったコンテナ30本の移送作業が8日、始まった。処理を請け負っているDOWAエコシステム(東京)が9日までに同市や小坂町の同社グループ会社の 敷地に運び、一時保管する。千葉県松戸市からの焼却灰は送り返した。
コンテナは、先月12日から16日にかけて千葉、埼玉など首都圏6県から搬出されたが、国の基準を超えるセシウムを含むごみの焼却灰が首都圏から小坂町と大館市に運び込まれたことが発覚したことから、1カ月近く同駅に留め置かれていた。
この日は、コンテナをトラックに載せ、14本を小坂町に、2本を大館市にそれぞれ運んだ。
これに合わせ同市は、同町への運搬ルートとなった県道沿い2カ所で、コンテナを積んだトラックの通過前後に空間放射線量を独自に測定。数値は県内の通常レベルの範囲内だった。
(2011/08/08 20:15 更新)
松戸市の焼却灰「処分を中止」
(秋田県)

小坂町の最終処理施設が千葉県松戸市の焼却灰の受け入れを取りやめたことをうけて、JR大館駅に保管されていた焼却灰が貨物列車で松戸市に送 り返されました。送り返されたのは、松戸市の2つの焼却施設から運び込まれていた焼却灰およそ40トンです。小坂町の最終処理施設に埋め立てられた松戸市 の焼却灰から国の暫定規制値を超える放射性物質が検出されたことをうけて、先月中旬からJR大館駅に保管されていました。
[ 8/8 20:00 秋田放送
72年ぶりコメ先物復活 買い殺到、波乱の初日
2011年8月9日 朝刊
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コメの先物取引が八日、東京穀物商品取引所(東穀取)と関西商品取引所で七十二年ぶりに復活した。東京電力福島第一原発事故の影響などで、今年収 穫されるコメは不足するとの見方から買い注文が殺到。東穀取では初値が付かず、投機資金流入による価格の乱高下が懸念される先物取引は、波乱の幕開けと なった。 (村松権主麿)
◆ターゲット
コメ先物取引は、江戸時代の一七三〇(享保十五)年に大阪の堂島米会所で始まり、一九三九年に戦時経済統制で終了するまで約二百年続いた。一九九五年、コメの価格を国が管理する食糧管理制度の廃止後も、自民党政権はコメの価格維持などを理由に先物取引を認めなかった。
しかし、民主党政権は戸別所得補償制度を導入。政策のターゲットがコメの価格から農家の所得に移り、先物取引再開に道が開かれた。東穀取と関西商取は今年三月、農林水産省に二年間の試験上場を申請。七月の認可を経て、取引スタートにこぎつけた。
記者会見した東穀取の渡辺好明社長は「試験上場を成功させ、本上場に導きたい」と強調。生産者や流通業者、投資家など幅広い参加者を呼び込み、透明性の高い価格形成を目指すとした。
◆ご祝儀相場
コメの供給不足への懸念を浮き彫りにした初日の取引。「関東コシヒカリ」の一俵(六十キログラム)を標準品とした東穀取では、来年一月物が一万八 千五百円のストップ高で終了。現物価格などから設定した基準価格(一万三千五百円)を五千円も上回った。関西商取の来年一月物は、取引開始直後に一万九千 二百十円の初値を付けた後、上がりすぎから三百円の値幅制限まで売られストップ安となった。
東穀取関係者が「原発事故の影響が大きい」とみる一方、ある流通関係者は「取引開始のご祝儀相場だ。次第に適正な価格が見えてくるだろう」と指摘。「これまでになかった機能だから、勉強しながら関わることになるだろう」と話した。
先物取引に期待される役割の一つに、価格変動のリスク抑制がある。例えば田植え前に農家が一定量を一俵一万五千円で売っておけば、収穫後に価格が 下がっても一万五千円を確保できる。流通業者との相対取引で、農協が強い影響力を持つ価格形成に対し、新しい指標となる役割も担う。
これに対し、全国農業協同組合中央会(JA全中)は、「投機資金によって価格の乱高下を招きかねない」と反発し、先物取引への不参加を表明。ただ東日本の農協幹部は「リスク抑制機能などに興味を示す(地域の)組織もある」と一枚岩でないことを明かす。
関係者に期待と不安が混じるなかスタートしたコメの先物取引。「政権が変わったらどうなるか分からない」(農協幹部)との見方もあり、試験上場の成果が問われる。
古米品薄、コメ需給に逼迫感 東穀取先物は値上がり見込み買い殺到
福島第1原子力発電所の事故後に収穫される今年の新米が出回る季節を 控え、コメの需給に逼迫(ひっぱく)感が出ている。8日、コメ先物が試験上場された東京穀物商品取引所では、取引開始直後から買い注文が殺到し値がつかな いまま取引を終了、店頭では原発事故の影響のない2010年産の「古米」に人気が集中し、品薄になっている。
東穀取に8日上場したのは関 東産コシヒカリ。午前9時の取引開始直後から、値幅制限を上回る価格での買い注文が殺到し、売買を一時中断。初値が付かないまま取引を終了した。東穀取の 取引は基準値1万3500円、値幅制限600円。関係者によると1万8000円を上回る注文が相次いだという。
震災や原発事故で東北、北関東のコメどころが大きな被害を受け、放射性物質による汚染も懸念されるため、需給逼迫による値上がりを見越し、汚染の心配が少ないブランドの新米を先物買いする動きが急増した。
一方、店頭では、農林水産省が新米を収穫前後の2段階で検査する方針を公表した今月3日前後から、汚染の心配がない古米の品薄感が強まっている。
ホームセンター大手カインズホームでは1~3日の3日間で、10年産のコメの売上高が昨年同期比30%増となった。「もともとコメが売れる時期ではないのに突出した動き」(同社)といい、すでに在庫切れの状況だ。
大手スーパーでも顧客から「10年産のコメが欲しい」という要望が集中し、現時点で売上高は前年比2桁増。8月に入り入荷した宮崎産などの早場米も好調という。インターネット販売大手の楽天市場でも10年産を中心にコメの売上高が前年比30%増で推移している。
新米の検査で「問題のないことが分かれば需給は元に戻る」(大手スーパー)との見方もあるが、しばらくは古米人気が続きそうだ。(藤沢志穂子)
コメ先物取引:東京市場の初値付かず 価格安定に時間も 需給逼迫の思惑先行
東京穀物商品取引所(東京)と関西商品取引所(大阪)で8日、72年ぶりのコメ先物取引が始まったが、東京では買いが殺到して値幅制限の上限を超 え、売買が成立しないまま終了する波乱の幕開けとなった。東日本大震災と福島第1原発事故、新潟・福島豪雨などでコメの生産量が減り需給が逼迫(ひっぱ く)するとの思惑が背景だ。先行きには不透明感が強く、取引価格の安定には時間がかかりそうだ。
この日は東京・大阪とも買いが先行。特に東京は関東産コシヒカリの気配値が基準値の60キロ当たり1万3500円を大きく上回り、値幅制限の600円を超えたため取引を一時中断。その後も売買が成立しないまま日中の取引を終えた。
取引方法の違う大阪市場は北陸産コシヒカリの11月決済分(11月きり)の初値が1万4320円と高値でスタート。最後は1万4620円で引けた。
初日の高値は震災や豪雨で今年産米の生産減が予想されることが要因。農水省は放射性物質に汚染された農地の作付け制限で5万トン、津波被害で9万 トンの減少を見込む。被災地の生産枠を他の地域に移すなどして12万トンはカバーしたが、収穫後の放射能検査によってはコメの出荷制限が発動される可能性 があるほか、新潟・福島豪雨の影響も未知数だ。
極端な値動きは市場参加者の層の薄さも一因だ。コメ現物の最大の売り手であるJA(農協)グループは「主食をマネーゲームの具にすべきでない」と して先物取引への参加を見送っている。買い手側も「今は投資家による思惑買いが先行しており、リスクが大きい」(関東の大手コメ卸)と慎重な構えを見せて いる。
江戸時代からの歴史を持つコメ先物取引は戦時経済統制が強まった1939年に廃止されたが、農水省が両取引所の申請を先月認可。2年間の試験上場を経て問題がなければ本上場が認められる。
コメ先物取引は、需給を反映した相場が公開されることで市場価格が透明化するほか、農家や流通業者が価格変動リスクを回避できる利点が指摘されている。
今後は投資家だけでなく、生産者や卸売業者などが積極的に参加して、取引に厚みを増すことができるかが安定的な価格形成の鍵になりそうだ。【行友弥、南敦子】
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
コメ先物取引開始 望むのは安定した価格 東北の関係者
東京穀物商品取引所と関西商品取引所でコメ先物取引が始まった8日、市場には買 い注文が殺到した。福島第1原発事故による放射線や台風被害の影響などもあり、思惑が先行した形だ。先物取引での急激な価格変動に、東北の関係者からは懸 念の声が出ている。(編集委員・長谷川武裕)
コメ価格は長期低落傾向をたどり、稲作農家は収入減少に苦しんできた。だが、先物の高騰 に、大崎市で9.5ヘクタールの水田を耕す専業農家佐々木文彦さん(54)は「これまでの米価が安すぎたのは事実だが、農家が望んでいるのは価格の乱高下 ではなく、再生産できる価格水準であり、安定した値動きだ」と語る。
「新米の季節を迎えても、不安材料が多くて今年は喜べないかもしれない」と困惑するのは、みやぎ生協の沼倉優子副理事長。放射線の影響で、最近は事故前に収穫された2010年産米の需要が高まっていた。
「これまで消費者は安全性の問題に不安を抱いていたが、先物価格が急騰すれば、今後はコメの値段も心配しないといけなくなる」と沼倉副理事長は言う。
農協グループとしてコメの先物取引に反対してきた全農宮城県本部の千葉和典本部長は「実勢とはかけ離れた買い注文価格であり、先物市場が投機的だというこ とが初日から示された。これだけ急騰するということは、同じように暴落もする可能性があるということでもある」と先行きに不安を抱く。
コメ流通 に詳しい東北大大学院農学研究科の冬木勝仁准教授(農業経済学)は「東海テレビのテロップ問題などマスコミ報道の影響もあり、予想を上回る値動きとなった と思う。主食のコメだからこそ、過剰に反応したのだろうが、主食だからこそ、本来、量も価格も安定していることが望ましい」と強調している。
2011年08月09日火曜日
コメ上場、東京の初日不成立-原発事故受け買い殺到
掲載日 2011年08月09日
東京穀物商品取引所と関西商品取引所は8日、「米穀」(コメ先物)を試験上場し、取引を開始した。取引初日は 2011年産米への放射能汚染検査の影響から需給の逼迫(ひっぱく)懸念が台頭し買い注文が殺到。東穀取では寄り付き直後からサーキットブレーカーを発動 した。結局この日の取引は成立せず、約72年ぶりとなったコメの先物取引は波乱の船出となった。
同日の取引開始直後、会見した東京穀物商品取引所の渡辺好明社長は「試験上場が秋の作に間に合いひとまず安堵(あんど)しているが先は長い。市場の厚みを確保するよう頑張っていく」と述べた。
同日の取引は、取引開始直後の寄り付き時点で12年1月ぎりが1万8500円の買い気配値を付け取引基準値の1万3500円を上回り、サーキットブレーカーが発動。今年産米への放射能検査の行方を見極めたい市場参加者の間で需給の逼迫感が台頭した格好だ。
コメ先物復活 農家の経営感覚高める一歩に(8月9日付・読売社説)
先物をうまく活用すれば、農家経営の安定やコメ価格の透明性向上も期待できる。市場を意識した競争力あるコメ農業への一歩としたい。
コメの先物取引が8日、東京穀物商品取引所と関西商品取引所で72年ぶりに再開した。
取引初日は買い注文が殺到し、関東産コシヒカリを取引銘柄とする東京では、値段が付かずに終了する波乱の幕開けとなった。
福島第一原子力発電所の事故を受け、放射能汚染がコメにも広がれば供給が不安定になる、との臆測が強まったためとみられる。
様々な要因が価格に影響を及ぼす市場取引の特性を示す結果になったと言えよう。
先物市場は、将来の売買価格を事前に決めておく商品取引だ。
コメの場合、農家と流通業者が収穫前に売買価格を契約する。
例えば、60キロ当たり1万3000円で売ると契約しておけば、実際の価格が1万2000円になっても契約額で売れる。
逆に1万4000円に値上がりしても予定の金額しか得られないが、農家は相場にかかわらず収穫前に収入を把握でき、営農計画を立てやすくなる利点がある。
先物価格が、コメ取引の指標として使われる可能性もある。コメの現物価格は、生産者と流通業者が個別交渉で決めることになっているが、実際には、流通量の6割を占める農協が価格決定の主導権を持つことが多い。
幅広い関係者が参加する先物取引の結果が、個別交渉での目安となれば、価格決定が売り手と買い手の力関係ではなく、市場実勢を反映したものとなろう。
ただ、農協は先物に反対し、取引に参加していない。「コメの需給に悪影響を与える」などと主張しているが、価格支配が弱まり、自らのコメ権益が脅かされることを警戒しているのではないか。
コメ政策の基本方針は、政府や農協の管理が強かった生産・流通面の自由度を増すことにある。
政府はコメの生産量を強制的に減らす減反によって価格を維持する政策から、価格を市場に委ねる考え方に転換した。戦時統制で廃止された先物取引を、2年間の試験的措置として復活させたのも、こうした流れに沿ったものだ。
一方、先物には短期的な利益を狙う資金が流入し、価格を乱高下させる懸念も指摘されている。
農林水産省は投機的資金を抑えるため、値幅や取引数量の制限などを実施する。安心して参加できる監督体制の徹底を求めたい。
(2011年8月9日01時14分 読売新聞)
コメ先物、供給不安で買い殺到
- 2011/8/9 0:33
コメの先物取引が8日、東京穀物商品取引所(東京・中央)と関西商品取引所(大阪市)で始まった。全国農業協同組合連合会(全農)が参加 を見合わせたため売買が低迷するとの見方もあったが、東穀取では想定を上回る高値の買い注文が膨らみ、取引が終日成立しなかった。関西商取も同取引所とし ては異例の高水準の売買高を記録した。原発事故に伴う新米の供給不安から幅広く注文が集まったもようだ。
■機動的にルール変更 東穀取では、事前に決めた基準値(60キログラム1万3500円)を大幅に上回る価格で売買が成立しそうになると、 取引を一時停止する「サーキットブレーカー」という仕組みがある。極端な価格変動を避ける狙いだ。基準値からの値幅制限は1日600円だが、取引開始後の 気配値は1万8500円(2012年1月限)と大きく上回った。
基準値は「今秋収穫の新米について生産者団体の卸値見通しなどを基に設定した」(東穀取)。福島第1原発の事故に伴う放射性物質検出への懸 念で需要が低迷するとの予想もあったが「作付面積の減少などで需給が締まるとの見方を反映した」(商品取引会社の日本ユニコム)結果になった。
東穀取は値幅制限を拡大するなど取引ルールを機動的に変更する考え。9日は特例措置として、取引基準値を1万6400円、変動幅を1000 円とし、早期の取引成立を目指す。「初日は個人投資家が中心。現物の取引価格との差が大きく、農家や卸会社などが本格的に参入すれば値下がりする」との声 もある。
コメ流通の6割を握る全農グループはコメ取引が投機資金にさらされるとして、取引に参加しない方針。全国農業協同組合中央会は初日の取引について「投機家が供給不足を先読みした結果、現物相場とかけ離れた価格で取引された」と指摘する。
東穀取は今後、全農や卸会社などに先物取引の役割を粘り強く説明して参加を促し、価格形成機能を高める努力が求められる。
■関西も注文膨らむ 一方、関西商取では8日のコメ売買高は1万1289枚(枚は最低取引単位)で、従来の同商取の1日当たり売買高合計の 約40倍に達した。11年11月限と12年1月限の終値に4000円以上の差が付いた。「1月限で受け渡しできるコメは、品薄懸念の強い11年産に限られ ることが響いた」(商品取引会社)という。
コメ先物値付かず、終日買い注文が殺到
コメの先物取引が8日、72年ぶりに復活し、東京穀物商品取引所(東穀)と関西商品取引所で行われた。東穀では、初日の想定価格を1俵(60キロ)あたり1万3500円としていたが、コメの供給不安から買い注文が殺到。
気配値が1日あたりの値幅制限である600円を大きく上回る1万8000円前後で推移したため、取引は終日成立しなかった。
一方、関西商品取引所では、来年1月の引き渡しとなる6か月ものが、想定を大きく上回る1万8910円で取引された。4か月物は1万4620円、5か月物は1万4840円だった。
コメ先物への買い注文が殺到したのは、福島第一原子力発電所の事故や、米所の新潟県などを襲った豪雨の影響による供給不安が理由だ。
東穀は価格が付かなかったことに対応して、9日の取引開始値を1万6400円とすることを決めた。
(2011年8月9日01時50分 読売新聞)
(上) 先物の裾野 主食で広げる 適正な価格指標形成に期待
2011.8.8 22:22 (1/3ページ)
「コメに対する関心の高さを実感した。できるだけ早く、1日の出来高を1万枚へ持っていき たい」。関西商品取引所の岡本安明理事長は8日、コメ先物の初めての立会取引を見届け、抱負を語った。コメ先物は江戸時代の大坂で始まり、世界最大の米シ カゴ商品取引所より歴史は120年ほど古い。その伝統ある市場が72年ぶりに復活しただけに関係者の思いはひとしおだ。
東京穀物商品取引所と同時にコメ先物取引をスタートさせた関商取では、取引所が価格を提示して注文を募る▽さまざまな値段で売りと買いの注文が蓄積される▽売り買いの枚数が一致したところで取引成立(約定)-という流れの「板寄せ」方式を採用している。
関商取でのコメ先物取引の仕組みを簡略化すると、次のようになる。例えば卸業者が田植えの時期にコメの現物3トンを1俵(60キロ)1万5千円、計75万 円で仕入れる契約を農家と結んでいたものの、収穫期には1俵1万円に米価が下落。このままでは卸業者は計75万円で仕入れた3トンのコメを50万円でしか 売れず、25万円の損失を抱えるが、「1俵1万4800円として計74万円で売る」という先物の契約をしておけば、先物価格で売った後に50万円で買い戻 すことで24万円の利益が発生。差し引きの損失を1万円に抑えられる。
こうした機能は「ヘッジ(保険つなぎ)」と呼ばれ、卸業者や食品メーカーはあらかじめ決め た価格でコメを調達可能になる。農家も米価が下がると予想される時は先物で売る契約をしておき、値下がり損の回避に活用できる。投資家も株や貴金属などと 同様、売買による利ざやを稼げる。
これに対し、コメの現物市場で約6割のシェアを握る農協(JA)グループは「コメが投機の対象になる」 として、取引に参加しない方針。関商取と東穀取が平成17年にコメ先物上場を申請した際もJAが猛反発したうえ、農林水産省も農家を生産調整に誘導してい る現政策との整合性が保てないとの理由で不認可とした経緯がある。
今回ようやく農水省が認可したわけだが、この背景には3月末で全国米穀 取引・価格形成センターが解散し、コメの流通価格にますますJAの力が大きくなると懸念されたこともある。コメ先物が客観的な米価の指標形成に役立てば、 卸業者や小売業者からも「適正な利潤が期待できる」との声が聞かれる。
ただ、そのためにはコメ先物市場に投資家を含め幅広い参加者が集まる必要がある。関商取の 岡本理事長は「コメは日本人の主食。商品先物の社会における必要性や意義をより多くの人に理解してもらうための大事なツールでもある」と強調。投機性が問 題視されがちな先物取引の裾野を広げるためにも身近なコメこそが最適だとの見方を示す。
◇
小麦、トウモロコシと並ぶ世界三大穀物のコメの先物価格が日本発でグローバルに発信されれば、日本経済の活性化にも役立つと期待される。今後2年の試験上場期間を経て、本上場への移行を目指すコメ先物取引をめぐる関係者の思惑を追った。
◇
【コメ先物取引】 半年先など一定の将来の決済月(限月)に、あらかじめ決めた値段でコメの売買(決済)を約束する取引。決済期日前なら自由に転売や買い戻しができる。価格 は1俵(60キロ)当たりを10円刻みで決め、最低取引単位は「1枚」と数えるが、関西商品取引所の1枚=3トンに対し東京穀物商品取引所は6トンとして いる。コメ先物市場は昭和14年に廃止されたものの、農林水産省が今年7月、関商取と東穀取が申請していた試験上場を認可した。
もんじゅ:「脱原発」対象 首相、廃炉含め「検討必要」
菅直人首相は8日の衆院予算委員会で高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について「原発に依存しないでもやっていける社会を目指す。この中に は使用済み燃料の再処理、もんじゅも含まれる。この方向性を計画的、段階的に目指していくことが必要だ」と述べ、今後の核燃料サイクルなど原子力政策全体 を見直す中で、もんじゅの廃炉を含め幅広く検討する必要があるとの認識を示した。社民党の服部良一氏への答弁。
首相は、使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の処理について「長期に安定的に管理し、後世に悪影響を残さないで済むかが極めて深刻な問題、原子力の持っている本質的な問題点だと認識している」と強調した。
日米両国などがモンゴルに使用済み核燃料の中間貯蔵・最終処分施設を建設する極秘計画については「我が国で発生した使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物を外国で貯蔵、処分することは現時点では考えていない」と述べた。【西田進一郎】
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
事故で停止中の「もんじゅ」廃炉含め検討 菅総理(08/08 16:44)
菅総理大臣は現在、事故を起こして停止中の高速増殖原型炉「もんじゅ」について、廃炉を含めて検討していく考えを示しました。
菅総理大臣:「私が原発に依存しないでもやっていける社会を目指すと申し上げました。この原発依存のなかには、今のような使用済み燃料をどうするか、その一つとしての再処理、あるいは、もんじゅといったことも含まれているわけであります」
そのうえで、菅総理は、核燃料サイクル事業についても「予断を持たずに検討する」と述べて、見直す姿勢を示しました。また、菅総理は、使用済み核燃料をモンゴルなど外国に貯蔵することについては、「現時点では考えていない」と述べるにとどまりました。
首相「もんじゅ廃炉も」 核廃棄物問題、解決へ決意
2011年8月9日 00時26分
菅直人首相は8日の衆院予算委員会で、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、廃炉も含めて検討すべきだとの認識を示した。
首相は「原発に依存しない社会を目指すと言ってきた。依存の中には使用済み核燃料の再処理、もんじゅも含まれる。この方向性を十分に議論し、計画的、段階的に目指していくことが必要だ」と述べた。高木義明文部科学相もすでに開発中止を含め検討していく考えを示している。
首相は、使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物に関し「長期に安定的に管理し、後世に悪影響を起こさないようにするのは深刻な問題だ。徹底的に検証する姿勢で(解決策の検討に)臨む」と強調した。
ただし「わが国で発生した使用済み燃料や放射性廃棄物を外国で処分、貯蔵することは現時点で考えていない」と表明。逆に「(原発の)輸出先で発生する使用済み核燃料などの処理は、当該国が責任を持って取り組むべき問題だ」と引き取る考えもないとした。
(中日新聞)
もんじゅ廃炉も検討 首相、燃料サイクル見直しに言及
- 2011/8/8 19:32
菅直人首相は8日の衆院予算委員会で、運転停止中の高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、廃炉も含めて検討する考えを示し た。「原発に依存しないでもやっていける社会を目指す。依存の中には使用済み核燃料の再処理、もんじゅも含まれる」と指摘、青森県六ケ所村にある再処理工 場を含めて核燃料サイクル政策の抜本的な見直しに言及した。
そのうえで「この方向性を十分に議論しながら計画的、段階的に目指していくことが必要だ」と述べた。社民党の服部良一氏がもんじゅの廃炉を求めたことへの答弁。
政府は7月29日にまとめた中長期のエネルギー戦略の論点整理で、脱原発依存に向けて「原子力政策の総合的な検証をする」と明記した。首相は予算委で「あらかじめ予断を持たずに徹底的に検証する」と強調した。
使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の扱いに関しては「長期に安定的に管理し、後世に悪影響を残さないで済むかが深刻な問題だ」と語った。使用済み燃料の処理方法では「外国で貯蔵、処分することは現時点で考えていない」と述べた。
もんじゅを巡っては、高木義明文部科学相が7月中旬の記者会見で、開発中止を含めて検討する考えを示唆した。だが、この発言が福井県などで波紋を広げ、文科相が直後に会見して発言を事実上撤回した経緯がある。
日本はエネルギー資源を効率的に使うため、原発推進と歩調を合わせて、使用済み核燃料を再処理し燃料に再び利用する核燃料サイクル政策を推 し進めてきた。高速増殖炉や再処理工場は、この政策を支える基幹施設。ただ、もんじゅが1995年のナトリウム漏れ事故で15年間、運転を停止するなど、 計画は足踏み状態が続いていた。
菅直人首相は8日の衆院予算委員会で、高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉も検討する意向を示した。
報道によると、菅首相は「原発に依存しない社会を目指すと言ってきた。依存には、使用済み核燃料の再処理、もんじゅも含まれる」と述べ、「この方向性を十分に議論し、計画的、段階的に目指していくことが必要」と語った。
もんじゅは使用済み核燃料などから作り出す「プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料」を利用し、発電する技術の実用化に向けて研究開発を 行う施設である。1995年に冷却用のナトリウム漏洩事故が起こり、約15年間運転を休止していたが、2010年5月6日から運転を再開していた。
菅首相は8日、社民党の服部良一氏の質問に対する答弁で、使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物の扱いに関しては「長期に安定的に管理し、後世に 悪影響を起こさないようにするのは深刻な問題だ」と語った。また「外国で処分、貯蔵することは現時点では考えていない」と述べた。
首相、高速増殖炉「もんじゅ」廃炉も含め検討
菅首相は8日の衆院予算委員会で、運転停止中の日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、廃炉も含めて検討する意向を表明した。
自らが表明した「脱原発」方針に関連し、「使用済み核燃料の再処理、あるいは『もんじゅ』も(原発依存からの脱却方針に)含まれている。この方向性を十分議論しながら、計画的に目指していくことが必要だ」と語った。
「もんじゅ」は、政府がエネルギー政策の柱と位置づけてきた「核燃料サイクル」の要となる施設。消費した燃料よりも多くの燃料を生み出せる「夢の原子炉」として、2050年度の実用化を目指している。
政府が7月29日に発表した「革新的エネルギー・環境戦略」の中間的整理では、原発依存度を低減するシナリオの具体化に向け、核燃料サイクル政策を含む原子力政策を総合的に検証する方針を示していた。
だが、「もんじゅ」の廃炉への言及はなく、首相の国会答弁は、政府内の調整を抜きに一方的に発言している印象も強い。
(2011年8月9日01時50分 読売新聞)
首相 核燃料サイクル見直しを
菅総理大臣は、衆議院予算委員会で、高速増殖炉「もんじゅ」など、国が推進する「核燃料サイクル」について、中長期のエネルギー政策を議論するなかで見直しを含め検討する考えを改めて示しました。
この中で、菅総理大臣は、中長期のエネルギー政策の見直しについて、「先月29日にまとめた中間整 理では、原子力政策を徹底検証し、新たな姿を追及することを打ち出した。まさに今、そのことが必要な時期だと考えている」と述べました。そのうえで、菅総 理大臣は「原発に依存しないでもやっていける社会の中には、使用済み核燃料の再処理の問題や、『もんじゅ』のことが含まれている。結論を今言うのが適切だ と思わないが、いろいろな重要課題があるなか、しっかりと検討を進めていきたい」と述べ、国が推進する「核燃料サイクル」を見直すことも含め検討する考え を改めて示しました。一方、G7=先進7か国の財務相と中央銀行総裁が発表した緊急の共同声明について、野田財務大臣は「金融市場の緊張が高まるなか、連 帯して行動していくことを確認した。今の段階で効果をどうこう申し上げるところにはなく、引き続きマーケットの動向を注視していきたい」と述べました。
首相、もんじゅの廃炉検討 使用済み燃料の海外処分否定
菅直人首相は8日の衆院予算委員会で、核燃料サイクル事業の見直しについて高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃炉も含めて検討する意向を示した。社民党の服部良一氏の質問に対する答弁。
首相は「原発に依存しない社会を目指すと言った。原発依存には、使用済み核燃料をどうするか、再処理あるいは『もんじゅ』も含まれている」と指摘。「方向性を議論をしながら、計画的、段階的に目指していくことが必要」と述べた。
宮城産肉牛1頭から規制値超すセシウム
一般には流通せず
県は8日、県内に出荷された宮城県産の肉牛1頭の放射性物質検査を行ったところ、放射性セシウムが1キロ・グラムあたり620ベクレル検出され、 国の暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を上回ったと発表した。河北町の食肉販売店などに保管されており、一般には流通していない。
この1頭を加え、高濃度の放射性セシウムに汚染された疑いのある稲わらを与えられた宮城県産牛で、山形県内での流通が確認されたのは256頭になった。
県はほかにも、宮城県産の汚染された疑いのある稲わらを与えられた山形県産牛3頭の検査を実施、放射性セシウムは290~160ベクレルで、規制値は下回った。
(2011年8月9日 読売新聞)
セシウム汚染問題受け 関西のスーパーも独自に検査
2011.8.8 22:53 (1/2ページ)
放射性セシウムに汚染された稲わらが肉牛に餌として与えられていた問題を受け、関西地盤のスーパーでも放射性物質の検査済み牛肉を販売したり、放射線測定器の導入を検討したりする動きが出始めた。店頭での国産牛肉の売り上げが低迷する中、信頼回復に力を入れる。
イズミヤは8日、仕入れ先の卸業者の協力を得て放射性物質の検査を実施し、検査済みの国産牛肉の販売を開始。天下茶屋店(大阪市西成区)の精肉売り場では、国産牛肉が並ぶ売り場に検査済みを知らせる告知がなされた。
国産牛のセシウム汚染問題が発覚した7月中旬以降、同社でも国産牛肉の売り上げは落ち込んでおり、「安心して買っていただくためにできることをした」(畜産部の柳川素顔(すがお)チーフマネジャー)。
天下茶屋店で国産牛肉を買った近くの主婦(42)は「大丈夫かなと思ったが、お店を信じるしかない。店が一生懸命に取り組んでいることはありがたい」と話した。
関西や首都圏で店舗展開するライフコーポレーションは、9月にも放射線測定器を埼玉県栗橋町の自社物流センターに導入するほか、大阪市住之江区の物流センターでも導入を検討している。
測定器導入には数千万円かかるとみられるが、担当者は「自社でできることを精いっぱいやることで、買い物客の信頼を高めていくしかない」としている。
一方、大手スーパーでは、イオンがプライベートブランド(PB、自主企画商品)で1日から、検査済みの国産牛肉の販売を近畿と中・四国の115店舗で開 始。イトーヨーカ堂は8日、販売する全ての国産牛肉を対象に検査を行うと発表。10日から、店頭に並ぶのは全て検査済みの牛肉となる。
イトーヨーカ堂、検査済み牛肉だけを販売へ
放射性セシウムに汚染された疑いのある稲わらを食べた牛肉が流通した問題で、イトーヨーカ堂は8日、全国171店舗で、放射性物質について検査済みの国産牛肉だけを販売すると発表した。
全頭検査を行うのは仕入れ先の卸業者など7社で、一部はすでに始めている。10日には店頭に並ぶすべての国産牛肉が検査済みになるという。
大手スーパーでは、イオンも自主企画商品(PB)の国産牛肉について、7月下旬から全頭検査を始めている。
(2011年8月8日18時30分 読売新聞)
放射性セシウム暫定規制値以下 県内流通の山形産牛肉 |
| 放射性セシウムに汚染された稲わらを与えた可能性のある山形県産の肉用牛2頭分の牛肉が佐賀県内に流通した問題で、佐賀県は8日、山形県が調査した結果、いずれも国の暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)を下回ったと発表した。 県に入った連絡では、佐賀県内で流通した2頭と同じ個体識別番号の牛肉を山形県が東京都健康安全研究センターで検査した。その結果、検出された放射性セシウムは1キログラム当たり160ベクレルと290ベクレルだった。 これまでに判明した県内で流通した汚染疑いの牛肉は、福島県産9頭298キログラムと山形県産2頭24キログラム。福島県産の1頭を除く10頭が検査済みで、いずれも暫定規制値を下回った。 |
| 2011年08月08日更新 |
セシウム汚染問題 石川県産牛肉の検査 準備整う (08日)
放射性セシウムに汚染された疑いのある牛が全国に流通し ている問題を受け、金沢市では先週、石川県産の牛肉を検査する方針を決めました。検査は石川県内唯一の食肉処理場、県金沢食肉流通センターで処理される県 産の牛肉が対象で、当面は石川県保健環境センターが行います。検査の準備は8日に整ったものの、県産の牛肉の入荷はなく、実際の検査は9日以降行われま す。また県外産の牛肉が入った場合は、出荷元が安全を確認していなければ簡易検査をする予定です。県保健環境センターでは普段、志賀原発周辺の空気や土 壌、農作物の放射性物質を測定しています。牛肉の検査では食肉流通センターから運ばれた検体を1センチ角に切ったあと容器につめ、検出器の中で検体のガン マ線を1時間かけて測定すると、セシウムの濃度を含めた放射性物質の量が判明するということです。 (15:53)
イトーヨーカ堂、国産牛肉の放射性物質の全頭検査を実施
- 2011-08-08 17:53:30

香川県内の水田は基準下回る/コメ「予備検査」
2011/08/09 08:57
香川県は8日、県内6カ所の水田土壌を調査した結果、国が東北・関東などの17都県に求めている、収穫前にコメの放射性セシウム濃度を検査する「予備検査」の対象区域の基準を下回ったと発表した。
東京電力福島第1原発の事故を受け、農林水産省は17都県について、収穫前と収穫後にコメの検査を実施することにしている。香川は対象外だが、安全を確認するため独自に土壌の調査を行った。
調査は農業試験場、石田高などの県立施設で水稲を栽培している土壌が対象。土壌のセシウム濃度は1キロ当たり3~5ベクレル程度、空気中の放射線量は毎時0・05マイクロシーベルト程度だった。
予備検査は、土壌のセシウム濃度が同千ベクレル以上か、空気中の放射線量が同0・1マイクロシーベルトを超える地域が対象で、県内はいずれも基準を下回った。
コメ検査、1市町村1カ所超に 県内地点、月内にも決定
県は8日、今年収穫するコメを対象にした農林水産省の放射性セシウ ム濃度の検査が本県でも行われることに伴い、収穫後に実施する本検査の検査地点を、今月中にも決めることを明らかにした。佐竹敬久知事が同日の会見で「偏 在がないように決めたい。1市町村1地点ではなく、それよりも多くなるだろう」と話した。
農水省のコメ検査は本県を含む17都県を対象としており、収穫前の予備検査と収穫後の本検査を実施する。土壌のセシウム濃度が1キロ当たり千ベクレル以 上か、空気中の放射線量が平常時(毎時0・1マイクロシーベルト)を超える市町村のほか、各都県が選んだ市町村が対象。県は予備検査として、県北、県央、 県南計3カ所で検査することを既に決定している。
県内ではJAグループが、合併前の旧市町村を単位として検査を行う方向で検討していたが、農水省の方針決定により、JAグループに代わり県が検査を実施することになる。
(2011/08/09 08:51 更新)
akita
放射性物質検査 独自で「つや姫」も 県、安全性PR図る
山形県は8日、県産米の放射性物質の検査について、国の方針に基づいて収穫前後 の2段階で実施するとともに、県開発の「つや姫」の検査も独自に行う方針を明らかにした。収穫の遅い晩生(おくて)品種のつや姫は事実上、国が示す検査の 対象外になるため、ブランド化を進めるには特別に検査し、安全性をPRする必要があると判断した。
国の方針に従い、収穫前の予備検査を県内44地点で行い、本検査を「昭和の大合併」前の旧235市町村ごとに行う。放射性セシウムが1キログラム当たり500ベクレルの基準値を超えた場合、旧市町村単位で出荷を制限する。
国の方針通りだと、予備検査、本検査ともそれぞれ対象地点1カ所につき1回だけの検査となるため、早生(わせ)や中生(なかて)の品種で検査が終了すると、晩生品種は検査の必要がなくなる。
山形県の場合、早生の「あきたこまち」や中生の「はえぬき」が検査対象になる一方、9月下旬に収穫が始まるつや姫は国の方針に基づく検査の対象から外れ る。県は「つや姫は県産米の販売戦略を考えた上で重要な品種」(生産技術課)として、独自に県内44地点で本検査と同等の検査を行う。
吉村美栄子知事は8日の定例記者会見で「検査で県産米の安全性を確認し、コメ主産地の役割を果たしたい」と話した。
2011年08月09日火曜日
yamagata
32市町村で「コメ予備調査」
放射性物質問題知事考え示す
コメの放射性物質検査について、村井知事は8日の記者会見で、収穫1週間前に行う「予備調査」を、県内の32市町村で実施する考えを明らかにした。
国の方針では、空間放射線量が0・15マイクロ・シーベルト以上の市町村を対象としており、県内では14市町が該当するが、「それでは消費者、生 産者の不安をぬぐえない」(村井知事)と判断した。収穫後に行う本調査は、コメの安全性を担保するため、作付けがない女川町を除く34市町村すべてで行 う。
県によると、予備調査は9月初旬から実施し、女川町のほか、作付け面積が小さい塩釜市と七ヶ浜町を除く32市町村約120地点で、収穫前の玄米の状態でサンプルを採取し、放射性物質の有無を調べる。
予備調査で1キロ・グラム当たりの放射性セシウムが200ベクレルを超えた市町村は本調査で重点調査区域とし、15ヘクタールごとに1地点を検査する。
200ベクレルを下回った市町村は、本調査では1950年当時の旧市町村ごとに1地点以上を検査し、国の規制値(1キロ・グラム当たり500ベク レル)を超えなければ販売できる。規制値を上回れば、重点調査区域に指定され、再検査でも規制値を超えれば、旧市町村単位での出荷停止・廃棄となる。
村井知事は「水稲は県の1次産業の中核。他県より詳細に調べることが何よりも重要だ」と強調した。
(2011年8月9日 読売新聞)
コメ放射性物質検査 「予備」は3自治体で
「本調査」は全市町村
佐竹知事は8日の記者会見で、今秋収穫されるコメの放射性物質検査の概要を発表した。国が検査の枠組みを「予備調査」と「本調査」の2段階に分け ている点を踏まえ、県は、県内3か所から採取した収穫前の玄米の検査を予備調査とし、収穫後の玄米を調べる本調査では、県内全25市町村で採取する方針を 明らかにした。本調査の詳細は月内に決める。
コメの検査は当初、秋田県以外の14都県で実施されることになっていたが、8月1日、岩手県の牛の肉から基準値超の放射性セシウムが検出されたこ とを受け、本県も追加された。国は検査の枠組みを示しているが、本県は空間放射線量や土壌のセシウム濃度が基準値未満のため、県が独自に検査方法を決める ことができる。
県によると、まず全県から3自治体を選び、採取したコメを予備調査する。国の枠組みでは、検出された放射性物質が1キロ・グラム当たり200ベク レル以上であれば15ヘクタールごとに本調査し、200ベクレル以下であれば、予備調査した市町村を旧市町村単位で本調査することになっている。県もこれ に即した方法を軸に検討している。予備調査の対象外の市町村では、最初から本調査に入る。
本調査で国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超えるセシウムが検出された場合、現市町村や、旧市町村単位で出荷制限がかけられる。県は予備調査を9月中旬、本調査を9月下旬から行う方針。検査結果は随時、県のホームページで公表する。
佐竹知事は会見で、調査か所について、「検査能力にもよるが、できるだけ細かければいい。25市町村よりは多くなるのではないか」と述べた。
県流通販売課は「秋田産のコメは絶対に大丈夫だと思うが、しっかりとコメの安全を確認し、消費者にPRしたい」としている。
(2011年8月9日 読売新聞)
コメ放射性物質調査 「収穫前」も実施へ
県、つや姫も独自検査
県産米の安全性を確認するコメの放射性物質調査について、吉村知事は8日の定例記者会見で、農林水産省の基本方針に従い、収穫前後の「2段階調査」を実施すると発表した。
県内では、土壌や空間放射線量から平常時を超える値が検出されていないことから、収穫前の予備調査を見合わせる選択肢もあったが、吉村知事は「食 糧基地である東北地方が地震や原発事故で大きな被害を受ける中、コメの主産地としての役割を果たすため、調査を的確に実施する」とした。
県農林水産部によると、コメの収穫前に放射性物質濃度の傾向を把握する第一段階の予備調査は8月下旬から9月上旬にかけて、「平成の大合併」前の旧44市町村ごとに、収穫1週間前の玄米からサンプルを採取して行う。
出荷制限の要否を判断するために、収穫後の玄米を対象に行う第二段階の「本調査」は9月中・下旬に実施。予備調査で、放射性セシウムが一定の基準 (1キロ・グラムあたり200ベクレル)を超えた場合は約15ヘクタールの集落ごとに、一定基準以下であれば、1953年に始まった「昭和の大合併」以前 の旧235市町村ごとに進める。
また、県は農水省が示した調査とは別に、ブランド化を進める県産米新品種「つや姫」についても、旧44市町村単位で放射性物質調査を行う考え。
いずれの調査結果も判明次第、公表する。食品衛生法上の暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を超えた場合は、旧235市町村の単位で出荷制限の措置が取られる。
各農家は、調査結果が判明するまで出荷自粛を求められるため、県農林水産部は「出荷遅延などの影響が出ないように、迅速に調査を進めたい」としている。
(2011年8月9日 読売新聞)
JAは自主検査取りやめへ
県の検査実施を受け
県内の全16JAのうち、少なくとも半数の8JAが、コメの放射性物質検査を自主的に行う方針だったが、県が全25市町村で本検査を行う方針を固めたことで、多くのJAが自主検査を行わない可能性が高まった。
読売新聞が集計したところ、県内の8JAが自主検査の意向を示していた。国がコメの検査対象に本県を含める以前、県が予定していた自主的な検査 は、県内3か所に限定されていた。こうしたことから、独自検査を予定するJAがあったが、少なくとも25市町村で本検査される見通しとなった。
JA秋田中央会は当初、県が実施を予定していた自主検査を補う意味から、近く各JAに対し、それぞれが自主検査を行うよう促す通知を出す予定だったが、県の検査概要がわかり、通知をとりやめた。
佐竹知事も8日の記者会見で、「農協(の自主検査)は行政に振り替わると解釈していい。農協じゃなくて県がやる」と述べ、行政が責任を持って実施する以上、JAによる重複の検査は不要との考えを示した。
一方、JA秋田中央会は「万が一、どこかの自治体で汚染されたコメが出れば、その自治体の農家は全員出荷できなくなる。リスクを小さくする意味でも、県には細かく本調査の対象範囲を指定してほしい」と希望を述べた。
県は今後、関係団体と協議した上で本調査の対象を決めるとしている。
(2011年8月9日 読売新聞)
放射性物質 県産米を独自検査
県、中旬から「安全・安心確保を」
福島第一原発の事故を受け、農林水産省が東日本の自治体にコメの放射性物質の検査を指示していることで、県は8日、今年収穫される県産米につい て、県独自の検査を行っていくと発表した。農水省の指示の対象外だが、「県産米の安全・安心を確保したい」としており、収穫を間近に控えているため、8月 中旬から始める。(中村申平)
県農畜産振興課によると、検査は、JA島根中央会など農業団体と共同で実施。「平成の大合併」前の旧市町村単位(知夫村を除く)で、収穫前の玄米と稲わらを1点ずつサンプル検査する。
民間分析機関などに委託して放射性物質の値を分析。玄米は国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)、稲わらは暫定許容値(同300ベクレ ル)が基準だが、超えた場合に出荷停止とするかどうかは決めていない。分析費用は県と農業団体が折半。検査は8月中旬から9月にかけて。結果は県のホーム ぺージで公表する。
同課によると、県内のコメの収穫は今月中旬から始まる。9万8000トンの収穫量が目標で、昨年は約10万トンを収穫している。
コメの検査については農水省が3日、検査方法を公表。対象は、東北や関東地域の17都県で、予備検査と本検査の2段階で行う。放射性物質が規制値を超えると出荷停止となる。
西日本の自治体は対象に含まれていないが、鳥取県などが独自に検査を行う意向を示している。
(2011年8月9日 読売新聞)
島根県、コメの放射性物質調査
- 2011/8/9 0:13
島根県は8日、2011年の県内産のコメと稲わらを対象に放射性物質の調査を行うと発表した。国の調査指示対象県ではないものの、消費者の安心・安全を確保する観点から自主的に実施することにした。
調査は県と島根県農業協同組合中央会、全国農業協同組合連合会島根県本部が共同で8月中旬から9月にかけて実施する。民間分析機関などにも 委託する。作付けを行っている各市町村ごとに、県内各地の農協が原則として収穫前の段階で玄米、稲わら各1点ずつを採取して調査に回す。
溝口善兵衛知事は発表に先立つ8日の定例会見で、「(放射性物質は)大気中を浮遊しているわけでしょう。当座は県としてできることを自主的 に行うが最終的な負担は国が追うべきだ」と、国にも積極的な対策を求める姿勢を示していた。放射性セシウムに汚染した稲わらが肉牛に与えられた疑いが出て いる問題でも、知事は農水省に全国的な対応を要請していることを明らかにした。
佐賀知事発言メモ、県議会特別委に提出へ
九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働を巡る「やらせメール」問題で、九電は、佐賀県の古川康知事と面談した佐賀支店長(当時)が作 成した知事発言メモを9日の県議会原子力安全対策等特別委員会に提出する。特別委では、国主催の県民向け説明番組に再稼働への賛成意見を投稿するよう九電 に要請したのかどうか、知事を追及する見通しだ。
メモは、説明番組が開催される5日前の6月21日、九電副社長(当時)ら3人が知事と知事公舎で面談し、佐賀支店長(同)が副社長の指示で、A4判2枚に作成。特別委への提出は知事が8日、九電に要請した。
メモによると、知事は、玄海原発2、3号機を再稼働させるために、〈1〉支持者を通じた自民党系県議への働きかけ〈2〉説明番組へのネットを通じた賛成投稿――を九電に要請したとされる。特別委では、「議会工作」や「やらせ」に関するメモの真偽が焦点となる。
(2011年8月9日 読売新聞)
メモ問題 きょう質疑
九州電力の「やらせメール」問題で、古川康知事との会談内容を記録したという九電幹部のメモは、作成当時の県議会の状況や知事の「持論」と合致する 部分が多い。メモにある知事発言の真偽について説明を求める報道陣が8日朝も知事公舎前に集まったが、知事は「明日、県議会できちんと話す」と述べるにと どめ、9日の原子力安全対策等特別委でのやり取りに注目が集まっている。
知事と九電幹部3人が知事公舎で会談した6月21日当時、知事は玄海原発2、3号機の運転再開に必要な条件として、(1)原発の安全性の確認(2)立地町である玄海町の意向(3)県議会での議論を挙げていた。
6月20日の県議会一般質問では、原発推進派である自民党県議の一部からも「県民の不安の声を肌身で感じ、今すぐには運転再開に同意出来ない」と慎重な 声が出ていた。メモには、自民系県議について「いろいろなルートで議員への働きかけをするよう支持者にお願いしていただきたい」とあり、議会工作依頼と受 け取られかねない内容だ。
メモには「危惧される国サイドのリスクは『菅総理』の言動である」とも。6月18日には海江田万里経済産業相が原発の安全を宣言し、全国の停止中の原発 に運転再開を要請した。知事は同日の取材に「国のスタンスが理解できた」とする一方、「本当は総理は(再開したいのか)分からないと思っているんだけど ね」と不安を漏らしていた。
徳光清孝県議(社民)は「知事はどういうことを話したのか、事実をしっかり説明してほしい」と話す。(岩田正洋)
「菅総理の言動がリスク」と佐賀県知事発言メモ(08/06 17:37)
玄海原発の運転再開に絡むやらせメール問題で、九州電力側が作成した古川知事の発言メモに、「危惧されるリスクは菅総理の言動」という内容が書かれていることが分かりました。
メモは、玄海原発の運転再開をめぐる説明番組の5日前、当時の副社長らと佐賀県の古川知事が会談した時の知事の発言内容をまとめたものです。九州電力や関 係者によりますと、メモには「総理の言動でスケジュールが遅れることを心配している。菅総理が全国知事会で読む予定だった原発の運転再開に向けたメッセー ジを突然、読まなかった」という内容が書かれているということです。また、「自民党系の県議は運転再開の必要性を分かっている。さまざまなルートで議員に 働きかけるよう支持者に依頼してほしい」という内容も含まれていました。ただ、第三者委員会は、知事の発言とメモの内容は食い違いがあるとしていて、事実 関係を精査しています。
「リスクは菅総理の言動」“佐賀知事発言メモ”(08/07 00:31)
玄海原発の運転再開に絡むやらせメール問題で、九州電力側が作成した古川知事の発言メモに、「危惧されるのは菅総理の言動」と記されていたことが分かりました。
ANNは、玄海原発の運転再開をめぐる説明番組の5日前に当時の副社長らと佐賀県の古川知事が会談した後、九電側がまとめた知事の発言メモを入手しまし た。懸念する材料として、「全国知事会で菅総理が原発の運転再開に向けたメッセージを読むことになっていたが、その場になって読み上げてくれなかった」 「総理の言動でスケジュールが遅れることが心配」などと発言したと記されています。また、「自民党系の県議は運転再開の必要性を分かっている。さまざまな ルートで議員に働きかけるよう支持者に依頼してほしい」とも述べています。これについて、九州電力は「知事の発言とメモの内容には食い違いがあり、第三者 委員会に調査を委ねている」としています。
やらせメール 佐賀知事、きょう県会特別委参考人招致
2011.8.9 02:03
■発言メモ、引き金か 添付し送信、問題拡大?
玄海原子力発電所(佐賀県 玄海町)再稼働をめぐる九州電力の「やらせメール」問題は、発覚から1カ月が経過しても全容は不透明だが、ここにきて九電幹部と面談した際の古川康・佐賀 県知事の発言を元にしたメモが、“引き金”となったとの見方が強まっている。古川知事は9日の県議会原子力安全対策等特別委員会で参考人招致されることに なっており、自身の発言について、何を語るかが注目される。
◇
◆141人が意見投稿
問題の舞台になったのは原発再稼働に向けて国が主催した「県民説明番組」(6月26日)。この番組に対し、県民を装って再稼働賛成の意見を投稿するよう、社内外に要請していた。要請は子会社、取引先も含めて約3千人に伝わり、実際に141人が意見を投稿した。
7月14日に九電が公表した社内調査の結果では、6月21日に当時の段上守副社長(6月末で退任)と、原子力発電本部長(同)、佐賀支店長の3人が佐賀市内で昼食中、番組の周知を決めたことが発端とされた。
◆支店長書き取る
ところがその後、3人は同21日朝に古川知事と知事公舎で会っていたことが明らかになった。
この際の古川知事の発言を、段上氏の指示で佐賀支店長がメモにしていた。
九電関係者によると、A4判2枚のメモには、個条書きで再稼働に向けた県議への働きかけのほか、(1)(再稼働で)危惧されるリスクは菅首相の言動(2) 説明番組の参加者の1人は商工会議所の専務理事を予定している(3)国の緊急安全対策を国際原子力機関(IAEA)に評価してもらえるよう、国に対し説得 を進言している-などと記載されていたという。
このメモが、原発本部の課長級社員が作成した意見投稿を呼びかけるメールに、「知事の要請」として添付され社員約100人に送信された。経緯は不明だが、追加された「知事の要請」という言葉が、やらせ問題が九電内で急拡大した要因の1つとみられる。
九電の真部利応社長は「知事に面談したという報告は段上氏から6月24日に受けたが、面談の中身についての報告やメモのことは記憶に残っていない」とした 上で「聞き取りの結果、知事の発言はやらせを要請したものではなく、問題の引き金とは思わない」と社内責任を強調。ただ、真部社長は「知事に『経済界には 発電再開を望む声があるが、表に出てこない』という考えがあることは漏れ伝わってきた」とも語った。
九電幹部との会談の中身について、古川知事はこれまで、口を閉ざしている。
東日本大震災:福島第1原発事故 安全委議事録を96年以前も公開
内閣府原子力安全委員会(班目春樹委員長)は8日、東京電力福島第1原発事故を受け、過去の審議経過について検証が必要として、96年12月以前に開かれた安全委などの議事録や資料を原則的に全て公開すると発表した。
安全委は高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)のナトリウム漏えい事故(95年12月)を受けて96年12月、安全委と下部組織の専門部会 や専門審査会の議事録や資料を原則公開すると決定。それ以前については明確な規定がなかったため今回、同様に原則公開することを決めた。保存期間は最長 30年だが、期限を過ぎていても資料などが残っていれば公開するという。
ただし、議事録で発言者の氏名については非公開を原則とした。発言者に記載内容の確認を取っておらず、発言の意図と乖離(かいり)する可能性があるためとしている。【岡田英】
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
過去の議事録と資料を公開へ
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、安全指針の見直しを進めている国の原子力安全委員会は、事故を防げなかった反省に立って過去の議論も明らかにする必要があるなどとして、これまで公開していなかった平成8年以前の議事録と資料を公開することになりました。
福島第一原発の事故では、結果的に津波が過小評価されていたほか、津波によってすべての電源が失わ れるという想定外の事態が起きて原子炉が冷却できなくなりました。「全電源の喪失」は、国の原子力安全委員会がまとめた安全指針で「考慮しなくてよい」こ とになっていて、現在、進められている指針の見直し作業の中でも、なぜそうした判断になったのか、検証が進められています。これについて原子力安全委員会 は、8日の会合で、指針の見直しにあたっては、事故を防げなかった反省に立って過去の議論も明らかにする必要があるなどとして、現在、公開していない平成 8年以前の委員会と審査会の議事録や資料を公開することを決めました。原子力安全委員会によりますと、資料は数千冊に上り、古いものでは安全委員会ができ た当時の30年前のものもあるということで、準備ができた資料から、順次、ホームページに掲載していくとしています。
原子力安全委、過去30年分の会議資料公開へ
原子力安全委員会は8日、福島第一原発事故を受けて、過去の議事録や会議資料を公開すると発表した。古くは30年ほど前にさかのぼるという。班目春樹委員長は、指針類がどう決められたのか検証し、「反省すべきところは反省しなければならない」と語った。
すでに安全委は1996年に、定例会議や専門部会などの議事録や会議資料について、一部の非公開審議のものを除き、公開を決めている。今回はそれ以前のものが対象で、ファイル数千冊に及ぶと推測する。
東日本大震災によって福島第一原発が全電源を失い炉心溶融を起こした問題で、同作業部会が93年に対策を検討しながら、「重大な事態に至る可能性は低 い」と結論づけていたことが分かり、現在、経緯を調べている。今回、こうした指針類の制定に関する議論を明らかにするため、公開を決めた。
原子力安全委員会、過去の議事録など公開へ
内閣府の原子力安全委員会(班目春樹委員長)は8日、1996年以前の議事録や会議資料について、ホームページで公開する方針を決めた。東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、過去の審議経過などの公表が必要と判断した。
同委員会では96年末に、非公開の審議を除き議事録などを原則公開としたが、それ以前のものについては扱いを決めていなかった。
事務局によると、公開されるのは同委員会の本会議のほか、専門部会、専門審査会の議事録など、保存されている全資料で、ファイル数千冊分。議事録での発言者名や、核物質防護上、重要な情報などは原則として非公開とする。
(2011年8月8日19時52分 読売新聞)
過去の全資料を公開へ=審議の経緯検証-原子力安全委
原子力安全委員会は8日、東京電力福島第1原発事故で、過去の審議経過を検証する必要があるとして、1996年12月より前に開かれた会議の資料や議事録のすべてを原則公開することを決めた。
安全委は95年12月の高速増殖原型炉「もんじゅ」ナトリウム漏えい事故を受け、96年12月から資料を公開しているが、同月以前の資料については明確な定めがなかった。
公開される資料は約30年前のものもあり、ファイル数千冊に及ぶという。安全委は準備ができたものから順次、ホームページに掲載する。(2011/08/08-16:50)
原子力安全委、過去の会議資料など公開へ
< 2011年8月8日 22:33 >
国の原子力安全委員会は、これまで非公開としていた過去の会議資料や議事録を原則として公開することを決めた。
福島第一原子力発 電所の事故を受け、原子力安全委員会は、原発の安全審査指針などを定めた際に委員らの間でどのようなやり取りがあったのかなどについてしっかり検証する必 要があるとして、これまで公開されていなかった過去の会議の議事録や資料を公開すると発表した。最も古い資料は約30年前に遡り、未公開の書類は少なくと もファイル数千冊に上るという。
原子力安全委員会は、記録が残っているものは原則として全て公開していく方針で、準備ができ次第、順次ホームページに掲載するという。
東日本大震災:腐葉土自家生産、改めて自粛要請 農水省、17都県に
高濃度の放射性セシウムに汚染された腐葉土が流通していた問題で農林水産省は8日、農家が腐葉土を新たに自家生産・使用しないよう東北や関東などの17都県に再び指導を求めたと発表した。
腐葉土を含む肥料などについて同省は、7月25日に17都県に出荷・使用の自粛を要請。今月1日付で、自粛要請を解除していたが、汚染腐葉土の流 通はその後も判明。業者以外の農家が自家生産する腐葉土は検査実施が困難として、改めて要請した。再要請は5日付で行った。【佐藤浩】
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
腐葉土自粛、17都県に再要請=検査方法確定できず-農水省
農林水産省は8日、東北や関東甲信越などの17都県に対し、腐葉土の生産や使用を自粛するよう5日付で再度通知したと発表した。腐葉土の汚染状況の把握が難しく、放射性物質の検査方法が確定できないため。
原発周辺県で作られた腐葉土には高濃度の放射性物質が含まれる可能性があることから、農水省は7月25日に利用自粛を要請。今月2日に肥料の放射性セシウムの暫定規制値を1キロ当たり400ベクレルと公表した際、腐葉土の自粛措置も解除する考えを示していた。
自粛の対象は、宮城、福島など東北6県、新潟、長野を含む関東甲信越10都県と、静岡県。同省と各都県は、落ち葉を集めて腐葉土を製品化する過程で放射性物質がどう濃縮されるかなどを調べ、検査方法を検討する。(2011/08/08-19:14)
腐葉土の生産や使用を自粛するよう再要請
< 2011年8月9日 0:43 >
農水省は、東北と関東など17都県に対し、腐葉土の生産や使用を自粛するよう再要請した。
放射性物質に汚染された腐葉土がホーム センターなどで販売されていた問題で、農水省は今月、肥料に含まれる放射性物質の暫定許容値を公表し、販売や自粛の要請を解除する方針を明らかにしてい た。しかし、腐葉土の場合、農家が自家生産するケースが多く、実態の把握が難しいことから、東北や関東などの17都県に対し、当面の間、自家生産した腐葉 土の譲渡や使用を自粛するよう、一転して再び求めた。
ただ、農水省では、小売店などが在庫を抱えている場合は測定を実施し、肥料が暫定許容値の1キロあたり400ベクレルを超えなければ、例外的に販売を認めるとしている。
腐葉土の使用自粛、17都県に再度要請
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腐葉土から高い濃度の放射性セシウムが含まれているのが見つかっている問題で、農林水産省は、東北や関東など17の都と県に腐葉土の生産や使用を自粛するよう改めて要請しました。
農林水産省は先月、17の都と県に対して放射性セシウムが含まれている可能性のある腐葉土などの生産や使用の自粛を求めましたが、その後、1キログラム当たり400ベクレルの目安を示し、これを下回れば使用を認めることにしました。
ただ、落ち葉の汚染状況の把握は困難で、検査方法の確立ができていないため、農家が自分で落ち葉を集めて使用するケースなど安全性を確認する検査が出来ない場合は、腐葉土の使用や生産を控えるよう関東や東北など17の都県に対して改めて求めました。(08日23:09)
調整運転中の泊原発、営業運転再開へ詰め
政府は8日、定期検査のために調整運転している北海道電力泊原子力発電所(北海道泊村)3号機について、内閣府原子力安全委員会の評価を経たうえで、営業運転を再開させる方向で最終調整に入った。
定期検査中の原発の営業運転が再開されれば、東日本大震災後では初めての例となる。
政府は、3号機に関し再稼働前に実施するストレステスト(耐性検査)の1次評価の対象ではなく、稼働中の原発に実施する2次評価の対象とすること で調整している。週内にもこうした意向を北海道電力や北海道に伝え、北電も早期に営業運転再開に向け最終検査を経済産業省原子力安全・保安院に申請する見 通しだ。
通常は電力会社の申請後、数日中に保安院が営業運転への移行を認めるが、東京電力福島第一原発の事故を受け、新たに原子力安全委員会による評価を前提にすることで営業運転を目指すことにした。
(2011年8月9日03時03分 読売新聞)
泊3号機、安全委も審査 政府方針「再稼働には当たらず」
(08/09 08:25)
政府は8日、調整運転中の北電泊原子力発電所(後志管内泊村)3号機の営業運転再開に向け、経済産業省原子力安全・ 保安院の最終検査に加え、原子力安全委員会にも評価させる方向で最終調整に入った。3号機の営業運転再開を「再稼働には当たらない」と認定する一方、保安 院単独の検査態勢に不信感を抱く菅直人首相の意向を踏まえ二重チェックする方針。経産省は9日にも道に伝達する。
<北海道新聞8月9日朝刊掲載>
泊3号機は「稼働中」 運転再開で政府見解

北海道電力・泊原発の(右から)3号機、2号機、1号機=2009年12月、北海道泊村(同社提供)
政府は8日、定期検査で調整運転中の北海道電力泊原発3号機(泊村)を「稼働中」と認定し、検査中の原発を対象 とする安全評価の1次評価ではなく、全原発で実施する2次評価の対象とする方針を固めた。営業運転再開に当たっては経済産業省原子力安全・保安院の最終検 査だけでなく、原子力安全委員会からも意見を聞く二重チェックを実施。近く統一見解をまとめる。
北海道の高橋はるみ知事は、国が「稼働中」との認識を示せば営業運転再開を容認する考えを示したが、菅直人首相は保安院だけの判断で営業運転へ移行することに反対したため、政府内で調整が続いていた。
2011/08/09 02:07 【共同通信】
女川原発:停止の1、3号機 来月から定期検査へ
2011年8月8日 20時42分 更新:8月8日 20時53分
東北電力女川原子力発電所=宮城県女川町で2005年3月、本社ヘリから岩下幸一郎撮影
東北電力は8日、東日本大震災で自動停止した女川原発(宮城県女川町、石巻市)の1号機と3号機について、9月10日から定期検査を行うと発表し た。震災が原発に与えた影響を分析し、安全を確保する計画を定めたことに伴う検査としている。定期検査の最終段階で震災に遭い自動停止した2号機について は、引き続き同計画に基づく検査を進める。【平元英治】
宇宙開発:最重要課題は測位システム 震災踏まえ重点化
2011年8月8日 18時28分
政府の宇宙開発戦略本部専門調査会は、宇宙政策で重点化すべき分野について提言をまとめ、8日発表した。厳しい財政と東日本大震災を踏まえ、産業育成につながる施策を拡充させるのが特徴。一方、将来の国際宇宙ステーションの活動については経費節減を求めた。
提言は今後、予算編成の参考とされる見通し。
提言は、宇宙開発の最重要課題として、高精度なカーナビへの応用などが期待できる準天頂衛星による測位システムを挙げた。国際宇宙ステーションの 日本実験棟「きぼう」については「産業競争力強化につながる成果は現時点では明らかではない」と指摘。特に、当初計画からの延長となる2016年以降は 「経費節減を進めるべきだ」とした。
また、研究開発の色合いが濃い観測衛星などの優先度を低いとする一方、事業化を視野に進める小型衛星などを後押しした。
「日本版GPS、最重要課題」政府の宇宙開発本部調査会
政府の宇宙開発戦略本部の専門調査会は8日、日本版の全地球測位システム(GPS)を構築するための準天頂衛星について、最重要課題として推進する方針をまとめた。大震災を踏まえ、宇宙政策の絞り込みを検討していた。来年度予算への反映を求め、本部に提出する。
準天頂衛星の開発や運用の主体は内閣府と明記。ただ、内閣府のもとに宇宙政策の組織を一元化する案は合意に至らず、今後に持ち越した。
日本の準天頂衛星は「みちびき」が昨年9月、打ち上げられた。現在の1機から4機に増やして米GPSを補強するか、GPSに頼らず位置測定ができる7機体制にするかは調整がつかず、複数案を併記。本部での議論にゆだねた。
日本版GPS整備「内閣府主体で」 宇宙本部の専門調査会
- 2011/8/8 12:31
政府の宇宙開発戦略本部(本部長・菅直人首相)の専門調査会は8日、日本版の全地球測位システム(GPS)衛星「準天頂衛星」を、内閣府 が予算要求して整備を進めるべきだとする最終報告書をまとめた。文部科学省や総務省が個別に要求する現行体制の見直しを提言した。近く戦略本部に報告書を 提出し、2012年度予算の概算要求に内閣府として関連費用を盛り込みたい考えだ。
最終報告では、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」は産業につながる成果が明らかでないとし、16年以降は「経費節減を進めるべきだ」とも指摘した。
準天頂衛星は内閣府を中心に開発・運用を進める体制づくりも求めた。文科省や経済産業省など複数の省にまたがる宇宙行政をいわゆる「宇宙 庁」として内閣府の下に一元化する構想をにじませた。ただ宇宙行政を統合して無駄を省くとの具体的な記述は関係省庁との調整がつかず、改めて議論して最終 報告書に盛り込む。
準天頂衛星は既に1基が打ち上がっている。2基目以降の整備を「可及的速やかに実施すべきだ」と提言した。
“GPS衛星開発 最重点に”
今後の宇宙開発利用の進め方について議論してきた政府の専門調査会は、厳しい財政事情を踏まえ政策の重点化を図るとして、災害などにも利用できる、いわゆる「日本版GPS衛星」の開発を最重点に進めるなどとする提言をまとめました。
この提言は、政府の宇宙開発戦略本部の専門調査会が、来年度予算案の概算要求を前に、8日の会合で 取りまとめました。それによりますと、年間3000億円を超える日本の宇宙開発予算について、厳しい財政事情と東日本大震災を踏まえ重点化が必要だとし て、提言では大きく10の分野に分けて予算の優先度が示されています。このうち、最重点に位置づけられたのが「日本版GPS衛星」と呼ばれるシステムの開 発で、詳細な位置情報を提供することで、新たなサービスの創出が期待できるほか、災害時に安否確認などに利用できるとしています。また、小惑星の微粒子を 世界で初めて持ち帰った「はやぶさ」のような科学衛星についても一定の予算を確保すべきだとしています。一方で、国際宇宙ステーションの日本の実験棟「き ぼう」の利用をはじめとする有人宇宙活動については、「産業競争力の強化につながる成果は不明だ」などと指摘し、毎年400億円計上している予算の圧縮を 図るべきだとしています。この提言は近く政府に提出されます。
菅さん宇宙戦略、日本版GPSが最重要課題
宇宙開発戦略本部(本部長・菅首相)の専門調査会は8日、日本版の全地球測位システム(GPS)を構築するための準天頂衛星を宇宙分野の最重要課題と位置づける最終報告をまとめた。
報告に基づき、同本部が宇宙関連施策を決定する。
報告では、これまで各省庁で担当してきた準天頂衛星システムの開発、整備は内閣府が主体的に実施するとし、2012年度の予算要求に向け、内閣府で予算を要求できる体制を作る考えを示した。
米国のGPSを補完し、精度の高い測位を行うためには準天頂衛星4基が必要で、米GPSに頼らずに測位するためには7基が必要としたが、何基体制で運用すべきかについては示さず、今後の政治判断にゆだねるとした。
(2011年8月8日14時33分 読売新聞)
日本版GPS、最重要課題に=「宇宙庁」は見送り-政府調査会
政府の宇宙開発戦略本部(本部長・菅直人首相)の専門調査会は8日、今後の宇宙開発について、日本版GPS(全地球測位システム)の準天頂衛星の拡充を最重要課題として進めることなどを盛り込んだ報告書をまとめた。近く、戦略本部に提出し、さらに具体的な議論を進める。
調査会では、文部科学省と経済産業省などにまたがる宇宙政策を一元化する「宇宙庁」新設も議論されたが、報告書への記載は見送られた。戦略本部は、組織改編についても今後議論する方針。(2011/08/08-11:06)
特集:第3回毎日新聞・震災フォーラム 原発災害と避難生活(その1)
◇ふるさと福島取り戻す 希望と絆失わぬ復興を--福島市で
東京電力福島第1原発事故は、放射性セシウムで汚染された肉用牛が流通するなど、なお深刻な問題が続出している。毎日新聞・震災フォーラムの第3 回会合は福島政経懇話会(会長・佐藤雄平福島県知事)との共催。菅野典雄福島県飯舘村長、鈴木浩・福島県復興ビジョン検討委員会座長、政府の田嶋要原子力 災害現地対策本部長を迎え、増田寛也前岩手県知事、松原隆一郎東京大教授、牧原出東北大教授のメンバーの3人が、福島市で「原発災害と避難生活」をめぐり 論じ合った。【司会は冠木雅夫論説委員長、写真は梅村直承】
◆基調報告
◇2年で帰村、国に突き付け--福島県飯舘村長・菅野典雄氏
日本経済は従来、大量生産、大量消費、大量破棄で発展してきましたが、その生き方を変える時代に入ったと思います。人々の間に「自分さえよけれ ば」という考え方が広がっているのではないか。助け合いの気持ちを取り戻さないと大変なことになる。そんな思いから、地域のコミュニティーを大切にした循 環社会をつくろうと10年計画を立て、7年目に入ったところでした。それが原発事故で完全にストップした。土壌汚染という農業にとって致命的被害に見舞わ れました。悔しく腹が立つ。怒りのやり場もありません。
4月22日、計画的避難つまり全村避難の指示が国から出されました。1カ月ほどで完了してほしいという要請です。6000人余の人口に3000頭 の牛がいる畜産の村にとって、それは簡単なことではありません。村の職員がほとんど寝ずに対応して、約2カ月で自主避難95%ぐらいまでこぎ着けました。
全村避難にあたり二つ考えたことがあります。一つは、ゴーストタウンには絶対したくないということ。もう一つは、一人一人の暮らしをズタズタにせ ず、リスクを少なくすることが大切だということです。この対応で私は「村民をモルモットにする気か」と批判されました。しかし安全のため避難は必要だけれ ど、避難すればいいという話ではない。年間被ばく線量20ミリシーベルトを超えないよう、避難先から村に通って仕事をするということを考えたのです。約 500人がいま村で働いています。
また、400人以上の村民が24時間態勢で留守宅を自ら守るパトロールに就いています。村の臨時職員として、生活の糧になるほどではありませんが 給料も支払っています。今回、村民は特例として住民票を残したまま避難しました。住民票がなくても避難先の自治体で同じ行政サービスを受けられるように、 総務相に“二つの住民票”のような考え方も提案しました。
村民につらい避難生活を強いるにあたり、希望や目標をかすかでも持てないとやりきれないだろうという思いから、「までいな希望プラン」(注)を発 表しました。冒頭にはあえて「避難生活は2年くらいにしたい」と記しました。この数字は村長として自分に課する努力目標であり、失礼ながら国への“脅迫 状”だとも考えています。
希望プランでは、米百俵の話ではありませんが、子供や若い人たちをハワイへのホームステイやドイツへの研修旅行に出すことも計画中です。敬老会や 小学6年生の沖縄への旅も、変更なく行います。その時には転校した子供たちも顔を合わせられるというように、夢を与えることが必要だと考えています。
全村避難では、これまで広い家ですごしていた方が4畳半や6畳程度の部屋に入らなければなりません。テレビを見るにも周りを気にするから、ストレスがたまって体を壊す方が出ています。心のケアや新たな地域のコミュニティーづくりを進めていくことが求められます。
村民の健康を守る以外に生産性はないのでつらいですが、非常に重要な仕事が行政に課せられたと思います。それをしっかりやることが、ふるさとに対する村民の気持ちを切らせないでいくことにつながるはずです。
先日、全村避難の先例として東京都・三宅島の村長さんをお招きしました。新潟県・旧山古志村の元村長さんもそのうち呼ぶつもりです。どちらも3年 か4年半で村に帰っていますが、帰村率は、60%から良くても70%だそうです。何とかそれよりと思っていますが相手は放射能です。ボディーブローのよう に利いてくるし先が見えません。目に見えず、においもない災害との闘いは本当に疲れます。
放射能の被害がどれほど大変かを多くの方々に理解してもらいたい。ふるさとに戻るには土壌の除染を徹底的にやること。いの一番で除染対策に予算をつけ、事業展開を図ることです。そうしないと福島県の復興はなかなかはかどらないでしょう。
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(注)までいな希望プラン
6月22日の村飯野出張所(臨時村役場)開所式の際、村民に配布した復興の基本方針。避難住民の2年後からの順次帰宅、雇用創出、コミュニティーの維持、次世代育成などを示した。「までい」は方言で「丁寧に」「心を込めた」の意味。
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◇世界の知恵集め、再生図れ--福島県復興ビジョン検討委員会座長・鈴木浩氏
福島県下の首長は困難な状況の中で重い決断をされています。ある首長は住民の雇用確保を考え、避難先を埼玉県に決めました。しかし、避難者には「なぜ福島県に帰らないのか」という不満がある。多くの首長がそうした苦渋の選択をしたのです。
私が関わっている福島県復興ビジョン(注)に基づいて話を進めます。震災の特質を踏まえることが、復興には重要です。今回の震災は、次のような特 殊な状況下で起こりました。経済の低迷が続いて、地域間格差が広がっていた。震災に遭ったのは経済的に低迷している地域です。人口減や高齢化が進んだ地域 で起こったことでもあります。20~30年後に全国で現れることが既にこの地域では見られます。政治的混迷の中で起きたことは言うまでもありません。
こうした問題を克服するシナリオをどう描くか。まず、原発事故です。これが岩手、宮城と決定的に違う。県外への避難者は全国で4万5000人強を 数えます。彼らが流民化、難民化することも考えられる。5万人移住計画を県の災害対策本部で検討しました。県外に避難している人に県内の特定地域の宿泊施 設に集まってもらい、役所も近くに置くというプランです。しかし、雇用の問題や原発事故の影響で彼らは福島県に戻ろうにも戻れない。特にお子さんがいる方 の警戒心は強い。避難者の約6割は戻りたいと言いますが、実際はそうもいきません。
県内の鉱工業指数は、05年を100とすると今は6割強。約2600人の求人に対し求職者は1万人強です。昨年4~7月の会津若松市への修学旅行は約530校でしたが、今年同期は約30校です。放射能汚染がさほどない地域でもこの数字です。
つまり福島県の復興は、原発との向き合い方を考えない限り前に進まない。経済界の一部に異論もありましたが、少なくとも県内の原発は廃止するという結論に達しました。エネルギー問題を無視するわけにはいかないので、再生エネルギーを福島県でどう進めるかも課題です。
福島を愛し、心を寄せるすべての人々の力を結集して、元の福島県に戻したい。これが復興ビジョンの二つ目の理念です。ドイツの脱原発政策を決めた 円卓会議をまとめたのは、コール元首相の下で原発安全相だったクラウス・テプファー氏でした。彼に国際会議でお会いした時に、「ドイツにできることがあれ ばぜひ協力したい」と私に言ってくれた。今回の事故は国際的な事件だと、国際会議に出て痛感しました。フクシマがヒロシマ、ナガサキと共に世界の共通語に なった今、各国が福島にどんな支援ができるのかに関心を持っています。県民が世界に訴える機会です。
復興のベースになるのはコミュニティーです。しかし福島では、そのコミュニティーが避難で消滅しました。復興・復旧には10年かかるかもしれません。避難者の生活困窮など、2次的な問題も生じるでしょう。この対策もまだ練られていません。
最後に、大震災にしなやかに立ち向かうにはどうしたらいいかを考えたい。重要なのは、地震・津波の予知力、避難技術、情報伝達技術の向上です。これらを前提にすれば、被災者は究極の自己決定でいいのではないか。
今後、政府の3次補正予算で復興予算のおおよその枠組みが示されます。もっと被災者に寄り添った手当てをすべきだと思います。ボランティアはまだ 足りない。がれき処理も急がなければいけない。避難生活の充実が復興のエネルギーを作ると思います。事故の影響で他県に散らばった住民たちが離れた場所か らふるさとの復興をどう考えるのか、見当もつきません。
今回、地元の中小零細企業が連結されている垂直型のサプライチェーンが寸断されました。農漁業を含めて中小零細企業が横につながる地域循環型のサプライチェーンを作っていくことが必要になる。その戦略も考えていきたいと思っています。
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(注)福島県復興ビジョン
鈴木座長のほか、赤坂憲雄県立博物館長らが参加した検討委員会が7月8日に知事へ提言した内容を基に県が素案を策定。原子力に依存しない持続可能な社会づくり▽福島を愛する人の総力を結集した復興▽誇りあるふるさと再生--が基本理念。
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◆討論
◇国が他県避難支えよ--増田氏
司会 菅野村長と鈴木座長の基調報告はふるさとをどう取り戻すかがキーワードだったと思います。私自身、福島県の喜多方市出身なので、切実な問題と感じています。いま緊急に何が必要かについてうかがいます。
増田 私は4年前まで岩手県知事でしたから、福島県には何回も来ています。震災はひとごとではありません。そのうえで宮城、岩手と福島は明らかに 異なると感じます。前の2県は3月10日まで抱えていた構造的問題、たとえば少子高齢化や医師不足に答えを出すような復興を話し合っている。他方、福島は 以前の生活を取り戻すことが課題のようです。原発事故により憲法が保障する居住権を脅かされ、故郷から出て行かざるを得ない人々がいたわけですから。
同じ場所に住むことで自然に生じるコミュニティーが事故で失われました。いまバラバラに仮住まいしている人々が戻れるコミュニティーを維持しなくてはならない。流民化、難民化を防ぐ意味でも大切です。
避難者が従来受けていた住民サービス、例えば介護などの内容が避難先と違うかもしれません。正当な権利として、注文を付けられる仕組みをつくって 初めて、避難生活に耐えられる。他の自治体でものを言うのは気が引けるかもしれませんが、飯舘で村長さんに言っていたのと同じように話すことです。福島県 内なら県が支えられますが、他県に多くの人が出ている以上、国がやるべきでしょう。
長期避難者の帰村率が6~7割という話は、私も聞いたことがあります。もちろん一人でも多くが戻れるようにしないといけません。そのためにも正確 な放射能汚染の情報などを、多くの人が知ることができるようにしないと。国が中心となって調査し公表することが必要です。北海道に福島の長期避難の子供た ちが多数いると聞きます。
福島県民全員が希望を持って前に進むプロセスが必要です。例えば、住宅も全国民の理解の下、仮設ではなく常設に近い水準にして、気持ちを落ち着かせることが大事でしょう。
◇「グレー」自己判断を--松原氏
松原 仙台市の知り合いに聞くと、同市内の小学校は普段は大半が福島県会津若松市に修学旅行に行くそうです。しかし今回は、その多くが行き先を盛 岡市などに変えた。実は会津若松と福島第1原発の距離は、仙台と福島第1原発の距離とほぼ同じです。これは、典型的な風評被害かもしれません。同じ被災地 域ですら、こうした対応をしてしまうことがある。
また、岩手の復興を支援している人たちから、復興プロセスに格差が生まれつつあると聞きます。がれき撤去も、大きな街では速く、小さな集落ではま だ進んでいないこともある。福島は、原発によって、これに輪をかけたダメージを負っている。福島は常にグレーゾーンを抱えて生きていかざるを得ない。
3月10日まで、私たちは原発について安全かどうかの二者択一の基準だけで判断を行ってきました。震災以降は二分法では計れない事態となっていま す。安心と言われても信頼できなくなったため、正確なデータをマイナス面も含めて開示する。日本人は、安全性を自分で判断せざるを得なくなったのです。消 費者も自己責任で判断しなければならない。だから疑わしいものを買わないのは、消費者の自由になる。風評被害も出ているのではないか。安全かどうかを○× で言うと○の商品が、悪いイメージのせいで買われない。消費者教育も必要でしょう。
福島県民も、この土地に住み続けるかどうかはある程度自分で決める。それがグレーゾーンで生きるということです。今も原発からの同心円図をよく見 かけますが、実際の線量は丸くありません。そのずれの中でどう生活するかは、相当程度住民の自由でしょう。こうした問題の判断は、コミュニティーのリー ダー任せでいいものではない。
もう一点、福島県の復興ビジョンについて。この20年ほどの日本経済は外国に依存する体質でした。中小企業は大企業から垂直的に統合され、注文が 下りてこないと景気が良くならない。こういう状況で今回の災害が起きました。水平的なサプライチェーンは非常に重要です。外国に頼る経済では少し円高にな ればやっていけず、経済復活の処方箋になっていなかった。これを機に水平的なチェーンを作り、国内でお金を回すという考えには大いに賛同します。
牧原 福島県復興ビジョンの素案を読ませていただき、福島県では復旧以上に復興の意味が大きいと感じました。仙台市の場合、津波被害の復旧が大きな課題です。しかし福島には原発の問題があり、いかに復興していくかが課題になっている。
宮城県南部にも、実は放射能被害があると言われます。そう考えると、事は福島県ではなく「福島圏」、つまり福島を中心に同じような問題を抱える地 域の問題で、それは県域を越えて広がっています。風評被害への対応や放射性物質の大規模測定調査などは広域で対応できるでしょう。こうした多くのことを考 える先端が今の福島県です。
他方、飯舘村のお話のように避難している方々はすごく大変な状況にある。そこで地方議会を今こそ活性化すべきではないでしょうか。バラバラの避難 者をどう代表するか。議員を増やしたり、議員と住民が議論する場を作るといった工夫ができるでしょう。あるいは子供議会や青年議会のような形で、年に1 回、県外に避難している同世代同士が集まって、地域の未来を議論する。こういうイベントもコミュニティーを維持したり、再興したりするのに有効です。
福島の復興プロセスは、人類未到の道筋をたどるでしょう。福島がどう復興するかは世界史的な先例になります。県の復興ビジョンにも国にアーカイブ センターの設置を求めることが記されていますが、運営は福島主体になるでしょう。このアーカイブは間違いなく全世界の人々を引きつけるものになります。
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◇「新生」信じて--福島県知事・佐藤雄平
福島県は、地震、津波、原子力災害、風評の四重苦に見舞われています。事故はまだ収束していませんから五重苦ともいえる状況です。地震、津波も、 もちろん未曽有の被害ですが、原子力災害は農林水産業はもとより、商工業、観光業など、あらゆる分野で解決困難な新たな問題を引き起こしています。
そうした中で、本県が活力を取り戻すためには、県の将来を見据えた独自の復興策が必要と考え、現在、復興ビジョンの策定を進めています。これに よって、「新生ふくしま」が必ずやスタートできるものと思っています。復興は行政だけではできません。各界が一致団結し未来に向けて進むことが肝要です。
この素晴らしいフォーラムを開催してくださった毎日新聞社にお礼申し上げます。復興の参考になるような素晴らしいディスカッションを期待しております。(フォーラムのあいさつから)
★福島政経懇話会と共催
福島政経懇話会は、福島県内の市町村長、県幹部、議員や地元有力企業、医療機関が主な会員。事務局を地元紙の福島民報社が務める。毎日新聞・震災フォーラムと共催となった今回は第241回例会に当たる。
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■人物略歴
◇かんの・のりお
1946年生まれ。帯広畜産大卒。村公民館長を経て現在4期目。著書に「美しい村に放射能が降った」。
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■人物略歴
◇すずき・ひろし
1944年生まれ。東北大大学院博士課程修了、工学博士。福島大名誉教授。宮城県女川町復興計画策定委員会会長も務める。
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■人物略歴
◇たじま・かなめ
1961年生まれ。東京大法卒。衆院千葉1区から当選。現在3期目。経済産業政務官。6月に原子力災害現地対策本部長。
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
福島は負けない!西田、長澤ら復興ライブ決定
東日本大震災、福島第1原発事故、その風評被害により甚大な影響を受けた福島の今を世界に発信することを目的とした野外ロックフェス「LIVE福 島 風とロックSUPER野馬追」が福島県内の6会場で、9月14日から6日連続で開催されることが8日、都内で発表された。スローガンは 「NOTHING BEATS FUKUSHIMA,DOES IT?(福島はどんなことがあってもくじけないぜ)」。収益金は同県の災害対策本部に寄付 される。
ライブは9月14日から19日まで、内陸部の只見町からスタートし、県内を西から東へ横断しながら、6日連続で福島県内6カ所で開催される。
福島の、福島による、福島のための野外フェス。サンボマスター・山口隆=会津若松市出身、クリエーティブディレクターの箭内道彦氏=郡山市出身=ら福島出 身者で震災後に結成された4人組「猪苗代湖ズ」、郡山市出身の西田敏行(63)のほか、BEGIN、RIP SLYMEら県外出身者など趣旨に賛同した 30組近いアーティストが参加。1日限りながら長澤まさみ(24)が17日の郡山会場で開催宣言およびトークショーを行うことも決まった。16日の猪苗代 会場ではフジテレビ・平井理央アナウンサー(28)が司会を務める。
郡山市出身で実行委員長を務める箭内氏は8日、都内で会見。「地震や津波、原発事故、風評で大きな被害を受けた福島を音楽の力で元気にし、福島の今を世界に発信したい」と開催意図を説いた。
(2011年8月9日)
福島支援音楽祭「LIVE…」に長澤まさみ出演
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| 「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」の出演アーティストを発表した、箭内道彦氏 Photo By スポニチ |
福島県出身のクリエーター箭内道彦氏(47)が8日、都内で野外音楽祭「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」の出演アーティストを発表した。
09年から行われてきたが、今年は東日本大震災復興支援ライブとして開催。9月14日から6日間連続して福島県内6会場を回る。同17日に郡山市で行わ れる公演には、過去2回、声のみの出演で開会宣言してきた女優の長澤まさみ(24)が出演する。箭内氏は「音楽の力で元気にし、福島の今を世界に発信した い」と熱く語った。
[ 2011年8月9日 06:00
音楽で元気に!福島で6日間連続ライブ 猪苗代湖ズなど参加
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| 記者会見で、東日本大震災の復興支援ライブを行うことを発表するクリエーターの箭内道彦さん Photo By 共同 |
福島県出身のクリエーター箭内道彦さん(47)が8日、東京都渋谷区で記者会見し、9月14日から6日間連続して福島県内の6会場で東日本大震災の復興 支援ライブ「LIVE福島 風とロックSUPER野馬追」を行うことを明らかにした。収益金は同県の災害対策本部に寄付する。
箭内さんは「地震や津波、原発事故、風評で大きな被害を受けた福島を音楽の力で元気にし、福島の今を世界に発信したい」と話した。
出演者は会場によって異なるが、箭内さんやサンボマスターの山口隆(35)ら福島県出身者でつくるバンド「猪苗代湖ズ」や、BEGIN、RIP SLYME、怒髪天などが参加予定。
14日の只見町から始まるライブは、17日に郡山市、18日に相馬市、19日いわき市と福島第1原発に比較的近い場所でも予定されている。
[ 2011年8月8日 12:14
県外出荷牛にも検査枠/県方針
放射性セシウムに汚染された稲わらや牛肉が全国で流通している問題で、県は8日、県外へ出荷される牛も1生産者あたり1~2頭の検査枠を設ける方 針を明らかにした。希望する生産者が牛を県食肉公社(大田市)に持ち込む方式。日程調整などを含め、生産者の意向を確認するという。
県は3日から、県内で食肉処理された全ての牛の検査を始めたが、JA島根中央会などが県外分も含めた全頭検査を要望していた。
また県はJA雲南に対し、6肥育センターのうち新たに5センターで汚染わらが混入していたおそれがあるとして、4~7月に出荷した約160頭の流通先を調べて肉を回収するよう求めた。県が個体識別番号を公表し、肉を検査する。
1センターでは7月、宮城県産のわらから最大で国の暫定規制値の約23倍のセシウムが検出された。5センターも同じ業者がわらを納入していたという。(斉藤智子)
shimane
コメ線量検査 主食の安全死守せねば(8月9日)
東北、関東など14都県で今年収穫されるコメの放射性セシウム100+ 件濃度を調べる検査が、早場米地域の千葉県で始まった。
農林水産省が、収穫前後の2段階に分けて実施し、暫定基準値を超えた地域のコメは出荷停止して全量廃棄処分を義務付ける。
福島第1原発事故による放射能汚染は、農産物全般に広がった。主食のコメに対する信頼が揺らげば、影響は計り知れない。
何の責任もない農家の苦痛は察するに余りあるが、厳格な検査で安全確保に万全を期すべきだ。
収穫前の予備調査では、土壌汚染の深刻な場所など、重点的に検査すべき地域を把握する。
調査地点をなるべく増やし、十分な機器と人員を投入して、早急に検査体制を確立してもらいたい。
コメは、農協を通じた委託販売や、農家による消費者への直売など流通ルートが多様化している。
生産者、農協、自治体、流通業者など関係者すべてにルールを周知徹底せねばならない。
農水省は、1キロ当たり500ベクレルという暫定基準値を下回るコメの出荷は認める方針だ。検査は玄米の状態で行われ、精米にした段階で数値はさらに低減する。
だが、基準値に達しなくても、放射性セシウム100+ 件が検出されたコメの取り扱いには慎重さが求められる。
主食のコメは、野菜や肉に比べて食べる頻度ははるかに高い。低線量の被ばくの影響がはっきりしない以上、消費者が、微量とはいえ放射性物質を含むコメを敬遠しても、責められないだろう。
消費者団体は、低濃度のコメを販売する場合、店頭にその数値を表示するよう求めている。正確な情報を伝えた上で、消費者の選択に委ねるべきではないか。
既に昨年産のコメを買い求める動きが出ている。国民の不安に配慮しない販売方法を採用すれば、風評被害を招いて、コメ全体の消費を低迷させかねない。
出荷停止による損害を補償するのは当然だ。基準値を下回るコメが売れなかったり、値崩れすることも考えられる。農家への打撃は甚大で、その場合も補償の対象に含める必要がある。
出荷停止地域のコメは、各自治体が全量を保管する。適切な処分方法を決めるのも急務だ。
農水省は汚染牛肉問題で、餌の稲わらによる内部被ばくの可能性を見落とし、問題のある肉が全国に出回った。
同じ過ちを繰り返してはならない。疑わしいものを流通させないことが食の安全を守る唯一の道だ。
規制値超セシウム検出の牛肉、福岡市で販売2例目
放射性セシウムに汚染された稲わらが肉牛に与えられていた問題で、福岡市は8日、国の暫定規制値(1キロ・グラムあたり500ベクレル)を超えるセシウムが検出された牛の肉600グラムが市内の飲食チェーン店で使われていたと発表した。
市食品安全推進課によると、この牛は宮城県から出荷され、7月14日、市内に居酒屋など8店舗を持つチェーン店に卸された。埼玉県の検査で、同じ牛の肉から1233ベクレルのセシウムが検出されている。同市で規制値を超える牛の肉の販売が判明したのは2例目。
(2011年8月9日 読売新聞)
香川県内、新たに1頭/汚染疑い牛
2011/08/09 08:57
放射性セシウム100+ 件を含む稲わらを与えられた牛の肉が流通している問題で、香川県は8日、県内で新たに1頭の肉がマルナカ(高松市)の1店で販売されていたと発表した。
牛は栃木県から出荷。同社は5月4~9日、国分寺店で7・1キロを販売し、完売した。
個体識別番号は県などのホームページで公表する。問い合わせは県生活衛生課〈087(832)3180〉、高松市保健所生活衛生課〈087(839)2865〉。
「日本コメ先物市場の創設とこれからの期待(2)」【ドットコモディティ】
(8/ 9 更新)
おはようございます。
8日から取引が始まったコメ先物取引。普段であれば大きく変動することなく、天候要因で小幅に高下する動きとなるはずが今年は天候相場に入る前段階から大きく値段が動いている。
東日本大震災による作付けへの影響や東京電力福島第1原子力発電所事故による放射能汚染の懸念に伴い、すでに収穫済みとなっている旧年度産=2010年産 米への需要が急増しているためだ。卸業者間の取引価格は、震災前から震災後との上昇は4~5割にも達している模様。今、コメの安全性を考慮して、農水省で は放射能汚染についての検査を実施しているため安全性が証明されるようであれば影響は限定的となり、今秋の新米の収穫量や安全性への不安が払拭されなけれ ば、さらに影響が広がる可能性がある。
参考までに、米穀データバンクの調査によると、2010年産米の業者間取引価格は新潟産コシヒカリでみると震災前の3月上旬に1万9000円だったのが7 月下旬には2万7000円まで上昇して4割ほど高騰した。値上がりしているのはコシヒカリだけではなく、秋田県産あきたこまちや宮城県産ひとめぼれなども 4割から5割の大幅な値上がりとなっている。
背景には、原発事故により2011年産の新米への放射能の影響がどの程度出るか分からないことで、旧年度産の2010年度産米が貴重品になり市場に出てこなくなっていることがある。
従って、この値上がりが止まるのか、あるいは落ち着いてくるのかは8月に入って各都道府県で行われている放射能汚染の結果による。既に複数の都道府県で検 査が実施されており、例えば、静岡県では3日、県内で最も早く収穫された玄米の放射性物質検査の結果を発表。放射性ヨウ素、放射性セシウムのいずれも検出 されなかった。福島第1原発事故後に自治体が実施した米の放射能検査結果が明らかになったのはここが初めて。県農山村共生課によると、検査を行ったのは菊 川市の早場米。10月にも中部電力浜岡原発が立地する御前崎市など県内3カ所の米を同様に検査する方針だという。
今、汚染検査が行われているため、総合的な結果に対して消費者がどのように受け止めるかにもよるが、セシウムなどの放射能汚染がほとんどない結果であったとしても、風評被害から原発事故に近いエリアの米が消費者に受け入れられない可能性はある。
またこの特殊要因により、日本のコメ価格がどう推移し、更に72年ぶりの復活した日本のコメ先物市場にどう織り込まれていくのかなど興味はさまざまに深い。
ではまた明日。
(本レポート筆者のご紹介)
「小針秀夫氏」
トーキョー・トレーダーズ・タイムズ代表取締役
東京工業品取引所日報編集長を経て、2001年にトーキョー・トレーダーズ・タイムズを設立。
現在は「コモディティ・ジャーナリスト」として各メディアで活躍中。
【千葉】
県産牛セシウム検査 県、2農家に確認書
2011年8月9日
| 飼育管理確認書を受け取る越川さん(右)=香取市で |
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県は八日、県産牛肉の安全性を確認するため、独自に始めた「放射性物質安全チェック制度」に基づき、「飼育管理確認書」を初めて香取市と東庄町の畜産農家二軒に交付した。 (小川直人)
他県産の肉牛から放射性セシウムが相次いで検出されていることを受けた措置。今月三日から、県内の各農家で一頭以上の肉牛の放射性物質を検査する「全戸検査」と、飼育状況の検査を合わせたチェック制度をスタートさせていた。両検査をクリアすれば確認書を交付する。
香取市新里の越川定勝さん(59)の農場ではこの日、県担当者が越川さんに確認書を手渡した。肉牛約四百五十頭、乳牛約二百五十頭を飼育している越川さんは「安心した。消費者の皆さんは安全な肉をこれまで通り食べてほしい」などと語った。
放射性物質の被害を避けるため、「震災以降に採取された餌を使わないなど飼料に気を配った。農家の仲間とは放牧をがまんするよう話をしていた」と言う。
検査は現在も進められており、交付状況は県のホームページで公開する。
【千葉】
県産牛セシウム検査 県、2農家に確認書
2011年8月9日
| 飼育管理確認書を受け取る越川さん(右)=香取市で |
![]() |
県は八日、県産牛肉の安全性を確認するため、独自に始めた「放射性物質安全チェック制度」に基づき、「飼育管理確認書」を初めて香取市と東庄町の畜産農家二軒に交付した。 (小川直人)
他県産の肉牛から放射性セシウムが相次いで検出されていることを受けた措置。今月三日から、県内の各農家で一頭以上の肉牛の放射性物質を検査する「全戸検査」と、飼育状況の検査を合わせたチェック制度をスタートさせていた。両検査をクリアすれば確認書を交付する。
香取市新里の越川定勝さん(59)の農場ではこの日、県担当者が越川さんに確認書を手渡した。肉牛約四百五十頭、乳牛約二百五十頭を飼育している越川さんは「安心した。消費者の皆さんは安全な肉をこれまで通り食べてほしい」などと語った。
放射性物質の被害を避けるため、「震災以降に採取された餌を使わないなど飼料に気を配った。農家の仲間とは放牧をがまんするよう話をしていた」と言う。
検査は現在も進められており、交付状況は県のホームページで公開する。
汚染牛肉の店名公表「販売後3カ月以内に」札幌市が範囲拡大
(08/09 07:25)
放射性セシウムを含む可能性のある稲わらを与えられた牛の肉が流通している問題で札幌市保健所は8日、これまで「販売終了から1カ月以内」としてきた公表範囲を「3カ月以内」に拡大した。「家庭で冷凍保存しているケースを考慮した」(同保健所)ため。
<北海道新聞8月9日朝刊掲載>
特集:第3回毎日新聞・震災フォーラム 細野・原発事故相に聞く
福島市で行われた第3回毎日新聞・震災フォーラムを踏まえて、細野豪志原発事故担当相に国の対応を聞いた。【聞き手・中川佳昭、写真・西本勝】
◇除染「2年」不可能でない
--福島第1原発事故の収束に向け、担当閣僚として最重要の任務は何でしょうか。
◆目標を明確にすることが、工程表を達成するのに重要です。世界が収束作業に注目しており、(日本への)信頼を取り戻すために結果を出さないとい けない。国民に対してもそれは同じです。避難した福島の皆さまが一番つらい思いをされている。そういう方に(自宅へ)帰っていただく。あとは手段の話で す。冷却機能をどう取り戻すのか。汚染水をどのように処理するのか。試行錯誤する中でようやくここまで来たということだと思います。
工程表を達成するうえでのカギは何か。あえて一つ申し上げれば、困難な作業だけに作業員の方々の働く環境をよくすることです。私はかなり立ち入っ たことにも、口を挟んでいます。たとえば、作業員の住む場所や食べ物、放射性物質の管理を個別に確認し、どんな対応ができているのかを、うるさいほど言っ てきました。(作業員の方々に)精神的にも肉体的にも健康で頑張ってもらわないと目標を達成できませんから。
--飯舘村の菅野典雄村長はフォーラムで「避難は2年くらいにしたい。自分の努力目標であり、国に対する“脅迫状”でもある」と発言しました。どうお考えになりますか。
◆菅野村長が2年で帰りたいという気持ちを持たれるのはよく分かります。どれぐらいの時間で除染ができるのか、できるだけ早くめどをつけていく必 要があります。あまり予断を持たないほうがいいですが、2年は、非常に高い目標ではあるけれども、全く不可能ではないと思います。我々も、村長さんが掲げ ておられる目標に寄り添いたい。
--細野さんは9月から大規模な除染を行いたいという趣旨の発言をされていますね。
◆7月末に福島に行った時、幼稚園児と小学生のお子さまを持つお母さんたちと1時間ほど話をしてきました。国が一番責任を感じ、応えなければいけ ないのは、子どもを持つご家庭の心配に対してだと思いますね。私は「最優先は子ども(の健康のための除染)だ。まず学校、次に通学路、さらに、十分できて いないが公園の除染を行わなければならない」と、関係者に繰り返し繰り返し話しています。
--原発から半径20キロ以内の警戒区域、20キロ以遠の線量の高い計画的避難区域については、来年1月と言われる工程表のステップ2の終了を受けて、解除できるかどうかを判断することになっています。比較的線量が低い緊急時避難準備区域は今月中に解除できそうですか。
◆一番危険なのは原子炉ですから、国として原子炉の安全性を確認しています。最もシビアな場合を想定しても危険が及ばないのであれば、緊急時避難 準備区域を解除する前提は整います。そうした手続きはほぼ終了しつつあります。国がやるべきなのは、まず炉の安全性を確保すること。自治体の判断に我々が 寄り添う形で慎重に事を運んでいくことになると思います。
--肉用牛や稲わらから放射性セシウムが検出された問題についてはいかがですか。風評被害にもつながりかねません。
◆私は消費者問題も担当しています。暫定規制値を超す食料が出回らないことが重要です。暫定規制値が守られている状況を維持するために、全力を尽 くします。そこに抜け道があったことは政府として申し訳なく、率直におわびします。ただ制度に限界があることも事実です。食品衛生法では、検査は自治体の 業務になっています。簡単に法改正はできませんから、現行制度を前提としながら国がどこまで前に出て検査体制を整え、安全を確保するかを考えなくてはいけ ないでしょう。
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
給食に汚染疑い牛、盛岡
盛岡市教委は8日、4~7月に市立小中学校で提供された給食の食材として、放射性物質に汚染された稲わらを食べた可能性のある牛肉が使われていた と発表した。給食の食材として使っていたのは、桜城小、山岸小、土淵小、本宮小、高松小、東松園小、土淵中の計7校。5月20日~7月19日にハヤシライ スや牛丼として出し、延べ5381人が食べた。
県教委からの通知を受け、市が1学期中に市立小中学校の給食で使われた牛の個体識別番号と、厚生労働省が公表している放射性物質に汚染された稲わらを食べた可能性のある牛の個体識別番号を照合して判明した。
市教委によると、これらの牛から国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)の放射性セシウムが検出されたとしても、1食分あたりの放射線量は0・1マイクロ・シーベルトから0・3マイクロ・シーベルトと極めて少なく、健康への影響はないという。
県教委は、県内の他の市町村でも盛岡市と同様の例があるとみているが、給食に使った牛肉が保管されている可能性は低く、汚染されているか調べるのは困難だという。県教委は、保護者からの問い合わせに答えるとしている。
(2011年8月9日 読売新聞)
子牛競り 値下がり額に「ほっとした」
競りに出される子牛(8日午前、石川家畜市場で)
石川町長久保の石川家畜市場で8日、子牛の競りが行われた=写真=。
競りは、県内の牛から暫定規制値を超える放射性セシウムが 検出されて以来2回目。同市場では、「原発事故以降に収穫したワラを牛に与えてはいない」という趣旨の申告書を、参加する全農家に提出させた。石川郡畜産 農業協同組合の渡辺一雄組合長は「福島を応援するという気持ちを持って競りに参加してくれる人もいる。だからこそ、きちっとしたものを出したい」と強調し た。
この日は、101人が競売に参加した。計249頭が出品され、1頭当たりの平均落札価格は32万3702円。前回より約1万3000円値下がりしたが、渡辺組合長は「もっと下がると思っていたので、正直ほっとした」と胸をなで下ろしていた。
54頭の子牛を購入した、茨城県の畜産会社「橋本畜産」の橋本武二社長(57)は「生産農家も我々も苦しい。何かやれることがないかという思いで競りに参加した」と話していた。
(2011年8月9日 読売新聞)
立秋の稲刈り
コンバインで「なつしづか」を収穫する大石さん(8日、菊川市で)
立秋の8日、菊川市上平川の農業大石憲司さん(64)の水田で、早くも稲刈りが行われた=写真=。
同地区では、大石さんら小笠水稲受託営農組合の組合員有志が、約20年前から早場米の栽培を始め、今年も県奨励米の「なつしずか」を計約10ヘクタールに作付けした。
今年は福島原発の事故を受け、県が新米の放射能検査を実施。セシウムなど放射性物質は検出されなかった。大石さんは「安心安全なコメだと胸を張って出荷できる」と笑顔を見せ、収穫作業に立ち会った農協幹部も「おいしいコメを消費者に届けたい」と話した。
(2011年8月9日 読売新聞)
放射能汚染水を浄化
農業・園芸用の粘土鉱物 愛大 森本助教ら確認
粘土鉱物でヨウ素除去の実験を行う森本助教(愛媛大で)
農業や園芸の土壌改良などに使われている粘土鉱物が、セシウムなど放射性物質を海水から除去することに有効であることを、森本和也・愛媛大助教ら の研究グループが確認した。粘土鉱物は入手が容易といい、森本助教は「東京電力福島第一原発事故で、大きな課題となっている放射能汚染水の浄化に役立てら れるようになれば」としている。(浅野友美)
森本助教によると、使用した粘土鉱物は、ケイ素やアルミニウムの酸化物からできた層が積み重なった構造をしている「バーミキュライト」(VER)と「合成サポナイト」。
VERにセシウムが溶けた海水を通すと、セシウムイオンが海水中のナトリウムイオンと共にVER内のマグネシウムイオンを外に押し出し、さらにセシウムイオンはナトリウムイオンも押しのけてVER内に吸着したという。
別の放射性物質のストロンチウムの場合は、VERだけでは吸着しにくいため、特殊な樹脂を併用することで吸着が可能となり、ヨウ素は合成サポナイトに乾燥剤などに使われるシリカゲルなどを混ぜたものに通すと、海水から除去することができた。
これらの手段を組み合わせれば、粘土鉱物計2キロ、樹脂10キロを使って、海水中のセシウムとヨウ素が各0・1ppm、ストロンチウムが0・01ppmの汚染水10トンを、17時間で浄化できるとしている。この作業過程で危険な物質の放出はないという。
(2011年8月9日 読売新聞)
ウェブ・エッセンス 放射性物質も除去 逆浸透膜方式の浄水器発売
ウェブ・エッセンス(東京都港区)は、水に自然に備わった浸透圧とは逆方向から圧力を加えて濾過(ろか)する「逆浸透膜」方式を採用したドイツ製浄水器「ベストウォーター」の国内販売を開始した。
同製品は、6つのフィルターを通過することで、水道水に含まれる金属物質や放射性物質などを除去し、なめらかでおいしい水にすることができるという。
同製品は、ドイツ国内のスターバックスコーヒーや世界各国の米国大使館をはじめ、全世界の一般家庭など50万世帯以上で導入実績がある。
逆浸透膜は米ダウ・ケミカル製で、その他のすべての部品を含めてドイツで一貫生産している。逆浸透膜の性能は高く、水に溶けた貴金属やヨウ素、セシウムなどの物質を95%から最大99%除去でき、水道水だけでなく、汚染された川の水なども浄化可能としている。
本体価格が34万円、設置費が2万5000円。また、1万9800円でフィルター交換費を含む年間保守契約を結ぶと30年保証が得られる。
当面は、関東および東北を販売エリアとし、直販や8月中旬に開設する同社ウェブサイト(http://www.bestwater-japan.com)などで販売する。
【Next Stage】婚礼事業でロイヤルホテルと提携 (1/2ページ)
□ノバレーゼ・浅田剛治社長
婚礼施設・レストラン運 営のノバレーゼは、ロイヤルホテルと婚礼事業で提携した。ロイヤルホテルグループのリーガロイヤル大阪が、衣装やギフトなどノバレーゼの婚礼関連商品の取 り扱いを今月から始めたほか、人材交流などを通じて両社の事業ノウハウを共有する。ノバレーゼの浅田剛治社長は「東日本大震災の影響で2011年12月期 は減益が避けられない」との見通しを示す一方、今回の提携もモデルに「法人向けビジネスを展開したい」と、新たな収益源の開拓に意欲をみせる。
--婚礼事業の現状は
「5月、6月の挙式受注は震災直後の大幅な落ち込みから盛り返し、前年並みの水準に戻ってきた。ただ、お金をあまりかけない傾向が出ている。震災後の景気 動向やこの冬のボーナスへの不安感から抑制気味にしようというマインドが働いているようで、感触的には支出が1割程度減っている」
--下期の見通しは
「7月は回復の勢いが鈍っており、まだ先は読めない。これまで西日本は状況が良かったが、電力不足が厳しさを増し節電のリスクが出てきた。婚礼は半年、1 年前に予約を入れる。『計画停電があるかも』という不安だけで、延期や中止が出る恐れがある。(放射性セシウムの問題で)国産牛が売れなくなると、料理の メニューを変える必要が出てくるかもしれない」
--収益確保の対策は
「徹底的に経費節減をやっている。高崎、浜松、姫路など地方の6店舗では不採算のレストラン営業を1月からやめて婚礼事業に絞り込み、人件費と食材の原価率がずいぶん下がった。まだまだ改善の余地はある」
--ロイヤルホテルと提携した
「婚礼衣装やギフトなどの商品群、営業や人材採用・人材教育のノウハ ウを今後、法人向けに売っていきたい。ロイヤルの話もその一環だ。(法人営業を通じ)業界全体の競争力を高めていけば、結婚式をやりたいという顧客が増え ていく。式をやっているのは現在、婚姻届組数の約6割程度といわれる。残る4割が、その気になればビジネスチャンスが大きく広がる」
--海外展開は
「6月30日に韓国に現地法人を設立し、来期に婚礼事業を立ち上げる予定だ。中国でも結婚式ができる物件の開拓に動いている。多方面作戦は良くないが、いい話があれば台湾、シンガポールなどへの展開もありえる」 (池田昇)
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【会社概要】ノバレーゼ
▽所在地=東京都中央区銀座1の8の14 銀座YOMIKOビル ((電)03・5524・1122)
▽設立=2000年11月
▽資本金=6億円
▽従業員数=515人
▽事業内容=婚礼施設・レストラン運営
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【プロフィル】浅田剛治
あさだ・たけはる 慶応大商卒、1992年リクルート入社。96年シャンテ(旧東海会館華寿殿)代表取締役。2000年ワーカホリック(現ノバレーゼ)を創業。41歳。大阪市出身。
街角景気、4年4カ月ぶり50超 先行きは4カ月ぶり下落
内閣府が8日発表した7月の景気ウオッチャー調査は、街角の景気実感 を示す現状判断指数が前月比3.0ポイント上昇の52.6で、景気が良くなっているという判断の目安となる50を4年4カ月ぶりに上回った。4カ月連続の プラスで、季節商品や家電が好調だった。ただ、2~3カ月先の見通しを示す先行き判断指数は0.5ポイント低下の48.5で、4カ月ぶりに下落。放射性セ シウムが検出された牛肉などの買い控えや急激な円高が重しになった。内閣府は基調判断を「東日本大震災の影響が残るものの、持ち直している」として3カ月 連続で上方修正した。
2011年8月9日(火)
霞ケ浦、水質悪化の謎解けた 「白濁」解消が引き金
光透しプランクトン増殖
霞 ケ浦に流入する河川の汚れを示す化学的酸素要求量(COD)は対策が奏功して改善しているのに、湖内のCODは近年なぜ悪化しているのか-。こんな不可解 な謎を、県環境対策課と専門家が平成以降の水質データを分析して解明した。原因は、湖水の「白濁現象」の解消に伴う透明度の改善。太陽光が水中に差し込み やすくなり、光合成が盛んになって植物プランクトンの増殖を招いていた。同課は「霞ケ浦の湖内はプランクトンの栄養分となる窒素やリンの濃度が全国の湖沼 に比べて高く、一層の対策が必要」として、分析結果を本年度中に策定する新たな水質保全5カ年計画に反映させる考えだ。
国と県は1986年から1〜5期にわたる霞ケ浦・北浦の水質保全計画を策定し、湖内のしゅんせつや流域の下水道など水処理施設の整備、工業排水の規制などに取り組んでいる。
その成果として桜川や恋瀬川など霞ケ浦流入河川の2009年度のCODは1リットル当たり5・4ミリグラムと、05年度に比べ0・5ミリグラム改善した。
しかし、霞ケ浦の湖内の09年度のCODは9・3ミリグラムと、05年度より1・7ミリグラム悪化して全国ワースト3位。北浦も09年度は10ミリグラムの大台に達し、ワースト1位になった。
「対策を講じて流入河川の汚濁物質を減らしているのに、なぜ湖のCODが悪化するのか」(県幹部)。同課は水環境専門家による検討委を昨年12月に立ち上 げ、国や県が保管する過去20年以上のデータを多角的に分析。霞ケ浦については、99年ごろ始まった湖水の白濁現象が05年ごろ沈静化し、99〜05年に 平均53センチだった透明度が06〜10年は72センチに回復した。透明度とCODの値の変動には明らかな相関関係が見てとれるという。
09年度の比較で霞ケ浦の窒素は琵琶湖の約4倍、リンも同じく約11倍と高く、富栄養化の下地は十分。同課は「湖内の窒素、リン濃度が高い状況で透明度が 改善し植物プランクトンが増殖、CODが上昇した」と結論。ただ、「湖水が白く濁る現象がなぜ発生、沈静化したのか、メカニズムは謎」としている。
北浦は白濁現象の発生が見られず、一方で湖内や流入河川の窒素とリンの濃度が上昇し植物プランクトンが増殖、CODの悪化に拍車が掛かっていることが分かった。
同課は「霞ケ浦と北浦では汚濁のメカニズムが異なる」と分析している。
新潟県産牛の一部、奈良市のスーパーで販売
2011.8.9 02:09
奈良市は8日、放射性セシウムに汚染された稲わらを食べた可能性がある新潟県産の肉牛1頭の一部がスーパー「ラ・ムー京終店」(同市南京終町)で流通し、すべて販売されたと発表した。
市によると、同店で6月24日から計約11キロが販売されたという。市によると、汚染の有無は確認されていないとしている。
放射能警戒区域の車、持ち出し基準強化を 新潟県、国に要望
2011.8.9 02:06
県は8日、国に対し、放射能濃度が高いとみられる地域から車両を持ち出す基準を強化し、スクリーニングと除染を徹底するよう要望した。
県によると、柏崎刈羽地域でガソリンスタンドの洗車汚泥から1キロ当たり9万ベクレルの放射性セシウムを検出した。洗車汚泥にセシウムの基準はないが、汚染された汚泥量は5月までに約15キロになり、丈夫なポリ袋に包み、ドラム缶に入れて適切に保管されている。
今回検出された汚泥15キロのセシウム総量は135万ベクレルで、警戒区域から出る自動車に対し、国が定めた一次スクリーニングの基準の半分以下。このため、泉田裕彦知事は「国の基準は甘い。今の基準で車を持ち出すと、同様の汚染が広がる恐れがある」と批判した。
宮城県、肉用牛買い上げへ
2011.8.9 02:00
放射性セシウムに汚染された稲わらを食べた牛肉が流通した問題で、村井嘉浩知事は8日の定例会見で、県産の肉用牛の出荷停止措置に伴い、出荷の遅れている肉用牛について、県が買い上げる方針を明らかにした。
国は肉用牛の出荷停止を指示した宮城など4県で、出荷の遅れた肉用牛を買い上げる方針を示している。
村井知事は「畜産農家は資金繰りに困っており、国の事業がスタートするまで、県の事業として買い上げたい」と述べた。畜産農家への県の支払い分は国に請求する。
1頭当たりの買い上げ単価は前年度の出荷平均価格と同じになる見通し。村井知事は「なるべく早くスタートさせたい」と語った。
8月9日付 編集手帳
都々逸にある。〈松という字を分析すれば きみ(公)とぼく(木)との差し向かい〉。人と人とが寄り添う。差し向かいになるはずが、相手からツンとそっぽを向かれた松は気の毒である◆大津波で倒れた岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」の松で作ったを「京都五山送り火」(今月16日)で燃やす計画が中止になった。放射能汚染を心配する声に配慮し、大文字保存会(京都市)が判断したという◆犠牲者の名前や復興の願いが書き込まれた薪は、鎮魂の祈りとともに京都の夜空を焦がすはずであったが、それも残念ながらわない◆高田松原は原発から遠く離れ、検査でも薪から放射性セシウムは 検出されなかった。それなのに、である。この一件は例外的な出来事であって、被災地の人々や産品を科学的根拠もなしに遠ざける心が知らず知らず、日本人の 胸に根を張ったのではないと信じたいが、さて、どうか。一人ひとりが胸に手をあててみる機会になるなら、不幸な松たちも幾らかは浮かばれよう◆「大」とい う字を分析すれば、おのれ一人がいるばかり。寄り添う心を持てない世の中はさびしい。
(2011年8月9日01時28分 読売新聞)
五山送り火:陸前高田のまき拒否 京都市に抗議殺到
2011年8月8日 22時18分 更新:8月9日 0時39分
津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松を京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画が放射能汚染を懸念する声を受けて中止された問 題。京都市によると、中止決定以来、市役所に約250件の電話やメールがあり、大半が中止を批判する声だったという。陸前高田市で、震災遺族らのメッセー ジを記したまき333本を精霊の「迎え火」として燃やした「大文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長は「ご容赦ください」と頭を下げた。【成田有佳、 古屋敷尚子、入江直樹】
保存会は遺族らのメッセージを写真に撮り、後日、別の護摩木に書き写して「送り火」で使用するという。
計画は大分市の美術家、藤原了児さん(61)が発案し、松原理事長に相談したのがきっかけ。藤原さんが震災後に知り合った陸前高田市の旅館経営、鈴木繁治さん(66)がまき集めやメッセージの呼びかけを担った。
計画が報道された6月末以降、京都市に少なくとも40件程度「放射能汚染された灰が飛ぶのでは」など不安を訴える電話があり、関係者の自宅にも抗議の電話があった。
保存会はまきのかけらを取り寄せ、民間会社に依頼してセシウムとヨウ素の検査をしたが何も検出されなかった。まきの使用を巡って理事会でも意見が割れたが、「不安は完全に拭えない」と中止を決断したという。
藤原さんは「不安に思う人がいるのなら押し通すことはない。保存会が現地で(当初の計画から)形を変えて亡くなった人や遺族らの思いに応えているのは、誠意の表れで感謝している」と話す。
一方、京都市によると、「送り火は死者を鎮魂する場で被災者の思いに応えられる場。『いちげんさんお断り』のようで、京都市民として恥ずかしい」 「陸前高田市は原発から離れているのに、被災地の思いを届けようとする真摯(しんし)な取り組みをなぜ中止するのか」などの意見が寄せられているという。
8日だけで70本の抗議電話 被災地マツ「大文字」使用中止
京都の伝統行事・五山送り火の「大文字」に、津波で流失した岩手県陸前高田市の景勝地「高田松原」のマツの木切れを使う準備が進められていたが、放射能汚染を懸念する市民の批判が出たため中止になった。
マツには陸前高田市で被災に遭い犠牲になった家族や友人の名前、復興へのメッセージが書かれ、400本近く集まっていた。京都市や大文字保存会などが念のため検査をしてみたが、放射能セシウムは測定されなかった。
「生まれ変わったらまたあなたと再会したい」
2011 年8月16日に行われる「大文字」に被災者の願いが書かれた松の木切れを運ぶーー。この計画は、大分市の芸術家が2011年6月に発案。大文字保存会(京 都市左京区)に打診して実施が決まった。芸術家は10日間ほど陸前高田に滞在し、松の木切れを集めて住民に願い事などを書いてもらうことにした。その数は 400本近くになり、「隆男さん、ケイコさん、安らかにお眠りください」「一年半後には医学部に入って医学を学ぶ」「生まれ変わったらまたあなたと再会し たい」などといったメッセージが書かれているという。
このニュースが京都で報道されたのは2011年7月上旬。すると京都市や保存会 に「放射能汚染が心配だ」などの抗議が相次ぐことになってしまった。放射性セシウムが検出された稲わらを食べた牛が汚染されたニュースが不安を煽る結果に なったのだという。そのため、京都市や保存会はマツの木切れの放射能測定を実施。安全が確認されたことを広報することにより市民に理解を求めようとしたの だが、実施についは主催者である保存会の意見が割れ、「検査の結果に関わらず受け入れは見送る」ことを11年8月6日に決めた。
「京都アホちゃう?」
京 都市によれば、7月上旬から8月にかけ、被災地のマツを燃やすことに反対する電話が40本ほどかかってきて、保存会にはそれを上回る抗議があったようだ、 と打ち明ける。一方で、受け入れ中止が新聞報道されると今度は「受け入れろ!」といった抗議が殺到。8月8日だけで70本もの抗議の電話があったという。
保存会の役員達は陸前高田に入り今回の経緯を説明。8日は今回集められたマツの木切れを、亡くなった人の精霊を迎える火として燃やすことになっている。
今回の出来事についてネットのブログや掲示板には、放射能汚染されていなのなら当初の計画通り「大文字」で燃やすべきだったという意見が多く出ていて、
「京都アホちゃう?」
「東北支援が聞いて飽きれるわ 。薪自体が放射能漬けでも影響なんかあるわけねーだろ」
「あの松はみーんな地震直後の大津波で流されたんだぞ。原発が爆発したのは、その後じゃねーか」
といったことが書かれている。
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汚染水処理が一時停止、雷で警報が誤作動か
2011.8.9 00:44
東京電力は8日、福島第1原発で運用している汚染水浄化システムが約2時間半停止したと発表した。システムの運転員が同日午後8時20分ごろ停止を確認。雷の影響でタンク水位計の警報が誤作動した可能性があることが分かり、午後10時45分に運転を再開した。
システム停止中も原子炉への注水は継続していたという。
浄化システムは7日、放射性セシウムを除去する装置のポンプが停止し、システム全体が約7時間にわたって止まったばかり。
4日にも別のポンプで発生したトラブルのため、約1時間半停止した。経済産業省原子力安全・保安院は東電に原因究明を指示していた。
岩手知事「今週中にも出荷計画」 県産牛出荷再開目指す
岩手県の達増拓也知事は8日の記者会見で、セシウム汚染問題により出荷停止になった同県産牛について「今週中にも出荷計画を国に申請するよう調整している」と話し、早期の出荷再開を目指す方針を明かした。
今後実施する同県の検査によって、政府が安全な流通が可能だと認めれば出荷停止が解除される。同県は今月1日に出荷停止が決まる前から、岩手畜産流通セ ンター(同県紫波町)で解体される牛の全頭検査を計画していた。知事は「基本的にそれをベースにした検査態勢で調整中」と語った。
岩手でも7校の給食に
2011.8.8 23:29
盛岡市は8日、放射性セシウムに汚染された稲わらが与えられた可能性がある牛肉が、市内の小中学校7校の給食で延べ5381食分使われていたと発表した。
市によると、七つの小中学校では5月20日から先月19日にかけ、牛丼やビーフシチューなどの食材として使われた。実際に放射性物質を含んでいたかは分からないが、食べたとしても少量で健康への影響はないとしている。
市民グループが独自に土壌調査
原発事故の影響で放射能への不安が高まる中、市民グループが独自に土壌調査をした結果を公表し、汚染地域の除染作業など行政の対応を求めました。
この調査は、市民グループが、民間の検査会社に委託して実施したもので、関東地方にある公園や植え込みなど、130か所から土壌を採取しました。調査の結果、吹き溜まりになりやすい植え込みなどで高い濃度の放射性セシウムが検出されたということです。
国などが実施した調査で、局地的に高い放射線量が観測される、いわゆる「ホットスポット」と呼ばれる地域が関東地方にも拡大していることが分かっていますが、詳細な土壌調査は、これまで福島県や茨城県など限られた地域でしか実施されていません。
今回の調査結果を踏まえ、市民グループは「行政が詳細な土壌調査をして、汚染地域の除染も含めて対応して欲しい」としています。(08日17:45)
チェルノブイリ級の放射能汚染地も? 市民団体が「関東150ヶ所」土壌調査結果を発表
NCN 2011年8月8日(月)23時25分配信
放射能防御プロジェクトが発表した「関東150ヶ所土壌汚染調査結果マップ」
NCN
福島第1原発から飛散した放射能の健康被害を懸念する市民グループ「放射能防御プロジェクト」は2011年8月8日、都内で会見を開き、同グループが検査 会社に依頼して行った首都圏約150ヶ所での土壌調査の結果を発表した。同グループによると、1986年に爆発事故を起こしたチェルノブイリ原発の周辺と 同じレベルの汚染地域が首都圏にも存在していることが分かったという。
放射能防御プロジェクトはSNSサイトのFacebookのグ ループ「福島第1原発を考えます」(2011年8月8日22時点で4980人)が母体となってできた市民グループ。今回の調査は、首都圏の土壌の現状を知 りたいと思った同グループの有志が資金(1万5千円ずつ)を出し合って行われた。
同グループが発表した資料によると、最も高い数値として 埼玉県三郷市早稲田の植え込みの土壌からセシウム134とセシウム137の合計1万4140Bq(ベクレル)/kg(7月17日時点)が検出された。この 数値を原子力安全委員会の換算方法で1平方メートルあたりの数値に換算し、チェルノブイリ原発事故のセシウム137による汚染レベル区分と比較すると、 「第2区分・一時移住区域」となり移住の義務があることになるという。
さらに同資料には、千葉県松戸市紙敷の園庭ではセシウム合計 7031Bq/kg、東京都江戸川区臨海町の植え込みではセシウム合計3693Bq/kg、茨城県取手市藤代の庭ではセシウム合計3380Bq/kgとあ り、チェルノブイリ原発事故のセシウム137による汚染レベル区分と比較すると、それぞれが「第3区分・希望移住区域」となり、移住の権利が認められるこ とになるという。
一方、東京都文京区小石川4丁目ではセシウム134と137の合計で2500Bq/kg(6月2日)が検出されているが、同区小石川5丁目では25Bq/kg(同日)ほどしか検出されず、放射性物質が均一には拡散していないことが改めて示された。
会見で、同グループの土井里紗医師は「この数値はあくまで市民団体が行ったもので、汚染区分は概算の数値」とした上で、「今まで『首都圏においてはチェルノブイリほどの汚染はない』と言われていたが、それを否定する結果だ」と述べた。
また同グループは、調査結果を踏まえ、菅直人首相と関東7都県の知事に「関東地域の500mメッシュの詳細な放射能土壌調査を行ない、その結果をもとに生 活圏全般にわたる徹底的な除染、立ち入り禁止区域の設定を実施すること」などを求める要望書を作成。会見で、同グループの紀藤正樹弁護士は「行政が真剣に 考えて、この土壌調査の問題に取り組むべき」と話した。
(山下真史)
取水口の海水 大きな変化なし
東京電力福島第一原子力発電所周辺の海水の調査で、7日、2号機と3号機の取水口付近で採取された放射性セシウムの濃度はいずれも前の日を僅かに上回りましたが、大きな変化はありませんでした。
福島第一原発周辺では、東京電力が原発の取水口付近のほか沿岸や沖合で海水を採取し、放射性物質の 濃度を調べています。このうち2号機の取水口付近では海水1cc当たりセシウム134が国の基準の15倍の0.9ベクレル、セシウム137が12倍の 1.1ベクレル検出され、前の日に比べて僅かに上昇しました。この場所は、4月に国の基準の110万倍のセシウム137が検出されたあと減少傾向が続き、 今月2日にはこれまでで最も低くなっています。また、3号機の取水口付近では、セシウム134が国の基準の25倍の1.5ベクレル、セシウム137が18 倍の1.6ベクレル検出されました。こちらも前の日よりも僅かに濃度が上昇し、5日続けて濃度が高くなっています。このほか、沿岸と沖合の合わせて8か所 の調査では、いずれも放射性物質は検出されませんでした。
(下)魚への影響、長期的監視必要
2011.8.8 22:01 (1/3ページ)
茨城県の大洗漁港でヒラメやカレイを水揚げする漁師。放射能汚染の風評被害に不安を抱えている=7月28日
福島県に隣接する茨城県北茨城市の平潟漁港。毎年8月はシラス漁が最盛期を迎え、透明で光り輝く海の幸を求める漁師や仲買人で活気づく時期だが、今年はそんな風景はない。
東京電力福島第1原発の事故による放射性物質漏れで、同漁港では4月上旬にコウナゴ(イカナゴの稚魚)から高濃度の放射性ヨウ素が検出され、同じ北茨城市沖で国の暫定基準値を超える放射性セシウムも検出。茨城県では3、4月がピークを迎えるコウナゴ漁を断念した。
同県の船引き網漁船はコウナゴ漁の後、シラス漁に移行する。シラスからは基準値超えの検出はないが、シラス漁の際にコウナゴが交じるため、シラス漁も行えない状態が続いている。
北茨城市の漁師で船引き網漁歴約40年の鈴木信孝さん(69)は「船引き網の漁師はコウナゴとシラスが収入の大半を占めるから死活問題だ。東電からの賠償金も、仮払いという本来の収入の半額程度では、漁船などの支払いもできない」と窮状を訴え、続けた。
「今後、漁が再開されても、風評被害で思うような値段は取れないだろう」
■底魚にも広がり
福島第1原発事故から約5カ月。放射性物質による水産物への汚染は、どうなっているのか。
水産庁によると、事故以降、8月5日までに福島第1原発周辺の各県で計1350点の水産物を調査。このうち海産物から基準値を超える放射性物質の検出は福 島で54点、茨城で6点。5月中旬まではコウナゴやシラスなど海の表層にいる浮魚だけだったが、6月以降はアイナメやカレイといった海底にすむ底魚にも広 がりを見せている。
広がりについて、東京海洋大の石丸隆教授(海洋生物学)は「食物連鎖による移行が進んだためだ。汚染された浮魚やプランクトンなどの死骸が海底に落ち、それを食べたゴカイなどの海底生物、さらにそれを食べた底魚に広がっている」と分析する。
海洋汚染でもっとも懸念されるのが、食物連鎖の過程で放射性物質が蓄積されて濃度が高まる「生物濃縮」という現象だが、水産庁増殖推進部の森田貴己研究管 理官は「生物濃縮は海水中の濃度に左右される。セシウムで5倍から100倍になるが、360倍以上の水銀などに比べれば高くない」と指摘。「魚はエラや尿 から放射性物質を体外に排出するので、蓄積し続けるわけではない」と、過度に不安視する必要はないとの見方を示す。
東電や文部科学省など のモニタリングによると、現在、原発周辺の海域では放射性物質の検出はほとんどみられない。森田さんは「全体としては海洋汚染は拡散、希釈の方向に進んで いる」と総括。ただ、川や湖などの淡水魚は放射性物質が体外に排出されにくいため、「汚染収束には時間がかかるのではないか」としている。
■回遊魚汚染低く
セシウムに汚染された基準値超えの肉用牛は検査をすり抜けて市場に流通したが、海産物は大丈夫なのか。森田さんは「基準値超えの大半が検出されている福島県では、事故以降、漁業をしていないので、ありえない」と断言する。
では、サンマやカツオなど広い海域を移動する回遊魚についてはどうか。東北大の片山知史教授(水産資源生態学)は「回遊魚が福島沖にいるのは1週間から1カ月程度の上、回遊魚が泳ぐ外洋ほど放射性物質は拡散、希釈されるので汚染の可能性は低い」とみる。
海洋汚染が収束に向かっているのは専門家の一致した見方だ。ただ放射性物質は食物連鎖を通じ、時間遅れで蓄積されるというデータもある。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故では、日本近海のマダラやスズキのセシウム濃度は半年から1年後にピークを迎えた。
石丸教授は「海底生物を含めたモニタリングを長期的に行い、生態系全体への影響を把握していくことが重要だ」と指摘している。
◇
この連載は長島雅子、高橋裕子、河合龍一、是永桂一、石井那納子が担当しました。
いまも学校の敷地内に 不安広がる
(秋田県)

秋田市の泉小学校で使用された腐葉土から国の暫定規制値を上回る
放射性セシウムが検出された問題で、その腐葉土はいまも学校の敷地内に停め置かれたままになっています。周辺住民からは不安の声があがっています。
[ 8/8 19:58 秋田放送]
首都圏約130カ所で行った放射能土壌調査の結果を、市民団体が公表/神奈川
市民団体「放射能防御プロジェクト」は8日、参院議員会館で会見し、首都圏約130カ所で行った放射能土壌調査の結果を公表した。埼玉県内でチェルノブ イリ原発事故での「一時移住区域」(第2区分)に相当する値が出たほか、横須賀市内で同事故での「不必要な被ばく防止のため設けられる区域」(第4区分) にあたる数値が検出されたと発表。首相や関係知事に、詳細な土壌調査や全食品の検査を行うよう要望する。
発表によると、調査したのはメンバーの自宅庭や公園などの土壌で同一方法で採取。メンバーが費用を負担し、同位体研究所(横浜市)に検査を依頼した。
放射性セシウム134と137を合計した最高値は埼玉県三郷市早稲田の植え込みで、1キログラムあたり1万4140ベクレル。横須賀市港が丘の庭では 2236ベクレル(うち137は1185ベクレル)が検出。同市の2009年度のセシウム137年間平均値は4・6ベクレルだったという。県内での調査地 点は21カ所で平均は293ベクレルだった。
会見したメンバーの土井里紗医師は「首都圏はチェルノブイリほどの汚染はないと言われてきたが、それを否定する結果が出た。疫学的な研究を待っていては 遅い」。紀藤正樹弁護士は「報じられてきた事実を市民グループが調べるまで、行政が何もしないのはおかしい」と指摘した。
放射性物質:コメの予備調査を全県で実施…宮城、山形両県
2011年8月8日 19時58分
宮城、山形両県は8日、コメの放射性物質の予備調査(収穫前)を県内全域で実施すると発表した。国の基準より調査対象を拡大し、消費者や生産者の安心を確保したい考えだ。
国の基準で調査対象となるのは、土壌のセシウムが1キロ当たり1000ベクレル以上か、空間放射線量率が平常時(毎時0.1マイクロシーベルト以下)を超える市町村。
宮城県内では、土壌で基準を超えるところはなく、空間放射線量率が平常時を超えた14市町が調査対象となっていた。しかし、県は作付けがない女川 町と極めて少ない七ケ浜町、塩釜市の1市2町を除く県内32市町村で実施。七ケ浜町と塩釜市については本調査(収穫後)で調べる。
村井嘉浩知事は会見で「コメは日本人の主食で水稲は県の1次産業の中核に位置する。詳細に調べることが重要だ」と強調した。
一方、山形県内では、土壌や空間放射線量率の調査で、国の基準を超えたところはない。しかし、合併前の旧市町村単位の44地点(現在35市町村)で、収穫期の7日前に稲を各100株程度刈り取り、玄米のサンプル調査を行う。【須藤唯哉、和田明美】
兵庫県が20日にも独自のコメの放射性物質検査 滋賀県も近江牛などの自主検査へ
2011.8.8 19:49
兵庫県は8日、県内産のコメについて、今月20日にも放射性物質の自主検査に着手すると発 表した。早場米の収穫が始まる豊岡市周辺から始め、10月中旬まで続ける。また、滋賀県も8日、「近江牛」を含む県内の食肉処理場から出荷される牛と、県 内の早場米「近江米」を対象に、自主検査の実施方針を決定したことが判明。これまでに京都府や鳥取県が自主検査を発表しており、西日本でも、同様の動きが 広がりそうだ。
兵庫県によると、国の調査方法に準じ、地域ごとに3~5カ所を抽出。刈り入れ前の稲と、刈り取った後の玄米をそれぞれ3キロ程度検査する。井戸敏三知事は「県内に放射性物質の影響はないが、安全を確認することに意義がある」と説明している。
一方、滋賀県によると、福島第1原発事故後に、県内で放射性セシウムを含む稲わらは流通していないことを確認しているが、消費者の不安を取り除くため、自主検査を決めたという。嘉田由紀子知事が9日の定例記者会見で正式に表明する。
基準値超えの牛肉41・7キロ、沼津市内で販売 静岡
2011.8.8 18:38
静岡県衛生課は8日、国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウ ムが検出された宮城県産牛肉41・7キロが、沼津市内で流通していたと発表した。7月上旬から下旬、沼津市内の精肉店で、もも肉として全量が販売された。 県はこの店に、基準値超えの肉を販売したことと、消費せず保管している場合は返品する旨を掲示するよう指導した。
同課では「この牛肉を200グラムを食べた場合、体への放射線の影響は0・0016ミリシーベルトと計算され、胃のエックス線検査1回(0・6ミリシーベルト)の約375分の1」と説明している。
この肉は、宮城県内でセシウムに汚染された稲わらを与えられた肉牛の一部。6月17日に東京都内で解体され、伊豆の国市の食肉処理業者を経て6月29日に沼津市の精肉店が購入した。
牛肉の全頭検査開始=ヨーカ堂
イトーヨーカ堂は8日、放射性セシウムに汚染された疑いのある肉牛が流通した問題を受けて、販売する全ての国産牛肉を対象に検査を行うと発表した。10日から、店頭に並ぶのは全て検査済みの牛肉となる。
検査は取引先の精肉メーカー全7社が実施。各メーカーは自社で検査機器を導入したり、第三者機関で検査したりする。
[時事通信社]
被災地の松、使用中止で京都に非難続々
東日本大震災の津波で倒れた岩手県陸前高田市の「高田松原」の松で作ったを「京都五山送り火」(16日)で燃やす計画が中止になったことに対し、8日朝から、京都市の大文字保存会の事務局を務める市文化財保護課に非難が殺到した。
「期待していた被災者の気持ちをくむべきではないか」などの意見で、8日午後1時現在、約40件に上っている。
保存会は、被災者らに犠牲者の名前や復興への願いを書き込んでもらった薪の奉納を計画し、400本が集まった。しかし、放射性セシウムに汚染された稲わらを食べた牛の肉が流通した問題などで心配が広がり、検査を実施。放射性セシウムは検出されなかったが、現地の関係者と協議して中止を決定した。これに対し、市民らから「根拠のない理由で中止するのは差別ではないか」「風評被害を助長する」などの電話があった。
(2011年8月8日14時33分 読売新聞)
高校生が“盛岡”ベースにオリジナル冷麺
[2011年08月08日 09:33]

国東高校JRCのメンバーがオリジナル冷麺を販売。売り上げの一部を義援金に
「東日本大震災復興支援チャリティーイベント・高校生レストラン」は6日、国東市国見町の「道の駅くにみ」であった。国東高校の生徒が作ったオリジナル冷麺を求めて多くの人が訪れ、用意した300食を完売した。売り上げの一部は義援金として被災地に送る。
復興支援活動をする「S.E.P(セーブイーストプロジェクト)」(中園彰三代表)の主催。福島県産米を使った弁当を販売して義援金を集める5月のイベントに続く第2弾の企画。被災地の一つ、岩手県の盛岡冷麺をベースにした冷麺を食べて復興を祈る。
今回は「食の甲子園」で初代王者となった国東高校JRCのメンバーが午前6時ごろから調理を開始、販売を担当した。キュウリなどトッピングは国東半島産を使い、土壌中の放射性セシウムを吸収することで注目されたヒマワリの油を使った特製ソースを載せた。
販売を始めた正午ごろは雨で客足が鈍かったが、無事に完売。同校の清原明里さん(17)は「多くの人が食べてくれてうれしかった」と笑顔。「一日も早く復興してほしい」と話していた。
ケーブルダクトから漏水=環境、設備への影響なし-福島第1
福島第1原発事故で、東京電力は8日、3号機の起動用変圧器のケーブルを通すダクトから隣のコントロール建屋に水が漏れたと発表した。水は高濃度の放射能汚染水がたまっているタービン建屋内に排水し、環境や設備への影響はなかったという。
東電によると、4日午後1時40分ごろ、ダクトとコントロール建屋の接続部付近に深さ10センチ程度の水たまりが見つかった。ダクトの開口部を通じて、水が同建屋側にあふれたという。(2011/08/08-12:32)
五山送り火:被災地の松「まき」計画中止…放射能を懸念
「五山送り火」で使用されるはずだったまき=岩手県陸前高田市で、小川昌宏撮影
東日本大震災の津波で流失した岩手県陸前高田市の高田松原の松に震災遺族らのメッセージを記して京都の「五山送り火」(16日)のまきにする計画 が、放射能汚染を懸念する声を受けて中止されることになった。メッセージが書かれたまき約350本は陸前高田市内で保管されており、現地入りしている「大 文字保存会」(京都市)の松原公太郎理事長らが8日夜、精霊の「迎え火」として燃やす。しかし、京都市には市民から中止を批判する声も多数寄せられてい る。【成田有佳、古屋敷尚子、入江直樹】
保存会は遺族らのメッセージを写真に撮り、後日、別の護摩木に書き写して「送り火」で使用するという。
計画は大分市の美術家、藤原了児さん(61)が発案し、松原理事長に相談したのがきっかけ。藤原さんが震災後に知り合った陸前高田市の旅館経営、鈴木繁治さん(66)がまき集めやメッセージの呼びかけを担った。
計画が報道された6月末以降、京都市や関係者の自宅に「放射能汚染された灰が飛ぶ」などと抗議の電話やメールが寄せられるようになった。
保存会はまきのかけらを取り寄せ、民間会社に依頼してセシウムとヨウ素の検査をしたが何も検出されなかった。まきの使用を巡って理事会で意見が割れたが「不安は完全にぬぐえない」と中止を決断したという。
山本正・副理事長は「陸前高田の方々には申し訳ない。迎え火で燃やすことで気持ちに応えたい」と苦渋の表情を浮かべる。鈴木さんは「時節柄、仕方のないことだと思う」と言葉少なだった。
藤原さんは「不安に思う人がいるのなら押し通すことはない。保存会が現地で(当初の計画から)形を変えて亡くなった人や遺族らの思いに応えているのは、誠意の表れで感謝している」と話す。
京都市には8日朝から中止に反対する意見が電話で多数寄せられた。市によると「送り火は死者を鎮魂する場で被災者の思いに応えられる場。『いちげ んさんお断り』のようで、京都市民として恥ずかしい」「陸前高田市は原発から離れているのに、被災地の思いを届けようとする真摯(しんし)な取り組みをな ぜ中止するのか」などの意見があったという。
毎日新聞 2011年8月8日 12時29分(最終更新 8月8日 12時35分)
コメ先物、初日から中断…原発影響?買い殺到
72年ぶりにコメの先物取引が復活し、昔ながらの手ぶりを使った取引が再現された(大阪市西区の関西商品取引所で)=関口寛人撮影
72年ぶりのコメ先物取引が8日、東京穀物商品取引所(東穀)と関西商品取引所で始まった。
東穀では、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響などで、コメの価格が上昇するとの観測から買いが集まり、午後1時現在で取引が成立しない状況となっている。東穀の関係者は、「放射能汚染によるコメの供給不安が、思った以上に広がっているようだ」と指摘している。
東穀では、4~6か月ものの関東産コシヒカリの取引を午前9時から始めたが、基準価格としていた60キロ・グラムあたり1万3500円より大幅に 高い価格での買い注文が相次いだ。東穀はこの日の値幅制限を600円としており、取引が一時中断されるなどして、価格が付かない状況となっている。一方、 関西商品取引所では取引が成立し、午後1時現在、6か月ものが1万8910円で取引されている。
(2011年8月8日16時23分 読売新聞)
2011年8月8日(月)
放射能「不安」 子ども伴い、夏休み県外へ
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放射線の影響を懸念し、埼玉県や神奈川県から離れ、8月末まで長崎県東彼杵町で共同生活する保護者や子どもたち(酒寄亜利佐さん提供) |
東京電力福島第1原発事故による放射線被害を懸念し、夏休み期間中に県内から子どもを連れて九州などに“疎開”する母子が相次いでいる。いわゆる 「ホットスポット」(放射線量が局地的に高い地域)が話題となっている吉川、三郷市など県東南部からも、不安を抱えた母親が疎開に踏み切るケースが見られ る。中には夏休みだけではなく、永住を検討している家族もいる。
「放射能から解放され、肩の力が抜けました」。そう語るのは7月末から子ども3人と一緒に長崎県東彼杵(ひがしそのぎ)町に疎開している吉川市の 主婦、酒寄亜利佐さん(36)。東京都足立区の飲食店経営、島川浩二さん(35)らが企画した関東から母子を受け入れる夏休みのプロジェクトに参加中だ。
プロジェクトに賛同する同町は町立の「農村環境改善センター」を一時避難先として提供。現在、関東近県から口コミやネットを見て集まった10世帯 26人が共同生活を送っており、今後、参加する家族を含めると計14世帯38人(大人14人、子ども24人)に上る。埼玉県から避難したのが9世帯と最も 多く、そのうち吉川市と三郷市で6世帯を占める。センターの会議室に畳を敷き、協力して食事を作るなど、まるで「合宿」のように暮らしているという。
酒寄さんによると、吉川市の自宅にいる時は「私と子どもにとってすごいストレスでした」。水道水は使わず、小学生の子どもに弁当を持たせる毎日。 心配なのでマスクを着用させるが、子どもはすぐに外してしまう。東彼杵町に来て「水道を使ったり、外で走り回る普通の生活に」感動したといい、夫が長崎県 で仕事が得られ次第、永住するつもりだ。
三郷市内の1地点では、国際放射線防護委員会(ICRP)が定める一般市民の年間被ばく量の上限1ミリシーベルト(自然放射線量を除く)を超える可能性が、県の7月の調査で確認されている。
市民団体「放射能から子ども達を守ろう みさと」は先月、約100人のメンバーにアンケートを実施。「今の線量が続くとして避難を考えるか」と聞 いたところ、回答した延べ49人のうち、10人は「検討している」、38人は「実現可能かどうかは別にして、できればしたい」とした。1人は既に県外に避 難していた。
アンケートをまとめた同団体の代表の名取知衣子さん(37)=三郷市=は「行政は『健康に問題ない』と言うが、多くの人が避難を検討するほど現状 を重く捉え、心配している」と説明する。小学4年生の長女(9)と長男(1)がいる名取さん。夏休みは兵庫県の夫の実家に1週間程度行く予定。だが単純な 帰省ではなく、埼玉を離れることを視野に入れ、生活環境を見るためでもある。
名取さんは「行政は線量を下げる対策を取るべき。保護者も喜んで計測や除染に協力するはず」と話している。
2011年8月8日(月)
東北へ鉄のエール 川口たたら祭りに5万人
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たたら祭りでパレードするサンバのグループ=7日、川口市青木の川口オートレース場前 |
鋳物の町としての歴史を名前に受け継ぐ川口市の「第33回たたら祭り」が7日、同市青木の川口オートレース場で開催された。今年は東日本大震災で 被災した東北へエールを送ろうと「東日本復興支援」を掲げ、家族連れら5万人を超える人でにぎわった。会場内でボーイスカウトらによる募金活動も行われ た。
炎天下の正午、サンバパレードが正門ゲート前を出発。自由の森学園(飯能市)など7グループが約200メートルを太鼓と歌声をバックに踊った。
川口市民のグループ「RIO BОCA(ヒオ・ボッカ)」は男女30人。ポルトガル語で、ヒオは川、ボッカは口で、ずばり川口にちなんだ名前。団長の江連保明さん(55)は「この暑さに負けないエールを東北の皆さんに届けたい」。
ヒオ・ボッカで太鼓をたたく祖父佐々木正衛さん(62)を、娘の矢沢美智子さんと孫の琉一(るい)ちゃん(1)が見つけ、手を振って喜んだ。美智 子さんは「小さな息子がいるので、放射能のことや政府の対応が心配。川口市が放射能問題で独自の基準を打ち出したのはすごいなって思った」。
会社員佐藤一毅さん(39)と見物した長女舞花ちゃん(2)は「面白い。わたしもやってみたい」。
例年は同レース場のほか市役所前通り、川口駅前など3会場で行われ、昨年は3会場で38万人の人出だった。今年は節電と安全対策のため、会場と日程を縮小し同オートレース場のみの開催で、オートレース場の花火大会も中止となった。
夢と希望 人間の力を信じています。
| 原爆死没者慰霊碑の前で早朝から祈る人たち=広島市中区の平和記念公園、小玉重隆撮影 |
| 「平和への誓い」を読み上げるこども代表の2人=6日午前、広島市中区、小玉重隆撮影 |
被爆から66年の6日、広島では再び、鎮魂の祈りの輪が広がった。東日本大震災に伴う福島第一原発の事故後、初めての平和記念式。被爆者や遺族らは、核兵器廃絶への思いを新たにする一方で、放射能の脅威に再びさらされた不安と憤りを、隠しきれない様子だった。
■平和への誓い(全文)
今年3月11日、東日本では、大震災によって、たくさんの人が命を失いました。今でも行方がわからない人がたくさんいます。多くの人が大切な家族や友だちを失い、津波で何もかもなくなった被災地の姿に、わたしたちは言葉を失い、悲しく、胸が苦しくなりました。
66年前の今日、午前8時15分、広島に原子爆弾が投下されました。爆風が何もかも吹き飛ばし、炎がすべてを焼き尽くし、人々の当たり前 の生活と、多くの尊い命が一瞬にして奪われました。どんなに苦しかったでしょう。どんなにつらかったでしょう。どんなにくやしかったでしょう。
わたしたち一人一人は、だれもがみな大切な存在です。それなのに、どうして人間は、たくさんの命を犠牲にして戦争をするのでしょうか。戦争を始めるのは人間です。人間の力で起こさないようにできるはずです。
悲しみに満ちた広島に草木が芽生えました。人々は、平和への強い思いをもって、復興に向けて歩みはじめました。未来をつくるのは人間です。喜びや悲しみを分かち合い、あきらめないで進めば、必ず夢や希望が生まれます。
わたしたちは、人間の力を信じています。人間は、相手を思いやり、支え合うことができます。人間は、互いに理解し合い、平和の大切さを伝え合うことができます。わたしたちは、今を生きる人間として、夢と希望があふれる未来をつくるために、行動していくことを誓います。
2011年8月6日
こども代表
広島市立三篠小学校6年 福原真拓
広島市立己斐小学校6年 藤田菜乃歌
■小6生、大役果たす
平和記念式で「こども代表」の藤田菜乃歌さん(11)=広島市立己斐小6年=と福原真拓(まさ・ひろ)君(11)=同市立三篠(み・ささ)小6年=が「平和への誓い」を読み上げた。
藤田さんが通う己斐小の校庭には昨年7月、慰霊碑ができた。当時は国民学校。被爆死した2千人もの遺体が焼かれ、埋められた。「今学んでいるこの場所で、そんな恐ろしいことがあったとは」と驚いた。
学校には語り部の被爆者が訪れ、当時の話をしてくれる。「何日も遺体を焼き続け、悪臭が充満していた。だけどそのうち、臭いに慣れてしまった」「今思えば恐ろしいことだが、当時は何とも思わなくなっていた。それが、戦争というものなんだよ」――。
藤田さんは式典後、「緊張したけど、うまく出来た。こんな恐ろしいことを二度と繰り返さないためにも、私たちがしっかり受け止め、伝えていかなければ」と話した。(倉富竜太)
■首相「原爆と原発、危険性共通」
菅直人首相は6日、被爆体験を海外へ伝える「非核特使」を経験した広島の被爆者8人と広島市内のホテルで懇談した。被爆者からは脱原発を 望む声が相次ぎ、菅首相は「原爆と原発は放射能を出す危険性の点で共通する」と、原発に頼らない社会を目指す方向性を示すにとどまった。
被爆者側は「ローマで被爆者として反原発を訴えた」「原発ノーを祈っている」などと発言。菅首相は「放射能被害の問題では、広島の大学や県、広島市にサポートをもらっている」と感謝の念を表した。
非核特使の活動については「核廃絶の実現には政治の力学を超えて地球に共通の思いを広げなければならない。非核特使は最も効果的な活動の一つだ」と評価。「今後の政府にも引き継いでもらえるよう全力をあげたい」と話した。(花房吾早子)
■四半世紀かけドーム3000枚
四半世紀以上、原爆ドーム(広島市中区)の絵を描き続けている広島市安芸区の原広司さん(79)=写真=が6日、節目となる3千枚目を描き上げた。この日午前6時、原爆ドームを望む元安川の川岸に腰を据え、約2時間で完成させた。
いつものように、被爆者が炎を逃れて飛び込んだ元安川の水をくみ、ボールペンと絵の具で仕上げた。
原爆投下時は、県立広島工業学校(現・県立広島工業高)1年生で13歳だった。建物疎開作業が休みだったため、江田島の親類宅にいたが、 翌日、入市被爆。戦後は、旧国鉄に勤めながら、修学旅行生らに自らの体験を語った。1984年に被爆体験を語る会を発足させたのを機に、ドームの絵を描き 始めた。
原さんは描き終わった後に「目標達成3000枚」と文字を書き入れた。「ようやく達成できた。原爆と福島第一原発事故は、放射能被害という点で同じ。核の平和利用はあり得ない」(倉富竜太)
■「胸に刻み込む」沼田さんの遺志
広島市中区の平和記念公園の被爆アオギリの前で6日、7月に87歳で亡くなった被爆体験の語り部、沼田鈴子さんを偲(しの)ぶ会があった。この日に沼田さんと会うはずだった北海道夕張市立夕張中学校の3年生3人も、沼田さんの遺影を持って参加した=写真。
広島YWCAの主催。2008年から、財政破綻(は・たん)した夕張市の中学生を招き、毎年沼田さんを訪ねていたという。沼田さんは、被爆体験を被爆アオギリの前で語るのが常だった。
佐々木佑香(ゆ・か)さん(14)は「沼田さんの遺志を継ぐ人、被爆した人の思いをしっかり聞いて胸に刻み、夕張のみんなに伝えたい」と話した。(清宮涼)
【米国ブログ】日本旅行する米国人が増加「費用が安くなったから」
【社会ニュース】 2011/08/08(月) 10:07
米国のニュースサイト「news.maars」では、日本旅行をする米国人が徐々に増え始めていると伝えている。
筆者は、3月11日に日本で起こった大地震と津波、原発被害は、日本経済に大きな影響を及ぼし、観光業界はかなり強い打撃を受けたと記している。
日本観光協会によると、外国からの訪問客は災害後50パーセント程度急落したというが、震災から4カ月が経ち、外国人旅行者は徐々に増え始めているとつづっている。
旅行者の大部分は仕事の出張か、冒険好きの旅行者、あるいは必ずしも日本に興味があったわけではなく、ただ安かったという理由で来る人など、さまざまだと述べている。
筆者はその中でも、旅行者が増えているのは、日本への旅行が手頃な料金になっているのが大きな理由ではないかとの見方を示している。
日本はこれまで旅行先として費用がかかると敬遠されがちだったが、震災以降東京への往復航空運賃が通常の半額ほどに下がっていることや、ホステルの部屋も30ドル(約2500円)程度の低価格で予約できることなどを挙げ、比較的旅行しやすくなったと伝えている。
一方、放射能の危険性についても懸念されているが、旅行者らは渡航安全情報を確認し、放射線の高水準にさらされないことを確信して、訪日しているようだと伝えている。
旅行者らは、異なるアプローチで日本の安全を評価しており、日本に住む外国人のブログや訪日を繰り返している旅行者の投稿によっても情報を得ているという。
多くは、米国務省の報告をチェックしており、現時点では、福島原発のある特定地域以外は平常に戻っており、特に問題がないとされていると記している。
東京は節電されていること以外、ほとんど何も変わっていないという印象を受けたと筆者は語る。
筆者は、震源地に近かった宮城県仙台市も、通常通りレストランや店は営業しているが、ただ太平洋沿いの町に行くと津波の傷跡が残っていることに気付かされると締めくくっている。(編集担当:田島波留・山口幸治)
原発事故賠償など連続学習会を開催
福島第一原発の事故に伴う法律上の問題について考えようと、大阪弁護士会は10日から、大阪市北区西天満1丁目の同弁護士会館で「原発問題連続学習会」を始める。
10日は、放射能被害をめぐる法律相談に応じている福島県弁護士会の尾形昭弁護士が「原発損害賠償実務の基礎知識」と題して講演する。第 2回は22日に開き、原爆症認定訴訟や公害訴訟の原告側弁護団メンバーが、今後の被害救済のあり方などについて話す。その後も随時開く予定。
学習会は主に弁護士向けだが、市民も自由に参加できる。いずれも午後6時半~8時半。無料。申し込み不要。問い合わせは大阪弁護士会委員会部人権課(06・6364・1227)へ。
開発業者は4割弱、小売業者は7割超~「汚染地再生ファンドからの用地取得」調査から
2011年8月8日 10:00
住友信託銀行株式会社は、株式会社住信基礎研究所に委託し、「汚染地再生ファンドからの用地取得に関するマンション開発業者の意向調査」及び「土壌汚染地への出店に関する小売業者等の意向調査」を実施し、その結果を公表した。
調 査は、郵送による調査票の配付及び回収方式で行われ、「用地取得」の場合、調査対象が、三大都市圏で一定規模以上のマンション開発事業を行う会社となって おり、調査期間が、2011年1月11日から2011年1月21日で、回収率が、31.0% (回答26社 / 発送84社)となった。
また、「出店」の場合は、調査対象が、三大都市圏に営業拠点があり、売上高が一定規模以上の小売業者で、調査期間が、2011年2月21日から2011年3月4日で、回収率が、11.3% (回答32社 / 発送284社)となっている。
調査結果によると、開発業者への「同ファンドからの用地取得の検討意思」の問いには、「検討する(38.5%)」、「検討しない(53.8%)」、「わからない(7.7%)」との結果となった。
一方、小売業となると、「出店検討意思」の問いには、「検討する(71.9%)」、「検討しない(21.9%)」、「わからない(6.3%)」との結果となっており、積極的な意思が見受けられる。
さらに、実績がある場合には、「出店検討意思」の問いには、「検討する(87.5%)」、「検討しない(12.5%)」との結果となり、その度合いを高めているようだ。
「業種・業態・取扱品目の制約の可能性」の問いには、「ある(13.0%)」、「ない(87.0%)」との結果となっている。
国 土が狭い現実への対応には、土地の有効利用は欠かせない選択肢の一つだが、放射能のように避けられないケースでなければ、一考の余地があるのだろう。東京 では、築地市場の移転先が汚染されているか、汚染されていても対策は万全であるなど、賛否両論がかまびすしい。消費者の安心の基準が、いまはもう安全でな いことを、売る側が理解しているかどうか、未来を見据えた戦略が望まれる。
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【石川】
3泊4日、福島の親子招待 夏休み 金沢で思い出を
2011年8月8日
| 福島からバスで到着し、笑顔で宿舎に入る子どもたち=金沢市小豆沢町で |
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自然や文化、食体験へ
豊かな緑に囲まれた金沢市小豆沢町の宿泊施設「キゴ山ふれあいの里」に七日、福島県郡山市の親子連れが訪れた。福島原発の事故を受け、屋外で遊ぶ ことができない子どもたちに、夏休みの思い出をつくってもらおうと、金沢市が受け入れた。三泊四日の日程で、金沢の自然と文化、食を楽しんでもらう。
放射能におびえて暮らす福島の子どもたちの現状に心を痛めた金沢の女性が、市に受け入れを要望した。この女性は郡山市の出身で、知人を通じて参加を募った。
一行は、児童と保護者ら二十八人。午前八時半に大型バスで現地を出発し、四回の休憩を挟み、午後三時すぎ、ようやく到着した。
歓迎式では、山野之義金沢市長が、プール遊びや和菓子作り体験、兼六園、金沢21世紀美術館などを紹介して「ゆったりとした気持ちで楽しい時間を 過ごして」と呼び掛けた。続いて、金沢の和太鼓グループが演奏を披露。メンバーの一人で、十一屋小学校六年の高木風樹君(12)は「僕自身にも福島に小学 生のいとこがいるし、学校には福島から避難してきた友達がいる。みんなに元気を届けたい」とあいさつした。
(前口憲幸)
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北海道電力、泊原発3号機再開へ最終検査を申請
北海道電力は9日、定期検査中で調整運転している泊原子力発電所3号機(北海道泊村、91・2万キロ・ワット)について、営業運転に移行するための最終検査(総合負荷性能検査)実施を、経済産業省原子力安全・保安院に申請した。
枝野官房長官は同日午前の定例記者会見で、「内閣府原子力安全委員会に意見を求めた上で、問題がなければ定期検査は終了する」と述べており、政府は原子力安全委員会の評価を経た上で、近く営業運転の再開を認める方向だ。
営業運転移行の是非を判断するため、道が国に提出していた質問書に対する回答が同日示されたことから、申請に踏み切った。回答では「最終検査は再稼働ではなく、運転の継続である」などの見解が示されている。
(2011年8月9日13時00分 読売新聞)
調整運転中の泊3号機、ストレステストは2次評価のみ
海江田万里経済産業相は9日、調整運転中の北海道電力泊原発3号機について、ストレステスト(耐性評価)は運転中の原発を対象にした2次評価のみを実施すると、北海道の高橋はるみ知事に通知した。
泊3号機は定期検査中にもかかわらず、調整運転で5カ月近くもフル稼働する異常な状態が続き、停止中の原発を対象にした1次評価と、2次評価のどちらの対象とするかが注目されていた。1次評価は次の定期検査時に行う。
これを受けて、北海道電力は9日、泊3号機の定期検査の最終検査を国に申請した。原子力安全委員会が問題ないと判断すれば定検が終わり、営業運転を再開する。定検中の原発が営業運転に入るのは東日本大震災後、初となる。最終検査は通常、1日程度で終わる。
政府 泊3号機運転継続を容認
枝野官房長官は、記者会見で、全国で唯一、発電しながら機器を点検する調整運転が続いている、北海道電力の泊原子力発電所3号機について、原子力安全・保安院の検査に加え、原子力安全委員会でも安全が確認されれば、運転の継続を容認する考えを示しました。
泊原発3号機は、定期検査を実質的に終え、現在は発電しながら機器を点検する「調整運転」を続けて いる全国で唯一の原発で、北海道電力は、営業運転の再開に向けた手続きを進めることにしています。これについて枝野官房長官は、午前の記者会見で「政府の 統一方針では、運転しているのかどうかを基準点にして『1次評価』の対象か、『2次評価』の対象かを文書にしており、運転しているので2次評価の対象にな る」と述べました。そのうえで枝野官房長官は「法令に基づいて、定期検査の最終検査項目の申請があれば、原子力安全・保安院で検査を行う予定だ。さらに、 原子力安全委員会に検査の実施状況を報告して、安全確保上の留意事項について意見を求めて問題がなければ、定期検査は終了する」と述べ、原子力安全・保安 院の検査に加え、原子力安全委員会でも安全が確認されれば、運転継続を容認する考えを示しました。
営業運転再開に向け国が回答
(北海道)

定期検査で調整運転中の泊原子力発電所3号機について、原子力安全・保安院は、原子力安全委員会の評価を得て営業運転への移行を判断すると道に回答しました。
原 子力安全・保安院によりますと、定期検査中の泊原発3号機はすでに運転されているため、停止中の原発とは区別し、再稼働には当たらないと判断しました。そ の上で今月中にも最終検査し、原子力安全委員会の確認作業を経て、営業運転への移行を判断するということです。北電は原子力安全・保安院の回答を受けて、 きょうにも最終検査を申請する予定で、検査を通れば震災後、営業運転に移行する初の原発となります。道は回答を受け入れるかどうか検討しています。
[ 8/9 12:44 札幌テレビ]
泊原発、最終検査を申請=北海道電
泊原発3号機は1次評価不要 ストレステストで経産省
- 2011/8/9 12:20
- 日本経済新聞 電子版
経済産業省原子力安全・保安院は9日、定期検査中で調整運転をしている北海道電力泊原子力発電所3号機について「稼働中の原発に実施する ストレステスト(耐性検査)の2次評価の対象となる」と北海道に通知した。停止原発の再稼働前に実施する1次評価の対象ではないとの認識を示した。北電は 道の意向を確認した上で、国に最終検査を申請した。
北電が最終検査を申請した場合、検査結果は内閣府の原子力安全委員会が評価する。…
北海道電:泊原発3号機の最終検査を申請-営業運転への移行目指し
8月9日(ブルームバーグ):北海道電力は9日、定期検査後に調整運転中だった泊原子力発電所3号機(出力:91万2000キロワット)を通常運転に移行させるため、最終検査を経済産業省に申請した。同社広報担当の高田聡氏が明らかにした。
同3号機は3月7日から調整運転に入っていた。調整運転時にも発電し電力は供給しているが、通常運転に移行するには検査を受けることが必要。
更新日時: 2011/08/09 12:42 JST
■ 泊原発3号機、「二重チェック」実施へ
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営業運転再開に向けて国の最終判断を待つ北海道電力の泊原発3号機について、国は通常の最終検査に加えて、原子力安全委員会も安全性を評価する方針を固めました。
また、原子力安全・保安院は、北海道に「泊3号機の営業運転再開は再稼働にあたらない」と見解を示しました。3号機は大震災後、定期検査を終える全国初の原発となります。(09日11:11)
関電、火力発電5基の再稼働検討 長期休止中
関西電力が長期運転休止中の火力発電設備5基について、再稼働に向けて検討を始めたことが9日分かった。定期検査で停止中の原子力発電所で運転再開を見 通せない中、今冬以降、供給力の上積みを求められる可能性が出ているため。ただ、設備の老朽化で再稼働には一定の時間がかかりそうだ。
長期休止中の設備は、海南発電所2号機(和歌山県)、宮津エネルギー研究所1、2号機(京都府)、多奈川第二発電所1、2号機(大阪府)の5基。合計出力は約240万キロワットで原発約2基分にあたる。
2001~05年度に停止し、原発の新規立地が進まない場合などに備えて取り壊さずにいた。設備の一部を撤去して配管の内部がさびついてしまうなどいずれも傷みが激しいという。
関電、来夏にも火力発電5基を再稼働へ
関西電力が、平成24年夏にも長期運転休止中の火力発電設備5基を再 稼働させる方針を固めたことが9日分かった。現在、関電は全原発11基のうち7基が定期検査に入ったまま再稼働のめどがたっておらず、来年2月ごろには全 11基の原発が停止する予定。このまま、来夏までに原発の再稼働ができなければ今夏以上に需給状況が逼迫(ひっぱく)することから、休止火力の再稼働で対 応する必要があると判断したようだ。
再稼働させるのは多奈川第2発電所1、2号機(大阪府岬町)、海南発電所2号機(和歌山県海南市)、 宮津エネルギー研究所1、2号機(京都府宮津市)の5基。いずれも13年から15年にかけて停止しており、5基の出力合計は240万キロワットになる。し かし、長期休止中の火力設備は劣化が著しく、部品交換などで多額の費用と時間がかかる懸念もある。
関西電力:火力発電所を再稼働へ 長期休止中の5基
2011年8月9日 11時5分
関西電力が長期運転休止中の火力発電所5基を再稼働する方針を固めたことが9日、分かった。定期検査を終えた原発を運転再開できない状態が続け ば、来年2月には関電の原発全11基が定検などのために停止する。政府試算によると来夏は19.3%の供給力不足が予想され、休止火力を立ち上げて供給力 確保を目指す。しかし、再稼働には大規模な補修が必要で、来夏の電力需要ピークに間に合うかどうかは不透明だ。
5基は、海南2号機(和歌山県海南市)▽宮津1、2号機(京都府宮津市)▽多奈川第2の1、2号機(大阪府岬町)で、合計出力は原発約2.5基分に相当する240万キロワット。電力需要の伸び悩みを受けて01~05年度に運転を停止した。
休止中の火力発電所は部品を他の稼働中の発電所で使い、残っている部品や配管なども傷んでいるため、大規模な補修が必要。また、運転を担当する人 員もいないため、関電の八木誠社長は「再稼働には2~3年かかる」としてきた。関電は具体的な作業工程などを詰め、早期の再稼働を目指す。【横山三加子】
関電、火力発電5基再稼働へ 12年夏にも
関西電力が現在長期運転停止中の火力発電設備5基を、2012年夏にも再稼働させる方針を固めたことが9日分かった。
関電は停止中の原子力発電所の再稼働が認められない場合、12年2月ごろには全11基が定期検査などで停止し、夏場の電力不足が深刻化するため。ただ、長期停止中の火力は設備の劣化が著しく、再稼働に時間がかかる恐れもある。
長期停止中の火力5基は宮津エネルギー研究所1、2号機(京都府宮津市)と多奈川第2発電所1、2号機(大阪府岬町)、海南発電所2号機(和歌山県海南市)。01~05年に停止した。
2011/08/09 10:24 【共同通信】
食物繊維で脳卒中リスク低下…たばこ吸うとムダ
食物繊維を多く取ると脳卒中や心筋梗塞などのリスクは減るが、たばこを吸うと、そうした傾向がみられなくなることが、国立がん研究センターなどによる追跡調査でわかった。
岩手や高知、沖縄など8県の45~74歳の男女約8万7000人を約10年間追跡。このうち3237人が脳卒中や心筋梗塞などになった。
調査対象者を食物繊維の摂取量の多い順に5グループに分けて調べると、女性では摂取量の多いグループほど、発症リスクが下がり、摂取量が最も多いグループのリスクは、最も少ない人たちの0・65倍だった。
男性では傾向がはっきりしなかったため、喫煙率に注目して調べたところ、たばこを吸うグループは、食物繊維を多く摂取しても発症リスクが下がる傾向はみられなかった。
一方、たばこを吸わない人たちは、摂取量が多いと、少ない人たちに比べ、リスクが0・57~0・68倍と低くなった。
(2011年8月9日 読売新聞)
失敗しない家づくり教室
一級建築士・FP・住まい創りプロデューサーの荒尾博氏が、21世紀の住まいの設計・監理・施工まで総合的に解説します。
第32回 もう一つの震災被害・液状化(前篇)
今回の東日本大震災で起きた被害の一つとして、関東の広範囲で起きた液状化の問題があります。私にとって液状化と聞くと、ま ず思い出すのは1968年の新潟地震で斜めになった4階建てのアパートの光景です。建築の勉強をしていたころ見た画像の記憶は、いまだに頭に焼きついてい ます。
1.液状化とは
液状化とは、地面が液体のようになってしまうことです。といっても、土の粒子が溶けて液体化したのではありません。どういう ことかと言えば、砂を缶に入れていっぱいになったところで缶の横を叩くと、いっぱいであったはずの砂が下がり、さらに砂を入れることができます。これは最 初に積もった砂同士に隙間が多く、叩かれた振動で砂が動いて隙間を無くし、びっしりと詰まった感じになったからです。
今度はその缶に水が入っていた場合を想像してください。缶を叩いて砂の隙間が無くなり詰まると、水分は表面に浮き出てくるのです。これが液状化です。こうなると建物は船の如く浮いた状態になり、建物の重量バランスが悪ければ傾くことになります。

図1 液状化
図1は、液状化をイメージしたものですが、砂に代表される粒子が積み重なっている場合、左側の図のように隙間だらけの状態が 想定されます。この状態で地震が起きると粒子が動き、先ほどの説明のように、隙間が無くなる分、嵩高は下がります。この時、地中の水分の高さが表面近くま であると上水のように表面に出てきます。この水は、絵では透明の感じですが、微細な粒子の混ざったいわゆる泥水。極めて粘度の低い液状で、地表に噴砂する こともあります。こうなるとその上に建っている建物は、船のごとく傾くことになるのです。
2.液状化の被害
地震で地中が震れ始めると、すぐにではないものの液状化が始まり、粒子が水中に漂う感じの泥水状態となり、やがて、地盤隙間 の水が泥水状態になり地表へ押し出される「噴砂」現象が起き始め、重い住宅は沈み、マンホールなど地中に埋まっている比較的軽い物体は浮き上がってくるの です。
私も耐震診断などで住宅を調査していますが、一般的な軟弱地盤ではゴルフボールなどの球体がゆっくり動く程度です(水準器やレーザー測定なども併用しますが、傾斜方向をお住まいの方にリアルに見ていただくなどの目的として、ゴルフボールなどを使います)。
一方、液状化被害の状況をみると、ゴルフボールが自然に転がるどころか、パターで打った如くのスピードで壁に衝突する感じで、外見も明らかに傾いていることが分かるほどです。

図2 液状化で傾いた家(イラスト)
今回の震災で大きな被害が出た浦安地区の状況画像などをご覧になると判るのですが、建物が傾いたり、電柱が倒れたり、マン ホールが飛び出たりしている周辺で、中高層のマンションや浦安駅や高架鉄道、ディズニーランドの建物の被害はほとんどありません。これらの建物は、強固な 岩盤までのくい打ちがされていたり、地盤改良などの対策が施されていたということです。そして、液状化による被害は、低層建物や埋設物などだけと言うこと になります。つまり、液状化が問題になったのは、地面から浅い部分だけだったのです。
3.液状化が起きる要素
ここで、液状化する地層や地質を考えてみましょう。先ほどから砂を例に挙げていますが、砂状の地質だけがなりやすいのでしょうか?
一般的には、液状化が起こりやすい地層は沖積層で、中でも約1万年前から現在までの年代の沖積層と言われています。その代表 的なのが扇状地とか三角州とか言われる平野部で、人が多く住んでいる地域です。また、現在の分類には、埋め立てや河川整備、砂利や砂の採掘跡地など人の手 によって堀動かされ、あるいは造られた地盤も含まれています。特に今回の浦安など液状化被害の大きかった地域は、人工地盤ともいえる地域が多かったと思い ます。
ただ、単純に沖積層と言うだけではありません。そこで液状化が起こりやすい条件をまとめると、
| ア. | 粒径が0.02から2ミリメートルの粒子で構成されている。(砂はこの粒の大きさに該当する) |
| イ. | 地下水位が地面から10メートル以内に存在している。 |
| ウ. | 地盤調査などで粒子間に隙間が多く存在している。つまり、軟弱地盤である。 |
などです。具体的には「粒子の大きさ、粒子間の隙間、水の存在」が大きな要素なのです。粒子間に隙間の多く堆積している地盤 に地震が起きると、震動で粒子がずれ動き、粒子間の隙間が詰まりやすくなり、粒子間の隙間に存在していた水絞り出され地表に噴出する。その結果、図2のよ うに地盤の表層部が液状化して建物の荷重に耐えられなくなって沈下することになるのです。
一方で、砂地=液状化と言うことでは、千葉県や東京から川崎など海岸どこでも液状化したかと言えば、そうでもなく、千葉県の内陸や埼玉県などでも液状化が起きています。
この内、内陸のケースのほとんどが一級河川の流域などで、過去に蛇行した河川跡などや砂利や砂など採掘した跡の埋め立て地などだと思います。
つまり、液状化する地域はある程度判っていて、行政などのハザードマップなどでも公表されています。
問題は、そのことをどこまで理解し、対策を講じていたかということですが、実際には津波同様、まだまだ予測が不足していたと言わざるを得ず、今回の震災を教訓に再度考え直す必要があると思います。
次回も、液状化について考えます。
[2011/7/6]
第33回 もう一つの震災被害・液状化(後篇)
前回に引き続き、液状化の話をします。今回の東日本大震災による液状化被害は、新聞やテレビなど報道から、世界最大級の液状化被害ということが伺われます。最大級というのは現象そのものではなく、その範囲の広さです。
液状化の被災地といえば千葉県浦安市が大きく取り上げられていますが、実はかなり広範囲に広がっているというのです。
1.東北でも液状化

図1 液状化分布図 (各情報より作図)
図1は、今回の東日本大震災で発生した液状化の地域を、ニュースや行政資料、各市町村ホームページなどから推定して作図したものですが、液状化は関東を中心に広範囲で広がっています。
この地図上で、黄色に色塗りされたところは被害の差は別として液状化現象が起きたところなのですが、ここで気付くことは、埋立地だけでなく、内陸でも広範囲に液状化が起きているということです。
また、浦安は液状化被害、東北地方では津波の被害が大きく報道されていますが、仙台周辺でも液状化が起きているものの、津波でその痕跡が打ち消されているようにも感じます。
航空自衛隊などが、空から津波が襲う直前の海岸線を撮影した画面がニュースなどで流されていましたが、それを見る限り、海岸 線に映る地面の中で、砂が吹き出したような痕跡が見られたのです。テレビ画面で速いスピードで画面が移っていきますので正確ではありませんが、地盤に詳し い友人などに聞いてみたところ、同じ感じを持ったとのことで、おそらく、もっと広い範囲で液状化が起きていたのではないかと思っています。

図2 鉄筋コンクリート造が杭ごと押し流された
また、ある海岸の町で鉄筋コンクリートのビルが横倒しになって数十メートル動かされていた惨状がありましたが、その横倒しに なったビルの基礎面には、地中にあったはずの杭が建物の底から突き出ているのです。つまり、杭ごと抜かれていたのです。このことから、私は単に津波に建物 ごと動かされただけでなく、液状化で杭も抜けやすくなっていたのではないかと思っております。この点については、今後、各研究者が解き明かしてくれると思 いますが、津波だけでなく液状化被害でも東北から関東まで巻き込んだ大災害だったということが言えるのではないでしょうか。
2.内陸の液状化
関東平野では浦安や横浜、千葉など、海岸のいわゆる埋立地だけでなく、内陸でも液状化の報告があります。ただ、その多くが利 根川など大きな川が近いなど旧河川敷周辺で起きていて、沼地だったところや砂利や砂を採掘した跡地などを中心に液状化しているということで、ある意味、海 岸の埋立地と同じような地質になっていたと推定されます。
例えば、千葉県の内陸部にある我孫子市は、北部を流れる利根川の川沿いの沼地を埋め立てたところで液状化被害がありました。 江戸時代そのままの水路と街並みで多くの観光客が訪れ、「菖蒲祭」で有名な香取市の市街地も、川底がせり上がって船が乗り上げた状態になるなど液状化の被 害は顕著に表れていました。
河川、特に大河は、過去、蛇行しながら川上から土や砂利、砂などを運び、平野を造ってきました。結果、現在の川の流れは、あくまでも現在であって、過去の流れは違う蛇行でもっと幅広い範囲で流れていて、よく旧河川敷とか呼ばれています。
図3のように、人は河川の近くの平らな土地に集落を造ってきて現在の町を構成しています。ということは、こうした河川近くの 街並みでは地盤的に弱く、液状化が起こりやすいケースがあり、さらに悪いことに都市化の中で砂利や砂が必要になり、採掘した後は埋め戻されてその後宅地造 成されていたケースも散在しており、液状化の可能性を秘めていたのです。

図3 川は過去、蛇行を繰り返し、現在に至っている
3.関東平野は、ゆっくり震れ易い
今回の東日本大震災で、関東にお住まいの多くの方は、南北方向のゆっくりと長い震れを感じたと思われています。また、2007年など新潟県で発生した地震でも、超高層ビルのエレベーターが動かなくなったのですが、ゆっくりとした震れが原因と報告されています。
実は、「フォッサマグナ」という言葉を聞いたことがあると思いますが、新潟県から関東平野にかけて深い溝あり、その上に地層 があるため、地震動は「長周期地震動」と呼ばれるゆっくりとした周期の波長に変わりやすいということのようなのです。従って、今回のような大震災や、同じ 溝の延長上にある新潟県などでの大きな地震では、そのゆっくりとした震れがいろいろな悪さをするということが考えられるのです。
その溝の深さは、気象庁など行政や大学の研究機関などの資料を見ると、最大6000メートルにおよぶと言われており、地震動が長周期化しやすい原因と解釈できるのです。
したがって、関東平野では、この長周期地震動が液状化につながりやすいのではということが言われています。今回はまさに、これらの条件が揃って広範囲に被害が広がったというのが実のところではないでしょうか。

図4 関東平野に広がる深い溝(基盤)
次回は、液状化に対して建物はどう考えるかなど話を続けたいと思います。
[2011/8/3]
コメ先物、準備不足露呈
取引が成立せず、空欄となったままのコメ先物取引(電光掲示板中央)(8日午後、都内で)
コメの先物取引が8日、東京穀物商品取引所(東穀)と関西商品取引所で行われたが、東穀では買い注文が殺到して値が付かなかった。
取引数量も目標に届かず、波乱の船出となった。
原発事故の影響で、今秋収穫されるコメから放射性物質が検出される可能性がある。幅広い産地で検出されれば、供給不足から値上がりは避けられな い。東日本大震災の津波で、東北地方の水田のうち約2万ヘクタールが流失・冠水し、7月下旬の豪雨で新潟県内の水田の約1割が被害を受けたことも、先物価 格を押し上げた。
コメ先物取引を前に、東穀は市場関係者に聞き取り調査を行い、初日の基準価格を1俵(60キロ)あたり1万3500円に設定。ところが、フタを開けてみれば、1万8000円以上の価格での買い注文が並んだ。
東穀は、8日の日中の値幅制限を基準価格から最大600円としたため、初日の取引は値が付かないまま終えた。東穀は同日夕になって急きょ、9日の取引開始値の引き上げを決めたが、準備不足は否めない。
取引規模にも課題が残る。東穀は、1日あたり5000枚(1枚は最低取引単位でコメ6トン)の取引量を見込んでいた。来年1月に現物が引き渡される6か月物については、目標に近い4000枚の取引があったが、5か月物は約500枚、4か月物は約100枚にとどまった。
今回復活したコメ先物取引は、あくまでも「試験上場」で、2年間の限定措置。十分な取引量が見込めなかったり、価格乱高下でコメの生産や流通に混 乱が生じたりすれば、本上場は認められない。両取引所の取引が、コメ市場に混乱を生じさせないように運用方法を見直す必要がありそうだ。(秋田穣)
(2011年8月9日 読売新聞)
東京コメ先物、初値1万7280円 その後ストップ高
- 2011/8/9 12:03
東京穀物商品取引所のコメ先物は9日、取引の中心である2012年1月物が60キログラム1万7280円の初値を付けた。その後は一時1万7400円と、同日の基準値(1万6400円)から値幅制限いっぱいのストップ高を付け、取引を一時的に中断した。
上場初日の8日は基準値(1万3500円)からの値幅制限を上回る買い注文が殺到し、取引が終日成立しなかった。9日は基準値を引き上げ、値幅制限も拡大した。
上場したのは関東産コシヒカリ。10年産の茨城県産コシヒカリの卸会社間取引価格をやや上回る水準で取引されている。
買い注文が優勢な背景には、福島第1原子力発電所事故の影響で新米から放射性物質が検出されれば、供給が落ち込むとの懸念がある。
一方、関西商品取引所のコメ先物は9日、前日比400円安の60キログラム1万8510円(12年1月物)で始まり、東穀取とは逆に値幅制限いっぱいのストップ安となった。
市場関係者の間では「個人投資家の参加が多く、適正な価格が形成されるには農家や卸会社の利用拡大がカギになる」(商品取引会社の日本ユニコム)との指摘が出ている。
コメ先物取引スタート、県内農家に歓迎と不安も 2011年08月09日
72年ぶりとなるコメ先物取引が8日、東京穀物商品取引所(東京)と関西商品取引所(大阪)で始まった。東京では買いが殺到して、立ち会いが中断される波乱の幕開けに。県内のコメをめぐる関係者の間では期待と懸念が交錯した。
コメ価格は長年、供給過剰によって低落傾向が続いていたが、ことしは東日本大震災後、需要が急増。加えての先物取引による高値傾向に、農家には「高値は助かる」と歓迎の声が目立った。
天草市有明町の専業農家、鏡幸一さん(58)は「農機具などにも費用がかかり、利益を出すのが難しくなっていた。高値が維持できれば将来にも望みが持て る」。JA熊本グループ稲作部会長の井手明廣さん(63)=阿蘇市=も「上場で値上がりすれば、耕作放棄地も解消するのでは」と期待を込める。
一方、コメの関連団体などは集荷面への影響を不安視する。
安定供給の側面からコメ先物取引に反対してきたJA熊本中央会では「懸念していたマネーゲームが始まった」と表情を曇らす。県内コメ生産量の44%の集 荷を目指すJA熊本経済連では「先物は投機であり、農家には実際の取り引きとは違うことを丁寧に説明していくしかない」。
ただ、JA熊本グループの井手稲作部会長は「先物価格が買い取り価格に全く反映されなければ今以上にコメが業者に流れてしまう。無視はできないだろう」とみる。
消費者に近いコメ小売店などが加盟する県米穀販売協同組合連合会は「乱高下という恐れていたことが現実のものとなった」と強調。「主食であるコメの価格 の混乱で得するのは投機筋だけ。コメの価格が不安定になれば、消費者のコメ離れが一層進みかねない」と懸念する。(上田良志、田川里美、河内正一郎)
コメ先物に初値 1万7280円~1万7400円の高値
72年ぶりに復活したコメの先物市場は9日、東京穀物商品取引所(東穀取)で初値がついた。1俵(60キロ)あたり1万7280~1万7400円で、ほぼ、この日の値幅上限いっぱいで成立した。値がつかなかった8日に続き、高値での注文が相次いでいる。
9日は、取引価格の目安となる基準値を初日の1万3500円から1万6400円に一気に引き上げ、取引が成立しやすいように運用を変えた。初日に想定を大きく上回る1万8500円前後での注文が相次いだことを受けた措置だ。
原発事故に伴うコメの汚染への懸念などから、今年産米の供給が減るとの見方が取引関係者に広がっており、初値は異例の高値となった。東穀取は「初値がつ いてほっとした。コメの価格指標になれるよう、多くの参加者を募りたい」(業務部)と話している。初値での取引量は2476枚(1枚は6トン)だった。
コメ先物値付かず、終日買い注文が殺到
コメの先物取引が8日、72年ぶりに復活し、東京穀物商品取引所(東穀)と関西商品取引所で行われた。
東穀では、初日の想定価格を1俵(60キロ)あたり1万3500円としていたが、コメの供給不安から買い注文が殺到。
気配値が1日あたりの値幅制限である600円を大きく上回る1万8000円前後で推移したため、取引は終日成立しなかった。
一方、関西商品取引所では、来年1月の引き渡しとなる6か月ものが、想定を大きく上回る1万8910円で取引された。4か月物は1万4620円、5か月物は1万4840円だった。
コメ先物への買い注文が殺到したのは、福島第一原子力発電所の事故や、米所の新潟県などを襲った豪雨の影響による供給不安が理由だ。
東穀は価格が付かなかったことに対応して、9日の取引開始値を1万6400円とすることを決めた。
(2011年8月9日 読売新聞)
東京コメ先物、初値付ける=12年1月決済物、1万7280円
東京穀物商品取引所のコメ先物相場は上場2日目の9日午前、初値を付けた。取引量が最も多い 2012年1月決済物の初値は60キロ当たり1万7280円。前日は買い注文が殺到し、値段が付かなかったが、9日は取引基準値を引き上げるとともに、制 限値幅を拡大する措置を取ったことで売買が成立した。(2011/08/09-11:17)
東京コメ先物に初値 一部ストップ高も
72年ぶりに復活したコメ先物は9日、2日目の取引が行われ、初日に取引が成立しなかった東京穀物商品取引所 (東京)では、関東産コシヒカリに初値がついた。初値は2012年1月に契約履行期限を迎え、取引の中心となる「12年1月きり」が60キロで1万 7280円。11年11月きり、同12月きりの初値はそれぞれストップ高の1万7400円だった。
東日本大震災や福島第1原発事故、新潟や福島での豪雨の影響でコメ価格が上昇するとの見方が強まって買い注文が優勢となり、基準値を大幅に上回る高値となった。
2011/08/09 10:51 【共同通信】
コメ先物取引、2日目に初値つく
東京穀物商品取引所(東穀)のコメ先物取引で9日午前、ようやく初値が付いた。
東穀のコメ先物は8日に取引が始まったが、東京電力福島第一原子力発電所の事故による新米の供給不安から買い注文が殺到、同日の夜間取引でも値がつかなかった。
9日の初値は6か月もので60キロ・グラムあたり1万7280円、4、5か月ものはともに値幅制限いっぱいの同1万7400円だった。東穀は9日の取引開始の基準値を前日よりも1500円引き上げて、1万6400円としていた。
日中の値幅制限いっぱいに達したため、9日も取引が一時、中断されたが、午後1時現在、取引が再開されている。
(2011年8月9日13時18分 読売新聞)
コメ先物取引、県内生産者ら静観 県産米60キロ当たり1万9千円
(2011年8月9日午前11時33分)
「価格の推移を見守りたい」「先物市場に参加するつもりはない」。72年ぶりにコメの先物取引が始 まった8日、福井県内の農家や卸業者は一様に慎重な反応。ただ関西商品取引所では60キロ当たり約1万9千円という高値を付けたこともあり、「生産者不在 の中、価格が勝手に決められている」「価格が上下すれば、計画的な経営ができるかどうか不安」といった声も聞かれた。
県農業法人協会の 武藤吉明会長は「先物は実際にはコメというモノが動くわけでなく金が動く市場。投機のプロではない農家が、市場に参加することはないだろう」と冷静に分析 する。約20ヘクタールでコメを栽培している嶺南の専業農家も「試験上場の2年の間に、参加することはない。参加するというほかの農家の話も聞かない」、 コメ卸業の県米穀(福井市)も「差金決済などさまざまなルールがある先物市場に参加することはリスクが伴う。とりあえずは静観」とした。
価格については不安の声も。関西商取では、午前9時の立ち会いで標準となる本県産米が60キロ当たり1万9210円(2012年1月きり)と高値を付け た。永平寺町の農家は「福島原発事故や新潟・福島豪雨などいろんな要因で高値になっていると考えられるが、逆にいろんな要因で安値になることもあるという こと。つまり生産者不在の相場。この価格が現物市場に連動するかどうかは読めないが、農家は価格に翻弄(ほんろう)され、計画的な経営が困難になるのでは ないか」と不安を吐露した。
またある卸業者は「投機目的で本県のコメをJAより高い値で買い集める業者が出てくる可能性がある。そうなると、JAや県内の卸業者にコメが集まらないことも考えられる」と危機感を示した。
価格の乱高下につながるとして、先物市場に関与しない方針のJA県中央会の松村仁専務理事は「今回の高値は、ご祝儀相場的な要素もあるだろう。今後の価格、取引量を注視していきたい」と述べた。
コメ先物取引復活 真相と今後の見通し=為替王
【経済ニュース】 2011/08/09(火) 08:25
■コメ先物取引とは?
日本では江戸時代の1730年から大阪の堂島でお米の先物取引が盛んに行われていました。当時から高度に発達した世界最古の先物取引市場でしたが、戦時 中に経済統制により廃止されました。今でこそ日本の金融技術は欧米の後追いですが、江戸時代に日本が世界に先駆けて近代的な取引市場を有していたことは日 本人として誇るべきことと思います。
■なぜこのタイミングなのか?
日本がコメ先物を復活させずに、もし、中国などでジャポニカ米を含むコメ先物市場が整備・拡大された場 合、コメの価格形成の主導権が海外に奪われてしまう事態や、コメの価格が、原油価格などと同じようにドル建てが世界基準になったり、人民元建てが基準にな るような事態もあり得ない話ではありません。
農協がコメの価格を決めるのは日本国内だけで通用する話であって、海外に日本の規制は通用しません。いずれ主導権を海外に奪われるよりは、それまでに国内でコメ先物市場を整備し指標価格を形成した方がよいという考え方があります。
■コメ先物取引復活で農家が潤う?
原油価格高騰で一番潤っているのは産油国です。それと同じようにコメ市場が整備されて適切に評価されて高値を維持できれば、それに連動する高価格でコメを販売する農家は当然潤うでしょう。
■為替王- サーチナ・トピックス
中東諸国では、昔は米国など大国に支配されていた原油の需給や価格を、自分たちでコントロールできるようになってから、膨大な利益、いわゆるオ イルマネーを手にして発展しました。日本も国内の需給と価格を統制して喜んでいるのは時代遅れで、世界に輸出するコメの需給および価格を日本でコントロー ルできるようになれば、日本経済復活の原動力のひとつになるかもしれません。(執筆者:為替王)
散歩道:極早生品種「ひたち29号」を稲刈り--潮来 /茨城
県内のトップを切った稲刈りが8日、潮来市であり、黄金色に実った試験栽培の極早生品種「ひたち29号」をコンバインが次々に刈り取った。
稲刈りをしたのは、同市上戸、農業、内野幸夫さん(60)の圃場(ほじょう)約30アール。「ひたち29号」は、「ふさおとめ」と「愛知101 号」の改良米で、超早場米の「あきたこまち」に代わる品種として県が研究開発した。試験栽培は今年で3年目。内野さんは4月23日に田植えをしたという。
東京電力福島第1原発事故の影響が心配されたため、収穫前に市は、国や県に先がけて独自に検査機関に調査を依頼。放射性物質は未検出だった。収穫した新米は市場に出回らず、試食用に供される。【岩本直紀】
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
潮来で県内初 今年産 注目の稲刈り
| 潮来市で稲刈り |
東京電力福島第一原発の事故による放射性セシウムのコメ作りへの影響が心配される中、潮来市内で8日、今年産の稲刈りが県内で初めて行われた=写真。
刈り取られたのは内野幸夫さん(60)が、県の委託を受けて試験栽培している新品種。近隣の農家や関係者が見守る中、黄金色に垂れ下がっ た稲穂をコンバインが次々に収穫していった。同市は4月上旬の土壌検査や収穫前の検査でも放射性セシウムなどは検出されなかった。内野さんは「潮来のコメ は安全、安心だということを消費者にアピールしたい」と笑顔で話した。
下旬ごろからは一般消費者向けのコメの収穫も始まる。(池田敏行)
検査は安全…風評被害怖い」 潮来市、県内で初の稲刈り
2011年8月9日
| 原発事故の影響が懸念される中、県内で今季初となる稲刈りが行われた=潮来市上戸で |
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福島第一原発事故を受け、収穫するコメの安全性が懸念される中、県内で今季初となる稲刈りが八日、潮来市内であった。
収穫されたのは、同市上戸の農家内野幸夫さん(60)が県の委託を受けて育てている極早生品種「ひたち29号」。研究種のため市場に出荷されない。近所の農家らが見守る中、約三千平方メートルが刈り取られた。
同市内ではこれまでに、内野さんの水田で土壌と玄米が一回ずつ調査された。土壌は規制値の約三十五分の一となる一四〇ベクレルで、玄米からは放射線物質は検出されなかった。同市農政課は「健康への影響はない」としている。同日収穫した玄米も検査するという。
市場向けのあきたこまちも栽培する内野さんは「検査結果には安心しているが、やはり風評被害は怖い。(行政は)しっかりと安全性を強調してもらいたい」と真剣な表情で話していた。 (水越直哉)
2011年8月9日(火)
潮来で早くも稲刈り 放射性物質「検出せず」
![]() 【写真説明】 極早生品種「ひたち29号」の稲刈りが行われた=潮来市上戸 |
潮来市上戸、農業、内野幸夫さん(60)の水田で8日、早くも稲刈りが始まった。収穫したのは、県が極早生(わせ)品種として研究開発している「ひたち29号」。同市農政課によると、県内で最初の本年度の稲刈り。
今回の収穫に先立ち、潮来市は放射性物質検査を独自に行った。同じ田の収穫前の玄米を、つくば市内の民間機関に依頼。5日に「検出せず」(1キログラム 当たり20ベクレル未満)の結果を受けて収穫した。収穫したコメは今後、市が独自依頼したつくば市内の機関と、国が指定する東京都内の研究所で分析す る。
内野さんは「今年の生育は順調。ひたち29号は栽培3年目で、生産者にとっては作りやすく、しかもおいしい。潮来の早場米のブランドになってほしい」と話 す。放射性物資検査については「県の審査で土壌調査もやった。全く不安が無いといえばうそにはなるが、(次の検査も)大丈夫だと思う」と語った。
「ひたち29号」は品種登録が済んでいないため、市場には出荷されない。
あつ~い立秋 潮来では稲刈り 茨城
2011.8.9 02:08
8日は暦の上では秋の始まりとされる「立秋」。古河で最高気温35・1度の猛暑日となった他、各地で30度を超える真夏日となったが、潮来市上戸の水田では早くも稲刈りが始まった。
県が「あきたこまち」に変わる極早生(わせ)品種として研究開発している水稲で、同市の農業、内野幸夫さん(60)が黄金色に実った稲を機械で刈り取った。市が検査機関に依頼した調査では放射性物質は検出されなかった。
同市農政課によると、収穫されたコメは、品種開発に携わる関係者に送られる。粒も大きく低温、冷害にも強い品種で、来年度以降、県の奨励品種として市場に登場する見込みだ。
盛岡市の7校の給食に汚染稲わらの牛肉か
盛岡市教育委員会は8日、市立小中学校7校の給食で、放射性セシウムに汚染された稲わらを与えた疑いのある県産牛計8頭の肉が使われていた、と発 表した。市教委によると、1人当たりの肉の摂取量は10~41グラムと少ないため、「仮に肉から暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)のセシウムが検 出されたとしても、健康に影響は生じない」としている。
市教委によると、問題の牛肉が使われたのは、桜城小、山岸小、土淵小、本宮小、高松小、東松園小、土淵中の7校。5~7月の給食でシチューやハヤシライスなどの具として使われ、計5381人が食べたという。
東日本大震災:津と伊賀の公立22校、給食に汚染疑い牛肉 /三重
◇県教委、健康影響を否定
肉牛に放射性セシウムに汚染された稲わらが与えられた問題で、県教委は8日、県内の公立学校計22校の給食で、汚染された稲わらを与えられた可能 性のある牛の肉を使用していたと発表した。県教委は「牛肉の使用頻度は少なく、量も少量」などとして、健康に影響はないとしている。
県教委生徒指導・健康教育室によると、津市の小学校8校、中学校3校、特別支援学校1校で大紀町産の牛18頭の肉を含んだ計約120キロ分を、伊 賀市の中学校10校で福島県産の牛1頭7キロ分の肉を、4~7月の間に使用していたという。いずれも8月1日時点で国が公表している牛の個体識別番号を基 に追跡調査した。このうち、伊賀市で使用した肉については検査の結果、放射性セシウムなどは検出されなかった。津市で使用していた肉は最大137ベクレル の放射性セシウムが検出されたが、国の暫定規制値は下回っていた。
また、津市も同日、市内の保育所7カ所で大紀町産の牛15頭分の肉を含んだ約18キロ分の肉を使用していたと発表した。同市も「健康に影響ない」としている。【駒木智一】
〔三重版〕
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
短信:船橋・2校給食で汚染疑い牛肉 /千葉
船橋市教育委員会は8日、放射性物質に汚染された稲わらを食べた可能性がある牛の肉を使った給食を市内2小中学校で教職員を含む約1250人に提供していたと発表した。
実際に提供を受けたのは小栗原小(1103人)と芝山中(144人)で、市内の精肉店から購入、6月17日に小栗原小はメキシコ風豆煮込み、芝山中はポトフに使用した。いずれも宮城県産の牛で、汚染牛がどうか確認中という。
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
東日本大震災:給食に汚染疑い牛肉 7小中学校で8頭--盛岡市教委発表 /岩手
盛岡市教育委員会は8日、放射性セシウムに汚染された稲わらを与えられた疑いのある県産の肉牛8頭が、市内の七つの小中学校で給食に使われていた と発表した。同教委によると、汚染された疑いのある牛肉が給食として提供されたのは桜城小▽山岸小▽土淵小▽本宮小▽高松小▽東松園小▽土淵中。5月20 日~7月19日までに計135・5キロがハヤシライスや牛丼、ビーフシチューなどに使用され、児童生徒や教職員延べ5381人に提供された。在庫が既にな いため、汚染の有無は確認できないが、同教委によると、健康への影響はないという。
原発事故後に集められた稲わらが肉牛に与えられていた問題を受け、文部科学省が各自治体に調査を実施するよう通知していた。【金寿英】
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
給食に汚染餌の牛肉 船橋 市立小中2校で使用
2011年8月9日
船橋市教育委員会は八日、市立の小中学校各一校の給食で、放射性物質を含んだ稲わらを与えた可能性のある宮城県産の牛の肉が使われていたと発表した。
市教委によると六月十七日、小栗原小と芝山中の給食で、同じ市内の精肉店から購入した牛肉計二一・四キロを使い、豆煮込みとポトフ計千二百四十七食を提供した。両校の栄養教諭らが牛肉の識別番号を調べて判明した。
市教委は九月以降の給食について「牛肉を使用しないことも含め検討中」としている。
同市内で同様の給食を出したのが分かったのは、これで小学校四校、中学校一校になった。
給食に汚染疑い牛肉 千葉・船橋の小中校
2011.8.8 18:47
千葉県船橋市教育委員会は8日、放射性物質に汚染された疑いのある宮城県産の牛肉が、市立の小中学校2校の給食に使われていたと発表した。
市教委によると、小栗原小と芝山中で6月17日、ポトフや煮物などの献立で計21.4キロの牛肉が、児童・生徒ら1247人分の給食に使われた。牛肉は5月23日に仙台市宮城野区で処理された。
厚生労働省が公表した個体識別番号から判明。学校に牛肉を納入した市内の販売業者に、在庫は残っていないという。市教委は9月以降の給食で、牛肉の使用自粛を検討している。
市立小中2校給食で汚染疑い牛肉 千葉・船橋
2011.8.8 17:59
放射性物質に汚染された稲わらを餌として与えられていた牛が、学校給食の食材に使用された疑いが相次いで発覚している問題で、千葉県船橋市は8日、新たに市立小学校1校と市立中学校1校で、汚染の疑いがある牛肉が使われたと発表した。
市教委によると、疑いがある牛肉が使用されていたのは、小栗原小で19・9キロ、芝山中で1・5キロ。いずれも6月17日の献立だった。市教委は「9月以降は給食に牛肉を使わないことも検討している」と話している。
大館駅留め置きの焼却灰一分返送
| 千葉県松戸市に返送されるコンテナが貨物列車に次々と積み込まれた=JR大館駅 |
首都圏など6県からの焼却灰を積んだコンテナが大館市のJR大館駅に留め置かれている問題で、全30台のうち、小坂町が受け入れを拒否した千葉県松戸市からの4台が8日、貨物列車で市側に送り返された。3日ほどで松戸市に到着する予定だ。
大館市によると、30台の焼却灰の放射性セシウム濃度は、国の埋め立て基準を下回っているという。
コンテナは、7月11日から25日にかけて大館駅に運ばれた。松戸市は11日、焼却灰から国の基準を超える放射性物質が検出されたと小坂町に連絡した が、「搬出は止めた」との説明だったため、すでに搬送中の放射性物質が検出された灰が最終処分場に埋め立てられる結果となった。
市側の説明不足で基準を超す放射性物質が検出された灰が埋め立てられたとして、小坂町は8月3日、一般廃棄物受け入れについて結んでいた合意書の破棄を通告。コンテナの返送はこれを受けて実施された。
小坂町によると、通告後、松戸市の担当部局から謝罪の電話が数回あった。同時に一般廃棄物受け入れの再開に向けた協議を申し込まれたが、町側は「すぐに協議を再開するような状況ではない」と拒否した。
松戸市の本郷谷健次市長は「戻された焼却灰は、責任を持って処理する。誠意をもって対応していくので、これからもおつきあいをお願いしたい」と述べた。
また、残る26台のコンテナについても、焼却灰の処理業務を担当しているDOWAのグループ会社が、一時保管のため小坂町と大館市花岡のグループ所有地内に移送を始めた。移送された焼却灰の処理については今後、県や大館市、小坂町も含めてDOWA側と協議する。
セシウムいまだ2万ベクレル超
2011年08月09日10時19分[県西エリア]
流山市は8日、市クリーンセンター(同市下花輪)で可燃ごみの焼却処理をした際に出た焼却灰の一部から1キログラム当たり2万210ベクレルの放射性セ シウムが検出されたと発表した。約1カ月前に測定した数値(同2万8100ベクレル)をやや下回ったものの、依然として国が示した埋め立て可能な基準値で ある同8千ベクレルを大幅に上回っている。
2回目となる今回の測定は今月2日にサンプルを採取し調べた(1回目は7月5日に採取)。2回とも焼却灰の一部の飛灰から同8千ベクレルを超える放射性セシウムが検出された。
基準値を超えた焼却灰は同センター内で一時保管しているが、市クリーン推進課によると、すでに約130トンを保管。このままのペースで今後も焼却灰が増えた場合、9月中旬から下旬ごろまでには同センター敷地内での保管場所がなくなるという。
「トモダチ作戦」放射性廃棄物 海自と米海軍、処分要求
横須賀市は8日、海上自衛隊と米海軍のそれぞれの横須賀基地内に、東京電力福島第一原子力発電所で起きた事故での活動や、「トモダチ作戦」の活動で出た低レベル放射性廃棄物が保管されていることを明らかにした。
海自と外務省は、「廃棄物の放射能レベルはごく微量で、適切に管理している」としているが、市は防衛、外務省に対し、廃棄物の適正な管理と処分、処分後の市への情報提供を求めている。
市基地対策課が同日、防衛省南関東防衛局と外務省日米地位協定室に電話で確認した。海自は福島第一原発事故で活動した隊員の簡易防護服などの廃棄物を、 160リットルのプラスチック容器6個に保管していることが判明。海自横須賀地方総監部広報係は、「人体に影響を与えるものではない。専用の密封容器で管 理している」と語っている。
一方、米海軍は「トモダチ作戦」で活動した航空機などを除染した際に使った布などの廃棄物を保管しているとしたが、量や形質、保管場所などを明らかにしていないため、市で日米地位協定室に照会している。
放射性廃棄物を巡っては福島第一原発事故に由来し、東京電力が処分するとして、政府内で具体的な処分方法を協議している。
(2011年8月9日 読売新聞)
放射性廃棄物:横須賀と厚木の米海軍基地に保管 /神奈川
米海軍横須賀基地(横須賀市)で低レベルの放射性廃棄物が保管されていることが8日、分かった。米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)で東京電力福 島第1原発事故に伴う放射性廃棄物が保管されていることが発覚したことから、横須賀市が外務省日米地位協定室に確認。また、大和市も米軍厚木基地で同様の 廃棄物が保管されていることを確認した。
横須賀市への地位協定室の回答によると、放射性廃棄物は、米軍が被災地支援活動「トモダチ作戦」を展開し航空機の機体から放射性物質を除去した際 の布など。放射能はごく微量で適切に管理されており基地周辺の放射能モニタリング・ポストにも異常値は観測されていないという。地位対策室は処分について 「東京電力を含む日本側が責任を持って処分すべきと考え処分方法は政府内で協議している」と回答した。
横須賀市基地対策課は「基地内には市民ら日本人従業員約5000人が働いており、放射能レベルなどの情報提供、適切な管理と速やかな処分を国に要望した」としている。【田中義宏、長真一】
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
放射性廃棄物:海自横須賀で保管 160リットル容器6個分 /神奈川
海上自衛隊横須賀地方総監部(横須賀市)に福島第1原発事故による低レベル放射性廃棄物が保管されている問題で、廃棄物は事故処理に当たった隊員 の簡易防護服などで、160リットル入りプラスチック容器6個分に上ることが8日分かった。横須賀市が防衛省南関東防衛局に確認した。放射能レベルはごく 微量で外部への影響はないという。【田中義宏】
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
政府、避難準備区域は解除へ 3キロ圏内一時帰宅も実施
政府は9日、東京電力福島第1原発から半径20キロ圏外の緊急時避難準備区域について、全ての地域を一斉に解除 する方針を固めた。午後の原子力災害対策本部で決定する見通しだ。これまで認めていなかった3キロ圏内の一時帰宅実施も決める。いずれも8月下旬以降の実 施を想定しているが、時期については各自治体の判断を尊重する。
枝野幸男官房長官は午前の記者会見で、避難準備区域について「安全確保状況の報告を受けた上で、避難区域の取り扱いについて協議する」と述べた。
避難準備区域解除と3キロ圏内一時帰宅は、細野豪志原発事故担当相が6日、実施の意向を表明していた。
2011/08/09 12:34 【共同通信
政府、緊急時避難準備区域について一括解除の方針決定へ 解除時期は8月下旬から9月
原発事故で設定された緊急時避難準備区域について、政府は9日、一括して解除する方針を決めることにしている。
緊急時避難準備区域は、事態が急変した場合に速やかな避難が求められ、南相馬市や川内村など、福島県内の5つの市町村が該当する。
政府は、原発の状況が改善し、放射線量も安全性が確認されたことから、9日、一括して解除する方針を決定することにしている。
緊急時避難準備区域の川内村から避難している人は、「まだ(解除は)だめでしょう」、「何にもないから、川内村は。病院もないし、店もないから」などと語った。
しかし、解除の時期については、医療機関の再開や、学校の除染などについて、市町村が復旧計画を策定する8月下旬から9月としている。
(08/09 11:46 福島テレビ)
避難準備区域は解除の方針 2011/8/9 12:06
政府は東京電力福島第1原発から半径20キロ圏外の緊急時避難準備区域で全地域を一斉解除の方針。
避難準備区域 解除方針決定へ
政府は、9日、原子力災害対策本部を開き、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて設定された「緊急時避難準備区域」について、原発の状況が改善しているとして、各市町村が復旧計画をまとめたあとに一括して解除する方針を決定することにしています。
「緊急時避難準備区域」は、福島第一原発の事故で緊急事態が生じたときに屋内退避や避難を準備する 区域として政府が指定したもので、福島県の広野町の全域、それに南相馬市、田村市、楢葉町、川内村のそれぞれ一部が指定されています。この区域について、 政府は、9日、原子力災害対策本部を開き、水素爆発の可能性が低くなるなど原発の状況が改善していることや、学校や公共施設の放射線量のモニタリングで基 本的に安全性が確認されたとして、一括して解除する方針を決定することにしています。ただ解除の時期は、各市町村が学校や医療施設などの公的サービスの再 開や学校などの除染を含む「復旧計画」をまとめたあととし、具体的には、今月下旬から来月をめどと想定しています。また住民の帰宅時期については、上下水 道などのインフラの復旧や除染の進み具合が地域で異なることから、各市町村の判断を尊重する方針です。
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・避難準備区域“解除 慎重に判断” |
佐賀知事が辞任否定…「発言が誤解され増幅」
九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の再稼働を巡る「やらせメール」問題で、古川康・佐賀県知事は9日午前、県議会原子力安全対策等特別委員会に出席した。
古川知事は、九電幹部が作成した知事発言メモで、国主催の説明番組に賛成意見の投稿を要請したとされていることについて、「内容やニュアンスについては相当違っている。非常に強い違和感がある」と述べ、九電に遺憾の意を伝えたことを明らかにした。
自らの進退について、「発言が誤解されて増幅された。私自身の責任を取らなければいけないという認識にいたっていない」と辞任の意思はないことを明言した。
知事は「やらせメールを依頼したことは全くない」と改めて強調。「九電幹部との面談時、経済界からも声を出すべきだと発言したことは軽率だった」とこれまでの主張を繰り返した。
しかし、メモで説明番組の出席者の人選の経緯などが克明に記述されている点については、「出席者のことに言及するなど、しゃべりすぎだったと反省している」と述べた。
特別委の要請を受け、九電は9日、面談した佐賀支店長(当時)が作成した知事発言メモを提出した。
(2011年8月9日12時45分 読売新聞)
佐賀県知事「メモは真意と違う」 議会がやらせ要請追及

佐賀県議会の原子力安全対策等特別委員会で、「やらせメール問題」について説明する佐賀県の古川康知事=9日午前
佐賀県議会の原子力安全対策等特別委員会は9日、古川康知事を招致し、九州電力玄海原発の説明番組をめぐる「や らせメール問題」の発端になったとされる知事発言について質疑を行った。知事は「(九電幹部が残した発言メモは)私の発言の趣旨や真意とは相当違う。やら せメールを依頼したことはない」とあらためて釈明した。
特別委は開会直前に理事会を開き、九電が知事発言メモを提出。メモには、知事が原発の再稼働に向けて九電から県議に働き掛けるよう求めた記載があったが、知事は「説明すれば県議にも再稼働の必要性を理解してもらえるだろうと言った」と説明した。
2011/08/09 12:15 【共同通信】
「真意と違う」 議会工作、やらせ指示否定 九電メール問題で佐賀知事釈明
2011年8月9日 12:06 カテゴリー:政治 九州 > 佐賀

佐賀県議会原子力安全対策等特別委で答弁する古川康知事=9日午前11時3分
九州電力の玄海原発(佐賀県玄海町)再稼働をめぐる「やらせメール」問題に絡み、九電幹部と会談した際の発言メモが問題となっている佐賀県の古川康知事は 9日、「メモの内容は、私の発言の趣旨や真意とまったく異なっており、非常に強い違和感を感じている」と述べ、再稼働に向けた県議への働き掛け要請や、九 電側にメール投稿を依頼した事実を否定した。「発言が誤解を生じさせたことについては、責任を取るという認識には立っていない」と語った。県議会原子力安 全対策等特別委員会で述べた。
九電幹部が作成したメモはこの日、県議会の要請を受けて九電側が提出に応じ、初めて公開された。メモの概要は6日に明らかになっていたが、古川知事が事実関係を説明するのは初めて。
県議会特別委の冒頭、古川知事は「お騒がせをしており、県議会や県民のみなさまにおわび申し上げます」と陳謝。一方で、箇条書きされたメモ内容について「確かに私が発言した項目について書かれているが、内容やニュアンスは相当違っている」との認識を示した。
県議への働き掛け要請について、古川知事は「まったく違う」と強調した上で、「選挙を通じた支持者の声を受け、県議会の雰囲気は厳しいものがある。いろい ろなルートで集めた支持者の声を県議に届けることも必要ではないか」との趣旨だった、と“議会工作”の依頼を否定。メール投稿の呼び掛けも「九電に対して 申し上げたのではない。再稼働について、いろんな声を出してもらうのが一番という考えを申し上げた」と強調した。
メモには、国主催の県民説明番組(6月26日)出演者に佐賀商工会議所の専務理事を予定していることなど、人選への県側の関与を疑わせる内容もあった。この点について、古川知事は「見通しを述べたが、しゃべりすぎだったと反省している」と釈明した。
古川知事は6月21日朝、九電幹部ら3人と知事公舎で会談。同席した佐賀支店長(現・佐賀支社長)が知事発言をメモにまとめた。メモでは「以下、知事発言 のみ記載」として、知事が九電に対し、支持者を通じて県議に再稼働を働き掛けるよう要請したことを記録。5日後に控えた県民説明番組にも、再稼働容認の立 場からネットを通じて意見投稿するよう求めたことなども記されていた。
=2011/08/09 西日本新聞=
古川佐賀県知事、強気の姿勢でメモ否定
九州電力の「やらせメール問題」をめぐる古川康佐賀県知事の発言をただした9日の県議会の特別委員会。開始時間が遅れるなど冒頭から混乱した。古川知事は謝罪の一方で「発言趣旨とメモが大きく異なる」と持論を展開するなど、強気の姿勢も見せた。
用意された約30の傍聴席は満員に。知事と九電との会談メモを、議員や傍聴席に配布するかどうかをめぐって、理事会を繰り返し開催。委員会は約40分遅れで始まった。
冒頭、神妙な表情で説明に立った古川知事は「お騒がせしたことを心よりおわびする」と深く一礼。
だが、強い口調で「私の発言趣旨と内容が大きく異なっており、誠に遺憾」と述べ、配布された九電との会談メモの項目を1つ1つ挙げて食い違いを指摘。さらに「やらせメールを依頼したことは全くない」ときっぱり否定した。
傍聴に来た佐賀市の主婦(41)は「(知事が)九電に身内意識を持っていたのが腹立たしい。辞めるべきだ」と話した。(共同)
[2011年8月9日12時8分]
「やらせメール」、佐賀知事が議会で釈明
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玄海原子力発電所の再稼働をめぐる、いわゆる「やらせメール」問題で、佐賀県の古川康知事は9日、佐賀県議会で原発の説明番組を前に、九州電力幹部に対し、賛成意見を出すように促したことなどについて釈明しています。
古川知事は9日、佐賀県議会の原子力安全対策等特別委員会に出席しました。委員会では古川知事が九電の幹部に対し、原発の説明会番組に賛成意見を投稿することや、県議会に働きかけることなどを語ったとする九電側のメモが公開されました。
古川知事は、このメモの記載について「自分の発言の趣旨や真意とかけ離れている」と語りました。
「その内容やニュアンスについては、相当違っているとの認識を持っております。また、非常に強い違和感を感じています」(佐賀県 古川 康 知事)
委員会は午前11時半現在も続いていて、議会側からは古川知事の責任を厳しく追及する声が上がっています。(09日11:37)
九電やらせメール:知事の発言メモ提出 佐賀県議会特別委
2011年8月9日 12時25分 更新:8月9日 12時28分
九電やらせメール事件での自身の関与について説明しようと挙手する古川康佐賀県知事=佐賀県庁で2011年8月9日午前10時43分、加古信志撮影
佐賀県の古川康知事が九州電力の「やらせメール」を誘発する発言をした問題で、佐賀県議会は9日午前、古川知事から説明を受ける原子力安全対策等 特別委員会を開いた。九電は、幹部が知事の発言をまとめたメモの全文を委員会に提出。知事はメモに記載された内容について「確かに当日話した項目が書かれ ている」と認めたが「真意と違った形で九電に伝わった。責任を取らなければならないとの認識には立っていない」と自らの責任を否定した。
発言メモの概要が明らかになって以降、知事は報道陣の取材を拒否しており、メモの内容について説明するのは初めて。メモは、知事が玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働に向け、賛成意見の投稿や県議会の工作を要請する内容となっている。
知事は冒頭「今回の発言でお騒がせしていることを県民に心からおわびする」と改めて陳謝。だがメモの内容については「(自分の発言と)内容やニュ アンスが相当違う。(やらせを)要請した事実はない。私の発言が誤解され、増幅された」とし、自身の責任はないことを強調した。
一方、九電のやらせメールの舞台となった経済産業省主催の説明番組で、当時は公表されていなかった出演者を事前に九電幹部に伝えたことについては「しゃべりすぎだった」と自らの非を認めた。
メモは、6月21日に古川知事と面談した段上守・九電副社長(当時)の指示で、同席した佐賀支社長が作成。その後、同社原子力部門の社員約100 人にメールで配信され、九電の「やらせメール」につながった。知事が「発電再開に向けた動きを一つ一つ丁寧にやっていくことが肝要」と述べたと記され「以 下の2点を九電にお願いしたい」としたうえで(1)県議への働きかけをするよう支持者に依頼(2)6月26日開催の国主催の説明番組の際、再稼働容認の立 場からネットを通じて意見や質問を出してほしい--と要望したことも書かれていた。【竹花周、斎藤良太】
福島の小中学生1割、1万4千人転校
福島県内の公立小中学校で、東日本大震災後から夏休みまでに県内外に転校したか、夏休み中に転校する児童・生徒は約1万4000人に上ることが県 教委の調査でわかった。県内の小中学生は約16万5000人(5月1日現在の推計)で、県教委では、震災や東京電力福島第一原発事故の影響で約1割が転校 を余儀なくされたとみている。
県教委によると、3月11日の震災発生後から7月15日までに県外に転校した児童・生徒は7672人、県内で転校したのは4575人。このほか、夏休み中に転校するのは、県外1081人、県内755人となっている。
(2011年8月9日11時19分 読売新聞)
県内全小中生5パーセントが県外へ転校
夏休み中に県外の学校に転校を申し出ている県内の公立小中学校の児童生徒は1081人に上ることが8日、県教委のまとめで分かった。
東京電力福島第一原発事故の発生後から7月15日までに転校した小中学生は7672人で、これを合わせると県外への転校は8753人に達する。
8日に開かれた県議会東日本大震災復旧復興対策特別委員会で遠藤俊博県教育長が明らかにした。
県教委によると、夏休み中の転校を希望している1081人の内訳は小学生918人、中学生163人。
原発事故後から夏休みまでの計8753人の内訳は、小学生6628人、中学生2125人。
総数は県内の全小中学生17万6653人(平成22年5月1日現在)の約5パーセントに当たる。
県教育庁学校経営支援課によると、転校している児童生徒は福島第一原発周辺の警戒区域だけでなく県内全域にわたっている。
転校の理由は、放射線への不安が多いとみられ、「特に小学生の保護者の間で、心配が広がっている。
県内の学校に戻るときに備え、しっかり準備したい」としている。
福島の子ども1081人、夏休み中に県外転校
福島第1原発事故による放射線への不安などから、夏休み中に福島県から県外へ転校する公立小中学校の児童生徒が1081人に上ることが8日、県教委のまとめで分かった。県内で転校する児童生徒も755人いる。
県外転校予定者の内訳は、小学生が918人、中学生は163人。理由として約4分の3が放射線への不安を挙げた。夏休み前の7月15日現在で、県外転校者は既に7672人を数えている。
県教委によると、県外転校は従来、避難区域が設定された浜通り地方の子どもが中心だったが、今回のまとめでは放射線量が比較的高い中通り地方の子どもが目立つ。
県教委は「岩手、宮城両県と異なり、いまだに子どもの出入りが激しい。県民の放射線への不安がそのまま、子どもの動きにつながっているのではないか」(学校経営支援課)と指摘する。
県内公立小中学校の児童生徒は2010年度、17万6653人だった。東日本大震災では40人が死亡し、5人が行方不明になった。警戒区域と計画的避難区域、緊急時避難準備区域内の54校には震災当時、約1万2000人が通っていた。
2011年08月09日火曜日
20キロ圏外の緊急時避難準備区域を一斉に解除へ
政府は9日、東京電力福島第1原発から半径20キロ圏外の緊急時避難準備区域について、全ての地域を解除する方針を固めた。午後の原子力災害対策 本部で決定する見通しだ。これまで認めていなかった3キロ圏内の一時帰宅実施も決める。いずれも8月下旬以降の実施を想定しているが、時期については各自 治体の判断を尊重する。
枝野幸男官房長官は午前の記者会見で、避難準備区域について「安全確保状況の報告を受けた上で、避難区域の取り扱いについて協議する」と述べた。
政府は原発の事態急変時に避難を準備する区域として福島県広野町全域と南相馬、田村両市、楢葉町、川内村の一部を避難準備区域に指定した。各自治 体は解除に向け、除染作業や生活インフラ整備の見通しを盛り込んだ「復旧計画」策定を急ぐ。3キロ圏内の一時帰宅については事業所を先行し、その後に住民 の帰宅を実現する方向だ。
避難準備区域の解除と3キロ圏内の一時帰宅をめぐっては、細野豪志原発事故担当相が6日、周辺自治体の首長らに実施の意向を表明していた。
原発から20キロ圏内の警戒区域のうち3キロ圏内と、3キロ圏外でも放射線量の高い地域については一時帰宅の対象外としていた。
(2011年8月9日13時18分 スポーツ報知
被災地の競走馬を受け入れ
(北海道)

福島第一原発の事故で被災した南相馬市の競走馬を日高町の牧場が避難先として受け入れを始めました。
日高町にきょう避難して きたのは、南相馬市で飼育されていた競走馬9頭です。馬たちは放射線の検査を受けて問題がないことが確認された後、町内の牧場に預けられました。今回の避 難は、福島第一原発の事故を受け、日高町が馬の飼育で交流のあった南相馬市に受け入れを申し出ていました。競走馬は来年5月まで避難していますが、その間 の費用は日高町などが全額負担するということです。
[ 8/9 12:42 札幌テレビ]
官房長官 自主避難も賠償を
枝野官房長官は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で、子どもへの放射線の影響を心配して国が指定した避難区域以外の地域から自主的に避難した住民に対しても、適切な賠償が行われるよう東京電力を指導する考えを示しました。
福島第一原発の事故で、福島県内では、1万人を大きく上回る子どもが転校するなど、避難区域以外の 住民が、子どもへの放射線の影響を心配して子どもを連れて自主的に避難する例が相次いでいます。これについて、枝野官房長官は、記者会見で「さまざまな不 安を持って、避難区域などでない住民が、やむをえず自主的に避難していることは申し訳ない。できるだけ早く事故を収束させるとともに、除染やモニタリング を徹底し、安心して福島県内で子育てをしてもらえる状況を早く作りたい」と述べました。そのうえで枝野官房長官は「子どもに対する不安などで自主的に避難 している人については、当然、東京電力から適切な賠償が行われるよう、東京電力を指導していきたい」と述べました。
東日本大震災:コメ放射性物質検査、収穫前に調査実施へ 県独自の対応 /山形
◇「つや姫」と「コシヒカリ」
県は8日、国が示したコメの放射性物質検査に関し、収穫後の本調査に加え、国の指導では必須ではない収穫前の予備調査も実施することを決めた。県 産ブランド米のつや姫とコシヒカリについても県独自の対応を決めた。県は農家やコメ販売関連団体から「検査をしてほしい」との要望を受け、コメの安全性の 確認とアピールは販売戦略上、重要であると判断した。
国は、コメの収穫前と収穫後の2段階の放射性物質検査の方針を示していた。県は収穫後の本調査は実施するように指導されたが、収穫前の予備調査に ついては、土壌中の放射性セシウム濃度が土壌1キロ当たり1000ベクレル以上▽空間放射線量率が平常値(毎時0・1マイクロシーベルト以下)を超える --という国の実施基準を下回っていたため、必須ではなかった。
収穫前でも収穫後でも、調査地点数について国の指定はない。県は、公平性などを考慮して、収穫前の予備調査では旧市町村単位(05年合併前)の 44地点とした。県生産技術課は「合併後の酒田市や鶴岡市はかなり広範囲になるので、旧市町村の単位で検査することにした」と話す。
また、9月中下旬から始まる本調査では、予備調査で200ベクレル以下ならば、旧市町村の235地点(50年合併前)で検査する。200ベクレル以上になれば15ヘクタールごとに1点で調査をする。検査が済むまでは出荷自粛を要請する。
一方、9月下旬には、つや姫とコシヒカリについて、44地点の調査に加え、希望する市町村で放射性物質検査を行う。【和田明美】
- 放射線量:文科省が情報集約 ポータルサイト開設
- 放射性物質:コメの予備調査を全県で実施…宮城、山形両県
- 低レベル放射性廃棄物:自衛隊基地でも保管
- 放射性物質:コメの検査 3県を追加
- 放射性物質:千葉県でコメ検査スタート
毎日新聞 2011年8月9日 地方版
ニュースBOX:筑波大で放射線講座 /茨城
筑波大は「放射線の科学」をテーマに重点公開講座を9月17日から5回開く。いずれも土曜日で、講師は筑波大アイソトープ総合センター長の松本宏教授ら同大教員が分担する。申し込みを23日までホームページなどで受け付けている。
東京電力福島第1原発事故を受け、放射能や放射線の人体への影響をはじめ基礎知識を身につけ、リスクを判断する考え方などを学ぶ。受講無料。会場 は筑波大2B。講義は1回3時間(午前9時半~午後0時半)で計15時間。定員120人。問い合わせは同大社会連携課(029・853・2216)へ。
内容は次の通り。
9月17日=放射線の性質と生体影響▽9月24日=原子力とエネルギー▽10月1日=放射性物質の化学と環境放射線▽10月29日=放射線の医学利用▽11月5日=宇宙線と地球環境
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
脱原発に転換を=市長、福島事故に危機感―米代表が式典出席―66回目長崎原爆の日
2011年8月9日12時6分
長崎は9日、66回目の原爆の日を迎えた。爆心地に近い長崎市松山町の平和公園では、市主催の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれ、被爆者や遺 族、菅直人首相ら約6000人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。田上富久市長は平和宣言で、福島第1原発事故に危機感を示した上で、「原子力に代わる再生 可能エネルギーの開発を進めることが必要だ」と訴えた。
式典には、原爆を投下した米国からズムワルト首席公使が初めて出席し、参加国は過去最多の44カ国となった。福島県からは、瀬戸孝則福島市長やいわき市の中学校生徒会役員43人が招待された。
式典は午前10時35分に始まり、この1年間に死亡が確認された原爆死没者3288人分の名簿3冊を奉安。長崎原爆の死没者は15万5546人となった。原爆が投下された午前11時2分には、全員が黙とうをささげた。
平和宣言で田上市長は「『ノーモア・ヒバクシャ』を訴えてきた被爆国の私たちが、どうして再び放射線の恐怖におびえることになってしまったのか」と原発事故に危惧を表明。より安全なエネルギーを基盤とする社会に転換するよう呼び掛けた。
[時事通信社]
「相馬野馬追」の馬、北海道の牧場へ避難
東日本大震災や福島第1原発事故の影響で、飼育が困難になった福島県の伝統行事「相馬野馬追」の馬9頭が避難のため南相馬市から9日午前、北海道 日高町の牧場に到着した。国内有数の馬産地の日高町は、馬を通じて南相馬市と長年交流があり、受け入れを決めた。来春まで預かる。
町によると、飼育者が被災したため、9頭は南相馬市内で一時避難していた。放射性物質を検査するスクリーニングをした後、8日現地を出発し、フェリーなどで輸送した。
牧場に到着した9頭は草を食べるなど落ち着いた様子。2度目のスクリーニングを受け、厩舎に運ばれた。三輪茂町長は「放射線量は問題なく、馬も元気で良かった。きちんと預かって無事に福島に返してあげたい」と話した。
相馬野馬追は、騎馬武者が勇壮に駆ける国指定の重要無形民俗文化財。今年は規模を縮小して、7月23~25日に開催された。
- 【関連ニュース】
(2011年8月9日11時40分 スポーツ報知)
東日本大震災:「東電、コース除染を」 福島のゴルフ場、仮処分申請
福島第1原発事故で、福島県二本松市のゴルフ場運営会社と敷地・施設の所有会社が8日、「コースが放射性物質で汚染され営業できなくなった」として、除染と除染完了までの維持経費支払いを東電に求める仮処分を東京地裁に申し立てた。
ゴルフ場は、第1原発の西北西約45キロにある「サンフィールド二本松ゴルフ倶楽部」。
運営会社側の弁護団によると、東日本大震災発生でコースの一部が崩れるなどしたため、補修などをして7月中の再開を目指していた。ところが、市が 6月下旬と7月上旬に放射線量を計測したところ毎時2マイクロシーベルト前後となり、高い所は同7・1マイクロシーベルトを計測したため、再開を断念し た。
両社は「休業期間でもゴルフ場の除草や肥料散布などが必要」と主張、人件費や維持費などの支払いを求めている。半年間で総経費は少なくとも約8700万円に上るという。
第1原発事故を巡っては、国の原子力損害賠償紛争審査会が当面の賠償対象に関する中間指針を示したが、弁護団は「審査会の結論が出るまで申し立てを待つ理由はない」としている。【和田武士】
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
コメの放射性物質検査 「つや姫も」対象に
◇ 県が方針 235地点で本調査
コメの放射性物質検査について、県は8日、収穫前の「予備調査」を平成の大合併前の各市町村44地点で実施したうえ、収穫後の「本調査」 を昭和の大合併前の各市町村235地点で行うと発表した。国は早生(わ・せ)と中生(なか・て)の品種を検査対象にする方針を示しているが、県は晩生(お く・て)品種の「つや姫」と「コシヒカリ」についても収穫後の調査を実施する。
農林水産省は、山形を含む17都県にコメの放射性物質検査を求めている。県内35市町村はいずれも土壌の放射性セシウム濃度や空間放射線 量が国の基準値以下で、予備調査は義務づけられていないが、県の判断で実施を決めた。8月下旬以降、「あきたこまち」などの早生品種と「はえぬき」などの 中生品種を対象に44地点で調査する。
9月中旬以降の両品種の本調査は235地点で行うが、予備調査でセシウム濃度が玄米1キロあたり200ベクレルを超えた場合は、細分化して15ヘクタールごとに調べる。
また9月末~10月上旬に収穫されるつや姫は44地点で、コシヒカリは希望する市町村で、それぞれ収穫後に調査する方針だ。
本調査でセシウム濃度が500ベクレルを超えた場合は、235地点ごとにコメを出荷停止にする。
吉村美栄子知事は同日の定例記者会見で「コメの主産地としての役割を果たしていくためにも、放射性物質調査を的確に実施していきたい」と述べた。
一方、つや姫を栽培している山形市の斎藤広志さん(55)はコメの検査について「今年は大事な2年目。品種ごと、地区ごとにきめ細かく調査し、安全性を確かめてほしい」と話す。
昨年産の売れ行きが好調だったため、今年は作付面積を倍の約2・3ヘクタールに増やした。昨年ほどの猛暑でもなく生育は順調だ。だが低農 薬で育てる特別栽培米のつや姫は、放射性物質を吸収しやすいのではないかという不安が農家の間で出ているという。「出ないことを祈るしかない。安全な場合 は、早く安全宣言を出してほしい」と消費者の反応を案じながら語った。
東日本大震災:GS汚泥にセシウム 基準の強化求め、県が国に要望書 /新潟
県内のガソリンスタンドの洗車場の汚泥から放射性セシウムが検出された問題で県は8日、国に対し、放射能濃度の高い地域から車両が出る際の基準強化を求める要望書を提出した。
県の調査で、県内7カ所のガソリンスタンドの汚泥から1キロあたり最大9万ベクレルのセシウムが検出されている。
国は現在、福島第1原発の20キロ圏内から出る車両の放射線量検査と除染をしているが、基準となる放射線量は1万3000cpm(cpmは1分あたりに放射線を検出した回数)としている。
一方、ガソリンスタンドの汚泥から検出された放射性物質を車1台当たりに推計すると6000cpmになるが、検査で最大9万ベクレルと高い値が検 出されたことから、県は「現在の基準では、今回検出された同程度の放射性物質が発生する可能性がある」として、除染対象となる基準の強化を求めるとした。 【小林多美子】
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
東日本大震災:ワンストップ相談窓口開設 国の原子力対策本部がきょうから /福島
国の原子力災害現地対策本部は9日から、福島第1原発事故や放射線に関する相談を受け付ける「ワンストップ相談窓口」(0120・988・ 359)を開設する。午前8時~午後10時、平日は10人、土日祝日は5人程度の体制で対応する。専門知識のある職員が最低1人常駐する。これに伴い、県 が開設していた放射線に関する問い合わせ窓口(024・521・8127)は8日午後9時で終了する。
県の窓口には、3月17日の開設以降、8月4日までに各地の放射線量の問い合わせや、野菜の摂取の可否など計2万5076件の相談が寄せられた。 最近も1日100件程度の相談があり、内部被ばくや県民健康調査の内容、除染方法などの問い合わせが多いという。新たな窓口は国が主体となるが、県職員も 参加して県への要望なども受け付ける。
県が開設している原発事故の損害賠償の問い合わせ窓口(024・523・1501)と農林水産業の相談窓口(024・521・7319)は今後も対応を続ける。【関雄輔】
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
東日本大震災:福島第1原発事故 住民独自で健康手帳 全村民に配布--飯舘 /福島
◇「将来不安」記録手元に
東京電力福島第1原発事故の影響で計画的避難区域となった飯舘村の住民有志が独自の「健康生活手帳」を作製した。事故後の詳細な行動を記録して、 被ばく線量の推計など将来の健康管理に役立てる狙い。長期的な健康被害に対する懸念は広がっており、専門家も「記録を手元に残すことは重要」と活動の意義 を指摘している。
A5サイズの手帳を作ったのは、村民の健康管理や補償などを求めて活動する「愛する飯舘村を還せプロジェクト」のメンバー。
「何十年もたってから病気になるかもしれない。適切な賠償や治療が受けられるように」(佐藤健太常任理事)と考え、4月の結成時から「被爆者健康 手帳」のような制度を検討。村に提案したが、村は18歳以下と妊婦だけを対象としたため、全村民に広げようと、原爆被害者や医師のアドバイスを受け、独自 の手帳をまとめた。グループに寄せられた支援金を活用、避難生活を送る村民に無料で配布する。
手帳には震災後1年間の行動を記録。特に3~4月については、日ごとの滞在場所と時間▽屋外での作業内容▽帽子やマスクを着用したか▽雨どい近く など比較的線量が高い場所にいたか--などを書き留める。病歴や検診結果の記入欄も設け、放射線に関する「豆知識」も盛り込んだ。
佐藤常任理事らは、離散した仕事仲間や仮設住宅住民らが集まって当時を振り返ることも提案。手帳の記入作業を「難しく考えず、コミュニティーを維持するツールとしても使ってほしい」と期待する。
広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦副理事長(66)は「被爆者手帳を申請する際、当時の行動を思い出すのに苦労する人は多い。記憶が薄れる前に、記録に残すのは大事」と話し、取り組みを評価する。
県は全県民を対象とした健康調査を今月開始するが、問診票は回収されるため、受診者側の手元に記録は残りにくい。広島大学原爆放射線医科学研究所 の星正治教授は「手元に行動記録を残すことは絶対に必要。被ばく線量の推計は計算方法によって変わってくるし、後に検証や修正が必要になることもある。補 償の申請や裁判の際の証拠にもなる」と話している。【小泉大士】
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
福島市の高線量域で除染作業 通学路や国道草刈り

放射性物質を取り除く除染のため草刈りをする人たち=9日午前、福島市大波地区
福島市は9日、放射線量が局地的に高いホットスポットがあるとされる大波地区の除染作業を始めた。高圧洗浄機を使うなどの作業を12日まで続け、効果を確認する。
この日は、小学校通学路や国道115号の放射性物質を取り除くため、作業員約30人が草を刈り取った。草は袋に詰めて地区内の市有地に一時保管する。
通学路が除染された市立大波小の三浦光伊校長は「子どもの安全のために、できることをみんなでやりたい」と話した。同校は原発事故後、全児童30人のうち7人が転校している。
2011/08/09 11:12 【共同通信】
【滋賀】
県が放射性検査実施へ 近江牛の全頭と近江米
2011年8月9日
高濃度の放射性セシウムを含む稲わらが肉牛に与えられるなど、農畜産物への放射線汚染の不安が広がる中、県は近江牛と近江米を対象に放射性物質の 検査をする方針を決めた。生産団体から「ブランドの安全性を確保してほしい」との声が強まり、それに応じることにした。嘉田由紀子知事が9日の定例会見で 具体的な道筋を示す。
県内には東北、関東の17都県の稲わらは流通していないが、畜産関係団体から今月に入り要請があった。
肉牛を解体する滋賀食肉センター(近江八幡市)で、出荷された全ての近江牛から筋肉の一部を抽出。国が定めた放射性セシウムが規制値(1キロ当たり500ベクレル)以上含まれていないかを調べる。検査機器の購入費などを9月補正予算案に盛り込む意向。
近江牛は、県内で最も長い飼育日数を過ごした黒毛和牛で、肉質の良さで人気。今年2月1日現在で、87戸が1万1167頭を飼育。昨年は8600頭が出荷された。
近江米は、県衛生科学センター(大津市)で8月20日すぎから検査する。一部のサンプルを使うなどして「安全宣言のための検査をしたい」と説明している。
県内の堆肥(たいひ)の一部は東北産だが、堆肥を田に入れたのは昨年秋で、県は「原発事故の影響は全く受けていない」と強調。「早場米の収穫段階の検査は異例になるが、検査自体はこれまでもしている」と説明している。
近江米は、県内で生産されたうるち米、酒米、もち米の総称。作付面積は3万3000ヘクタールで、2010年度には17万トンが京阪神地方を中心に出荷された。 (木原育子、中尾吟)
県:被災者支援や放射線対策、補正案305億1400万円 住宅借り上げ倍増 /岩手
県は8日、東日本大震災の被災者支援や放射線対策に充てる総額305億1400万円の11年度一般会計補正予算案を発表した。主に国の2次補正予算に対応したもので、9日に開会する県議会臨時会に提案する。
被災者支援では、民間賃貸住宅の借り上げ戸数を2000戸から4000戸に倍増した分や仮設住宅の改善工事費94億3600万円▽被災した障害 者、老人、児童向けの各福祉施設復旧費補助計61億4000万円▽魚市場など水産業共同利用施設復旧支援72億2300万円▽親を失った児童・生徒への奨 学金給付1億7100万円--などを盛り込んだ。
また、県単独で福島第1原発事故の影響による放射線対策事業を新たに実施する。内容は、学校や保育所など教育施設の放射線測定・除染作業経費1億 600万円▽放射性セシウムを含む疑いのある牛肉や稲わらの検査費用4100万円▽牛肉の出荷停止や風評被害を受けた農家への運転資金貸し付け1000万 円--を計上する。【山中章子】
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
東日本大震災:チップ堆肥からセシウム 町田市、生産・出荷を停止 /東京
町田市は8日、「市剪定枝資源化センター」(小野路町)で生産したチップ堆肥(土壌改良材)から、国が肥料や土壌改良材などについて設定した暫定 許容値(1キロ当たり400ベクレル)を上回る同580ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。これを受け、市は堆肥の生産・出荷を停止した。
市は、高濃度の放射性セシウムを含む腐葉土が流通していた問題を受け、7月28日に堆肥のサンプルを採り、外部の専門機関で独自に測定。堆肥(た いひ)は市内の家庭などから持ち込まれた剪定(せんてい)枝を砕き、約2カ月発酵させて作っており、砕いた直後の剪定枝の放射性セシウムは同336ベクレ ルだった。また、同センターの敷地境界の放射線量は最大で0・092マイクロシーベルトで、市内の小学校などの測定値とほとんど変わらなかった。
堆肥は市内の農家などに販売しており、市は7月28日以降の購入者に堆肥を使用しないよう連絡した。それ以前の購入者についても、市のホームページなどで注意喚起していくという。
国は近く、肥料などに含まれる放射性セシウムの統一した測定方法を示すことにしており、市は国が示した方法で再度測定した上で、堆肥の生産・出荷の再開を検討する。ごみ減量課は「国には早急に統一した測定方法を示してもらいたい」としている。【松本惇】
〔都内版〕
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毎日新聞 2011年8月9日 地方版
検出器・人員、足りない 県、放射線検査に苦慮 2011/8/9 10:18
食品の放射性物質による汚染が広がりを見せる中、徳島県は放射線量 などを調べる検出器と職員の不足に頭を悩ませている。県は現在、5台の検出器を使っているが、大気や水道水、牛肉、腐葉土などの測定でフル稼働。県産の農 畜水産物を測定するため、新たに注文した簡易測定器は全国的に品薄で、納入は2カ月以上先の見通しという。検査が長期化し対象が拡大すれば、対応は一層困 難になりそうだ。
県によると、検出器5台のうち、文部科学省から貸与された3台が県立保健製薬環境センター(徳島市)にある。放射線100+ 件監視装置(モニタリングポスト)と簡易測定器では毎日、大気中の放射線量を測定。放射性物質の種類と濃度を調べることができるゲルマニウム半導体検出器では、文科省からの指示に基づき施設内の水道水と、雨やほこりなどの降下物を測定している。
ゲルマニウム半導体検出器は1検体の分析に約6時間かかる。分析に資格は必要ないが、日本分析センター(千葉県)などで1カ月程度研修を受ける必要があ るため、検査できる職員は5人だけ。同センターの浜口知畝(ちとし)次長は「職員は土日も出勤しており、これ以上検査が増えると対応は難しい」と話す。
残る2台の簡易測定器は、稲わらなどの飼料や牛肉の放射線量の測定に使っている。1台は徳島大学から借りており、借用期限は10月中旬。県産の農畜水産物の放射線量を調べるため7月に簡易測定器3台を注文したが、納入は10月以降になりそうだ。
県原子力災害対策企画員室の髙瀬義正総括企画員は「政府に対し、検査人員の確保や検査資機材の整備を求める緊急提言を行った。県としても独自に検出器の購入や人材の確保など検査態勢の充実を図りたい」と話している。
【写真説明】放射線100+ 件量を調べるため牛肉を処理する職員=徳島市の県立保健製薬環境センター
東葛 放射線自衛へ 学校「異景」
| プールの授業後に体を洗う児童。20秒以上はかける=7月上旬、松戸市立北部小 |
放射線量が比較的高いといわれる東葛地区の学校の様子が様変わりした。立ち入り制限場所のある校庭、校舎へ入る時には土やほこり払いの徹底、プー ル見学の児童の増加……。校庭の草取りや清掃は教職員の仕事になった。学校はそれぞれに自衛策を始めたが、新学期はどうするのか。悩みはつきない。(園田 二郎)
7月上旬、我孫子市立並木小で保護者も参加して、校庭表面の砂をトンボで集めてとった。砂は校庭の隅の大きな穴に埋められ、周囲を立ち入 り禁止に。6月の東葛6市の放射線量測定で小学校の中で最も高い、1時間当たり0・63マイクロシーベルトを記録したからだ。「少しでも保護者に安心感を もってもらいたい」と学校と市教委が協議して決めた。
松戸市の北東部の小学校でもフェンス近くや砂場を立ち入り禁止に。保護者が簡易測定器で測ったところ、高い値が出たためだ。
体についた放射性物質を減らすための注意を徹底させている学校も多い。同市立北部小の昇降口には「ストップ 5 土・ほこりはらい」とい う標語を書いた紙があり、児童は校舎へ入るときには、5秒以上、立ち止まって手で服を払う。洗面所には、「うがい・手洗い・顔洗い」の標語。プール後の シャワーはこれまでの倍の20秒以上をかけて隅々まで洗う。
「放射性物質を身体に入れない工夫が大事」と立林尚也校長。自ら高学年に放射線の知識を講義し、PTAは勉強会を開いた。
松戸市は全校に、体育授業で地べたに座る時に使うシートも配布した。
6市の放射線量測定で最高値の0・65マイクロシーベルトだった西初石近隣公園の近くにある流山市立西初石小。強風時は野外活動を控え、校外学習として児童がしてきた畑の草取りもやめた。側溝の水やドロは教職員が頻繁に取り除く。
同市は6月下旬、小中学校23校全校で、放射能の心配からプール授業を見学する数を調べた。中学生はゼロだったが、小学生は97人。全体 の1%ほどだが、理由を放射能とは告げずに見学させる保護者もいるとみられ、「平常時より増えていると思う」と市教委。7月上旬、西初石小では1割前後が 見学をしていた。
東葛地区の放射線量について、「心配するレベルではない」とする専門家も多いが、保護者の不安は消えていない。同小の生天目(なば・た・め)憲校長は「いまだゴールが見えない」と嘆いた。
2011/8/9 火曜日
リンゴ卸売業「ヤマダイ」が独自で放射線量測定/平川
平川市南田中のリンゴ卸売業「ヤマダイ」(大里信善社長)は8日から、同社独自で商品の放射線量測定を始めた。今月中はジュースなどで行い、今年 産の早生(わせ)種の入荷が始まる9月からはリンゴでも行う。同社は「消費者のニーズに即して実施している。子どもたちの未来を守るためにもリンゴ全品で 行う」としている。
同社では通信販売による消費者への直販に力を注いでいるが、福島第1原発での事故発生以降、商品の安全性に関する問い合わせが多く、購入予定がキャンセルになる風評被害も出ていた。こうした動向も踏まえ、業務用の放射線測定器(サーベイメータ)を購入したという。
商品だけでなく資材関係の安全性にも留意するため、係員が発送直前に、段ボール箱に入った状態の商品に測定器を当てる。安全と証明されたものは検査日、検査場所、基準数値などを明記した「放射線安全証明」のシールを貼付してから発送する。
同社では今秋から、リンゴの表皮にレーザー光線でシリアルナンバーをマーキングできる選果機(品質には無害)を新たに稼働する。
業界では県内初の試みで、生産履歴情報を追跡でき、他県産混入を防ぐことが可能なトレーサビリティーシステムの強化も推し進めている。
大里社長は「トレーサビリティーの推進は震災前から目標としてきた方針で、放射性安全証明の必要が求められる時局とも重なった格好。お客さまが求める安 全・安心を示すためには、口だけで安全だと唱えるのでなく、それを確保するために実際に行動を起こさなければならない」と力を込めた。
知事「議会で話す」 きょう県議会特別委 メモ問題
九州電力の「やらせメール」問題の引き金になった可能性が指摘される古川康佐賀県知事の発言メモに、議会工作の指示とも受け取れる内容などが書かれてい る問題で、県議会原子力安全対策等特別委員会は9日、古川知事に事実関係をただす。知事は8日、記者団に対し、「あす(9日)の議会できちんと話しますの で」とだけ述べ、終日、知事室にこもって業務をこなし、特別委員会に向けた答弁作成などに追われた。
佐賀市の知事公舎前には8日朝、新聞やテレビなど10社の記者が発言内容を確認しようと待ち構えた。午前9時前、険しい表情で公舎から出てきた古川知事 は「あすの議会できちんと話しますので」と一言。警備の職員2人に守られながら、「(車に)乗れないのでごめんなさい」「とにかく、あした話しますから」 とだけ述べ、公用車で出勤した。
この日は来訪者の予定もなく、古川知事は終日、知事室にこもって通常業務に当たった。9日の特別委員会に向け、担当課職員と答弁の打ち合わせにも時間を費やした。
特別委員会は9日午前10時から、議会棟4階の第4委員会室で開かれる。質問者を事前に決めず、自由に質問する“特例的”な形式。ネット中継はなく、一般傍聴席30席(先着順)を準備する。入れなかった場合は、1階で音声だけの傍聴(50席分)となる。
発言メモは国の説明番組放送前の6月21日、知事と面会した九電幹部が作成。原発再稼働に対する賛成意見の必要性や県議への働きかけなどが知事の発言として記載されており、内容が事実なのか、古川知事の説明に注目が集まる。
◇ ◇
◎知事発言メモのポイント
九州電力幹部が作成した古川康佐賀県知事の発言メモのポイントは次の通り。
一、(玄海原発をめぐる)国主催の県民向け説明番組に、発電再開に賛成の立場からネットを通じて意見や質問を出してほしい。
一、自民党系県議は再稼働の必要性を分かっているが、支持者の不安の声を受けて発言している。県議にいろんなルートで働き掛けをするよう(九電側から)支持者にお願いしてほしい。
一、(発電再開に向けて)危惧される国サイドのリスクは菅直人首相の言動だ。
一、説明番組の参加者の1人には、商工会議所の専務理事を予定している。長崎大の放射線100+ 件医学の専門家に同席してもらうことも考えている。反対派を入れようと考えたが、1人を選ぶのは難しい。
一、国の緊急安全対策を国際原子力機関(IAEA)に評価してもらえるよう、国に対し説得を進言している。
険しい表情で公舎を出る古川康知事=佐賀市の知事公舎
2011年08月09日
コメ放射性物質 宮城県、32市町村で予備検査
2011年産米の放射性セシウム濃度の検査について、村井嘉浩宮城県知事は8日の定例記者会見で、県内のほぼ全域に当たる32市町村で予備検査を実施する方針を正式表明した。予備検査は8月下旬~9月上旬に始まる見込み。
予備検査のサンプル数は、空間放射線量の基準を超えた14市町ではおおむね各5地点。県が独自に選定した18市町村では計約50地点を調べる。作付けのない女川町、面積の小さい塩釜市、七ケ浜町は実施しない。
コメ1キログラム当たり200ベクレル以下だった場合、収穫後の本検査では1950年当時の旧市町村ごとに1~2地点で採取。計約400地点で濃度を測 り、あらためて200ベクレル以下なら販売可能とする。本検査で200ベクレルを超えれば、その市町村を重点調査区域に指定、作付面積約15ヘクタールご とに調べる。
予備検査で200ベクレルを超えた市町村も重点調査区域として調査。500ベクレル超の場合、旧市町村単位で出荷停止を指示し、全量廃棄を義務付ける。
県は12日、検査前のコメの出荷自粛を全稲作農家に要請する予定。同日、市町村、農協、コメ卸業者向けの説明会を大崎市と大河原町で開き、検査の概要を説明する。
2011年08月09日火曜日
放射線量測定、県内3技術支援センターでも 工業製品の安全性確認
(8月9日 05:00)
県内で生産された工業製品の安全性を確かめるため、県産業技術センター(宇都宮)、県南技術支援センター(佐野)の2カ所で放
射線量を測定している県は態勢を拡大し、10日から足利、小山、益子3市町の技術支援センターでも測定を開始する。県産業労働観光
部は「より身近な場所で測定ができるようになる。活用してほしい」と呼び掛けている。
足利銀行が寄贈する計測機器(サーベイメータ)計7台が納入されるのに伴い、拡大する。新たに測定を始めるのは繊維(足利)、
紬織物(小山)、窯業(益子)の各技術支援センター。各1台ずつを配置して測定を開始する。
対象は、県内企業が県内で生産した工業製品(食品や飲料の内容物検査は除く)。申し込み1件につき、最大5点を無料で測定する
。希望者は各センターへの事前申し込みが必要となる。
県は4月19日から、都から借り受けた計測機器を使って、県産業技術センターで県産製品の測定を開始。8月1日からは県南技術支
援センターでも受け付けを始めていた。約3カ月半で延べ109社の製品、418点を測定した。いずれも県は「放射線100+ 件量測定結果報
告書」を発行した。
当初は輸出用の自動車用部品や医療機器などが多く持ち込まれ、1週間待ちの状態もあったが、最近は園芸用の土や石灰などが持ち
込まれるケースが目立ち、申し込みは落ち着いた状態だという。
足銀は、食品や飲料など内容物検査もできる「ゲルマニウム半導体検出器」1台も寄贈、来週にも県産業技術センターに納入される
見通し。県内の放射線100+ 件測定の体制が、さらに整うことになる。
2011/08/09 高森 郁哉
東日本大震災:福島・夏休みに転校続々 「子どもの将来のため」母親ら苦渋の選択
福島県内の小中学校に子供を通わせる親が、夏休みを機に転校させる動きが広がっている。仕事を持つ父親は福島に残り、別居生活を選択する世帯も多 い。「放射線量の数値や評価は、専門家の間でも分かれている。子どもの将来のために後悔はしたくない」。原発事故から5カ月近くがたっても、子育てへの不 安は収まらず、やむにやまれぬ思いで、ふるさとを後にする母子が相次いでいる。【安高晋】
◆夫は残り別居
福島市内でも線量が高い御山地区で、小学3年の長男(9)と1歳の長女の2児を育てる女性(36)。長男が通う小学校の1学期が終わった7月下旬 に、母子3人で京都府に引っ越した。公務員住宅を1年間無料で借りられ、家電や生活用品など支援も充実していることを知り、縁のない土地だったが新居に選 んだ。高校教諭の夫は福島に残る。
福島第1原発から約60キロ。安全性を疑ったことはなかった。爆発後にテレビで放射線の測定値を見て不安になり、4月末に市民団体の集まりに出席 してみた。そこで、長男が通う小学校で他の地区より高い放射線量が計測されていたことを知る。県の調査なのに、それまで結果を知る機会はなかった。長女が 庭の枯れ葉を口に入れていたことを思い出し、ショックを受けた。
機器を借りて自宅内の放射線量を調べてみた。毎時0・4~0・7マイクロシーベルト。屋外で測った平常時の数値の10倍以上だ。2階の線量が高い と分かり、それ以来子どもは1階で寝かせた。自宅の庭も表土や草花を掘り起こし、土のうに入れた。緑であふれていた庭は、赤茶けた土だけになった。
5月末ごろから、登下校時の小学校は送り迎えの車で渋滞が目立ち始める。雨が強い日には、念のため学校を休ませた。「いつになったら外で遊べるの」という長男の問いに返答できないまま、時だけが過ぎた。
「不安をあおらないで」「冷静な対応を」。行政や学校が言う通り、長袖にマスクでの通学を続けて外出を控えれば、影響はないのかもしれない。それでも「太陽を浴びたり草花を摘んだりすることが、子どもの成長にどれだけ大切なことか」と思う。
「『あの時は、やり過ぎだったね』と後で思ってもいい。子どもの健康には代えられない」。33年のローンが残るマイホームを離れたが、夫と離れて 暮らすことには不安が消えない。福島に残る同級生の母からは「私も避難を考えたい。これからも連絡を取り合いましょう」と声を掛けられているという。
◆退職してでも
原発から西へ約60キロの同県郡山市に住む早野直子さん(49)も、中学1年の長女とお盆明けに東京都品川区の雇用促進住宅に引っ越す予定だ。
将来子どもを産む可能性がある娘の体が何より心配だった。中学2年の長男は「今の友達や部活動を大切にしたい」と夫とともに地元に残る。4人家族 は2人ずつに別れて暮らす。「思春期の息子と顔を合わせないことには不安が残る」と打ち明ける。団体職員だった早野さんだが、8月中に辞職する。「これま でと同じ条件の仕事は見つからないと覚悟しており、東京ではパートの仕事を見つけて働くつもり」。見通しがつかない「疎開生活」の厳しさを心配していた。
- 福島小中生:震災後1万4000人転校 放射線不安などで
- 東日本大震災:被災地に仏壇提供 名古屋市の稲葉さん
- コメ先物:価格安定に時間も 需給逼迫の思惑先行
- 津波警報:改善案 数値化せず「巨大な津波」などの表現に
- 東北電:需給逼迫 東電が110万キロワット緊急支援
毎日新聞 2011年8月9日 東京朝刊
国連総長が福島訪問 知事、放射線基準策定求める
相馬市の被災地を視察する国連の潘基文事務総長(最前列右)。左は立谷相馬市長=8日、相馬市尾浜
国連の潘基文事務総長は8日、東日本大震災による津波で壊滅的被害を受けた福島県相馬市尾浜地区を視察した。犠牲者に黙とうをささげた後、立谷秀清市長や地区の代表者らから説明を受けた。
潘氏は記者団に日本語で「頑張ろう 福島」と切り出し、「被害の大きさに言葉を失ったが、復興への意気込みを感じて励まされた。被災者のメッセージは必ず国連に届ける」と述べた。
福島第1原発事故に関しては「観光や産業への影響はあると思う。国連も事故から教訓を学んでいきたい」と話した。
潘氏は相馬訪問に先立ち、福島市で佐藤雄平知事と会談した。佐藤知事は「県民には長期の健康管理と最先端の研究医療施設、放射性物質の研究拠点が必要」と説明した上で、放射線の安全基準の指針を国連が策定するよう求めた。
潘氏は福島南高も訪問し、高校生と交流。双葉高2年で浪江町から福島市に避難、福島南高に通う渡辺美波さん(17)は「普通に生きるのが一番の幸せ。つらくて泣いた日々を糧に逆境に負けない人間になりたい」と英語でスピーチした。
潘氏は「感動した。日本は必ず災害から立ち上がる」と応え「明日の世界を担うリーダーとしてより良い世界をどうすればつくれるかを考えてほしい」と生徒に訴えた。
2011年08月09日火曜日
多摩市内公園の放射線量自主測定、最新データを公表 エネシフ多摩
市民団体「エネルギーシフトをすすめる多摩の会」(エネシフ多摩、林久美子会長)は8月9日、多摩市内の公園などで自主的に空間放射線量を測定した結果をまとめた表の最新版を、ホームページ上で公開した。7月までに実施した測定のデータに、今月3日市内9カ所で測定した値を追加した。
今月新たに測定したのは、交通公園、九頭龍公園(健康保健センター隣)、聖蹟桜ヶ丘交番前(写真:武内よしえさんのブログよ り)、桜ヶ丘4丁目交番前、和田公園、多摩センター三越前、鶴牧西公園、中沢池公園、唐木田1丁目すももくぼ公園。それぞれの場所について地上1メートル と地上5センチで測った。このうち、聖蹟桜ヶ丘交番前の地上5センチで0.11マイクロシーベルト/時間(μSv/h)、唐木田すももくぼ公園の地上5セ ンチで0.10μSv/hと若干高めだったが、全体的にはこれまで同様、突出して大きな値が測定されることはなかった。
エネシフ多摩はまた、今週11日(木)に関戸公民館で「市民の意志あるお金で取り組む、自然エネルギーの普及促進」と題した講演会を主催する。官民 連携による自然エネルギーの地産地消と市民ファンド組成の成功例として全国から注目される長野県飯田市で、主導的役割を果たしてきたおひさま進歩エネル ギー株式会社の原亮弘(はら あきひろ)社長が講師を務める。多摩市の阿部裕行市長と、NPO法人環境エネルギー政策研究所(略称ISEP、飯田哲也所長)の古屋将太研究員も、ゲスト としてコメントする予定。講演会の詳細も同会ホームページに掲載されている。
市内小・中学校、幼稚園、保育所、児童館等のグランドでの空間放射線量測定について (多摩市ホームページ)
(写真)放射能の土壌汚染調査の結果を発表する放射能防御プロジェクトの人たち=8日、参院議員会館








































































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